新・外史 銀河英雄伝説   作:山桜

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あけましておめでとうございます、山桜です。

皆さんは今年の抱負は決めてますか?
私は“有言実行”です!なんとか期限内に書いていく所存ですので、応援よろしくです!


第二話 ささやかな出逢いと別れのあいだ

宇宙暦788年(帝国暦479年)

10月4日

首都ハイネセン・統合作戦本部

 

-ローラン side-

 

今頃ヤンはローザス提督にお話を伺っている頃だろうなぁ、と気持ちがブルーになりながらも俺は統合作戦本部内の資料室で当時の記録や戦闘詳報、行動調書などを読み込んでいた。戦闘詳報や行動調書には、何月何日何時何分に○○艦隊所属の○○分艦隊がミサイル攻撃を行った、というように戦闘の経緯や推移が書かれている。例えば、今俺が調べているアッシュビー提督の死に関する戦闘詳報は、

 

1907時

同盟軍旗艦・ハードラックの艦体中央部右下へ中性子ビーム砲による被弾、爆発後、火災発生。被害は艦橋にまで及び、艦橋要員数名が宇宙へと吸い出された模様。

15秒後、二次爆発。宇宙艦隊司令長官・ブルース・アッシュビー大将、爆発の際に飛来したセラミック製の大破片により腹部に裂傷。

1909時

ブルース・アッシュビー大将、出血性ショックにより、戦死。

 

とこのようにまとめられている。わずか数行ではあるが、この時の同盟軍将兵は会戦の勝利を忘れて悲嘆に暮れたというから、立体コンピュータで打ち込まれた文字からでも悲しみようが伝わってきそうだ。

 

(そして、彼が戦死してからおよそ半世紀経った今、謀殺説が浮かんでくるとはな。稀代の英雄は死ぬ時も明瞭でなくちゃならないとは、おちおち死んでもいられんな)

 

その点において、俺やウェンリーのような即席英雄の偉業とやらは歴史書の数行くらいの記述でいい分、どう死のうと構われはしないだろう。

 

「それにしても……」

 

俺は第二次ティアマト会戦の各艦隊の行動調書を見て呟いた。他の戦闘でもそうなのだが、この会戦におけるアッシュビー提督の采配は特におかしいのだ。序盤の帝国軍の繞回運動を完全に見切ったアッシュビー提督は、通常では考えられない兵力移動を行った。戦闘詳報では、事前に集めた情報ではここまでの決断に至れるほどの証左になるようなものがほとんど見当たらなかったのだ。

まるで――

 

「まるで“未来予知でもしているかのようだ”?」

「うおわぁっ!?」

 

思考の海に沈みかけていた意識が、聞き知らぬ声によって引き上げられ、それと同時に椅子から転げ落ちた。強かに腰を打ち、痛む腰をさすりながら見上げると、妙齢の女性下士官の姿がそこにはあった。

なんというか、とても綺麗な人だった。褐色の肌に色素が少し濃い唇、瞳は大きく理知的な印象を与えて鼻もすっと通っている。

 

「ちょっと、大丈夫?驚かせてごめんなさいね?」

 

差し出された手を取って立ち上がると、俺より少し高い目線から顔を覗き込まれた。背筋も綺麗に伸びていて、色気が感じられない同盟軍の軍服の上からでも均整のとれていると思わせるモデルのような体つきをしている。一瞬、ほんの一瞬だけ見惚れていると、女性が俺の首元の階級章に気づいた。

 

「あっ……!し、失礼しました!」

 

慌てて敬礼する彼女の階級章は半分に欠けた棒が一本入った中尉であった。その慌てる姿もまた、可愛らしくて思わず笑みがこぼれそうになったが、それは失礼だろうとなんとか堪える。

 

「い、いや、大丈夫だ。昔からこんな見た目だから、よく間違えられるんだ。その、子供なんかに」

 

代わりに上手く話すことができなくなっていた。何故かよくわからないが、緊張やら焦りやらを感じる。

 

