英雄に武器を託されて子供を守るのは間違ってるだろうか   作:こじこじこじこじこじこk

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この話から主人公の一人称を「ボク」に変えます


スパルタン

「Zzzzzzがは!!」

 

ボクが気持ち良く寝ていると、急に身体の上に何かふってきた。

 

何事かと思い見てみると、さっき迄の夢でアステリオスが持っていた斧・・・の半分以下になった物体が僕の上にあった

 

「うん?なんでこんなのが?」

 

その斧槍は見た目は物々しく重量感が半端無さそうではあるが、持ちあげてみたら片手で楽々持ち上がるので、取り回しはそこまで苦にはならないし、何故かは分からないがまるで長年使用しているかのように手に馴染むのでダンジョンに潜る際は武器として持っていきたいのだが、何でここにあるかが理解できない

 

「あ、もしかしたら、ゲームで勝ったからか?」

 

ボクはすっかり忘れていたが、ボクのスキル〈夢の決闘〉は勝負に勝てば何か一つ(・・・・)英雄から貰えるスキルだ。しかもこのスキル何気にスキル所有者に賞品が使いやすいように最適化してくれるらしい

アステリオスには遊びで何回か勝っていたので、アステリオスの持ち物のこの斧槍が貰えたのだろう

 

「うん、良い貰い物だね。背が低いから長物の武器が欲しかったんだ。せっかくだし試してこようかな。」

 

 

上機嫌に斧槍を持って出口に近づき、ちょっと朝早いけど、ダンジョンに行くための準備を進めた。

 

幸い服は扉のすぐ近くに有ったので、真っ裸で出撃せずにすんだ。

 

そして服を脱いで鏡の前に立ったとき、自分の身体の変化に気づいた

 

「髪が白くなってる」

 

寝る前は確かに黒髪黒目の筈だったんだけど・・・

 

今は髪は白く、目に至っては本来白目の場所は黒く、黒目の場所は赤くなっている

それに体も、なよなゆしていたのに今では細マッチョみたいな感じになってパワーアップしている

 

あれかな、転生して1日たったから色々体に馴染んで変化したのかな?

まぁ変わっちゃったのはしょうがないね、そんなことよりこの新しい武器を試してみたい。

 

 

気配を探ったら下の方で動き回ってる気配がするからお礼と挨拶もしとかないとね。

 

そうして下に降りて店員さんに挨拶しようとしたら、店の外に感じ覚えの有る気配がしたので、外を覗いて見ると

 

 

 

そこにはボクを轢いた白髪少年が、店員さんに弁当を貰っている場面に出くわした

 

・・・・・・

 

ボクは、気配を消して店員と夜の約束をしている白髪君の後ろに移動して両手を合わせて

 

「じゃあ、夜に来ます」「そおぉぉぉぉい!!」「アッ!!」

 

 

 

白髪君のお尻を串刺しにした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さて、白神君への報復が終わったから冒険に行こうか白髪君」

 

「何で一緒に行くことになってるの!?」

 

白髪君が悶絶から復活するのを待って声を掛けたのだが、何かお気に召さないらしく、怒ってこっちに怒鳴ってきた

 

「どうしたの?そんなに起こってたら禿げるよ。もっと心に余裕を持った方が良いと僕は思うな。」

 

「いやいや!!いきなり後ろから襲われたら誰でも怒るよ!!」

 

「・・・ふぅー」

 

ボクはプリプリ怒っている白髪君に溜め息をつき

 

「おいおい、ボクと君の仲じゃないか、そんなことでカリカリするなよ。あれもしかしてボクのこと忘れちゃったの?ショックだわ~昔はあんなに遊んだのに。」

 

「え!!あっといや僕は君のこと知らないと思うよ」

 

「そんなわけないでしょうが、ほら!!思い出して!!昔、一緒に遊んだ内で下から二番目に仲が良かった!!」

 

「えっと・・・もしかしてボブさん?」

 

「ソウデス、ボブデス?」

 

「絶対違うよね!!ボブさんはそんな片言で話さなかったし!!ボブさん女の子だし!!」

 

「え、ボブで女って致命的な名前だね・・・それじゃ君は何者?」

 

「こっちのセリフだよ!!」

 

白髪君は突っ込みをしすぎて過呼吸のようだ!!

 

まぁ冗談はこれくらいにしとくかな?あんまりからかいすぎても可愛そうだし。

 

「いや~ゴメンゴメン、ちょっとからかいやすそうだったから襲っちゃったよ。テヘペロ!」

 

「ねぇ、謝るつもり皆無だよね?」

 

白髪君は疲れた顔で項垂れてしまった。

 

朝から疲れてるね?低血圧なのかな?

