まだ原作には入れませんが原作キャラの視点です
僕は緑谷 出久、今日から中学生の12歳!
憧れのオールマイトや他の皆のような個性は無いけれど、今日から中学デビューで新しい自分になっていこう!と、思ってたんだけど……
「おい、1年生君よお。俺達今金が無いんだよ。少しでいいから貸してくれねえかなあ?」
「大丈夫大丈夫、ちゃんといつか返すからさ。いつか」
「あ、あの、えと……」
絶賛校舎裏でリーゼントとモヒカンのいかにもな不良二人にカツアゲされてます!誰か助けて!
そうやって僕が心の中で祈っていると願いが通じたのか後ろの方から声をかけられた
「おい、あんたら何やってんだ?」
これが僕と、僕の変わるきっかけをくれた彼との出会いだった
茶髪に一本の青いメッシュが入った彼は制服の前を全開にして目の前の二人程露骨じゃないけどちょっと不良っぽい
「あ゛ぁ゛?なんだてめえ?」
「こっちは新入生とのスキンシップの途中なんだよ。邪魔すんじゃ、ん?お前も新入生か?ならちょうどいい、お前もこっち来て混ざれよ」
彼は僕と同じ1年生のようでこの二人の先輩とも初対面みたいだ。
だけどその表情には怯えてる様子は一切無くて、それどころかまるで物を動かしたらそこから黒いGが出てきた時のような、そんな嫌悪感丸出しの表情をしてるっ!
絡まれてる僕が言うのもなんだけどそこまで露骨に顔に出さなくてもいいと思うなぁ……
「うーわ、ちょっと怪しそうだったから尾けてみたらカツアゲ現場かよ。だせえことしてんなあ。てゆうか今時不良が髪型リーゼントとモヒカンでカツアゲするって古すぎない?何時の時代の不良だよ」
顔だけに留まらず口からもぶっこんだぁぁぁ!?先輩達の顔が今の君の言葉ですごいことになってるよ!青筋が今にもはち切れそうだよ!
「てめえ俺達がだせえだとぉ!?」
「調子乗った1年はここで教育してやる必要があんなぁ!先輩に逆らったらどうなるかってことをよぉ!」
ほらやっぱりキレちゃったぁ!?でも先輩達も沸点低すぎるよぉ!!
「わー、セリフも序盤ボスどころか三下のそれ。まるで息するようにそんなセリフ吐けるなんてある意味尊敬できますよー(笑)」
更に燃料投下したぁぁぁぁぁぁ!?もう油どころかガソリン注いだよ!?あの人本当に大丈夫!?
「「……ブッコロス!!」」
完全にキレた先輩達はそれぞれ個性を発動させた。リーゼント先輩は舌を触手のように伸ばし自由自在に動かして、モヒカン先輩の方は両手の爪を熊手のように伸ばす
「しゃらあ!!」
先ずはモヒカン先輩の方が彼に向かって長く伸びた爪を降り下ろそうとする
だけど彼は何も個性を発動しようとしない。このままじゃ彼がやられる!?
「危ない!」
「大丈夫だよ、このくらい」
「へ?どぼぐぁ!?」
彼は、爪が降り下ろされる前に流れるようにモヒカン先輩の振り上げた方の腕を掴み綺麗な背負い投げをかました
そのあまりにも綺麗に決められた背負い投げに僕もリーゼント先輩も呆気に取られ口を開けて見てるしかなかった
「そーら、オマケだ」
「ふがっ!?あ…ぁ……zzz」
更に彼は素早くポケットから何かのスプレーを取り出すとモヒカン先輩の顔に吹き付ける。するとすぐにモヒカン先輩は意識を失い寝てしまった
……催眠スプレーなんてなんで持ち歩いてるの?
