初日の授業が終了して放課後になった。
一夏は自身が慕っている者を探して校舎を歩いていた。
その時、後ろに気配を感じた為、建物の曲がり角を利用してその者の後ろを取ろうと考えた。
そうして、角を曲がった一夏はすぐに隠れた。
すると、簪に似た者が姿を現した。
「ど、何処に行ったの!?」
「此処だ」
「ッ!?」
後ろに立って話し掛けた一夏はその時初めてその者の顔をはっきりと見た。
その顔に一夏は見覚えがあった。
「貴様は確か、IS学園の生徒会長の更識楯無ではないか・・・」
「あら、知っていたのね」
「あぁ、師から教えられていたからな。対暗部の家系だとな」
「ッ!?・・・それを誰から聞いたのかしら?」
「俺が師として慕う者だ」
それを聞き楯無はある顔が思い浮かんだ。
その者なら教えても不思議ではない。
「そうなの」
「それで、俺に何か用か?今は忙しいのだが・・・」
「ふふふ、貴方に生徒会のメンバーになって貰おうと思ってね」
「断る」
楯無は自身のペースに持ち込むために勧誘をするが、一夏は即答で断った。
当然といえば当然だ。
一夏にはメリットが見えないのだから・・・
「即答!?お姉さん悲しいわ・・・」
「嘘泣きは止せ、その様な演技では他の者は騙せても俺は騙せん」
「ひどッ!?これでも結構本気なのだけど・・・」
「そうだとしても俺は生徒会に入るつもりは無い。それでは失礼させてもらう」
そう言うと一夏はその場から足早に去って行った。
その後ろ姿を見ていた楯無はというと・・・
「成程ね、あの人が関わっているだけの事があるわね。やりずらいったらないわ」
そう言うと楯無は生徒会室へと帰って行った。
生徒会室に鬼の様な形相をした相方がいると知らずに・・・・・・
☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・・・
「思いがけない所で時間を食ったな・・・《HGSKHFSOIHGSK"!KAIW?"IKJ#&K!??IE+*OU!?》そうか、その場所に居るのか。何かとすまないな」
一夏は痣からの情報があり、自らが慕う者がいる場所を知る事が出来た。
そのため、痣を褒めながら撫でると痣が喜んでいる様にも見える。
そこに向かうために走ろうとしたが、向く側から誰かが歩いて来ているのを感じ取ったため立ち止ると、そこには自身が師として慕う者がやって来ていた。
「やぁ、一夏君。久しぶりだねぇ、元気にやってるかい?」
「お久しぶりです、師よ。貴方の御蔭で元気にやっております」
「そうかそうか、それならよかった。それに丁度いい所で会えたな」
そう彼女は言うと懐から一つの短刀を取り出した。
それには、柄の所にISのコアが埋め込まれていた。
彼女はそれを一夏へと投げ渡した。
それを見て一夏は驚きながら聞いた。
「もしかして、これは・・・」
「あぁ、お前の為に私が作り上げて置いたISだよ。上の方には申請はして置いたからね。大切にしてくれよ?」
「はい、大切に使わせてもらわせます」
「ハハ!嬉しいね。それと簪ちゃんとも仲良くしてあげてね。あの子は姉と仲が悪いみたいだからね」
それを聞き一夏は昼休みの時に会った簪と、つい先ほど会った楯無が思い浮かんだ。
「その姉妹にはそれぞれ会いました。しかし、姉の方とは仲良くしたくないのが現状です」
「そうかい・・・、まぁ彼奴の事だから変な見栄を張ったんだな。まぁ、彼奴とは仲良くしようがどっちでもいいが、簪とは仲良くしてやんな。お前と同じ様な奴なんだからさ」
「分かりました・・・」
「それじゃあ、私はそろそろ行くとするよ。後、ほれ!」
そう言い彼女は一つの鍵を投げ渡した。
「それは一夏の寮部屋の鍵よ。失くすんじゃないよ」
そう言い去って行く彼女を一夏は見えなくなるまで見ていたのだった・・・・・・