「だから、別に階級で気を遣う必要はない。

……それより、『未来予知』がどうのっていうのは?」

「あぁ。私、航法担当士官なんです。士官学校在学時に講義でそれが題材になったことがあったんですけど、私も友達も皆、『まるで未来予知でもしているかのようだ』って話してたんですよ」

「なるほど……ん?なんで俺が考えていたことがわかったんだ?」

 

そう言うと彼女はきょとんとした顔になったと思えば、急に笑い出した。

 

「なにがおかしい?」

「ふふっ……!だって少佐さん、考えていることが途中から声に出てたんですもの」

 

顔が羞恥によって紅くなるのを自覚してそっぽを向いた。考えることに没頭すると、それを声に出してしまう癖は昔からあった。試験の時はその癖が出ることはなかったが、レポートなどを書く時にはその癖が出てしまい、俺の知らぬ間に友人の何人かがインタビューよろしく声に出した内容をメモしては、レポートに書くようにしていたという。

全くもって自分でも難儀だと感じる悪癖だ。

 

「……笑いすぎだろ」

「あら、ごめんなさい。でも可愛らしいですよ?」

「可愛らしいと言われて嬉しく思う男はいないからな?」

 

俺の呆れ言葉にまた笑い出す彼女。見てる分には可愛らしく、それを見てると動悸が激しくなりそうだった。

理由不明の動悸に困惑しながらも、航法担当士官であれば俺とは別の視点からこの会戦を見ることができるのではないか、と思い当たった。

 

「ところで、他にこの会戦について気づいたことはないか?」

 

笑い続けていた中尉がようやく落ち着いて、手元の書類を覗き込んできた。

 

「そうですね……やはり帝国軍が戦力を二つに分けて、同盟軍を前後で挟もうという意図を完全に見抜いているところがおかしいですね。資料じゃそれを裏付ける物証はなかったようですし」

「うーん、やっぱりそこだなぁ」

 

この時、俺の脳裏にはいくつかの可能性が浮かんでいた。

 

一つ、先ほど彼女が言ったように、アッシュビー提督に未来予知能力のようなものを持っていた、という可能性。しかしこれはあまりにも荒唐無稽であり、万が一これが本当であったとしても確かめる術はないし、第一、未来を知れるなら戦死だろうと謀殺だろうとされているはずがない。考えるのも馬鹿馬鹿しいというものだ。

二つ、帝国軍の通信を傍受したという可能性。この可能性もゼロではないが、限りなく低いだろう。何故なら帝国軍はその傍受を恐れて本隊と別働隊との交信は封鎖状態だったらしかったのだ。実際、帝国軍のシュタイエルマルク中将が、アッシュビー提督が帝国軍の繞回運動を見抜いていることを悟った際に傍受を恐れて報告書をシャトルで送ったと、帝国軍の捕虜の話から分かっている。つまり、帝国軍の通信を傍受して繞回運動を見抜いたというのは無理があるのだ。

三つ、帝国軍内にスパイがいた可能性。これが最も可能性が高いのだが、一体どうやって送り込んだのか、どのように連絡を取りあったのか、そもそも一軍人がそのようなスパイ網を形成しえるのか、という疑問符がついてくる。よって最も可能性は高いが、それも消去法の結果でしかなく、想像の域を出ない。

 

結局、いろいろ考えては見たがどうもピンと来ないのだった。

 

「……大丈夫ですか、少佐さん?また考えが口に出てましたよ?」

「……できれば、忘れてくれるとありがたい、かな?」

 

またもくすくすと笑う彼女に、俺は紅潮した顔を隠しながらため息をついた。

 

「少佐さんのお名前、うかがってもよろしいですか?」

「……ローラン・ルクレールだ」

「ローラン・ルクレールって、あのヤン・ウェンリー少佐と一緒にエル・ファシルの民間人を救ったっていう、あの?」

「その民間人を救って英雄に祭り上げられてしまったローラン・ルクレールで間違いないよ」

「はあ。立体TVで見た時はもっと身長の高い人だと思っていました」

「ウェンリーと並んで頭一個分は低いんだぞ?」

「だから立体TVで見た時、ヤン少佐はきっと二〇〇センチくらいあるんだろうなぁって」

「それじゃあアッシュビー提督よりもっと高くなるじゃないか。あいつは偉丈夫どころか猫背なんだぞ」

 

