やはり喰種の俺が青春ラブコメをするのはまちがっている。   作:Daiki0426

5 / 13
投稿が遅れてすみません。


episode4:比企谷八幡は自分の存在を再認識した。

八幡side

 

やってしまった。本当は黙っていようと思っていたが、あの人格破綻者共の無茶苦茶な言い分や俺への否定や罵倒で怒りが抑えきれなくなり、あんな事を言ってしまった。

自分は理性には自信がある方だが、あそこまで感情的になるとは自分でも思わなかった。やっぱり人間は嫌いだ。明日からどうしようか……。なんて考えていると家に着いたようだ。

 

「ただいまー」

 

「お帰りお兄ちゃん。学校から帰ってくるの遅かったけど何かあったの?」

 

「ああ、部活に入部した」

 

「へーお兄ちゃんが部活に入部……。てっ、部活に入部⁈あの大の人間嫌いで専業主婦希望のゴミみたいなお兄ちゃんが⁉」

 

正確に言うと無理やり強制入部させられた。というか小町。今、物凄く失礼な事言ったよね。というか俺はもう専業主婦になるのは諦めて、社畜になる予定なんだが……。やっぱり専業主婦にしようかな。

 

「そういや爺ちゃんは?」

 

「お爺ちゃんなら、さっき散歩に行ったよ」

 

まじかよ。爺ちゃんも年だからな。このままボケて何処かに行ってないといいんだが。あとで探しに行くか。

 

「そうか。それと俺、明日から帰りが遅くなるけど大丈夫か?」

 

「大丈夫だよお兄ちゃん。小町も留守番くらい一人で出来るよ。あっ今の小町的にポイント高い!」

 

「はいはい高い高い。ついでに小町、珈琲作ってくれないか」

 

「お安い御用。今すぐ作るからちょっと待ってて」

 

小町はリビングの方へ小走りに走っていった。……天使だ。小町が居るだけで俺は明日を生きていける!そんな事を考えながらソファーに座った。

 

「にゃー」

 

ソファーに座るとカマクラが寄ってきた。こいつが俺に自分から寄ってくる事は珍しく、大抵の場合は餌を寄越せアピールだ。しかし、今日はそんな事はせずに俺の膝に座った。こいつとは何だかんだで小町の奪い合いをした仲だが、どこかに憎めない。まあ、たまにはこいつを可愛がってやるのも悪くないかもな。そう思いカマクラ撫でようとしたら……

 

「お兄ちゃん、珈琲出来たよ。あっ、カー君。餌が欲しいの? ちょっと待ってて。今、缶詰とってくるから」

 

カマクラは小町に向かって走り出した。……あの猫、いっぺんしめてやろうか?

 

******

 

次の日、俺は普通に登校し、普通に授業受け、普通に下校しようとした時……

 

「比企谷。部活の時間だ」

 

教室の扉に平塚先生が立っていた。やっべ、完全に忘れてたわ。しかし、昨日、あれほど大口をたたいておいて行かないのは俺のプライドも有るので、行くとしようか。

 

「丁度、行こうと思っていたところです」

 

「そ、そうか。それは感心だ。うん」

 

本当はそのまま家に帰ろうと思ってたけどな。

 

「それじゃあ、いくか」

 

平塚は部室に向けて歩いて行った。別にあんたが付いて来る必要はないんだがな。

 

「ああ、そうだ比企谷。もし逃げたら雪ノ下との勝負は問答無用で君の不戦敗と言う事になる。ついでにペナルティも科す。三年で卒業できると思わない方がいいぞ」

 

それは不味い。俺は大学に入って就職するという俺の計画が遅れる事を意味する。糞、あの独神が。今度脅したらボイスレコーダーで録音して学校に提出してやる。まあ、どっちにしろ雪ノ下を潰す予定だから逃げるつもりはない。

 

「それなら心配いりません。あの女に不戦敗だけは絶対に嫌ですからね」

 

「そうか」

 

