永遠は英雄となりえるのか   作:リョウタロス

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2カ月以上更新もできずに本当に申し訳ありませんでした。しかも新しい話ではなく書き直し。元の話では完全に作者の中で行き詰まってしまった為書き直しました。本当に申し訳ありません
あと前話の最後の部分も書き直したので出来ればそちらからお読みください

JokerKoutaさん、F/U駄文製造機さん、タブーさん高評価ありがとうございます!励みになります!

ガバガバクラスターさん評価ありがとうございます。評価以上の作品にできるよう頑張ります

今回は色々と違和感やツッコミ所があるかもしれませんが、斗和sideです。演習場Cでは何があったのか!


Episode:09 Eを見つけた

時は少し遡り演習場C

 

こちらでは試験開始の時と同様に斗和が手持ちの装備を使い他の受験者達と同じように仮想敵を倒している

 

「ふっ!」

 

腰のナイフを3Pの仮想敵の顔に突き刺し倒すとすぐに引き抜き別の仮想敵を狙いにいく

ただでさえ直接棍で殴るかナイフで刺すとか、物理で一体一体ちまちまと倒さなければならないのだ。しかもこの混戦状態、1Pでも多くPを得る為に獲物の奪い合いも起きているのだから自分を狙ってきた奴だけなんて悠長なことは言ってられない。見敵必殺、サーチ&デストロイだ

 

だがそれも試験ラストスパート、残り2分というところで中断させられた。こちらにもあの0Pの巨大仮想敵が現れたからだ

先程までうじゃうじゃといた1~3Pの仮想敵も巻き込まれまいといち早く逃げだしこの場には受験者、巨大仮想敵、そして倒された仮想敵の残骸だけとなっていた

 

 

「あんなのにかまってられるか!俺は逃げるぞ!」

 

「いくらおじゃま敵だとしてもでかすぎぃ!」

 

「逃げるんだ……勝てるわけがない!」

 

 

受験者達も我先にとその場から離れ迫り来る巨大仮想敵から逃げだしていく

 

(俺もこの装備だけじゃあの相手は無理だからとっとと逃げねえと)

 

そう考え仮想敵とは逆方向に走りだそうとする中、後ろを振り向くと最後尾を走る水色の長い髪の少女と巨大仮想敵が壊したであろうビルの瓦礫が少女へ降ってきているのが見えてしまった

 

(あの瓦礫のでかさじゃ強化型や異形型じゃなきゃ即死コース!しかもあのスピードじゃ避けようとしても完璧な回避は無理だ!)

 

 

この雄英高校には対象者の身体の治癒力を一時的に活性化させ対象者の傷を癒せる個性を持つヒーロー、リカバリーガールという老婆がいる。だからもしこの試験で大怪我を負っても大抵の傷ならば癒せる

だがそんな個性も対象者が死んでいたら意味がない。あくまで彼女の個性は治癒力の活性化、治癒力も何もない死体では某狂ったダイヤモンドと同じように手遅れなのだ

 

(100%じゃないとはいえ、死ぬ可能性のある奴を見捨てられるかよお!)

 

 

悲劇の可能性を見てしまった斗和は1秒にも満たない一瞬でそれまで考えていた自分にかかるリスクやこれからのこと、余計なことを考えるのをやめ、ロストドライバーとNの文字が描かれたメモリを出した

 

『Nasca!』

「間に合え!」

 

 

――――――――――――――

 

 

私の名前は追田 華隠(おった かおん)

ある目的の為にヒーローを目指し、ヒーローになる為に雄英高校の入試を現在進行形で受けている中学生です

 

実技試験の途中まで私は個性を活かし順調に進めていました

そう、あの0Pの仮想敵が出てくるまでは……

 

 

(ああ、今日の朝の占いハズレ過ぎですよ)

 

それが自分の目の前に現れた仮想敵を見た時の感想だった

もう数歩足を進めていれば吹きとばされていたであろう距離で巨大な仮想敵が現れ吹きとばされなかったのは幸運というべきか不運というべきか迷いますが少なくとも私は自分の運勢が最高だった朝の占いを信じるのはやめました。衝撃的な出会いがあるかもってありましたけどこんな出会いは求めてません!!

