やはり喰種の俺が青春ラブコメをするのはまちがっている。 作:Daiki0426
八幡side
俺は今平塚に連れていかれ特別棟にいる。
奉仕活動と言えば掃除であろう。多分音楽室のピアノの移動や生物室の生ごみの片づけ、図書館の蔵書整理といったところであろう。まあその程度ならば楽に終わらせれるだろう。
そう高を括っていると平塚が話しかけてきた。
「着いたぞ」
案内をしていた平塚が立ち止まったのは何の変哲も無い教室で、プレートには何も書かれていない。こんなところで何をするのだろうか? 平塚はその教室の扉を開けた。
「平塚先生。入るときにはノックを、とお願いしていたはずですが」
「ノックをしても君は返事をした試しがないじゃないか」
「返事をする間もなく、先生が入ってくるんですよ」
どうやら中に人が居るようだ。俺は平塚の後ろから教室の中にいる人物を見た。
その時、俺は不覚にも見惚れてしまった。
端正な顔立ち。流れる黒髪。クラスの湯有象無象の女子達と同じ制服を着ているはずなのに、まるで違って見えた。
少女は斜陽の中で本を読んでいた。世界が終わった後も、きっと彼女はここでこうしているんじゃないか、そう錯覚させるほどに、この光景は絵画じみていた。
まあぼっちぎみだったからこういうのに免疫がないだけかもしれないが、そうじゃなくても何かしら思うところはあったであろう。
そしてもしも願うならば彼女をこう呼びたい。天――
「それで、そのぬぼーっとした人は?」
……前言撤回。願う事ならばこう呼びたい。この糞まな板女が‼︎
さて、俺に向かって冷たい瞳を向けているこの少女を知っている。
二年J組、雪ノ下雪乃。
もちろん名前と顔を知っているだけで会話など一度たりともしていない。まあそもそも学校で人間と必要以上に会話をする必要はないし、喰種にとっては人間との係わる事は綱渡りをしているようなものだ。
話が逸れたが総武高校には普通科9クラス以外にも国際教養科と言うクラスが存在する。このクラスは普通科に比べても偏差値が普通科よりも二~三程高い。故に国際教養科は自然と注目を浴びる傾向にある。
その中でもひときわ異彩を放っているいるのが雪ノ下雪乃だ。
その理由は類い稀なる優れた容姿で、欠点を挙げるとすれば胸部が鉄板のようになっている事ぐらいだ。まあ、簡単に言えば学校一の美少女で、誰もが知る有名人だ。
まあ一つ付け加えるなら彼女が定期テストだろうが実力テストだろうが常に学年三位に鎮座する成績優秀者である事だ。まあ彼女が有名な理由はほとんど前者と言っていい。学年三位で有名になれるのであれば学年一位と二位はもっと有名になるはずだ。ソースは俺と義輝。あれ? なんか目から水が出てきそう。
しかし、これは不味い事になった。彼女は優秀な喰種捜査官を多数輩出している、あの”雪ノ下”だ。雪ノ下はCCGを支配していると言ってもいい”和修”に次ぐ権力を持っており、実際に現当主の男は特等捜査官だ。彼女に係われば少なからず目を付けられる事ににもなり、下手をすれば俺はおろか小町や爺ちゃんまでもが命の危機にさらせれることを意味する。
チッこの糞独神の奴め面倒なことをしやがって。
「彼は比企谷。入部希望者だ」
平塚は俺のことをでもある事を勝手に話を進めていく。あと俺は入部を希望をした覚えは無い。
「二年F組の比企谷八幡です。それと平塚先生、俺は部活の入部を希望した覚えは無いのですが」
「そんな事はどうでもいいだろう。君にはペナルティとしてここでの部活動を命じる。異論反論抗議質問口答えは認めない。しばらく頭を冷やせ。反省しろ」
俺は教師がそんな事を平気で言える事に驚愕した。いくらなんでも無茶苦茶すぎるだろう。まるで俺に人権がないと言っているようだ。……まあ喰種だから本当に人権は無いんたよな。
「というわけで、見ればわかると思うが彼はなかなか根性が腐っている。その所為でいつも孤独で哀れむべき奴だ」
ふざけるなよこの糞教師が。俺は好きで孤独になっているだけだ。少なくともお前みたいな奴らに哀れまれるほど落ちていない。
「人との付き合い方を学ばせれば少しはまともになるだろう。こいつをおいてやってくれるか。彼の捻くれた孤独体質の更生が私の依頼だ」
確かに捻くれているのは事実だし、孤独気味なのも確かだ。
だが友達も1人いるし、知り合いならもっといる。勝手に友達がいないと決めつけて、勝手に哀れむあんたの方が更生が必要だろ。
「それなら、先生が殴るなり蹴るなりして躾ければいいと思いますが」
「私だって出来る事ならそうしたいが最近は小うるさくてな。肉体への暴力が許されていないんだ」
そのわりにはさっき俺を殴ろうとしていただろ。まあどうせあんたの拳なんて指一本で止められるが(笑)。
「お断りします。そこの男の下心に満ちた下卑た目を見ていると身の危険を感じます」
物凄く失礼な事を言われた気がするが、お前との接点を断ち切るならば何も言わずに応援してやろう。やれ雪ノ下! あの糞暴力教師を論破してやれ。
「安心したまえ、雪ノ下。その男は目と性根が腐っているだけあってリスクリターンの計算と自己保身に関してはなかなかものだ。刑事罰に問われるような真似だけは決してしない。彼の小悪党ぶりは信用してくれていい」
「小悪党……。なるほど……」
雪ノ下は納得したようにうなずいた。
こいつの言う事はおそらく浸透しやすいのだろう。真面目な政治家よりも声のでかい政治家が成功するように(笑)。
「まあ、先生からの依頼を無碍にするわけには出来ませんし……。承りました」
雪ノ下が心底嫌な顔を俺に向けてそう言った。それに関しては俺も同感だ。俺もお前みたいな奴と一緒に居たくない。
「そうか、なら、後の事は頼む」
そう言うと平塚はそのまま教室から去っていく。ぽつんと取り残される俺。この教室で雪ノ下だけと一緒に居るこの状況で俺はこう思った。
―――どうでもいいから説明くらいしてくれよ……。
平塚先生と雪ノ下のイメージが原作とかけ離れつつあります。
あと、今までの話の修正や冬休みの宿題等で投稿が遅くなります。
次の話は雪ノ下のイメージが更に原作とかけ離れる予定です。雪乃ファンの方々は見ない方がよろしいかと思います。