モンスターハンター ~狩人ノ手記~   作:活字の嵐

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明けましておめでとうございます。なんとか第二話を書き終えました。


#02 狩猟からの帰途

 遺跡平原狩猟区のベースキャンプにて―

 「レツ、もうすぐ迎えが来るぞ」

 「もう少し待てっ!以外にっ、この汚れがっ、しぶといんだよっ!」

 半ば呆れ顔のエドを尻目に、俺はたわし片手に膝まで小川の水に浸かりながら、41式と防具に付いたリオレイアの帰り血と『格闘』していた。

 「お前がっ、もうちょっとっ、早く来ればっ、こんなにっ、手間かからなかったんだっ!!」

 防具の継ぎ目にこびりついて固まったリオレイアの血は、力一杯こすってもなかなか取れない。

 「いやー、あんたと合流しようとしてたら、偶然アオキノコの群生地を見つけて―」

 「どうせっ、またアイルーをっ、追い回してたんだろっ!」

 言い逃れようとするエドに対し、ピシャリと言い返す。この男、ガンナーとしては一流なのだが、『毛並みの良いアイルーを見つけると、所構わず抱きついて撫でまわす』という妙な癖があるのが残念である。

 「まあ、あえて言い訳はしないが―」

 もうすでにしてるだろ。

 「迎え、もうそこまで来てるぞ」

 「――え?」

 耳をすますと、アプトノスの鳴き声とガタゴトという竜車の車輪の音がベースキャンプに近づいてきていた…

      *   *   *     

 竜車の車上にて―

 「へっくしょいっっ!!…うー、寒…」

 「そりゃ寒いよな。インナー一枚じゃ…」

 「うるさい!」

 結局防具だけは乾かず、俺はインナー一枚で震えながら座席に座ることとなった。荷台では防具がびしょ濡れになって転がっている。

俺の横の座席に座っているエドが、自分のポーチから何やらドリンクのようなものを取りだし、グイッとあおる。

 「何だよ、それ…へっくしゅ!」

 さっきからくしゃみばかりしている俺に、エドはもうひとつ同じ物をくれた。

 「元気ドリンコ。やるよ」

 「さんきゅ…くしゅ!」

 ビンの蓋を開け、エドと同じように一気に飲み干した。ほろ苦さの後に、ニトロダケの辛味が身体を暖める。

 「どうだ、少しはマシになったか?」

 「ああ…へっくし!」

 暖かいのは、案外身体だけではないかも知れない…

       *   *   *

 半日ほど竜車に揺られて、俺達は現在の拠点であるバルバレに帰還した。防具も(大体)乾いたので、俺は防具を着けた。

 その後、俺達は今世話になっているキャラバンの所へと向かった。

 「おお、レツ君、エドウィン、よく帰って来てくれた!」

 そう声をかけてきた初老の男は、俺が世話になっている商人キャラバンの団長であり、エドの父親でもある、ゴードン・ウィリアムズだ。

 「どうも団長。ところで、今日の飯は何ですか?」

 「はっは、食欲の方が先にくるかぁ」

 「当たり前でしょう。ギルドの不味い携帯食料より、ここの飯の方が百倍旨い」 

 「そうだろうなぁ、すぐに準備させるからちょっと待っててくれ」

 しばらくして、キャラバン所属のキッチンアイルー特製の料理が俺達に振る舞われた。

 「ところで――」

 食事を始めたエドに、唐突に団長は切り出した。

 「そろそろ、バルバレを離れようと思う」

 「何でだよ、親父」

 これはエドだ。

 「ギルドの職員に聞いたんだが、後三週間ほどで集会所の移動を始めるそうだ」

 「そういや、集会所の様子がいつもより慌ただしかったな」

 「それに合わせて、他の商人も移動の準備を始めている。だが、ここのハンター向けの市場はもう飽和状態だ。そこで我々もそろそろここに見切りを付けて、別の場所へ行こうと思う」

 「で、何処へ行くんだ?」

 「チコ村だ。あそこは最近できた狩猟区がある。そしてやって来るハンターの数に対し、商人が圧倒的に少ない」

 「なるほど、絶好の場所って訳か。俺にとっても…」

 「ん?エド、最後に何か言わなかったか?」

 基本的に商売の事には口出ししない俺だが、この時ばかりは食事の手を止めてエドに尋ねた。

 「いっ、いやー何も言ってないぞ。ははは…」

 嘘だな。俺は思った。チコ村の人口の九割はアイルーだ。つまりアイルー(毛並みふさふさの限定)が大好きなエドにとっても、チコ村は『絶好の場所』ということだ。

 やれやれとばかりにため息をついた俺を、団長は不思議そうな顔で見ていた…

 

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 『それ』はとてつもなく飢えていた。

 食べても食べてもその空腹は満たされることはなく、『それ』は焦りにも似た衝動に駆られていた。

 生命を繋ぐためにももっと、もっと食べなければ…

 その衝動のままに、『それ』はその巨体をゆっくりと起き上がらせた。

 

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 登場人物紹介(2)

 

 ゴードン・ウィリアムズ

 レツが所属する商人キャラバンの団長であり、エドウィンの父親。おおらかな性格。エドウィンの(過度な)アイルー好きには全く気づいていない。




1月2日より、しばらく休載します。第三話もご期待ください!
             活字の嵐

 もう少し人物描写練習しよ…
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