ボーダー最強の隊員   作:ワートリLove

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すいません。書いたデータが3回ほど消えてしまい、遅れてしまいました。
感想、評価ドンドンください。よろしくお願いします。


第十話

「ふう、疲れたな。」

 そう言いながら太刀川率いる遠征部隊との戦いを終えたばかりの幸太は玉狛支部の玄関の扉を開ける。

 そして靴をぬぎ、廊下を歩いていくと珍しくこんなに遅い時間なのにリビングから人の声が聞こえてきた。

 

「へー、まだ誰か居るのか。」

 幸太は驚きながら、リビングの扉を明けると修たち3人と宇佐美が楽しそうにおしゃべりをしていた。修と宇佐美は幸太が入ってくるのを見て挨拶する。

 

「あっ、幸太お帰り~」

 

「お疲れさまです。」

 

「おう、お疲れ。宇佐美がこんな時間までいるなんて珍しいな。今日は泊まりか?」

 幸太が珍しく思うのも可笑しくはない。玉狛支部のメンバーは迅と幸太以外基本的には自分の家で寝泊まりしていて、玉狛支部で生活しているのは迅、幸太、林藤支部長と陽太郎だけである。なので、こんな時間まで騒がしいというのは結構めずらしいのだ。

 

「うん、今日は修くんたちにトリガーの説明してたら遅くなっちゃったから泊まっていくことにするよ。」

 どうやら宇佐美は後輩たちにトリガーの説明をしてたらしい。

 お疲れだな。でも、修たちがどんなトリガーを使うのか気になるな.....。

 

「で、修たちはどのトリガー使うんだ?」

 

「う~ん、いま弧月かスコーピオンかどっちにするか悩んでるんだよね。因みに幸太先輩は何使ってるの?」

 と遊真が興味津々に聞いてくる。

 

「俺か、俺は弧月使ってるぞ。でも、俺は遊真にはスコーピオンがいいと思うんだけどな。」

 俺は攻防のバランスがとれたタイプなので、脆いスコーピオンよりは受太刀ができる弧月の方が使いやすい。さらに、幼い頃から師匠に竹刀で稽古をつけられてきたので重さのある方がしっくりくる。

 一方、遊真は幸太が小南との模擬戦を見る限りスピードで相手を翻弄するタイプなので重さのないスコーピオンとの相性もいいし、スコーピオンは体のどの部位からでもブレードを出すことができるので戦闘経験の豊富な遊真には使いやすいと思ったからである。

 

「フムフム、成る程じゃあスコーピオン使おう。ありがとう幸太先輩。」

 

「いやいや、どういたしまして。修は何にするんだ?」

 

「僕はガンナーになろうと思ってまして..」

ガンナー?あれはトリオンに余裕があるやつがなるんじゃ無かったっけ?大丈夫か修のトリオンで.....。でも、修の戦いを見てるとお世辞にもアタッカーのセンスがあるとは言えないからなぁ....。どうすればいいかな…、分からん!!

 

「ま、そこらへんは京介に聞け。あいつは教えるのうまいからな。」

 

「はい!!」

 

「あ、そういえば幸太先輩、迅さん知らない?てっきり一緒にいるんだろうと思ってたんだけど。」

 

「ん、迅か。あいつは今ごろ野暮用で本部にいるぞ、俺はあいつに任せて来たから。」

 と幸太は遊真にさっきの戦いを知られないようにごまかして答える。

 

「へー、成る程。あ、幸太先輩今から一戦どう?スコーピオン試してみたいからさあ。」

 

「よし、やろうって言いたいところだけど今日は疲れたからまた今度にしてくれ。俺はもうこのまま寝るつもりだったし。」

 

「え~~、そりゃ残念。じゃあ、また明日ね。」

 

「おう、悪いな。じゃみんなお休み、頑張れよ~。」

 そう言って幸太は自室へと戻っていった。

 

 自室に戻った幸太は服を着替え、ベッドに横たわる。

 すると、疲れが限界だったのかすぐに睡魔が襲いかかり、幸太の意識は暗転していった。

 

 

 

 

 

 

 幸太は夢を見た。

 それは、幸太にとって思い出したくもない悪夢。

 

 刃が自分の母親に向かって降り下ろされるのを幸太は呆然と眺めることしかできなかった。

「くそ!!貴様らネイバーか!!」

 そう父が叫び相手に向かって斬りかかる。

 

「ほう、ミデンでトリガー使いを見るのは始めてだな。だが弱い。」

 

「ぐわっ、」

 父が謎の男に真っ二つにされる。

 

「父さん!?」

 

「逃げろ幸太!!忍田のところに行け、そうすれば全部わかる!!」

 

「でも、父さんは..「いいから早く行け、俺の言うことが聞けないのか!!」

 そう父さんに怒鳴られ幸太は走り出そうとする、しかし

 

「行かせると思うのか。」

 男が幸太に向かってブレードを振り下ろす。

 その時、幸太は恐怖で足がすくみ避けられない、死を覚悟した瞬間....