「やろう、よくも鉤雄を!」
「こっちは舌か、直接触りたくねえな」
今度はリーゼント先輩が舌を伸ばして彼に何度も突きを放った
だけど彼は余裕そうにその舌の突きを避けていく。しかも挑発する為なのか避けながらポケットからグローブを両手にはめている始末だ
「じゃあ時間もあんまりねえし、そろそろ終わらせるか」
「んだとぉ!」
グローブをはめた彼がそう言うとリーゼント先輩は更に頭に血が登ったのか怒りで顔を赤くしながら彼の顔面目掛けて舌の突きを繰り出したけど……
パシッ
「捕まえた」
「はぁ!?」
彼は難なく自分へと突き出された舌を掴みとっていた
僕はその光景に驚く反面、さっきまでの攻防を見ていたからか当然かという思いも持っていた
「そぅら!」
「ぐえっ!?」
舌を掴んだ彼がそのままリーゼント先輩の舌を力強く引っ張ると先輩の身体は引き倒されて地面に倒れるとその身体を彼は片足で踏みつけ起き上がれないようにした
「くほぉ、ははひやはれ」
「却下、ところでこのグローブ、特別製でな。強く握ると指先部分から俺特製のエキスが出るんだ。ちょっとそれの実験台になってくれよ」
彼の言葉で先輩の顔が青くなる。首を必死に横に振り実験台にされるのを避けようとしているけどもう手遅れだろう
「や、やめへ…」
「答えは聞いてない」
鬼だ、鬼畜だこの人
「あひゃああああああああ!?」
「ふむ、舌に直接塗ったからか即効性は強いが一気に気を失ったか。もう少し苦味を抑えて辛味を増やすか」
舌にエキスを塗りたくられた先輩は悲鳴をあげると白眼を剥いて気絶してしまった。それほど酷い味だったんだろう
彼は彼でグローブを外して手帳にエキスについての考察を書いていた。本当に実験だったんだ……
っと、それよりお礼言わないと!
「あ、あの!」
「ん?」
手帳から顔を上げた彼は“ああ、そういえばいたな”と思い出した風に僕を見る
「助けてくれてありがとうございましたっ!!」
「ああ、気にするなよ。こっちも自作エキスの実験が自分で試さずにできたから。ところで、お前どうして自分の個性使わなかったんだ?いくら変な個性だとしても相手の虚を突くぐらいできるだろ?」
「っ」
彼の質問に僕は身体が強張ってしまった。彼は僕のことを知らないから悪気も何もないのに……
「僕は……無個性です、から」
言った、言ってしまった。すぐにバレてしまうだろうから嘘をついたりごまかしても意味は無いってこともわかる。けど、それ以上に見返りも求めずにヒーローみたいに僕を助けてくれた彼に嘘はつきたくなかった
見下してくるかな、馬鹿にしてくるかな
今まで僕が出会った人はほとんどがそうだった。個性がわかるまで普通に接してくれてた人も僕が無個性だとわかった瞬間、その態度を一変させてきた
彼もそんな一人じゃないかと彼の返事を待っていると
「あー、なんだ、お前もか」
「へ?」
「無個性なんだよ、俺も」
返ってきたのは予想外の言葉だった
「え、ちょっと待って。じゃあ君は、無個性なのに僕を助けてくれたの?」
「ああ、流石に見ちまったのをそのまま放っておくのも気が引けたしな」
ありえない。無個性なのに個性持ちに迷いなく挑むなんて、無個性なのに…まるで……ヒーローみたいに人を助けられるなんて
「なんで……なんでそんな、見ず知らずの他人なのに…無個性で、負けるかもしれないのに……」
「なんでって言われてもな。そもそも、困ってる奴助けんのに理由なんているのか?」
「っ!」
「強いて言うならそうだなー、俺が助けたいから助けた。ただそんだけだ。だからお前もそこまで気にすんなよ」
そうだ、僕は彼がどうして僕を助けたかわからなかったんじゃない。自分から気づこうとしなかったんだ。自分と同じ無個性の彼が、ヒーローのようなことをしていたから
彼は強いから、自分とは違うからって言い訳して自分にできないことをやれてる彼に嫉妬していただけなんだ
「なあ、お前強くなりたいか?」
「え?」
俯いていた僕に彼は質問を投げかけてきた
強くなりたいか……僕が昔、オールマイトの動画を観た時から持ち続けて自分に個性が無いと知った時に諦めた僕の望みの1つ
確かに強くなりたい、でも
「方法を、教えて」
「なに?」
「確かに僕も強くなりたい。なってヒーローになりたいけど、いくら強くなってもその方法が非人道的なものだったりしたら僕は自分のことを胸を張ってヒーローだって言えない。だからその強くなるための方法を教えて」
「……その要求は、俺から強くなる為の方法だけ聞きだしてそれを利用する風にも取れるが?」
「大丈夫だよ、どうせ僕がそれを知ったところで僕一人じゃ君に不利益なんてほとんど与えられない。それにその方法も僕だけじゃできないものだろうし」
最初は訝しげだった彼も僕の要求の説明を聞くと少しだけ口角を上げて笑った
「OK、いいだろう。方法を教えてやる。いくら俺が助けたと言ってもお前からしたら俺は初対面の他人だからな。信用できなくて当然だ。むしろこんな変な提案自体無視される方がまともな反応だからな」
「で、強くなる方法だが……簡単なことだ。プロのヒーローに鍛えてもらうんだよ」
「ええ!?」
僕の予想の中にも誰かに鍛えてもらうというのはあったけどプロヒーローは予想外過ぎる!
