永遠は英雄となりえるのか   作:リョウタロス

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一ヶ月も更新できず申し訳ありません。就活、ゼミ関係が忙しかったもので……
今回はあの中間管理職の方が再登場です


episode:04 Zは苦労する

なんだか身体が軽い

 

さっきまで感じていた身体のダルさが嘘みたいだ……

不思議に思った俺が瞼を開けるとそこは転生する前に来た辺り一面真っ白な世界だった

 

「ここは、まさか……俺はまた、死んだのか?」

 

「いいえ、貴方はまだ死んでいませんよ」

 

いきなり後方から声をかけられ振り返るとそこには昨晩俺に特典を渡してくれたカソック姿の男、ザスティエルが立っていた

 

「あんたは確か、ザスティエル…だったか」

 

「ええ、実は昨晩伝えられていなかったことがあったので、申し訳ありませんが貴方の意識だけをこちらに連れてこさせてもらいました」

 

「伝えられていなかったこと?あの最初変身できなかったことのか?」

 

「それもありますが他にも数点……私も最初聞かされていなかったことがあったもので」

 

 

ザスティエルは申し訳なさそうな顔をしているが、聞かされていなかったということはまたあの神の仕業だろう。それも故意の

 

 

「その様子から見るにまた神の仕業なんだろ?あんたが気に病む必要はないって」

 

「いえ、それでも直属の上司が原因ですから……」

 

 

 

屑な上司の失態を自分から尻拭いにいくなんてあの屑神には勿体なさ過ぎるいい部下だろ!

ほんとこの人の爪の垢でも煎じて屑神に飲ましてやりたいよ

 

「ああ、それ以前何度か試しましたけど残念ながら効果ありませんでしたよ」

 

「ナチュラルに思考読まないでほしいっていうか試したのか!?」

 

「まあ、そんなおふざけはここまでにして本題に入りましょうか」

 

おおう、急に真面目な顔になったな。いい人だけどけっこうテンションの移り変わりが激しいぞこの人

 

 

 

「お察しの通り今回話すのは貴方の能力のデメリットについてです。まず、変身した状態とガイアメモリのマキシマムドライブについてですがあれらは本来高校生の身体能力で使われることを前提としたものであるため、まだ5歳児の平均的身体能力しか持たない貴方の身体にあれだけの負荷がかけられたんです」

 

「つまり、俺の身体のスペックが低すぎるからこうなった、と」

 

「ざっくり言ってしまえばそうなりますね」

 

「ということは、だ。逆を言えば俺のスペックが想定されてるスペックより高くなれば高校生になる前に問題なく使えるってことだよな?」

 

「それは勿論。あの誓約書に書いてあった通り雄英高校の入学試験までは変身を見られるか正体がバレなければ問題ありませんからね。それ以外なら特に誓約は無いわけですからどう使っても構いません」

 

 

よし、それならまだ手のうちようはある。もしこれで年齢的な制限で入学試験まで変身する度に負荷がかかるなんてことだったら今以上に神を恨んでたな

 

 

「次に、エターナルメモリが微弱ながら意思を持っているということです。最初、エターナルメモリだけ反応しなかったでしょう。あれは、老害いわくエターナルメモリ自身が貴方を認めておらず使われることを拒否したらしいです」

 

「なるほど、じゃ俺が工場でエターナルメモリを使えるようになったのは……」

 

「ええ、エターナルメモリが貴方を認めたためです。まあ、まだ通常のレッドフレアにしか変身できないようですから完全に認められたわけではないようですが」

 

「じゃあ完全に認められたら俺もブルーフレアに変身できるようになるのか?」

 

「確実に、とは言いきれませんが可能性は高いでしょう。ただ完全に自分を認めさせる気なら覚悟しておいた方がいいですよ。まだ貴方は少しだけ手を貸してもいい程度にしか認められていません。生半可な気持ちでは認められるどころか逆に見限られてしまいますよ」

 

 

逆に見限られる、か。そうならない為にもエターナルだけに頼らず心身共に鍛えなきゃな

 

 

