ボーダー最強の隊員   作:ワートリLove

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祝5000字超え
めちゃくちゃしんどい。


第五話

ボーダー本部内とある会議室にて

 

「これが今回の遠征の成果です。お納めください城戸司令。」

 そう言いながら、小柄な男が4本のトリガーを城戸司令へと差し出した。

 

 この男はA級3位風間隊を率いる隊長風間蒼也である。身長158センチと小柄ながらも、アタッカーランク2位、個人総合3位という小型かつ高性能を体現している人なのだ。

 

「おお~。素晴らしい。未知の世界のトリガーが4本も!これで、ボーダーのトリガー技術は更なる進化を遂げるぞ!」

 鬼怒田開発室長は歓声をあげて喜びを露にする。

 そんな鬼怒田開発室長に長身リーゼントの大男が声をあげる。

 

 こいつは、当真勇18歳。スナイパーランク1位、個人総合4位というA級2位冬島隊に所属する文字通り№1スナイパーである。

 

「鬼怒田さんさぁ~。遠征艇もうちょい大きく作れねぇ?俺足なっげーから窮屈で死にそうだったぜ。」

 と文句を言うが、鬼怒田室長は

「バカ言え、あれよりでかいのを飛ばそうと思ったらトリオンがいくら有っても足らんわい!」

 と当真の文句を一蹴した。 

 

と、ここで城戸司令が話を切り出した。

「····さて帰還そうそうで悪いが、お前たちには新しい任務がある。現在玉狛支部にあるブラックトリガーの確保だ。」

 風間ともう一人黒のロングコートの男が「玉狛」、「ブラックトリガー」という言葉に反応する。

 

 この人こそが、アタッカーランク1位個人総合1位という怪物アタッカー太刀川慶だ。そして、幸太にとっては同じ師匠を持つ弟弟子である。と言っても、年齢はこちらの方が20歳で年上であるが...。

 

 城戸司令は左にいる三輪隊を見ながら

「三輪隊説明を。」

 と、指示をだす。

 その指示を聞いた三輪隊の奈良坂が今までの経緯を説明し始めた。

 

 

 三輪隊の奈良坂が三雲隊員を追跡調査しネイバーを発見、交戦、そしてその時にブラックトリガーの使用を確認したこと、その能力が「他人の能力を学習し自分のものにする」であること、その後迅の手引きで玉狛支部に入隊したこと等を説明し、いつ襲撃作戦を開始するかという話になったときに、急に太刀川が口を開いた。

 

「今夜にしましょう。今夜。」

 

「今夜!?」

 その言葉に一同は皆驚いた。

 

「太刀川さん。いくらあんたでも相手をなめない方がいい。」

 そう三輪が耐えきれなかったのか忠告するが、

 

「舐める?何でだ三輪?相手のトリガーは(学習する)トリガーなんだろ?今頃玉狛でうちのトリガーを学習してるかもしれない。時間がたつほどこっちは不利になるぞ。それに、長引かせでもしたら見張りしてる古寺や米屋に悪いだろ。サクッと終わらせようや。」

 と言い返され。さらに、風間も当真も反対しなかったので、結局今夜作戦決行となった。

 

 

 三輪は風間や当真と話し合いながら会議室から出ていこうとする太刀川の後ろ姿を見ながら

(この人は昔から苦手だ.....。)と思っていた。

 

 

 

 

 

 

 その頃、玉狛支部のメンバーは襲撃など頭の片隅にもなく、皆で楽しく食事をとっていた。

 遊真はサンドイッチを見ながら首をかしげ、パンと具を別々に食べようとしたので、

「遊真それはサンドイッチって言ってな、そのままパンごと食べるんだ。うまいぞ。」

 と言ってやる。

 

「おお、ありがと幸太先輩」

 そう遊真は言うと、サンドイッチを食べ始めた。

 それを見守るように見ていると、リビングから宇佐美と小南の声がした。

 何事か、と思いながらリビングを見てみると....。

 

「なにこの数値!ブラックトリガーレベルじゃん!どうなってんの?」

 小南が千佳ちゃんを不思議そうに頬をつねりながら見ていた。

 

「何かあったのか?ていうか、小南なにしてんだ?」

 と、聞いてみると。

 

 宇佐美が

「千佳ちゃんのトリオンの話してたんだよ。幸太もトリオンの事知ってたなら教えてくれてもよかったのに...。」

 とこたえた。

 どうやら、千佳ちゃんのトリオン量を見て驚いていたらしい。

 

「ああ、なるほど。千佳ちゃんのトリオン量はボーダー内でも№1じゃないのか?俺これ以上あるやつ本部でも見たことないぞ。」

 

「ええっ、そんなに?」

 

 レイジさんも、

「雨取のトリオン能力は超A級だ。忍耐力と集中力もあって性格はスナイパー向き。戦い方を覚えればエースになれる素質はある。」

 と、千佳ちゃんを絶賛する。

 

「ほほう、レイジさんがそんなに誉めるとは。こりゃぁ千佳ちゃんが一番の有望株か~?」

 と宇佐美が関心したようにいう。

 

