そこまでにしとけよ藤村   作:ワラスペ

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評価が上がりハイテンションな私です。
皆さんのご好意ありがとうございます。




そこまでにしておけ藤村

約束された勝利の剣。

シンプルに飾られたそれを両手に握りしめ、アーチャーは王へと歩み寄る。

 

「英雄王、一つ聞きたい」

「何だ雑種」

 

訝しを秘めた紅い双眸がアーチャーへと向けられる。

 

「英雄王。貴様の宝物は確かに本物、対して私が今手にしているのは偽物だ」

「何が言いたい?」

「私は今まで神が造った人々の願いまで剣製して来た…だがそれは未だに”唯の偽物”だと呼べるのだろうか?それはどこまで通じる?」

「ほう?」

 

先程とは違い愉悦を帯びた目で見つめ返す。

 

「雑種の分際で神を越えんとするか。だが雑種、貴様のそれは所詮ガラクタだ」

 

背にする波紋が王を誇示するかの様に展開を広げ周りを黄金へと染める。

 

「我が品定め手にした物こそが本物だ。薄汚い雑種が造り上げた物など所詮塵芥。だが許そう。そして誇れ。その身を以って本物を味わうが良い」

 

彗星と呼ぶに相応しい幾つもの宝物が放たれ、その場は一変にして神話へと変わる。

 

「さぁ雑種よ。どう来る?」

 

時を忘れた神話の最中、アーチャーは片足を地面に叩きつけ次なる投影を開始する。

 

「投影開始、”千山斬り拓く翠の地平”」

 

地面から湧き出た巨大な剣、あらゆる建造を越えた巨大剣は彗星を蹴散らし王へと矛を向ける。

 

「それか。面白い」

 

対する王も千山斬り拓く翠の地平を取り出し偽物に打ちかます。

原典である本物と本物に限り無く近い偽物は互いに拮抗し、相打ちへと終わる。だが神話は終わらない。

無限に生み出され放たれる本物は終わる事を知らない。

 

「ちっ!”約束された勝利の剣”!」

 

二つの剣から放たれる黄金の光が王を染める。

これで終わり。

ーーーでは無いとアーチャーの予感は告げていた。

その予感に従い二つの剣を地面に突き刺し片手を握りしめ胸へと当てる。

 

「”I am the born of my sword”」

「悠長に構えてる暇は無いぞ雑種!」

 

彼の予感は正しかったのかギルガメッシュは黄金の光から空中へ飛び出し上方から宝物達を放つ。

 

「”Steel is my body, and fire is my blood”」

 

握りしめた方とは別の手で熾天覆う七つの円環を上方へ向け展開し、宝物達を防ぐ。

 

「”I have created over a thousand blades.

Unknow to death. Nor known to life.”」

「小癪な!」

 

重力をその身に浴びながら宙に身を置くギルガメッシュは王の財宝を一つだけ展開する。

 

「”Have withstood pain to create many weapon.

Yet, those hands will never hold anything.”」

 

ギルガメッシュが唯一つ取り出したのは”原罪”。

それを手に円環を突き破らんと向ける。

 

「”So as I pray, unlimted blade works”!」

「終わりだ雑種!」

 

原罪が円環を突き破られたと同時に炎が吹き荒れ、周りの風景を侵食した。

 

 

 

無限に広がる荒野。そこは無数の剣が墓標の様に突き刺さり空には曇天混じりの夕焼けと巨大な歯車が浮かぶ世界。

その果てしない世界に金色の鎧を身に纏った男、ギルガメッシュと赤い外套を身に纏った男、アーチャーが佇む。

 

「固有結界か。その思考賛美に値する」

「ここなら誰にも邪魔されない」

「良いだろう。貴様の戯言に付き合うのも悪くない。だがその首何故付いている?」

 

金色の波紋、王の財宝から長身の太刀を取り出したギルガメッシュ。

その姿が残像へと変わり、アーチャーの横へ回り込み太刀を振り下ろし、夫婦剣と長太刀が交わり金属音を鳴らす。

斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。

だがアーチャーの手にするは所詮贋作、ギルガメッシュの攻撃に押し負け刀身にヒビが生じ砕け散る。

アーチャーは小細工程度に干将・莫耶をギルガメッシュに投げ捨て間合いを取る。

 

「投影、開始ーーー是、射殺す百頭」

 

投影するは巨大な斧剣。左腕を前に出し掲げる様に構える。

更に空を埋め尽くさんと言わんばかりに投影したのは勝利すべき黄金の剣。

 

「いくぞ英雄王ーーー武器の貯蔵は充分か」

「はっはっはっ‼︎面白い、面白いぞ雑種!」

 

斧剣を手に駆け出したアーチャー。

狙いを定め九つの斬撃を繰り出し、輝く無数の剣が降り注ぐ。

一撃が必殺、一瞬が絶命。

その状況において王は鍵を取り出した。

 

「目覚めよ、エア」

 

王の声に応じて乖離剣は目覚める。

そして、それら全ての攻撃を黒き暴風によって蹂躙した。

王が手にした乖離剣は黒く、剣と呼ぶには歪な物だった。

 

「褒美だ贋作者。我が持ち得る最強で貴様を捻じ伏せよう」

「投影、開始」

 

対してアーチャーの手には青い柄に金色の鍔で装束された西洋剣。

かつてアーサー王が手にしていた最強の剣。

天地を乖離した剣が黒き暴風を纏いながら荒れ狂い、勝利の剣が光の奔流を促す。

 

「行くぞーーー”天地乖離す開闢の星”」

「ーーー”約束された勝利の剣”」




なぜ我様だけ真面目にするのか?
…かっこいい我様が見たいとです。
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