「それと誓約に関してですが、雄英高校の入学試験まで正体をばらしてはいけないというものがありましたね。それの詳しい部分も聞いてきましたよ」

 

「ああ、あれか。ばらすべからずって書いてたし自分からばらさなきゃセーフだと思いたいが、違うだろう?」

 

あの神がそんなこっちにとって優しい条件なんて出すわけないしな。むしろ鬼畜ルール出してこっちの苦い顔を嬉々として見てるだろう

 

「ええ、お察しの通り自分からばらすだけでなく他人にばれた時点でゲームオーバー。しかも感づかれた時点で勝手に誓約が発動するというオマケ付きですよ」

 

つまり誰かがエターナルの正体を俺だと気付いた時点で特典が失われるのかよ。俺が気付いてなくてもいきなり特典が失われるとかヤバすぎるだろ

 

「……予想はしてたがひでえな。あの神やっぱり正体は邪神か何かの類いじゃないか?俺のSAN値減らそうとしてるようにしか思えねえよ」

 

「それだとあれの眷属である私はダゴンか何かですよ?私からもSAN値減らされたいんですか?」

 

あのマーブル色の特典を飲まされた時にごっそり減らされたよちくしょう

 

「既に特典を飲まされた時点で減らされてるよ。で、他に何かデメリットや伝えてないことはあるのか?」

 

 

ザスティエルは首を横に振るとこれで今伝えておきたいことは無いという

すると俺の身体はまるで空気に溶けるように足の先から消えはじめた

 

 

「これは……俺の意識が身体に戻るってことか?」

 

「ええ、伝えることは伝えましたしこれ以上貴方をこちらに引き留める理由はありませんから。それに、実感できないかもしれませんが現実での時間は意外と経ってますから早めに戻した方がいいと思いましてね」

 

「え、それって現実だとどのくらい経ってるんだ?」

 

身体が消えていくスピードは意外と早くもう胸まで消えてる。早く答えてくれ!

 

「そうですね、大体――

 

だが俺の思いとは裏腹にザスティエルの言葉を最後まで聞く前に俺の視界はブラックアウトした

 

 

 

「あれ、もう戻っちゃいましたか。転送の時間設定少し速くし過ぎましたかね。ま、仕事もまだありますし監視でもしながらやりますか」

 

 

 

 

 

 

 

さっきと違って身体が重い……、瞼を開くと視界に飛び込んできたのは見覚えのない白い天井だった

一瞬まだ身体に戻っていないのかとも思ったが感じるダルさが肉体があるということを教えている

 

周りを見回すとここは病院の個室らしく自分の腕には点滴の針が刺されていた

とりあえず壁にかけられていた時計を見ると15時を過ぎている。だがその時計の下の日めくりカレンダーを見ると俺が変身した日の次の日の日にちが描かれていた

 

……確かに意外と経ってるって言ってたけど丸一日寝てたのかよ。でもなんで病院なんだ?うちの親は確かに親バカな所も少しあるがわざわざ病院の個室までとるか?

 

まあ、一人でいつまでも考えていてもしょうがない。ひとまず起きたことを知らせる為にナースコールを押そう

 

 

 

「斗和ああああああ!!目を覚ましたのかああああ!!」

 

「大道さん!病院ではお静かに願います!」

 

 

数分すると勢いよく扉を開け父さんと母さんが部屋に飛び込んできてそれを注意しながらナースのお姉さんも入ってきた

 

 

「父さん母さん、僕どうしてここn「斗和!気分は悪くないか!?身体は大丈夫か!?食欲はあるか!?」

 

「大道さん!お子さんも混乱してますから落ち着いてください!」

 

 

父さんは大声で俺に心配の声をかけてくる。心配してくれてるのはわかったけどあんまり肩掴んで揺さぶらないで頭ガクンガクンするからほんとに気分悪くなっちゃうから

 

 

一旦落ち着いた父さん達から事情を聞くと俺は個性診断の日に意識を失ってからずっと意識を取り戻さずしかも昨日の朝には高熱も出していたらしい。それに驚いた二人がすぐさま救急車を呼んだらしい