 すると、小南は自分の弟子の事であっても負けるのが嫌だったのであろうか、

「うちの遊真の方が強いよ。今でも余裕でB級上位くらいの強さはあるしボーダーの武器に慣れればすぐにA級レベルに上がるんだから。」

 と急に遊真の事を誉め始めた。

 幸太は相変わらずの負けず嫌いだなぁと思って遊真と小南のやり取りを見ていた。

 

 すると、小南は話に出てきていなかった修のことが気になったのか

「そっちはどうなのよとりまる?そのメガネは使い物になりそうなの?」

 と京介に聞いた。

 

 質問を受けた京介は数秒固まった後

「今後に期待としか言えないっすね.....。」 

 やっぱりかぁ。修はトリオン量も平均以下、京介との戦闘を見ていてもお世辞にもセンスがあるとは言えなかった。まあ、頭で考えながら上手く戦っていくしかないかなと思っていると、小南が修にきつい事を言っていた。

 

「はぁ、何それ。つまり、現時点で全然だ目ってことじゃん。ちゃんと強くなるんでしょうね?玉狛の隊員に弱いやつは要らないんだけど。」

 その言葉に修は辛そうな表情をしている。

 幸太は流石に言い過ぎだと思い、フォローしようとしたが京介に目で止められた。

 

「でも、小南先輩・・・・

 どうやら師匠である自分がフォローしたかったらしい。

(お、さすが京介。弟子のフォローは師匠がやるってか。ほんといいやつだなぁ。)

 

 そう思ってた時期が俺にもありました。

 

「こいつと幸太先輩小南先輩のこと«超かわいい»っていってましたよ。」

 修は「この人何いってるの?」って言う目で、俺は「お前はそういうやつだったな」と思い出すかのような目で京介を見ている。

 

「えっ、そうなの!?」 

 小南はいつものように全く気付いていない。

 

「ふむ、いってた気がする」

 嘘がわかる遊真はすぐに京介の意図に気付き面白そうだからと乗ってきた。

 て言うかほんとやめてくれ、騙せば騙すだけ後が怖いんだよ...。

 そう幸太が思っているなど露知らず、小南は

「ちょっと幸太もメガネも止めてよね♪。そういうお世辞、お世辞じゃないのかもしれないけど。」

 と、顔を真っ赤に染めながら上機嫌に俺や修をポカポカ叩いている。

 

しかし、

 

「すいません嘘です。」

 京介のこの言葉で一気に機嫌が変わった。

 

「・・・・・・!?なっ・・・。」

 

「お世辞じゃなくて嘘です。」

 そこまで来て小南はやっと自分が騙されている事に気付いたらしい。

 次の瞬間俺は首を絞められた。

 

「ちょ、ギブギブ。」

 そう言って俺の首を絞める小南の腕をタップするが、

「幸太また騙したな!そこのメガネも!ちょっと嬉しく思っちゃったじゃない。私のプライドが傷つけられた~。」

 と、聞かずに話してくれない。やばい、だんだん本気で苦しくなってきた....。

 それを察してくれたのかレイジさんが止めにはいる。

「おい、小南もうはなしてやれ。それに、騙したのは京介だぞ。」

 そうレイジさんに言われて、やっと小南は俺の首を絞めるのをやめた。

 

 解放された俺は噎せながら、小南に文句を言う。

「ぐほっ、ぐほっ。おい小南やりすぎだぞ。ていうか、何で俺騙してないのに俺にやり返すんだよ。お前は顔はかわいいんだから、その性格と騙され癖を早く直せばいいものを...。」

 

「えっ、」

 小南は俺の言葉にまた顔を真っ赤にした。

 ヤバイ、また怒らせたかそう思っていると。

 

「私かわいいの?」

 と、小南が聞いてきた?

 

「え、まあかわいい方に入るんじゃないか?」

 性格があれだから、全体でみるとあれかな.....。

 

 すると、小南は

「にゃっ、かわいいって....。」 

 と呂律が回らないくらい怒った?のか、顔を真っ赤にしたままオロオロし始めた。

 ん、ていうか、周りもなんかニヤニヤしてるし何かしたか?

 

 小南も周りの様子に気付いたのか急に立ち上がり、

「ちっちがう。そんなんじゃないんだからぁ~。」

 と、一層顔を赤くさせ遊真をつかんで訓練室へと連れ去っていった。

 

 小南が去っていった後、宇佐美が俺に話しかけてきた。

「いや~。まさか、幸太がこんなに積極的になるとは。」

 

「えっ、何が?」

 

「いや、小南のことかわいいって言ってたでしょ。」

 

「それは今さらだろ。って、しかもあいつめちゃくちゃ怒ってたじゃん。」

 

「えっ」

 あれ?皆が俺に驚きの目を向けてくる。

 

「なあ、幸太。お前はあれが怒ってるように見えたのか?」

 そうレイジさんが聞いてきたので、

 

「え、違うんですか?あんなに、顔を真っ赤にさせて怒ってたじゃないですか。」

 そう返答すると、皆が小声で話始めた。

 

「あの、やっぱり小南先輩って佐伯先輩のこと...。」

 

「ああ、そうだ。まあ、普通は見てたら普通に気付くもんなんだが、幸太はいつもあんな感じでな。」

 

「小南先輩可愛そうですね。」

 

「小南先輩がもっと、素直になればいいんっすけどね。」

 

「まあ、それも難しいかな。頑張れこなみん応援してるぞ。」

 

 何で小南がドンマイなんだ?

