インフィニット・ストラトス 恥ずかしがり屋で臆病なメイド?   作:リファイン

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さて、明けましておめでとう御座います。
明後日ぐらいからネット環境が変わってしまうので投稿が遅れるかもしれません…。


第二話 主人との再会

 入学初日の授業も無事に終わり、支度を終えて寮へと帰ろうとした時に本音に呼び止められてしまった。    

 どうやら仕え先である「更識当主」から集合がかかったらしい。  

 現在の「更識当主」はこのIS学園の生徒会長を務めているのだ。本音の姉である虚も生徒会会計として当主を支えている。

 

澪「……元気してるかな」

本音「澪ちゃんはお嬢様と会えなくなってずっとそれだもんねぇ」

澪「なっ……そんなことあるか!」

本音「素直じゃないなぁ~」    

 

 澪は当主専属のメイドを請け負っていたが、ここに入学されて一年はずっと会えずにいた。久しぶりで逆に会いにくいというのもあるが、いつかこうなるのは分かっていたこと。  

 緊張しつつも、生徒会室前まで来てしまった。本音はそんな澪のオーラを気にせずに生徒会室に入る。  

 

本音「来ましたよ~♪」

???「あら~思ってたより遅かったじゃない。澪ちゃんが早く私に会いたがってそうなのに」

澪「……ふざけるのも大概にしてください。帰りますよ、お嬢様」    

 

 そこは早く会いたかったって言って欲しかったなぁ、とわざとらしく落ち込んでいる人物こそ二人が仕える更識家当主「更識楯無」である。簪とは姉妹にあたり、妹とは違って明るく社交的、カリスマ性も高く、文武両道、何でも出来る完璧超人だ。だが性格は飄々としてミステリアスであり、強引になったり何を考えているのか分からない だが、時には当主として真面目になったり、みんなを思いやる気持ちは強い。自分だけの意見に拘らず、他人の意見はちゃんと聞いてそれを踏まえた上で行動を起こす。そこは澪も自分の主人としても人間的にも認めているのだ。  

 

楯無「私がここに入学して全然会ってなかったけど、元気そうで安心したわ」

本音「お嬢様も元気そうだね~」

澪「おちゃらけたところなんか全く変わっていませんね」

楯無「もう、相変わらず澪ちゃんは毒舌ね……お姉さん傷ついちゃうわ」    

 

 扇子を取り出し、口元を隠す。開かれた扇子には「傷心」と書かれていた。本当は傷ついてもないのによくもまぁ平気な顔をする。やれやれと言った感じで澪は溜息をつく。  

 

本音「それで私達を呼んだ理由ってなんですか~?」  

 

いつもと変わらないのんびりとした口調で質問する本音だが、真剣味が増している。彼女も更識家に仕える人間の一人なのだ。不思議なことではない。  

 

楯無「単純に二人の顔を見たかっただけよ? 一年も会えないのはさすがに私も寂しかったのよ」

本音「ほぇ~。じゃあ私は友達待たせてるんで先に帰りま~す。澪ちゃん頑張ってね~」

澪「おい、待て本音!」    

 

 澪を無視して、二人にだぼだぼの袖に埋もれているであろう手を振って部屋を出た。部屋には楯無と澪の二人だけだ。  

 

澪「マイペースというかなんというか……」

楯無「相変わらず本音ちゃんは変わらないわね。お姉さん、安心するわ」    

 

 楯無は不意に立ち上がり澪に近づく。澪も何をするのか分かっているのか、顔を赤くしつつも楯無に近づく。

 二人の距離が縮まると我慢できなかったかのように楯無が澪を思いっきり抱きしめたのだ。もう昔から何回も繰り返していることだが、澪はこれが好きなのだ。  

 

澪「もう、抱きしめたいならそう言ってくれればいいのに……」

楯無「私よりも澪ちゃんがされたかったんでしょ?」

澪「分かってたの……やっぱり敵わないか」    

 

 完全に身体を預けて抱きしめられる。こうやって抱きしめられるのが好きな澪である。先ほどの様にきつい言葉を投げるが、姉妹同然として過ごしてきた楯無の事をなんだかんだで好きなのだ。    