 

エターナルに変身した副作用のせいか眠っているだけじゃなく高熱まで出ていたのか。俺も把握していなかったとはいえ二人にも余計な心配をかけてしまったな……

 

 

「斗和!」

 

「うぷっ、か、母さん?」

 

父さんが話をし終えるといきなり母さんが泣きながら抱きついてきた

 

「よかった、ほんとに、ほんとに斗和が無事に目を覚ましてくれて……」

 

「母さん……」

 

 

泣いている母さんの顔を見た瞬間頭の中にノイズと共に色褪せたビジョンが流れる

 

――よかっ――あなただ―でも、無―で――

 

髪の長い女性が俺へと手を伸ばして安堵の表情を浮かべ涙を流している

だけどその姿は血まみれで今にも命の灯火が消えてしまいそうな程弱っている

 

見覚えは無い筈なのに懐かしく感じる……俺はこの人を知っているのか?

 

 

 

 

「斗和、斗和?どうしたの?まだ具合が悪いの?」

 

「はっ、い、いや大丈夫だよ母さん。少しボーッとしてただけだから」

 

 

頭に流れたビジョンに気をとられボーッとしていると母さん達にまた心配されてしまった

このまま心配させ続けるわけにもいかないし話を変える必要があるかな

 

俺は父さんの方へと上半身を向けると真剣な顔に変える

父さんは俺が急に表情を真剣なものに変えたことに重要な話だと察し自分も表情を真剣なものへと変える

 

 

「父さん、お願いがあるんだ」

 

「……言ってみなさい」

 

「僕に、いや俺に戦い方を教えてください」

 

俺の言葉に父さんは腕を組んで考えこむように目をつむると俺に“どうしてだ”と理由を聞いてきた

 

「俺は父さんと母さん、すごいヒーローである二人の息子だ。だけど俺には個性が無い。今の俺じゃあ面汚しだって父さん達の顔に泥を塗ることになる」

 

「斗和、お母さん達は大丈夫だから。別に斗和がそこまで気に病む必要は無いのよ?」

 

「俺は!俺は…俺のせいで父さん達にまで迷惑がかけるのが嫌なんだ!俺が父さん達を守れるくらい強くなればそんなことも無くなる!俺だって!父さん達に守られてばかりは嫌なんだよ……。だから、俺に戦い方を教えてください…!」

 

これは俺の本心だ。確かにエターナルを使いこなすという狙いもあるが今言った理由も俺が心から感じていることだ

無個性だとわかってもこんなに俺を愛し心配してくれる両親を俺のせいで傷つけるわけにはいかねえ!

 

 

「誰かを傷つけたり、仕返しをしたくて戦い方をしりたいわけではないんだな?」

 

 

父さんは厳しい目つきで俺の真意を探るように質問してくる。俺はそれに頷き返事を返す

 

 

「俺は守る為に力が欲しい。自分を守る為にもいつか父さん達や他の人達を守る為にも……」

 

 

俺の言葉にしばらく厳しい目つきを続けていた父さんだけど急に目を閉じると口角を上げ笑い始める

 

「ふふふ、はっはっはっはっは!自分だけじゃなく俺達や他人も守るときたか!斗和!無個性でその道のりを進むのは厳しいぞ!それでもお前はその道を行きたいのか!」

 

「勿論!!」

 

「ふっ、やはりヒーローの息子はヒーローを目指すか。いいだろう、斗和、お前に戦い方を教えよう。だが俺の訓練は厳しいぞ?後で泣き言を言っても聞かんからな」

 

「父さん…ありがとう!」

 

 

強くならなきゃならない、いや、なるんだ。俺の為にも、父さん達の為にも……

 




タイトルのZはザスティエルのZでした。因みにこれから彼の出番はほぼありません

ザスティエル「えっ」
神「m9(^Д^)プギャー」
お前もだよ神
神「Σ(゜Д゜)なん…だと…」

次回か次々回から多分原作に入れると思います
にしてもこの主人公よく気絶するなあ
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