英雄に武器を託されて子供を守るのは間違ってるだろうか 作:こじこじこじこじこじこk
場面が変わりますのでご注意を
では、どうぞ
オラリオ・闘技場
ここでは祭りのメインイベントのガネーシャファミリアの団員によるモンスターの調教が行われている。
今も一人の麗人が一匹のモンスターの攻撃を躱し、その手にもつ鞭で攻撃を加えている。
彼女は圧倒的な実力差によりモンスターを殺さずに余裕を持って追い詰め、屈服させている。
さもありなん、彼女の所属するファミリアは都市でも上位に属する巨大ファミリアである。
彼女の様な実力者はファミリア内には大勢いるのだ。
なのでそんなファミリアの警備中の闘技場に忍び込み、捕まえてあるモンスターをワザワザ解放するなんてバカなことをする人間はいない。
そんなリターンが無さそうなことをするなら大人しく迷宮に潜っていた方が有意義だ
常識的に考えたらヤる人はいない。
そう、
ソコは、捕まえたモンスターを出番まで檻に入れていた場所だった。
だが今は何故か腰砕けになってただボーっと中空を見つめて動かない人達と、空になった檻。
そして、一柱の美しい女神が微笑んでいるだけ。
彼女の名はフレイヤ、美を司る神である。
何故、彼女が自分のファミリアでは無い、ガネーシャファミリアの管理・警備するその場に居るのか。
理由は簡単。好きなった子供にちょっかいをかけるために、ここに居たモンスターを嗾けるためにここに来たのだ。
彼女はその美貌でその場に居た団員達を『魅了』し、行動不能にした彼女は次はモンスターでさえも『魅了』して夢中になっている子供…………ベルに嗾けたところだ。
「ふふ、さてどうなるか見に行かないと。」
そう言って彼女はいまだに意識がはっきりしていない子供達を放ってその部屋から出ていってしまった。
さて、普通の話ならここで事件の仕掛けのパートが終わりこの後に主人公が身を粉にして解決するパートになるだろう。
だがこの世界には楽しい事に飢えた者たちが天界から降りてくる世界
そして、この世界には『酒と遊び』を司る神がいる。
そう、奇祭の匂いに敏感な『享楽』を司る神が
その場には、団員達と女神に解放されなかったモンスターのみが残っていた。
だが、暫くすると
ゾル
一人の団員の影から
ゾゾゾゾゾゾるゾゾゾゾゾゾゾルゾゾルルゾゾゾゾ
ナニカが這い出て来たのだ
それは最初、コルタールの様にドロドロの不定形の物体だった。
だが、ソレは段々形を整えていき人の形に成っていく。
暫くすると
そこにはシルクハットを被り燕尾服を着た幼女がステッキをくるくる回して立っていた。
「影から観察していましたが
フムフム、どうやらフレイヤさんには中途半端に術がハマっているらしいですね。
ホントだったら完全に欲望が暴走、オラリオは最大派閥のファミリアに蹂躙されてるはずだったのに~ざんねんです。」
彼女は今までのフレイヤの所業を見ていたのか、少し残念そうにしながらも、彼女はステッキを回す
そのステッキの先端からは銀の砂が流れ出て地面に落ちていく。
彼女の周囲に落ちていく
「しかも、フレイヤさんも中途半端にモンスターを放してつまんないですねーどうせならここにいるの全部放しちゃえば良いのに。」
くるくるクルクル回る廻る
次第に地面に落ちていく銀粉がとある図を描いていく
「どうせ神が試練を与えるなら~」
それは、二つの図形
消去の中に退去、退去の陣を四つ刻んで召喚の陣で囲んだ物
そこにはある存在を呼び出す召喚の魔方陣が、妖しい光を発していた
「
彼女は妖しい笑みを浮かべてステッキを止め、地面を軽く二回叩く
すると二つの陣の前に何かが転移された。
まぁ両方ともこの部屋に有ったものだが
1つの陣の前には『魅了された人』と『2本の槍』
1つの陣の前には『蛇形の魔物』と『篝火』
二つの陣にはそれぞれ二つの『触媒』を転移させ彼女は二つの陣に挟まれながら。
「さて、始めますかね
――狂祭を盛り上げる端役の招待を!!」
呪文を唱える
「素に塵と硝子! 礎に屑と叛逆の大公。
降り立つ風には垂れ幕を。 四方の扉は閉じ、シルクハットより出で、更地に至る交差路は循環せよ
閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。
繰り返すつどに4ダッケ?