「そ、そんなのどうやって?いくら知り合いにヒーローがいたとしても向こうだって仕事があるからそう簡単にはできない筈なんじゃ……」
「そこら辺は安心しろ。なにせ、俺は両親がプロヒーローだからな」
「誰の両親が?」
「俺の両親が」
「へー、だからかぁ…ってえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇぇ!?」
両親がプロヒーロー!?すごい!っていうか頭フリーズして聞き返しちゃった!
「ぼ、僕、両親がプロヒーローの人なんて初めて会ったよ」
「まあ、普通はそうだろう。まず自分からは言わない奴は多いからな。下手に吹聴すれば人質として敵に狙われる可能性も高まるし何よりそのヒーローの個人情報が簡単にばれちまう。自分からヒーローの子供ですなんて名乗る子供はそうそういねえよ」
「じゃ、じゃあこんな簡単に僕にばらしてよかったの?」
「お前さっき自分で言っただろ、お前一人だけじゃ俺に不利益なんてほとんど与えられないってよ。それに、今まで何人もの無個性に同じ質問をしてきたが先に方法を聞いてきたのはお前が初めてだったからな。他の奴らは俺の提案に何の疑いもせずすぐ乗った癖にすぐ音を上げちまう奴ばっかりだった」
僕の他にも何人もの人が誘われてたのか。でもすぐ音を上げたってことはそんなにヤバイ訓練なのかな、プロヒーローから受ける訓練って……。いやでもプロヒーローから直々に訓練してもらうならそれでもお釣りがくるほど貴重なことだし……
「そういえば自己紹介もしていなかったな、俺は大道 斗和。今の所の目標はこの学校の最強になることだ!」
「僕は!緑谷 出久!夢はヒーローになることです!」
大道君の目標を聞いてつい自分の夢まで言ってしまったけど笑われちゃうかな…
今まで、僕の夢を聞いた人は皆本気にはしてくれなかった。子供の戯言、現実を見れてない馬鹿、そんな風に嘲笑され続けてきたヒーローになるってゆう僕の夢
「いい夢じゃねーか。俺は応援するぜ」
彼は、嘲笑するでもなく哀れむでもなくそう言った。僕の夢を初めて認めてくれた。お前には無理だと、僕の夢を嗤わないでくれた
僕は……諦めなくてもいいんだ…!ヒーローを目指してもいいんだ…!
「これからよろしくな!ってなんで泣いてんだ緑谷?まさかさっきの奴らに怪我でも負わされてたのか?それとも俺が傷つけるようなこと言っちまったのか?」
大道君の言葉で僕の涙腺はいつのまにか崩壊していたらしい。もうこういう個性なんじゃないかってくらい涙が溢れ出てくる
僕はぶんぶんと首を横に振ってオロオロしている大道君に大丈夫だと伝えると涙を拭いてなんとか笑顔を浮かべる
「うん!こちらこそよろしく!!」
これが僕のヒーローを目指す最初の一歩
ここから僕のヒーローを目指す道は始まった
タイトルのMは緑谷のMです
とゆうわけで今回は原作主人公、デクこと緑谷君の視点でした
斗和は緑谷や爆豪達と同じ中学です。
やったね!これで原作前に緑谷強化ができるよ!
まあ、既に緑谷君の感の良さは少しばかり強化されてますがこれ何も知らない立場からしたら斗和は怪しすぎるよなぁ。まるでブレイドの伊坂のようだ。いや、藻は使いませんけどね?
ついでに斗和の勧誘の犠牲となったオリキャラの不良二人についても紹介しときます(もう出てこないキャラだから)
モヒカン 爪木 鉤雄(つまき かぎお)個性:爪伸ばし
リーゼント 長井 舌汰(ながい ぜつた)個性:舌伸ばし
猫系とカエル、カメレオン系の個性の下位互換みたいなもんです。煙草吸ってるようなのがいた中学だし不良も普通にいたんじゃねと考えて出しました
因みに途中、斗和が言っていたヒーローの子供は自分からヒーローの子供だとばらさない発言ですが、あれに対して原作を読んだ方なら疑問を覚えるでしょう。雄英入学後に飯田君や轟君達普通に自分の家族がヒーローだってことばらしてますもんね。でもあれはもう高校生でしかもヒーローを目指す子が集まる雄英高校だったからだと俺は考えてます。高校生になれば自衛はできないことはないですし雄英高校ならヒーローを目指す理由で家族がヒーローだと話しても違和感無いですし。とゆうか中学生以下が自分はヒーローの子供だとか言ってたら人質にしてくださいと言ってるようなもんですよ
そして前回、次回か次々回に原作入ると言いましたがすいません!次回は緑谷君も入れた修行回になると思うのでまだ原作突入できません!本当にごめんなさいぃぃぃ!!