モンスターハンター ~狩人ノ手記~   作:活字の嵐

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 予定がずるずると長引いた影響で、投稿が遅れました活字の嵐です。まずはすみません!そしていつも読んでくださる読者の皆様、いつもありがとうございます!(*^^*)
 では、第十二話をどうぞ!


#12 以外な再会

 「ふむ…」

 男は、部屋の中で一人呟いた。とても小さな、ため息のような呟きだった。

 男が身に纏っているものは、ハンター達が纏うような、堅牢な防具ではない。動きやすさを重視し、事務仕事に適した簡素な古龍観測所の制服である。

 男がいる部屋では、同じような制服を着た職員達がそれぞれの机に向かい、事務に忙殺されていた。恐らく誰も、男の小さな呟やきなど聞こえてはいないだろう。

 男の手には、ある一通の手紙があった。つい先程、ギルドから送られてきた手紙である。

 そこには、このような文面があった―

 

 発、ハンターズギルド バルバレ支部

 宛、古龍観測所 生態調査部

 

 前略 ハンターズギルド バルバレ支部から、貴所のハンターによる調査隊派遣の要請について回答させていただきます。

 バルバレ支部は検討の結果、貴所の要請に応じ、ハンター八人、ギルド所属の観測員二人の計十人を臨時調査隊として、原生林狩猟区に派遣することを決定致しました。

 調査隊は、既に原生林狩猟区付近にあるチコ村へ向かい、目下撃龍船で移動中です。また到着後の指揮は、貴所のチコ村支部に一任します。

 その他、連絡事項等ありましたら、チコ村支部まで連絡を願います。

 

 追伸―臨時調査隊のメンバーの名簿を同封しました。確認をよろしくお願いします。

 

               敬具

     

 ハンターズギルド 最高責任者      

  

 「ギルドの調査隊か…ハンターを八人とはな。しかし、これでは討伐隊ではないか…まあ、その方が我々にとっても都合がいい」

 その男の独り言は、すぐに職員達の喧騒に包まれ、周りには殆ど聞こえなかった…

 

     *    *     *

 

 「船が着いたニャア!」

 その一声を合図にするかのように、チコ村の小さな港は、瞬く間に大勢のアイルーで溢れかえった。

 絶海の孤島という交通の便の悪さから、チコ村を訪れる船は極端に少ないらしい。あるとすれば交易目的のキャラバンの船ぐらいだが、場合によってはそれすら来ないこともあるという。

 そんな中で、ギルドのマークをでかでかと付けた撃龍船が入港すれば、当たり前だがそれは村のアイルー達の注目の的となる。

 そして、撃龍船の入港は、暇をもて余す俺の野次馬心を大いにくすぐるものでもあった。

 かくして、俺はジルを引き連れ、今、チコ村の港の桟橋に立っている。

 「にゃあ…でっかいにゃ…」

 「ジルは撃龍船を見るのは、初めてか?」

 「はいにゃ。話には聞いていたけど、実際に見るのは初めてにゃ」

 「だろうな…この船は、元々モンスターの狩猟に使う船なんだ。強度も高いし、リオレウスのブレスを受けても、びくともしない。凄い船だよ」

 「こんな船を使わないと、狩れないモンスターもいるのにゃ?」

 感嘆の表情のまま、ジルは俺に問い掛けてくる。

 「ああ。この船よりもっとでっかいモンスターだって、この世界中にわんさか―」

 「先輩!レツ先輩じゃないですかー?」

 「ん?ジル、今何か言ったか?」

 「何も言ってないにゃ」

 「じゃあ今聞こえた声って…いやまさかそんな筈は…」

 「ぶつぶつと何言ってるにゃ?」

 「いや、何でもないよ」

 俺がそう言ったちょうどその時、撃龍船から何人かのハンターが降りてきているのが見えた。

 そのうち、先頭のハンター―レウスシリーズの剣士用防具に身を包んでいる―が、俺に向かって全速力で駆けて来るのも、しっかりと見えた。

 「―オーイ、レツ先輩~!」

 そんな気の抜けるような声も聞こえる。

 一瞬、俺はそのハンターが誰だかよく分からなかった。

 が、防具を外している頭の黒髪と、少年の面影を濃く残す顔が近づくにつれて、俺は、そのハンターが誰だか分かった。

 とても、とても以外な人物だった。

 「―って、ルーカス!何でお前がここにいるんだ!?」

 そんな言葉が思わず口から飛び出るほどに、だ。

 

     *     *     *

 