まるで漫才のようなやり取りに彼女はふふっと楽しそうに笑い、俺もつられて笑った。

 

「君の名前は?」

「イヴリン・ドールトンです」

「イヴリン、いい名前だな」

「ええ、私も気に入っています。赤毛のアンと同じ名前ですから」

「赤毛のアン……ああ、モデルの方か」

「ご存知だったんですね」

「こう見えて教師になりたかったんでな、そういったことも知っておいて損はないと思ってな」

 

しばらくの間、雑談を楽しんだ俺たちはお互いの連絡先を交換して別れた。

 

(イヴリン・ドールトン、か)

 

俺の心にとても温かいものを残して。

 

◇ ◇ ◇

 

同年

10月5日

首都ハイネセン・後方勤務本部

 

「どうだ、なにかわかったか?」

「有益なことはなにひとつ」

 

不機嫌そうに答えるウェンリーに俺は首肯して同調した。今ひとつ、すっきりしないのだ。テーブルの上に置かれたフィッシュ・アンド・チップスもまだ半分ほど残っている。ウェンリーも食欲がないそうだが、ミルクティーは既に三杯目であるため、心身共にすっきりしないというところだろう。

 

「二人並んで不景気そうな顔をして。まだ調べ始めて三日目だろう?」

「二日で思い当たる節は調べ尽くしたんですよ。しかも期待していたローザス提督も知らないんじゃもう調べようがないでしょうよ」

「お前さんの方も駄目だったか?」

「知ってて言わないほど、俺の性格は悪くないですよ」

 

キャゼルヌ先輩とウェンリーがお互いの顔を見合って肩を竦めた。その行為に思うところはあったが、こほんと一つ咳払いをして話を続けることにした。

 

「いっそアッシュビー提督について、無名の兵士たちの肉声を聞いてみてもいいかもですねぇ」

「まぁ十中八九、批判の声が多いだろうがな。だが、“一将、功なって、万骨枯る”だ。人間社会における永遠の真理だ」

「じゃあ帝国軍の兵士に聞いてみたらどうなりますかね?」

「批判どころか、怨嗟の声に満ち満ちているだろうよ。尤も、聞ける相手がいないだろうがな」

「捕虜収容所にいそうじゃないですか?」

「仮にいたとして、ちゃんと答えてくれる物好きな捕虜がいると思うのか?」

 

それもそうか、と納得してソファにもたれかかった。この間、ウェンリーはずっと思案にふけっていたようで、今もティーカップの中で揺れるミルクティーを眺めている。

 

「そういえば、手紙の差出人についてなんですが、アッシュビー提督と結婚してその後離婚したという二人の夫人のどちらか、という可能性はありませんか?」

「……ふう、やれやれ。お前さんの脳細胞はそう怠け者でもないな。いいところを突いている。ブルース・アッシュビーには、周知のとおり二人の夫人がいた。むろん重婚じゃないが、その二番目の妻がルシンダといって……」

「そのルシンダ夫人が、火曜日通信の差出人だったということですか。夫の死について疑義を提出した、と」

「ですが、ルシンダ夫人は九年前に亡くなられているはずです。死因は睡眠薬の服用量を誤って、とのことです」

 

ウェンリーは少し驚くようにこちらへ顔を向けてきた。キャゼルヌ先輩もほう、という顔つきだ。

 

「もうそこまで調べ上げていたか」

「思い当たる節は調べ尽くした、と言ったでしょう。ちなみに最初の妻であるアデレード夫人はハイネセンの近郊で今も暮らされているそうですが、今回の件との関係性は薄いでしょう」

