ギルガメッシュとアーチャーが消え去った中、ランサーは己に突き刺さった紅槍を抜き始めた。
ズボ、スボボボボボボボ
「お、おううう」
「私も手伝うわ。それ!」
スボッッ‼︎
「あぎゃ⁉︎」
藤村の手助けと溢れ出す血、痛みに耐え槍を抜く事に成功したランサーは英雄王から授かった塗り薬を胸部に塗り夜空を見上げる。
「はぁ。…帰るか」
そして槍を手にし校庭を去ろうとした刹那
ガサッ
足音が響き渡った。
「っ!誰だ⁉︎」
突如走り出した足音の主をランサーは追いかける。
「目撃者か!待ちやがれ」
「おつかれー」
夜の校舎を疾走するランサー。
「あの野郎、意外と足はえーな」
気配を探り廊下を駆ける。
「こっちか」
階段を駆け上がり次の曲がり角を曲がろうとした瞬間、ランサーに巨大な影が差し迫る。
「ー”是、射殺す百頭”」
「ぎゃあああああ⁉︎」
一撃を貰い受け倒れるランサーに赤毛の少年は次なる一手を畳み掛ける。
「止めだ!”刺し穿つ死棘の槍”!」
「あぎゃ⁉︎」
ランサーの心臓を突き、ついでに”破戒すべき全ての符”を突き刺した少年はその場を去った。
「ぐふっ…塗り薬足りるか?」
学校を後にし家に帰った赤毛の少年もとい衛宮士郎は一息着くため一人鍋をしていた。
「くぅ〜助かりましたw」
先程の緊張のせいか食事のペースが早まる士郎。
「それにしても藤ねえ夜遅くまであそこで何してたんだ?」
「いいから坊主早く肉取れ肉。煮え切るぞ」
「あ、すまん助かる」
「おう。気にすんな」
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
「なぁ坊主知ってるか?大阪って所にはポン酢の種類が沢山あるんだってよ。大阪のスーパーに行ってビックリしたって言峰の野郎が言ってた」
「へぇ〜それは気になるな。今度行ってみるか」
「そん時は土産頼むぜ」
「了解。あっ!そのほうれん草良い感じだぞ」
「おっ?こりゃあ美味そうだ」
「「はっはっはっはっ!」」
「……。」
「……。」
「って!お前いつから居やがった!」
「気づくのがおせぇよ‼︎」
そう士郎の向かいには青タイツことランサーが鍋に箸を伸ばしていたのだ。
「何しに来やがった!」
「落ち着け坊主。ちと話を「”是、射殺す百頭”!」うぉ危ねぇ⁉︎」
間髪入れずに斧剣をランサー目掛けて入れるが俊敏性に優れたランサーは直ぐさまに避け士郎の鳩尾に蹴りを繰り出す。
「ぐはっ!」
そしてランサーは続け様に士郎の胸倉を掴み庭へと投げ飛ばした。
窓ガラスを突き破りヤムチャよろしく庭に倒れる士郎。
「くっ…な、何か武器を。…そうだ!」
「あ、おい!逃げんな坊主!」
月灯りが照らす中、四肢に力を入れ立ち上がり士郎は蔵の中へと入って行った。
ガラクタだらけの中取り出したのは一つ黒光りしたコンテンダー。
(爺さんが言っていた)
”もし士郎が◼︎◼︎◼︎で困った時、この拳銃を使いなさい”
(あの時、話半分しか聞いていなかったから覚えていないが確かに切嗣は”困った時”って言っていた!)
右手で拳銃を握りしめ銃口を近づいて来るランサーへと向け、左手で右手を下から支える。
「ほう?飛び道具か」
(落ち着け…。あいつは油断しきっている。やるなら今だ)
ゆっくりと引き金に絡めた人差し指へ力を入れる中。ふと士郎の頭に記憶が蘇る。
”もし士郎が一発芸で困った時、この拳銃を使いなさい”
(………………えっ?)
パン!
破裂音と共に色取り取りの紙吹雪とリボンが飛び散り銃口の先からは”どうも衛宮です(笑)”と書かれた横断幕が垂れ下がっていた。
「…何コレ」
「ま…まぁお前エミヤって言うんだな。その、まぁよろしく」
「あ、うん。よろしく頼む」
戸惑うランサー。
徐々に光出す描かれた魔法陣。
そして突然焦り出す士郎。
(なぜだ爺さん…!なぜ…!)
”士郎はそういう笑いとるのとか苦手そうだからね”
(いや、ここまでしなくても…!)
”だって衛宮笑わないでしょ”
(ちょっと黙っててくれ美綴)
聞こえ出す同級生の声
だが、そんな物構うもんかと語るかの様に魔法陣から衝撃が醸し出す。
「おいおい次は何だって言うんだ」
「…!こいつぁ7人目のサーヴァントか?」
「サーヴァント?」
「後で話す」
衝撃波が治り、埃舞うその場から一人の影が写る。
「Please say answer…(問おう…)」
カシャンと響く金属音。
埃が晴れ現すその姿は異国人を思わせる綺麗な金色の髪に少女と呼べる素顔。だが凛とした雰囲気と格好から騎士と思わせる。
「Are you my master?(貴方が私のマスターか?)」
顔を汗まみれにするランサーを横目に溜息を吐いた士郎は少女に目を向け彼女へと歩き出す。
そして地面に正座し両手を着き深々と頭を下げる。所謂、土下座だった。
「What are you doing⁉︎(何をしているんですか⁉︎)」
「…でお願いします」
「Pardon me?(えっ?何ですか?)」
混乱する少女に顔を上げ真っ直ぐな瞳でこう言った。
「日本語でお願いします」
一応セイバーとの魔力を供給するパスは通じてます。
その代わり言語のパスは通じていません