「それと平塚先生。俺は別に逃げたりしませんよ。だから別に1人で大丈夫ですよ」

 

「そう寂しい事いうな。私が一緒に行きたいのだよ。というか、君を逃した後で歯噛みするくらいなら、嫌々でも連行した方が私の心理的ストレスが少ない」

 

「理由が最低ですね……」

 

本当に最低だ。あんたの自分自身の心理的ストレスの都合で俺の心理的ストレスは溜まる一方である。だからあんたは何時までも結婚出来ずに独身のままなんだよ。

 

「何を言うか。いやでいやで仕方がないが、君を更生させる為にこうして付き合ってやっているのだぞ。美しい師弟愛というやつだ」

 

「俺は平塚先生の弟子になった覚えはありませんよ」

 

本当に此奴はめんどくさい。毎回、漫画みたいなことを言ってくるのが本当にウザイ。

 

「本当に君は捻くれているよな。ここまでくると病気の域だやはり君は『高二病』だな」

 

ちょっと待て。確かに俺は捻くれているがさっきまでの会話で捻くれている所は一度も無かったはずだ。あと教師が生徒を病気扱いって酷くないか。

 

「流石に病気扱いされるのは酷いんじゃないですか。あと高二病て何ですか」

 

「うむ。簡単に言えば。中二病が発展した感じのものだよ。実際に中二病患者がよく発症するからな」

 

「俺を中二病みたいな病気を発症しているって言いたいんですか……」

 

「そう言うなよ。それに高二病はある程度たてば収まるからな。……まあ、一部はそのまま症状が治まらないまま成人を迎える奴もいるし、下手をすれば大二病を発症するケースも存在する」

 

まじかよ。そんなにやばい病気なのか。高二病を発症する前に義輝の中二病を直さないとやばいな。

 

「そんな捻くれた君から見て、雪ノ下雪乃はどう映る?」

 

「あの女の批判はいくらでも言えそうですが、簡潔に表すのならエゴイストな人格破綻者ですね」

 

「そ、そうか。君にはそう映るのか……」

 

平塚は若干引きながらそう答えた。

 

「非常に優秀な生徒ではあるんだが……。まあ、持つ者は持つ者でそれなりの苦悩があるのだよ。けれど、とても優しい子だ」

 

あんな奴のどこが優しいんだよ。確かに持つ者は持つ者の苦悩があるのだろう。しかし、初対面の相手に向かって罵倒するような奴を優しいとは言えないだろ。

 

「きっと彼女もやはりどこかが病気なんだろうな。優しくて往々にして正しい。だが世の中が優しくなくて正しくないからな。そぞ生きづらかろう」

 

「いやいや。それは違いますよ平塚先生。あいつは優しくないし、正しくもない。大体、世の中が認めない物が正しいわけないでしょ。それがどんなに理不尽であったとしても……」

 

「やはり君たちは、捻くれているな。うまく社会に適応出来そうもない部分が心配だよ。だから、君たちを一か所に集めておきたくなる」

 

……あそこは精神病棟なのかよ。まあ、確かに雪ノ下のあの思考は異常だし、人間から見れば俺も捻くれて見えるのだろう。そうこうしたうちに奉仕部のドアが見えてきた。

 

「それでは行ってこい」

 

平塚はそう言うと職員室に帰っていった。……いくらあの女に負けたくないとはいえ、あんな奴と一緒には居たくない。そう思いながらも俺は奉仕部のドアを開けた。

 

******

 

「失礼します」

 

「こんにちは。もう来ないかと思ったわ」

 

奇遇だな、俺もそう思っていたところだ。

 

「別に、逃げたら負けだから来ただけだ」

 

「あれほどこっぴどく言われたら普通は二度と来ないと思うのだけれど……マゾヒスト?」

 

「違う」

 

「じゃあ、ストーカー」

 

「それも違う。大体、何でお前みたいな奴に好意を抱いている前提で話が進んでんの?」

 

「違うの?」

 

この女、どんな頭してんだ?普通、昨日の会話でお前に好意何て全く抱いてない事ぐらいわかるだろ。

 

「そんなわけないだろ。大体、お前みたいな奴を好きになる奴なんているのか?」

 

「そう、てっきり私の事を好きなのかと思ったわ」

 

此奴、俺の後ろ半分の会話を完全に無視したぞ。あと此奴の自信はどこから来るんだ?