 数十秒抱きしめられて離れる。そして楯無が椅子に座って手を広げて澪を誘う。顔を赤くして恥ずかしながらも座って、後ろから楯無にまたもや抱きしめられる。    

 

楯無「今日はどうだった?」

澪「人が多くてちょっと怖かったけど大丈夫だった。クラスは違うけど本音も簪もいるし」

楯無「それはよかったわ。澪ちゃんも強くなったのかな?」

澪「それは分からないけど……頑張ってきたつもりではいるよ。だからもっと抱きしめて……」    

 

 楯無は先ほどより強く抱きしめる。澪はなぜか人の感情を人一倍感じる事が出来る。こうやって抱きしめられると暖かい気持ちになり、辛いことも頑張れるのだ。しかし、逆もまた叱り、人の負の感情も強く感じてしまうのもあるが――  

 

澪「……ありがとう」

楯無「んふふ~、この一年で身体も成長したのかしらね、抱き心地最高だったわ♪」

澪「またそういうことを平気で言う……いや、それでも嬉しい、か」

楯無「昔ほどじゃないけど、少しは素直に戻ったのかな?」

澪「うっ、昔のことは言ってほしくないな……」    

 

 幼い頃の澪はそれこそ泣き虫少女でいつも誰かに甘えていた。こういうことをするのも昔から変わっていないのだろうが、楯無はそれでも気にしていなかった。    

 しかしこのまま終わる楯無ではなく興味本位で澪の耳に息を吹きかけた。

 

  澪「~~~っ!!!???」    

 

心地いい空間から不意に訳の分からない感覚で現実に戻り、勝手にパニック状態になった澪はそのまま走って部屋を出てしまった。油断しているところで悪戯するとこうなるのも変わっていない。  

 

楯無「んふふ♪ つい悪戯したくなっちゃうほど、可愛いのよねぇ♪」        

 

 

 

 パニック状態で周りを見ずに走った澪はいつの間にか寮の前まで来ていた。抱きしめられていたのは覚えているがそれからが覚えていない。  

 

澪「また時間があるときにお嬢様に聞こう……」  

 

 この広いIS学園を適当に走って寮に着くとは、運がいいのかもしれない。早く部屋に入って晩御飯まで少し休もう、そんなことを思いながら自分の部屋を目指す。 渡された鍵番号と同じ部屋に着き、鍵を開けて中に入ると誰もいなかった。電気も付いてないし、部屋も綺麗なのを見ると一緒に住むようになるであろう相方はまだ帰ってきてはないらしい。  

 

澪「相方が簪か本音だと嬉しいが……せめて三組の人間なら話しやすい、か」    

 

 荷物を簡単に片付けて、制服から学校指定のジャージに着替えてベットに倒れこむ。タオルで拭いたにも関わらず、若干残っている汗を感じたが気にしなかった。入学初日が終わって、一気に疲れが押し寄せてきたのだ。

 

澪「やっぱり始めての場所は異常に緊張しちまう……でも」    

 

 内気で人見知りが激しい澪にとって今日の出来事は疲労困憊である。言い包められてクラス代表になったし、クラス全員に質問攻めに会うし、人は多いし――澪には負担が大きかった。  

 それでも約一年ぶりに再会した自分の主人である楯無に会えたのは嬉しいことだ。  

 先ほども言ったが、澪は楯無専属のメイドという立場にある。だが堅苦しいことはなかった。というか楯無がそれを嫌っているのもあり、メイドと言うよりも仲のよい姉妹のように育ってきた。澪も肩書きはメイドと言うことで家事全般はもちろん、主人の身を守る術や戦うために必要な技術等は訓練してきた。ISに関しても機械が好きということもあり、それの知識と技術を身につけた。主人である楯無には及ばないが、彼女が隠れて努力しているのを知っているし、全部と言うわけでもないが澪の憧れとも言えるのだ。        

 

 

 