ただ、満たされる刻を破却する」
それは無茶苦茶な呪文だった。
楽しそうに彼女は唱えているが、普通ならこんな呪文は作動しない。
だがこんな無茶苦茶な呪文でもそれが正しいかの如く魔方陣は激しく明滅している。
彼女は満足そうに頷き続ける
楽しそうに、唯これから召喚される者達を考えて楽しそうに。
「――――告げる。
アナタ達の身はワタクシの下に、アナタ達の命運はアナタ達の剣に。
魂の交差路を統べるワタクシの寄るべに従い、さっさと来なさい。
強制を此処に。
ワタクシは常世総ての魂を導く者、
ワタクシは常世総ての記憶を観る者。」
ここで彼女は一息入れてある一節を挟む
「アナタ達はその眼に偽りの記憶を焼き付け。魂の檻に囚われし者。ワタクシはその鎖を手繰る者」
この一節は普通の召喚なら狂化させるために入れる一節ではない
その一節は彼女のオリジナルであり、ある意味
彼女は笑いながら、余裕をもって呪文を完成させる。
唯、この祭りに一石を投じて楽しむ為に。
「汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
言葉を告げると同時に暴風が吹き荒れ、二人は地上に顕現した。
光が収まると同時に彼らの姿が視認できるようになった。
二人の影を視認し、彼女――クロアは命令する。
「こんにちはーお二人とも言いたいことはあると思いますが、取り敢えず――」
彼女は笑みを浮かべて二人に話しかける
二人の影はその命令を受けて暫く考えて、地上に向けて走り出した。
一人は憎悪を、一人は恋慕の表情を浮かべて。
放たれたモンスターにより騒がしくなってきた地上に向けて二人は疾走する。
「アハハ、さぁてあの二人は問題の二人にどんな試練を与えるのかな~。まぁ選択を間違えたりしたら…………都市は大炎上ですね。
では、ワタクシは高みの見物をしますかね」
彼女はクスクス嗤い、体をコルタール状にして影に戻る
そしてその場には謎の魔方陣と呆然とした団員の達、あとは去り際についでに虐殺されたモンスターの残骸が転がる、静かな部屋になった。
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ロキファミリアに所属するアイズ=ヴァレンタインは屋根の上を疾走していた。
彼女は自身の主神・ロキに連れられ祭りを楽しんでいるとガネーシャファミリアの団員達が武器を装備して街に散らばっていくのを見て、何か起きたと判断して近くにいたギルド職員に話を聞いてみた。
彼の話を聞いてみると、祭りの為に捕まえてきたモンスターが何体か檻から逃げ出したらしい。
その説明を聞いて彼女は直ぐにモンスターを討伐に向かった
彼女は街を俯瞰できる闘技場の上まで登るとモンスターの場所を確認して。
「
彼女の魔法『エアリアル』を発動した
『エアリアル』
風の付与魔法
防御や攻撃、移動に使える万能の魔法
この魔法で風を纏ったアイズは、今出せる最速速度で自身を射出し、瞬く間に6体のモンスターを屠っていった
が、
『ギャァァァァァァ!!!』
突然、遠くの地面から緑色の巨大な蛇の様な魔物が突き破って這い出てきた。
その魔物を見た瞬間、アイズは目標を蛇形の魔物に変えた。
冒険者として鍛えてきた勘があのモンスターは危険だと訴えている。
アイズは屋根から一気に緑の蛇形魔物の場所に行くため
自身を弾丸にして風を纏い跳躍し、家と家の隙間を通過しようとした
「見つけたぞ。」
だが、そこへ隙間からアイズに向けて槍が放たれる!
「っ!!」
その意識外の一撃をアイズはギリギリ対応し何とか体を回転し身体に当たることを回避。
その紅の長槍はアイズの風に触れ
ボヒュ!
「な!!」
槍の刃に当たった瞬間、アイズの風が解けてしまったのだ!!
その事実による驚愕と風が一瞬無くなったことによる推進力の激減によりアイズは屋根に落下してしまう。
アイズは直ぐに起き上がると屋根の上に上ってきた青年を睨んだ。
その青年は2本の槍を握っていた
一本は紅の長槍、もう一本は黄色の短槍
その槍は今まで見たどの槍より精巧で見事な名槍だと一目見て理解できる。
彼の容姿は頬に泣き黒子がついており、普段の彼なら優れた甘い容姿であることがわかる
そう、普段の彼なら
だが今は憎悪により顔は醜く歪み、目は血涙を流した後なのか真っ赤に染まり目の下に赤い線がクッキリと残っている。
その相貌からアイズは新手のモンスターかと思い襲いかかってしまうところだった。
「見つけたぞ」
ぽつりと青年は憎悪に染まった目線でアイズを見て呟く
「見つけた、見つけたぞ、見つけたぞ!!