 

「まあ、比企谷君から見れば以上に移るかもしれないけれど、私にとっては至極当たり前の考え方よ。経験則というやつね」

 

確かに外見だけがいいお前なら告白してくる男子が大勢いただろう。まあ、この女の本性を知ったらドン引きだと思うけど。しかし、此奴の経験則には少し興味があるな。

 

「経験則、ねえ……。そらずいぶんと楽しい学校生活な事で」

 

「え、ええ。そうね。端的に言って過不足の無い実に平穏な学校生活を送ってきたわ」

 

お、この反応はぼっちライフを送ってきた人間の反応ですね~。

 

「お前さ、友達いんの?」

 

「……そうね、まずどこからどこまでがが友達なのか定義してもらっていいかしら」

 

友達の定義を知らない時点で友達いないな。

 

「だろうな。まあ、お前みたいな奴に友達何ていそうにないからな(笑)」

 

「いないだなって言っていないでしょう?もし仮にいないとしてもそれで何か不利益が生じるわけではないわ」

 

「あーうん。結局友達いないんだな」

 

友達いないのに俺の事を友達がいない哀れな人間と決めつけてきたのか?いやむしろ友達がいないからこそ俺に友達がいると分からなかったのか? なんてどうでもいい事を考えてきたら雪ノ下が話しかけてきた。

 

「もしあなたの友達で、常に女子に人気の有る人が居たらどう思う?」

 

「愚問だな。常に女子に人気の有る友達は居ないからそれは杞憂だ」

 

「……一瞬、かっこいい事を言ったのかと勘違いしたわ」

 

事実を述べただけなんだが……。

 

「仮の話として、答えてくれればいいわ」

 

「……特に無いな」

 

「ふざけているの?普通、一つや二つ有るでしょう」

 

「別にふざけていないんだけどな」

 

しいて言うなら、そのまま結婚して子作りに励め(笑)。俺達、喰種としても食糧が増えるのはありがたい事だからな。

 

「……まあいいわ。普通はそういう人たちを排除しようとするの。それも理性の無い獣と同じ、いえそれこそ禽獣にも劣る……。私がいた学校もそういう人達が多くいたわ。そう言った行為でしか自身の存在意義を確かめられない哀れな人たちだったのでしょうけれど」

 

なんか勝手に語り始めたぞ。というかお前、他人を見下さないと気が済まないのか?

 

「小学生の頃、六十回顧度上履きを隠された事が有るのだけれど、うち五十回は同級生の女子にやられたわ」

 

「俺としては後の十回が気になるな」

 

「男子が隠したのが三回。教師が買い取ったのが二回。犬に隠されたのが五回よ」

 

「お前は犬に何か恨みを買うような事をしたのか?」

 

あと教師が買い取ったのもある意味凄いな。

 

「別に大した事はしていないわよ。それと驚くポイントはそこでは無いと思うのだけれど」

 

「お前の事だから女子に上履きを隠される事くらい想像がつく」

 

「おかげで私は毎日上履きを持ち帰って帰ったし、リコーダーも持って帰るはめになったわ」

 

それは大変だったな。と普通の奴にならそう思うが、此奴に関しては『ざまあみろ』としか思えない。

 

「でもそれは仕方がないと思うわ。人は皆完璧ではないから。弱くて、心が醜くて、すぐに嫉妬し蹴落とそうとする。不思議な事に優れた人間ほど生きづらいのよ、この世界は。そんなの可笑しいじゃない。だから変えるのよ、他人ごと、この世界を」

 

「……クククっハハハハハーーー、笑いすぎてお腹痛い」

 

「何が可笑しいの!」

 