「つまり、霊界で現世への投書が流行していないとすれば、他の誰かが夫人の名を騙っていることになりますね」

「だな。さて、このことは調べればすぐにわかることだが、それを知らなかったのか――」

「――知っていて故意に死者の名を使ったのか、ですね」

 

調べれば意外と興味深い点があるが、先ほども言ったとおり、もうある程度調べ尽くしている。それにこの件の真相が明らかになったとして、それが自由惑星同盟、あるいは同盟軍の根幹を揺るがすようなものであるとも思えない。あくまで次の辞令があるまでの暇潰しでいいだろう。尤も、学校の教科書の内容を書き変えるような内容であれば、もう少し本腰を入れて調べてもいいかもしれない。

そこまで考えて昨日出逢った女性、イヴリン・ドールトン中尉を思い出した。実際に話した時間は三〇分もないだろうが、その僅かな時間が強く印象に残っている。

 

(また会えるだろうか)

 

ふと無意識にそんな考えが浮かんで頭を振った。まるで恋い焦がれているようじゃないか。俺は一目惚れした相手にいつ会えるか楽しみにするようなロマンチストだったか。

顔が赤くなりそうなのを必死に堪えて、俺は部屋を辞することにした。

 

◇ ◇ ◇

 

同年

10月9日

ローザス退役大将宅

 

それから数日後のことである。

ローザス提督の訃報が舞い込んできたのだ。俺は七三〇年マフィアの最後の一人がこの世を去ったという事実に、やはりウェンリーと共にお話をお聞きしたかった、と思う俺は不謹慎だっただろうか。葬儀は軍部葬だが、ただ一人の遺族である孫娘ミリアム・ローザスの強い希望によって自宅で挙行された。天候は分厚い雲に覆われていたが、一滴の雨も降ることはなかった。

 

「雨は降らないかな」

「なんとか降らずに済みそうだな」

 

俺とウェンリーも喪服を着用して式に参列したが、ウェンリーは軍服以上に喪服が似合わず、俺もこの童顔ならば学生服の方が周囲に与える違和感は少なかったことだろう。顔だけは神妙だったが、それもウェンリーはともかく、俺なんかは周囲から親か誰かに叱られたように見られているかもしれない。

ウェンリーは目立つつもりもなく、また声をかけられるのも嫌らしく、式場の隅のほうに引っこんだ。俺も直接面識のある方ではなかったためそれに倣った。

そうして座って間もなく、通信端末が震え、電話がかかってきたことを知らせた。相手はキャゼルヌ先輩だった。

 

「キャゼルヌ先輩からだ、ちょっと出てくる」

 

ウェンリーが頷いたのを見て、俺は式場の外で電話に出た。

 

「もしもし」

『おう、俺だ。もう来てるのか?』

「はい。式場の隅のほうでウェンリーと二人で大人しくしているつもりですよ」

『そうか、ヤンの奴も先に来てたのか。それじゃ、式が終わった後でな』

「はい、それでは失礼します」

 

電話を切っていざ戻ろうとすると、俺のそばに一〇歳を越したばかりくらい少年が一人立っていた。曇りなのに黒の日傘をさしており、肌も髪も文字どおり真っ白でルビーのように赤く綺麗な瞳をしている。身長は俺より頭一個分だけ低く、体つきはかなり細かった。

 

「どうした、迷子になったのか?」

 

その場でしゃがむことで目線を少年に合わせて、できるだけ優しい声音でそう聞くと、少年はおそるおそるといった風に頷いてみせた。

 

「そっか、ならお兄ちゃんと一緒に探そうか」

 

笑ってみせると、少年も少し安堵したように笑ってくれた。

もし士官学校へ行っていなければ、日常的にこんなやり取りができたかもしれない。だがこの時勢では教え子が軍に志願し、その先で死ぬことも多々あることだろう。その時、俺は耐えられたのだろうか。

少年の手を引きながら、そんな想いと疑問が頭の中を駆け巡っていた。

 