 

・・・そろそろまじめに行くかな

そうするとボクが言うべき言葉はこれかな

 

 

 

「ねぇ白髪君、一緒に冒険してみない?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ボクたちは今、ダンジョン一階層にいる

 

最初は白髪君はちょっと嫌そうな顔をしていだが。

ボクの説得と店員さんの「一人より二人の方が効率良く攻略できますよ。」と言うアドバイスによって渋々従ってくれた。

 

今はベル君・・・自己紹介して名前で呼んでいる・・・を一人でモンスターに突っ込ませ、時々後ろからアドバイスを送っている。

倒した魔物の核、魔石はボクが素手で取り除いてバックに入れている。

 

この様に冒険者の後ろにくっついて、魔石やドロップ拾いや荷物持ちを行う人をサポーターと言うらしい。

 

このサポーターと言うのは本来なら弱い人や冒険者として経験が浅い人がやるらしいが。

ボク的には強い人がサポーターやって、弱い人達に経験をつませた方が良いと思うな。

 

仮にピンチになったとしても・・・

 

 

 

「こんな風に助けられる死ね!!」

 

「ひゃぁぁぁぉあ!!」

 

 

 

ボクは今ベルに後ろから襲いかかろうとしたコボルトを、持っていた斧槍を投げて頭を吹っ飛ばした。

ちょうどベルとボクで挟むような位置だったのでベルの頭の横をスレスレで通り抜け、通路の突き当たりまで飛んでいった。

 

「よし!耐久性はバッチリ!!」

 

「よし、じゃないよ!!今僕ごと吹っ飛ばそうとしたよね!!っていうか、『助けられるしね』のイントネーションがおかしかったし!!絶対死ねって言ったよね!」

 

なんかベルが興奮しだしので、ボクは落ち着かせるためし少し蘊蓄を披露してやろう

 

 

 

「落ち着けベル。ボクの国にはこんな諺がある

 

 

「可愛い子には旅をさせて、後ろから着いていき千尋の谷に突き落として試練を与えろ」

 

 

と、意味は取り敢えず油断してたら後ろから襲えってことだよ。」

 

 

「そんな諺があってたまるか!!」

 

あ、ベル君怒りすぎて口調が変わってきた

 

「うん、だけど今のは実際危なかったよね?ボクが助けなかったらコボルトに一撃食らってたよ。あんなに雑魚いモンスターに一撃貰うなんてまだまだ油断してる証拠だよ。」

 

「う、それはそうかも」

 

「だからボクは油断したら死ぬってイメージを体に教え込むためにピンチになったらわざとスレスレを狙います。」

 

「いや、それはおかし「あぶな~い」ヒィ!!」

 

ボクはベル君の後ろから近づいていたコボルトをベルの股下から石を投げて瞬殺した

 

自分の股間を押さえているベル君に向かってボクはいつもの笑みで

 

「因みにボクが助ける度にどんどん近づけてくから。大丈夫!!油断しなければ男から乙女になることはないから!!」

 

「ピぃ!!」

 

ボクの顔を見て逃げ出したベル君とボクの追い駈けっこが始まった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「コヒュー、コヒュー。」

 

「うーん、頑張った方だね。」

 

ボクは疲れきったベル君を斧槍の先に引っかけダンジョンの帰路を歩いている

 

さて、何故ボクがここまでベル君に付きっきりなっているか疑問に思っている人も多いと思う。

 

ボクも最初は今朝の報復をして少し話したらそこでバイバイするつもりだった

 

しかし、そのあと少し話し、目を見て分かったことがある

 

まずベル君は何かしらの目標、あるいは憧憬を持ったようだ。

その目標に向かって頑張る為にあんなに朝早くからダンジョンに向かっていたらしい。

多分、昨日助けられたアイズに関する目標だと思うが、惚れたかな?

ボクのことは全く気づいてなかったくせに美少女には直ぐに反応するとか、この変態が!?

 

そしてこっちの方が重要だが

 

ベル君は、恐れを抱いてしまっている

 

 

いや、恐れ自体は大事だと思うよ。それがないと早死にするし。

 

しかし、ベル君の恐れは自分でも気づかないほど奥深く、いざ気付いた時には一歩も動けなくなるほど根強い恐れだろう。

 

そしてボクのカンでは、その恐れの対象には近い将来、ベル君の前に再度立ちふさがるだろう。

 

 

あんなに短い間に二体も会ってるしね。

 

 

 

 

 

ボクも流石に近い将来死にそうな人を見捨てるのは忍びない。

だからボクは恐怖を乗り越えられるようにある程度鍛えてあげることにした

 

幸いまだまだボクの方がベルより強く教えられることは沢山有るので、ボクの技術を詰め込んでやるつもりだ。

 

それに今朝から体は絶好調だし。

 

 

まぁ結論を行ってしまうと

 

 

「子供は助けないとね」

 

ボクはそう呟いて笑いながら、出口に向かって歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談だが。不気味に笑いながら白い子供を吊り下げて歩いている化け物を見たと、このあと冒険者たちの間に流れ始めたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公は自分の身体の変化は気にしなかった
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