 

私の個性はここまで巨大な相手には意味がなく増強系でもない為逃げきるにも自分の脚力だけが頼り。はっきり言って絶体絶命です。救いは0P敵の足が遅いことですね、私の足でも追いつかれません。それを補うかのように破壊範囲が広いから今にも巻き込まれそうですけど

 

 

そして危惧していた事態が起きました。0P敵の壊したビルの瓦礫が私目掛けて降ってきたんです

避けようにも降ってくる私1人くらい簡単に押し潰せそうな大きい瓦礫を見た瞬間、身体が硬直してしまって動きません

ああ、私ここで死ぬんですね。お父さん、お母さんごめんなさい。最後に1度だけ、あの方に会いたかったなぁ

……

 

 

 

そんな風に死を覚悟して目を閉じると同時に10年前のあの日と同じ声の電子音声が耳に飛び込んできた

 

『Nasca Maximum Drive!』

 

いつまで経っても痛みがこないのを不思議に思い目を開けると私はいつの間にか知らない男の子にお姫様抱っこの状態で抱き抱えられていました

もうこの時点で私の頭はフリーズしています。開いた口が閉じません。そして肝心の私を抱き抱えている方を見るとその焦燥した顔で必死に私を助けてくれたと判断できました

 

(確か試験前から色々と武装していた方、でしたよね?)

 

個性が自由に使えるこの試験で殆どの人が丸腰なのに彼だけはナイフや鉄棍と色々装備していたからなんとなくだが覚えている

だけど何故でしょうか、さっきの電子音声もそうですがこの人に抱かれているとなんだか懐かしい気持ちになってあの方(仮面ライダーエターナル)を思い出します

そんな思考をしながら私の脳内でとりあえずあの朝の占いは信じることに決めました

 

 

 

――――――――――――――

 

 

(危なかった、もう少しで本当にこの子が死ぬところだった……)

 

両脚から翼を生やした俺は走りながら少女を抱き抱えた状態で冷や汗をかいていた

 

 

さっきロストドライバーを腰に出現させた俺はそれとほぼ同時に高速移動と飛行の能力を兼ね備えたナスカ文明の記憶を収めたメモリ、ナスカメモリを腰のマキシマムスロットに挿した

その能力で脚にナスカの地上絵のハチドリの翼を模したエネルギー状のナスカウイングを生やし瓦礫が落ちるよりも速く少女を回収し逃げたのだ

 

はっきり言って後ほんの少し遅ければナスカの高速移動でも間に合わなかった。本当にぎりぎりだ

とりあえず巨大仮想敵が襲ってこない位置までこの子を運ぼう。これからのことはそれからだ

 

 

ところでなんでこの子はこんなにじっと俺の顔を見てるんだ……

いや、別に助けてくれた人の顔を見るのは不思議でもなんでもないんだろうけどここまでガン見されてるとなんかなぁ

お姫様抱っこも初めてだからこの子を意識して力緩めると落としそうで不安だし早く巨大仮想敵から離れてこの子降ろそう

 

 

 

とりあえず人気の少ない方へ向かって来たからロストドライバーやメモリの目撃者は少ないとは思うが、そこら辺は祈るしかないな

巨大仮想敵から充分に離れた俺はスピードを緩めロストドライバーとメモリを消し少女を地面へ降ろす

だが少女はまっすぐに立てず腰が抜けたように尻餅をついてしまった

 

「あ、す、すいません。腰が抜けてしまって……」

 

「大丈夫か?悪かったな、雑な助け方したうえにこんな離れた場所まで連れてきちまって」

 

「い、いえ!助けてくれて本当にありがとうございました!私の個性ではあのまま助からなかったでしょうから……」

 

手を貸して立ちあがらせると彼女は脚が少し震えてるが立って俺の謝罪に驚きながらお礼を言ってくれた

 

 

「そう言ってもらえるとこっちとしても助けた甲斐があるよ。怪我とかはしてないか?なにせこっちも必死だったから」

 

「あ、それは大丈夫です。幸い瓦礫も当たりませんでしたし貴方がしっかりと落とさないでくれましたから。あっ、それより制限時間は!」

 

「あ『試験終了~~~!!』終わっちまったか……」

 

 

まさかこんな形で終わってしまうとはなんともしまらない。まあ、人を助けての結果だから悔いはないが

 

「あ、あああ、すいません!すいません!私を助けたせいで貴方の試験までこんな形で!」

 

「いいっていいって、仮にもヒーロー志望の為にここに入学しようとしてるんだ。妨害とかならまだしも人助けでやったんだから後悔はないさ。それより、入り口の方へ戻ろう。移動のバスにまた乗らなきゃいけないからな」

 

そう言って一歩踏み出すと脚の筋肉がうずくような激しい痛みを訴える

 

「っ~~~!?」

(やっぱ生身でナスカのマキシマムドライブを1分以上も使い続けたのは無理があったか。筋肉疲労がかなり来てるわ……)

 

「あ、あの、大丈夫ですか?」

 

「ああ、大丈夫、問題ないさ」

 

とりあえず、入り口の所まで久し振りの我慢祭りだな……

 

 

雄英高校 説明会場前

 