 「いやー、びっくりしましたよ!まさか先輩がチコ村に来てるなんて!所で、先輩といつも一緒にいるエドさんはどこです?」

 挨拶もなしに、ルーカスは唐突に言った。

 「エドはキャラバンの船で寝てる…というか、俺にとってはお前がここに来ること自体が驚きなんだが…」

 「レツさん、この人は誰にゃ?」

 ジルが困惑の表情で聞いてくる。

 「ああ。こいつは…」

 「僕はレツ先輩の頼れる後輩、ルーカス・ハワードさ!よろしく、アイルー君!」

 「よ、よろしくにゃあ…」

 「…で、そーいうお前は、なんでこんな辺鄙なとこまでわざわざ来たんだ?確か、『今はドンドルマに住んでる』って前に言ってたろ?」

 わざわざこんな所までギルドの船で来るからには、それなりの理由があるはずと思い、俺はルーカスに聞いてみた。

 「調査隊ですよ。ギルドから調査隊が派遣されることになって、僕達が集められたんです。何でも、モンスターの生態調査だとかで…」

 「生態調査か…しかしハンターが多いな、一体何人いるんだ?」

 「僕を入れて八人です。ただ…」

 「ただ?」

 「一人負傷して、動けないんです。みんなどうしようかって言って困ってるんですけど…」

 「へぇ…モンスターにやられたのか?」

 「あ、はい。リオレウスに…」

 ん…?リオレウス…?まさか…

 「なあ、そのリオレウスって、傷だらけだったか?」

 「…え?あ、はい。足と翼にわりと新しい、大きな切り傷が…多分他のハンターにやられたのかと」

 「やっぱり…」

 「…?どうかしましたか?」

 「いや、何でもないよ」

 そのリオレウスに傷をつけたのが俺だとは、なんだか言いにくかった。同時に、こうなるのならリオレウスを討伐しておけば良かったという、後悔の念が頭をよぎる。

 「それと、困った事がひとつあるんですが…」

 「何だ?」

 「調査隊の人数が、一人足りなくなってしまったんです…それで…」

 「それで?」

 「先輩、エドさんも一緒に来てるんですよね?」

 「ああ、そうだけど…」

 「だったらお願いがあります!エドさんに、調査隊を手伝ってくれるよう、一緒にお願いしてもらえませんか!?」

 「何でエドに?別に俺でもいいんじゃ…」

 「実は…負傷したハンターがガンナーで…ギルドの方からも『必ずガンナーを二人同行するように』ってしつこく言われましたし…」

 「そうか…でも、何だかいつもより厳しくないか?」

 ギルドが、そこまで厳しくハンターを指定することはあまり無い。例外があるとすれば古龍の討伐作戦くらいだが、この島に古龍がいるとは考えにくい。

 「ええ。その点は他のハンター達も言ってました。何ででしょうか…?」

 ルーカスはそう言って、首をかしげた。

 「さあな…とりあえず、さっきのことはエドに聞いてみる。後でこっちの船に来てくれ」

 「あ、はい。分かりました」

 「おーい、ルーカス君!早く来てくれー!」

 俺の向こう、船から降りてきたハンターから、ルーカスを呼ぶ声がした。

 「はい!今行きます!じゃ先輩、後でまた来ますから!」

 そう言って、ルーカスは走り去っていった…

 

     *     *     *

 

 船に戻った後、俺はルーカスと話したことをエドに話した。

 「…という訳なんだが、どうするエド?」

 「調査隊ねぇ…報酬も出るのか、レツ?」

 「ああ。ギルドの方にも確認を取った。手伝ってくれるなら、その分の報酬は出してくれるらしい」

 「なるほど…行程と場所は?」

 「期間は三日から一週間。場所は狩猟区よりも外側の密林地帯、観測船から見えない部分を集中的にやるらしい、としか教えてもらえなかった」

 「【桜花】は修理中だしな…大鬼ヶ島を使うか」

 「ということは…行くのか、エド?」

 「ああ。やることも特に無いし。日程とか分かるか?」

 「ルーカスが知ってる筈だ。明日返事を聞きに来るらしい」

 「了解。しっかし、あんなにヒョッコだったルーカスがなぁ…いや、それはレツもか」

 「…そうだな。時間の経つのは、本当に早い」

 「だな。そー言えば、六年前のこのぐらいの時期だったっけなあ~。新米だったお前らが無謀極まりない狩りに出たのって」

 「そうだったな…あれからもう六年か…」

 「ふにゃ?どんな狩りにゃ?」

 お茶のお盆を持って、ジルが俺達の間に座った。

 「うーん、俺はあの時あの場に居なかったからな…話してやれよ、レツ」

 「まあ、随分前の事だからな…聞きたいか、ジル?」

 「聞きたいにゃ!」

 「じゃ、話すか…あれは六年前、まだ俺とルーカスがヒョッコの訓練生だった頃のことだったか…」

 そう前置きして、俺は思い出話を語り始めた…

 




 新キャラ『ルーカス』、実は原案で既に人物像が決まってました。
 しかし…原案のメモがあっても名前がやっと決まっても、最近書く時間が殆ど無い…辛いです…
( ´-ω-)
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