今年も宜しくお願いします。
キーンコーンカーンコーン
放課後の始まりを告げるチャイムを聞きながら、幸太は
「今日、お客さん繰るんだっけ。お菓子あったかなぁ?あ、小南のどら焼きがあったな。じゃあいいか。」
そう思いながら玉狛支部に帰っていった。
玉狛支部に帰ってくると、玄関で小さな子供がカピバラに乗りながら遊んでいた。
「おお、幸太帰ったか」
こいつは、林藤陽太郎5歳。ここの支部長林藤匠の息子で、上から目線で偉そうなのがたまにムカつくがいいやつである。地味に動物と会話できるというサイドエフェクトを持っている。
サイドエフェクトとは優れたトリオンを持つ人間にまれに発現する特殊能力の事である。と言っても、あくまで人間の能力の延長線上であり、超常的な物ではない。
因みに、迅や俺もサイドエフェクトを持っている。
迅のサイドエフェクトは[目の前の人間の少し先の未来が見える能力]で、俺のは......。まあ、いずれ分かる。
「ああ、宇佐美帰ってるか?」
そう俺が陽太郎に聞くと、奥から眼鏡をかけた長髪の少女が現れた。
「幸太くん帰ってきてたんだ、お帰り~~。」
この少女は宇佐美栞俺と同じ17歳、玉狛支部所属で玉狛第一のオペレーターだ。こう見えてかなりの眼鏡信者であり、時々俺や迅、支部のみんなに伊達でもいいから眼鏡かけてと頼んできたり、会う人すべてに突然眼鏡を勧めだすくらいのレベル...。
「ただいま、今日迅が新人連れてくるかもっていってたけど、もう来てる?」
俺がそう聞くと、
「ええっ、私そんな話知らないんだけど......。」
どうやら、宇佐美には連絡がいってなかったらしい。
「まずっ、今日お菓子あったかなぁ?もう食べちゃったから無いかなぁ?ないなら早く買ってこないと....。」
「小南のどら焼き出しとけばいいだろ。あれいいとこで買ったやつだし、小南今日来ないし、一石二鳥じゃん。」
「いいの?明日来たときメチャクチャ怒るよ...。」
「いいんだよ。あいつならごまかしとけばなんとかなるだろ。」
そう言いながら、俺は幼馴染みかつボーダー支部の同僚の顔を思い浮かべ、どら焼きの事を容易に誤魔化されるシーンを想像した。
(はぁ、あいつの騙され癖がなおる日は来るのか?)
ため息と共に....。
「ははは.....。そうだね.....。」
どうやら、宇佐美も同じことを想像したみたいだ。
「ま、お菓子の方はどうにかなったし、迅もまだ帰ってきてないし待つか。俺ちょうど訓練したいから、訓練室使うわ。」
「あ、私今新型トリガーのレポート書いてるから...。陽太郎迅さんかえって来たらおしえて。いい?」
「任せろ栞。安心して待っていろ。」
「ははは...。なんか心配。」
俺も同感だが、まあ陽太郎でも案内位はできるだろうと思い。
「じゃあ、頼むわ」
そう言って、荷物を自室に置き訓練室で弧月を振り始めた。
「«旋空弧月»」
幸太は訓練室でひたすら的に向かって弧月のオプショントリガー旋空をはなっていた。
「だめだ、メチャクチャなまってる。前回やっとのことで5-5の引き分けまでいったのに、今やったら瞬殺されるなぁ。次師匠と模擬戦やるまでに、勘を戻しとかないとダメだなぁ。」
そう思いながら、弧月を振っていると、玄関から声が聞こえた。
「お、やっと迅帰ってきた。」
そう思った俺はトリオン体を解除して、ドリンクを飲みながら玄関へと向かった。
「迅がいってた、新人ってどんなやつだろうか?」
そう呟きながら玄関についてみると、迅と宇佐美が話していた。
迅の後ろには3人の年下と思われる少年少女がいた。
一人目は The眼鏡少年 ていうくらい眼鏡が似合っている。宇佐美が「仲間ができた!」とか言って喜びそうだ、他に特徴はない、至って普通の少年である。
二人目は小学生くらいの大きさの女の子。ん?よく見てみるとこの子のトリオンヤバイなぁ。俺が見てきた中で一番あるんじゃないかってくらいある。他よりもかなり多いはずの俺の1.5倍はあるな....。やばい、やばすぎる。
なぜ俺がトリオン量が分かるかって?ぶっちゃけ俺のサイドエフェクトが関係してるんだが....。まあ、いずれ分かる。
三人目は...!!なんだこいつ何でこんな体してんだ??て言うか、こいつがしてる指輪...。
その時、俺は大体の事情を察した。なぜ迅が玉狛にコイツらを連れてきたかやそのあとどんなことが起こるかもしれないかという事、そして迅の暗躍に付き合わされるということを。
(あとで詳しい話聞かないとな。城戸さんも頑固だから、ネイバーを玉狛に入れる何て認めないし。しかも、それがブラックトリガー使いだったら尚更だよなぁ...。有吾さんの恩もあるし、本部とどんぱちすることになったら本気で手伝ってやろう。)
そう心で思いながら、幸太は声をかけた。
「迅そいつらがお前の言ってた新人か?」
「おお、幸太帰ってきてたか。いや、まだちがうんだよ。今は、ここに見学みたいな感じで来てる。」
「そうか、初めまして俺は佐伯幸太17歳だ。宜しく。」
「あ、初めまして。僕は三雲修と言います。宜しくお願いします。」
俺が挨拶すると、眼鏡君が挨拶してきた。へ~三雲君って言うんだぁ。
「あ、私は雨取千佳です。どうぞ宜しくお願いします。」
「俺は空閑遊真。宜しく。」
「お前が有吾さんの息子さんか。会いたかったぞ。」
「親父を知ってるのか?」
「ああ、といっても一緒に居たのは1年だけだったけどな。戦闘技術や心構え、果てには釣りまで色々なことを教わったよ。俺これでも、上層部を抜いた中では一番の古参なんだよ」
「へーそうなのか。」
「まあ、こんなところで喋るのもなんだし、中は入れよ。」
そう言いながら幸太は客人3人をリビングに連れていき、お茶とお菓子を用意するのだった。
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