「お父さんやお母さんはどんな人なんだ?」

「えっと、ホントのおとうさんとおかあさんじゃない、けど、今のおとうさんとおかあさんはとってもやさしいです」

「そ、そっかぁ。じゃあその優しいお父さんとお母さんも心配してるだろうから、早く見つけなきゃね」

「うん」

 

どうやらこの子の家庭は複雑だった過去があるようだ。一瞬動揺してしまったが、この子の顔を見る限りは今の家庭ではとても幸せに暮らしているように見える。

 

「今日はおとうさんときてたんだけど、おとうさんがインタビューされてるときにはぐれちゃって……」

「インタビューってことは、お父さんは有名人なんだ?」

「うん。えっと、『わかてひっとうのこくぼういいん』ってよばれてた」

 

少年の言葉に自分の顔が強張るのを感じた。

『若手筆頭の国防委員』ってことはもしかして……?

 

「あ、おとうさん!」

「アル!はぐれたらダメだと言ったじゃないか!」

「ご、ごめんなさい……」

「まったく、心配したんだぞ?だが無事でよかった」

 

目の前で温かなホームドラマを展開しているアルと呼ばれた少年と“若手筆頭の国防委員”の三〇代前半の男性に俺は戦慄に近いものを感じ取っていた。

容貌や身のこなし、そしていつも上げられている口角、そして一八〇センチを優に超える高身長からはまるで舞台俳優のような印象を与えられるが、彼は今、若手代議員の中で最も勢いのある人物として知られている。最近、尖っていた雰囲気が丸くなったという評判もあるこの人物こそ、ヨブ・トリューニヒトであった。

 

(あー、嫌な人と出会ってしまったなぁ……)

 

思わず胸中の愚痴が外に漏れそうになったのを堪え、俺は気づかれないうちにその場を立ち去ろうとした、が。

 

「君!息子を見つけてくれてありがとう。名前を聞かせてくれないか?」

「いや、大した者ではないので」

「それでは私の気がすまないんだ。いつかお礼がしたいから、名前だけでも」

「……ローラン・ルクレール、です」

 

言わなきゃ帰してもらえそうにないような気がして名乗ってしまったが、どうやらこの名前とその持ち主の行いはトリューニヒトの琴線に触れたらしい。

 

「おぉ、君があのエル・ファシルの英雄の一人だったか!このような場所で不謹慎かもしれないが、会えて嬉しいよ」

 

無理やり俺の手を取って握手してきたトリューニヒトの目は存外に欲に眩んだようなものではなかった。本当に会えて嬉しそうに見え、人生経験が決して多いとは言えない俺でも根っこから悪い人間にも思えなかった。

 

「えっと、そろそろ戻らないと。友人を待たせてるので」

「友人とは、もしやもう一人の英雄であるヤン・ウェンリー少佐かな?」

 

この人はどうやら俺たちの階級まで知っているらしい。こんなインスタント・ヒーローなんてすぐに忘れるだろうにご苦労なことだ、と俺は辟易しながらも頷いてしまい、「彼にも挨拶せねば」と意気込むトリューニヒトをなんとか宥めた。

 

「流石に、ここで挨拶まわりをされては不謹慎だと騒がれるでしょう。それに、えっとアル君、だったかな?彼を放っていけばまた迷子になりますよ」

「うーむ、たしかにその通りだ。申し訳ないね。それでは失礼するよ」

 

やっと去ってくれるか、とため息混じりにもらしそうなのを堪えながら、俺も「それでは失礼致します」と敬礼して踵を返した。

 

「ローランお兄ちゃん!」

 

振り返ると、先ほどの少年アルがこちらを見ていた。

 

「おとうさんをさがしてくれて、ありがとうございました」

「あぁ、またな。元気でな」

 

俺も手を振って応え、今度こそウェンリーの元へと歩いていった。




いかがでしたか?

感想や質問、コメント、よければどしどしお送りください!とても励みになります!

投稿は1週間以内(1月14日木曜まで)にしますので、お楽しみに!

次回、第三話 フェザーンへの旅路

人は歴史を作りだし、人は歴史を語り継ぐ。
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