勝つ為に、聖杯を獲得するために外道に堕ちた王よ。
この俺の……たったひとつ懐いた祈りさえ、踏みにじっり名利に憑かれ、騎士の誇りを貶めた亡者の片割れよ。
赦さん……断じて貴様らを赦さんッ!あの時に言った通りに地獄の釜にに落としに来たぞ!!」
彼は隙の無い構えで、アイズを通さないと2槍を構えた。
そして彼は吠える、怨敵の名を。
忘れることの無い、あの美しい金髪と風を操る剣の少女の名を
吠える
「誉れ無き円卓の騎士王!アーサー・ ペンドラゴンよ!!貴様の素っ首ここではね飛ばしてくれる!!!」
彼は目の前の少女に告げる
さて、その憎悪を向けられた当のアイズ様は…………
「いえ……………………人違いだと、思いますよ。」
ちょっと引きながらも正直に答えていた。
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ベル・クウネルは逃走していた。
彼は馴染みの店の店員にあるお買い物を頼まれ人を探していた。
そうして探していると、自身の主神に見つかり一緒に祭りを楽しみながら人を探すことになった。
そこまでは良かった
だが、運命は残酷だ
彼は広場を歩いていたときに偶々、闘技場から逃げたモンスターと遭遇し
何故か今まで人を傷つけずに何かを探している様な大型モンスター『シルバーバック』が此方を目標にして向かってきた。
ベルは訳も分からずに気による強化で応戦し立ち回っていたが。
彼の初心者用の短剣では歯が立たずに折れてしまい、彼は神様を抱えて逃走することになったのだが。
「くそ、あのモンスター全然離れない!」
「ベル君がんばれー!」
ベルは付かず離れず追ってくるモンスターに辟易しながらも冷静にある場所に向かっていた。
それはバベルの塔
冒険者達が集まるダンジョンの入り口がある場所。
ベルは武器を無くした時点で他の冒険者の助けを借りるために多くの冒険者がいるであろうバベルの塔に向かって中央通りを疾走していた。
「このままいけば!」
彼は安堵していた
これで神様を助けることが出来ると
だがもう一度言おう。
「うふふ
み
ぃ
つ
け
た
♡」
よりにもよって彼女とベル君が出会うとは
ゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾク!?!?
その場に居たものは例外無く、悪寒にみまわれた。
人であろうと、モンスターであろうと、神であろうと。
そして、皆一斉にある場所に振り返り、目を離せなくなる。
およそベル君から見て100メートル前方
ソコには一人の少女が立っていた。
その少女は服装は東方の地で着られている漆黒の「和服」を着ていた。
彼女は頭には白髪頭に角が生えている
彼女は手弱女の様な外見でちょっと攻撃しただけて死んでしまいそうだ。
だが彼女の気配は後ろのモンスターを遥かに凌駕する圧倒的な強者の気配がする。
それこそ、話に聞いた龍のような気配が――
「うふふ、うふふフフ。お久しぶりですですねま・す・た・あ。」
彼女はゆっくり歩いてくる。
「わたくし、良妻ですから、些か執念深い性質タチなので。どこに行ってもきっちり追跡させていただきました。国が変わろうが、大陸が変わろうが、世界が変わろうが。」
此方に熱い視線を向けながら
ヒタヒタ、ヒタヒタと
静かな足音をならしながら
「だって、それが「愛」ですもの。……ね?
遂にベル君から2歩歩けば触れられる位置に来た。
その間、その場に居た全ての者達は一歩も動けずに居た。
それは正に蛇に睨まれた蛙の様に、得体の知れない少女に皆が恐怖によって動けないで居た。
目線はベル君に固定されているが、一歩でも動けば自分達にも火の粉が降りかかるのではないかと思えて。
「ところで…………その腕に抱えている、無駄に肥えた小娘はなんですか?」
そこで初めて少女はベル君に抱えられているヘスティアに気づいた。
「まさ、か…………浮気ですか?絆レベルが10に達している私を差し置いて。そんな駄肉と浮気ですか?乳しか取り柄の無さそうなそんなバカそうな娘と浮気ですか?ちがいますよね?そうですよね?ますたぁがまさか私をおいて何処かにいってしまうなんて有りませんよね?もう二度とわたくしを騙して何処かに行ってしまわれませんよね?わたくしと一緒に暮らしてシアワセな結婚生活をおくってくれますよね?」
彼女は瞳から光を無くし、ただ淡々とベル君に問いただす。
その様子に皆が一歩後ずさる、シルバーバックさえも後ずさる。
彼女はそれでも聞いてくる。
彼女にとって大事なことを
彼女が赦せ無いことを聞いてくる。
「わたくしに、嘘をつかないですよね?」
彼女はその問いを最後に口を閉じる
ベル君の答えを待つように。
「…………」
皆が固唾を飲んで見守る。
ベル君がどの様に答えるのか見守る。
ベル君はその皆からの視線を受け、どんどん変わっていく状況に頭を混乱させて…………
「ひ…………」
「「「ひ?」」」
「人違いだと思いま~~~す!!」
ダっ!!
ベル君はそういって真横に跳躍して路地裏に向かって逃亡した
彼の短い人生では、ヤンデレの対応は分からなかったのだ。
神は二人の主人公に試練を与えた。
作者は感想を貰えると狂喜乱舞して執筆か早くなりますので感想を貰えると嬉しいです。
三蔵でないかな~