あの後バスに乗って説明会場まで戻ってきたがこういう事態の際に出張治療で出てくるリカバリーガールは俺達がバスに着く頃には既に他の会場に行ってしまったようで俺達はそのままバスに乗り説明会場に戻ってこれからの連絡を受けた

 

(出来ればリカバリーガールにこの筋肉疲労を治してほしかったけど仕方ない。自分の回復力に任せて我慢するか……)

 

そう考え荷物を持って出久と一緒に帰ろうと思うといきなり後ろから声をかけられた

 

「君、少し歩き方がぎこちないが……怪我をしているのか?」

 

「貴方は……」

 

「コンクリートを操る市街地ヒーロー、セメントス!」

 

声をかけてきたのは妖怪のぬりかべのような風貌のヒーロー、セメントス。そういえばこの人もこの学校の教員だって雄英のHPに載ってたな

あと出久、見た瞬間そのヒーローの情報を言える辺り流石ヒーローオタクだな

 

「はい、実戦試験でいつも以上に張り切ってしまって筋肉疲労が少し」

 

「えっ、大丈夫、斗和君。リカバリーガールが演習場に来なかったの?」

 

「いや、来てくれたみたいなんだが俺がバスに着いた頃にはもう行っちまった後らしくてな。ちょうど会えなかったんだ」

 

「ふむ、リカバリーガールとは会えなかったのか。あの人なら今はもう保健室にいるだろうし案内しよう」

 

「え、いいんですか」

 

「ああ、うちの受験で身体を痛めたなら君をそのまま帰してはうちの沽券に関わるしね。それに、怪我をしている子供を放っておくのはヒーローとしても人としても出来ないさ」

 

セメントスさんの誘いはこちらとしてもありがたい。リカバリーガールの治療は余程の重体でなければすぐ治せるらしいしな。ベルトとメモリを見られた可能性は高いが……出久が隣にいるこの状況で変に遠慮しても向こうにも出久にも変に思われるし乗っておいた方がいいか

 

 

「それじゃあ、すいません、お願いします」

 

「ああ、着いてきてくれ。そっちの君は帰ってもいいけれど、どうする?」

 

「あ、僕は……」

 

「いや、いいよ。出久は帰りな、そっちも今日は疲れてるんだし早めに休んだ方がいいだろ」

 

「……うん、わかった。リカバリーガールの治療なら早く済むだろうけどお言葉に甘えさせてもらうね」

 

出久はリュックを背負い直すとまた学校で、と言って帰っていった

 

「それじゃ、行こうか」

 

「はい、お願いします」

 

 

数分後 保健室前

 

「ここだ。リカバリーガールは中にいる筈だから事情を話せば治療してくれるよ」

 

「わかりました、ありがとうございます」

 

セメントスさんにお礼を言って失礼します、と言いながらガラリと保健室のドアを開けるとドアの近くの椅子に腰かけている小さい白衣の背中が見えた

恐らくこの人がリカバリーガールだろう

 

「すいません、試験で張り切り過ぎて筋肉疲労を起こしてしまったんですけど治療してもらえますか?」

 

質問しながら保健室に足を踏み入れると同時に甘い臭いと強烈な眠気に襲われる

 

「!?これ……は……さい……みんガ……ス…………」

 

呼吸を止めようとしてももう遅かった。保健室の扉のすぐ間近に隠れていたミッドナイトの眠り香、それを高濃度で嗅がされてしまった俺の意識はすぐに途切れてしまった

 

――――――――――

 

「本当は、こんな手を使いたくなかったんだけどねえ」

 

「仕方ないですよ、リカバリーガール。この子が試験中に使ったのはエターナルと同じ力、瞬間移動もできるかもしれないこの子を捕まえるには今回のこれが一番成功率が高かったんですから」

 

「とりあえず、彼を連れていきましょう。校長先生達も待ってますし」

 

 

セメントスが斗和を抱き抱えリカバリーガール、ミッドナイトと共に移動を始める

斗和が本当にエターナルなのか確かめる為に、彼の正体を知る為に




タイトルのEはエターナルのEです
書き直し前との大きな違いはエターナルに変身したか否か。とりあえずこれで大々的な身バレは防げました
雄英教師陣にバレるのはしょうがないけどね!
因みに0P敵は破壊されてません。あくまで華隠ちゃんを救うのが目的だったので0P敵を倒すのは必要でも無かったからです

今回出したオリキャラの華隠ちゃんは今後も出ます。ずっと出したかったんですこの子。別に名字が追田でも仮面ライダードライブのゲンパチは関係ありません。彼女の個性についてはまた後日



次回は教師陣との面談だ!斗和は正直に話すのか?
次回は早く更新できるよう頑張ります!

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