 布仏本音は一組のクラスメイトと別れ、自分の寮の部屋に向かう。初日でもう友達と呼べる存在が出来るのは本音特有のそうさせる雰囲気のおかげだろう。  

 生徒会室でそそくさと出て行ったのは、彼女が二人きりにさせるべきだと判断したからだ。澪は気づいていないが、楯無に会えなくなったこの一年は時折寂しそうな表情をしていた。だから今日会えたのは澪にとって、精神的にも安心感を与えるであろうと思っての行動だった。  

 

本音「私の部屋は……ここかぁ。あれ、少し開いてる?」

   

 完全に扉が閉まっておらず、ほんの少しだけ開いていた扉を開けて中に入る。ダブルベットの内、一つは先客がいた。  

 学校指定のジャージに着替えて眠っている澪である。布団に入ってない辺り、疲れ果ててそのまま眠ったのだろう。何度も寝返りを打ったのか、ジャージはぐちゃぐちゃになり、思いっきり身体を広げており、服がまくれてお腹が見えている。  

 

本音「寝相悪いのは直らないかぁ……」    

 

 これでも寝相は直った方なのだが、昔はもっと酷かった。始めは布団に入って普通に寝ていたのに朝起きると、布団から数m離れて、服が脱げそうな時もあった。それに比べればまだ良い方か。  

 本音は澪を起こさずに服を直して、布団をちゃんとかける。これは昔から本音か簪がやっている事で、今では慣れたものだ。  

 

 本音「ここで起こすのも辛そうだし、起きたら簡単なものでも食べられるようにしておこっと♪」      

 

 

 

 

澪「っ! またあの夢なのか……」    

 

 澪は突然飛び起きる。周りを見渡し、ここが自分の寮の部屋だと言うのを確認すると安堵の溜息をつく。酷くかいた汗をインナーがかなり吸っており気持ち悪い。  

 昔から同じような夢を見ている。人型の何十mもあるロボットに乗って戦っていた。 今日は宇宙空間で隕石が落ちているのを阻止するのにロボットに乗った人間たち、落とすためにロボットに乗った人間たちの戦闘だった。だが奮闘むなしく隕石は地球に落ち、たくさんの人々が苦しんで叫ぶ。

 夢は夢でしかないが、異常に現実味があり気味悪さを増長させる。  

 

澪「五時か……確かここに来たのが六時前だったから、それからずっと寝ていたのか。どうりでお腹が空いている訳だ」    

 

 夢から覚めたのを理解すると徐々に感覚が冴えてきて、ものすごい空腹が襲ってくる。更に寝すぎたのもあるのか少しばかり頭痛もする。何か食べるものを探していると、自分の荷物が置いてあるデスクに何かあるのに気づく。

 

(たぶん、当分起きないと思うからこんなのしかないけど良かったら食べてね☆)    

 

 と書かれた紙の上にはカロ○ーメイトが置かれていた。しかも澪の好きなフルーツ味だ。

 

澪「本音か……」    

 

 もう一つのベットを見てみると本音が気持ちよさそうに寝ている。どうやら彼女がこれを置いてくれたようだ。  一つ一つゆっくり味わって食べる。四つ全て食べ終わると、汗を流すためにシャワーを浴び、長袖長ジャージという格好で部屋を後にする。  

 

澪「少し早いけど朝練しよう」    

 

 入学する前から簡単なジョギングと体操を毎日している。と言っても澪は元々運動が苦手で球技なんてもっての他だ。ただ、せめて体力をつけるように楯無にも言われずっと続けている。そのおかげもあり、体力だけは並みの人よりはあるつもりだ。    

 IS学園のグラウンドは一周5km程。自分のペースで二周走って体操する。こうして朝動くことで日中身体がよく動くし、集中力も上がり、体力もつける事が出来る。これ程までにいいことはない。  

腕時計を見ると6時30分過ぎ。そろそろ戻って今日の準備をしなければならないのと、相方の本音を起こさなければならない。低血圧なのもあり、彼女は朝起きるのが辛い。昔も彼女を起こすのは、澪か簪の仕事だった。  

 

澪「今日も頑張るか……」

 

 




読んでいただき、ありがとうございます。

澪ちゃんは寂しがり屋で甘えん坊と言うのが追加されました♪
そろそろ澪ちゃんのISについて話題を出すかな…
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