此奴、馬鹿じゃねえの? 確かに優れた者はこの世界じゃ生きづらかろう。だか生きづらい者はそれなりの溶け込もうとする努力をしている。少なくとも俺はそんな奴を知っている。だが此奴はそんな努力もせずに周りの人間の所為にして、おまけに自分の存在を無理矢理周りの人間に認めさせる事を強要している。そんな奴に世界を変える事など出来るわけがないし、認めてくれる人もいないだろう。

 

「お前さ、俺には変われとか言ったくせにお前自身は変わろうとせずに世界に変わるよう強要している」

 

「それの何がいけないの? 世界が間違っているのにそれを変えようとするのはいけない事ではないわよ」

 

「ププっ……あー本当にウケるわ」

 

中学時代の同級生を思い浮かべながら、此奴の考えに呆れた。

 

「どうやらお前は一つ勘違いをしている。お前は自分の考えを正しいと思っているようだが、それが世界にとって正しい事は限らない。世界は残酷で冷酷だ。だが人は努力し変わりそれに適応しようとしている。それをお前は否定し世界に強要しようとしている。お前のそれは世界に適応しようとしている奴等に対する冒涜だ」

 

「煩いわね! 大体、世界を受け入れ自分の弱さを制定している貴方達の考え嫌いだわ」

 

なるほどな。此奴がこんな考える理由が分かったぞ。此奴は自分の弱さを否定し見ようともしていない。自分の弱さを認められない奴に変わる事など出来るわけがない。……本当に救われない奴だな。

 

「『自分を客観視出来ないだけでしょう。あなたのそれはただ逃げているだけ。変わらなければ前には進めないわ』」

 

「ッッ⁉」

 

これぞ『人のふり見て我がふり直せ』だな。人に言った事が自分にも当てはまるのは此奴に取っては屈辱だろう。だがそれだけでは終わらせない。

 

「これは俺の持論だが『この世の全ての不利益は当人の能力不足』。俺はこの言葉をその通りだと思う。自分の利益、不利益は自分の選択で変わってくる。『もしあの時あんな事をしなかったら』何て思った事はあるだろう。それと同じだ。世界が残酷で冷酷であっても自分の選択は決める事が出来る。お前のその考えはただの甘えだ。世の中にはお前以上に不幸な目に遭う奴もいる。だが、それでも其奴は生きる事を諦めずに地面に這い蹲りながらも生きている。自分の事しか考えてない奴に世界を変える事など出来ないし、認めてくれる奴もいない」

 

「……」

 

少し言い過ぎたかな。まあ、どうせ明日になったら罵倒してくるからまあいいか(笑)。

 

******

 

あれから雪ノ下とは一言も話さずに小説を読んでいたら下校時間になった。世界を変えるか……。この時、俺は少しばかり期待していたのかもしれない。俺は雪ノ下にある事を聞いてみようと思った。

 

「……なあ、雪ノ下」

 

「……何か」

 

雪ノ下は不機嫌そうな表情でそう言った。

 

「この世界に喰種はいると思うか」

 

雪ノ下は少し考えた後にこう言った。

 

「貴方はあんな化け物がこの世界にいていいと思っているの。ああ、貴方にはお似合いね喰種谷君」

 

……分かっていた。こいつがどんな事を言うかなんて想像がついていた。いや……、こいつじゃなくても人間なら似たような答えになっていただろう。

当たり前だ。捕食者であるライオンと食糧であるシマウマが仲良く出来ないのと同じように捕食者(喰種)食糧(人間)が仲良く出来ないのは当たり前だ。

たがそれでも俺は足掻く。例え、それがどんなに理不尽であったとしても、世界に認められなくても、俺は()らい足掻き続けてやる。

 

―――俺は喰種としての自分の存在を再認識した。




喰種要素の話が全然出来ない(泣)。

東京喰種関連の話は、由比ヶ浜の話が終わった後にする予定です。

あと冬休みが終わって学校が始まった為、投稿するのが大幅に遅れます。それでも読んでくれる方は、これからもよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。