 俺が疑問に思ってると、レイジさんが時計を見ていった。

 

「おい、そろそろ午後の訓練始めるぞ雨取」

 どうやら、もう時間になったらしい。

 レイジさんと千佳ちゃんが一緒に訓練室に向かう。

 

「さて、俺たちもいくぞ三雲。」

 

「はい、烏丸先輩。」

 そう言ってこの二人もそれを追うように訓練室に向かっていった。

 

「まあ、頑張りたまえ。」

 俺はその後ろ姿を見ながら、そう呟いた。

 そして、修たちが見えなくなると、

「さて、俺も今夜は頑張りますか。」

 そう言って戦闘の準備をするために自室へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 それから数時間後

 幸太は迅とともに襲撃部隊を待っていた。

「ふう、戦闘をせずに帰ってくれればいいんだけどなぁ」

 と呟くと迅が

「いやいや、たぶん無理でしょ。太刀川さん戦闘狂だもん。ていうか、そこら辺は幸太の方がよく知ってるでしょ。」

 と言ってきた。まあ、確かに俺たち二人を見て嬉々として弧月を抜く慶の姿を容易に想像できてしまう...。

 

 俺はふと急に俺がブラックトリガーを使ったら迅のプランに影響するのではないか、と思ったのであらかじめ聞いておこうと思い、

「で、俺は初めから本気でやっていいのか?」

と迅に聞いた。

 

「いや、なるべく本気は出してほしくないかな。でも、もし俺がプランBっていったらブラックトリガー使っていいよ、俺も風刃使うし。でも、俺の相手は取らないでね。」

 と、答えた。

 

「了解了解。」

 というやり取りがあった直後、前方に人影が見えた。

 

「来たぞ迅。」

 

「分かってる。」

 

向こうもこちらに気付いたらしい。

「っ止まれ!!」

 その場で止まりこちらを警戒する。

 

「迅、佐伯....。」

 

「成る程、そう来たか..。」

 三輪と風間さんがそう呟く。

 

「太刀川さん、久しぶり。皆さんお揃いでどちらまで?」

 そう迅はいつもの口調で話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 現在、幸太は迅と慶が舌戦をしているのをのんびり眺めている。

 すると、風間さんが

「邪魔をするな迅、佐伯。おまえたちと争っても仕方がない。俺たちは任務を続行する。本部と支部のパワーバランスが崩れる事を別としてもブラックトリガーを持ったネイバーが野放しにされている状況は、ボーダーとして許すわけにはいかない。」

 そう諭すふうに言うが、

 

 迅は

「城戸さんの事情は色々あるだろうが、こっちにだって事情がある。あんたたちにとってはただのブラックトリガーだとしても、持ち主本人にしてみれば命より大切なものだ。別に戦争するつもりはないが、おとなしく渡す訳にはいかないな。」

と、答えた。

 

「俺も迅に同じですね。しかも、俺はそれに加えて持ち主の親にとても大きな恩を貰いました

。だから、その恩を返さないといけませんから。」

 そう俺も答える。

「あくまで、抵抗を選ぶか。お前たちも知っているだろうが遠征部隊に選ばれるのはブラックトリガーに対抗できると判断された部隊だけだ。お前たち二人で、この面子に勝つつもりか?」

 

「もちろん、って言いたいところだったけど俺たち二人だけじゃ不安だったから頼もしい援軍に来て貰ったんだ。」

 

「何?」

 風間さんが迅の言葉に警戒する。

 お、来たな。

 

「嵐山隊現着した。忍田本部長の命により玉狛支部に加勢する!」

 

「嵐山・・・・!」

 

「嵐山隊...!?」

 

「忍田本部長派と手を組んだか....。」

 嵐山隊の到着で戦力はこちらが上回った。さて引いてくれるかな?

 

「嵐山たちにブラックトリガー使いの幸太、はっきり言ってこっちが勝つよ。俺のサイドエフェクトがそういってる。俺だって別に本部と喧嘩したい訳じゃない、引いてくれると嬉しいんだけどな。太刀川さん。」

 そう、迅は退却を促すが

 

「成る程«未来視»のサイドエフェクトか。ここまで本気のお前たちは久々に見るな。幸太には負け越してるし、迅は3年前からまともに勝負してないからな、ここできっちり勝たせてもらう。」

 そう言って、嬉しそうに慶は弧月を抜き放った。

 

「やれやれ、そういうだろうと思ったよ。」

 

「はぁ、やっぱりこうなったか。戦闘狂に交渉とか無理だよなぁ」

 そうそれぞれ呟き、お互い戦闘体制にはいる。

 

こうして、ブラックトリガー争奪戦が幕を開けた。




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