 

「させるか!!」

父が幸太の前に躍り出た。

 幸太は頭が真っ白になった。

 幸太に振り下ろされるはずだった刃は生身の父を切り裂いた。

 

「父さん!!」

 幸太は斬られた父に詰め寄り泣きじゃくる。

 

「息子を庇ったか。つまらん、実につまらん。親子共々死ね。」

 男は幸太と虫の息である父共々斬るためにブレードを振り下ろそうとする。

 しかし、その時父が光に包まれた。そして、幸太も雷光を纏い始める。

 

「ち、ブラックトリガーか!!」

 男はそう舌打ちすると、その場にゲートを出現させ逃げていく。

 

 暫く呆然としていた幸太は我を取り戻し、

「父さん!!」

 と幸太が喋りかけた父は

 

「悪い。」

その一言と共に塵になった。

 

 

 

 

 

 

「うあっ!!」

 と夢から覚めた幸太は飛び起きた。身体中汗まみれで、呼吸も荒い。

 

「はぁ、夢か...。暫くあの夢は見てなかったんだけどなぁ。」

 幸太はそう呟きながら時計を確認すると朝の5時である。

 幸太は気分を落ち着かせるためにコーヒーでも飲もうと、キッチンに向かっていく。すると、リビングには先客がいた。

 

「林藤さん朝早いですね。」

 

「お、幸太か。んな分けないだろ、いままで仕事してたんだよ。昨日の件もあったし、忙しかったんだ。」

 俺は昨日の事は支部長には報告してなかったので、多分迅が俺の代わりに報告してくれたのだろう。心の中で迅に礼を言いながら、幸太は林藤支部長との話を続ける。

 

「でもよかったですよ。本部と戦争にならなくて。」

 

「まあ、そうだな。迅には感謝しなきゃな。」

 

「アイツにはさんざん痴漢や暗躍やらで迷惑掛けられたからチャラでいいと思うんですけどね。」

 

「はっはっは。おいおい幸太、それは、ないだろ.」

 と冗談を交えながら話していると、林藤支部長は真面目な顔をして優しく聞いてきた。

 

「で、今日は何でお前は早く起きてきたんだ?」

 

「いや、僕でも早く起きることはありますよ。」

 

「そんな分けないだろ。お前いつも起きんの一番遅いだろ。逆にお前が早起きした時は何か合ったのか?って疑うレベルだ。」

 どうやら、俺が早起きするのは天文学的な事らしい.....。解せぬ。

 

「はぁ、チョッと嫌な夢見まして...。」

 

「家族のか?」

 

「ええ。」

 

「何だかんだ言ってお前とは長い付き合いだな。」

 と林藤さんは懐かしそうにそう言い出した。

 

「そうですね、もう10年ですよ。」

 

「お前と初めて会ったとき今も覚えてるぜ。有吾さんに斬りかかった時、あんときはやばかったな!」

 

「やめてくださいよ。あの時は俺も若かったんですよ、若気のいたりって奴です。て言うか、父や師匠たちが裏でこんなことしてるってあの時初めて知りましたよ。」

 俺は両親が死んでから師匠に引き取らた。その時、初めてネイバーやトリオン、トリガーのことを知った。それから、師匠に弟子入りし今に至ると言うわけだ。

 

「で、あんときから気持ちは変わったか?」

 

「復讐したい気持ちは変わりませんよ。今でも覚えて、いや忘れたくても忘れられませんから。でも、有吾さんのお陰でネイバーにもいい奴が一杯いることも知りましたし、ネイバーじたいを恨むってことはないですね。て言うか、変わってなかったらそもそも玉狛には入ってないですし、遊真に会った瞬間ぶった斬ってましたよ。」

 

「あん時のお前ならやりそうだな。事あるごとに有吾さんに斬りかかって、返り討ちにされてたからな。」

 

「ははは.......。荒れてましたからねぇ。」

 

「でも、あれ有吾さんじゃなかったらヤバかったぞ。使いこなせてなかったとはいえ、ブラックトリガーだからな。」

 

「そうですね。有吾さんでよかったですよ。ホントに......。」

 

「なぁ、幸太。お前今楽しいか?」

 

「ええ、楽しいですよ。」

 

「そうか、ならいい。お前がこの頃元気無かったからな、心配になったんだ。」

 

「林藤さん....。ありがとうございます。でも、俺は大丈夫です。それより今回は迅の方が心配じゃないんですか?」

 

「なに、アイツは大丈夫だよ。アイツは強くなった。」

 

「俺はアイツを見ると入ってきたことの事を思い出すんで中々そうは思えないんですけどね」

 迅がボーダーに入ってきた当時、迅はネイバーに母親を殺されており、自分の未来が見えるサイドエフェクトのせいか引っ込み思案な奴だった。

 

「ははは、ホントだな。最上さんが連れてきたときはオドオドしてたのにな。今の迅を知ってる奴にその話すると絶対驚くよな。」

 

「はっははは。でも、俺が一番驚いたのは小南が入ってきたときですね。」

 

「おい、お前何で小南がボーダーに入ったか分からないのか?」

 と、林藤さんは呆れる様に言った。

 

「え、林藤さん知ってるんですか?」

 

「はぁ、こりゃあ小南もたいへんだなぁ。」

 林藤さんはそんな風に小南に同情するようにいっているが、俺には何の事か全くわからない。

 

「???」

 

「もういい。」

 

「ちょっ、教えてくださいよ。」

 

「ちょっとは自分で考えろ。」

 

「考えてもわからないから聞いてるんじゃないですか!!」

 

「はぁ~」

 

「何でため息!?」

 

 幸太は林藤支部長と朝食の用意をしに来たレイジが来るまでこの調子のまま楽しく話を続けるのであった。

 

 




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