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今回は雄英入学試験!斗和と出久は試験を突破できるのか!
8/8 最後の方だけ書き直しました
出久がNEVERヒーロー事務所を離れ10ヵ月が経ち季節は冬に、雄英の入学試験は当日となった!
もうすぐ春だと言ってもまだまだ寒い冬空の下、俺と出久は雄英の門をくぐり試験の説明会場へと足を進めていた
「いよいよだね、斗和君!」
「ああ、ようやくだな。今日、ここで俺達のこれからが決まるんだ」
(そう、漸く今日、あのクソ神からの誓約のうちの2つが消えたんだ。変身を見られるのも正体がバレるのも問題は無くなった。だがこの雄英のヒーロー科に入れなければ俺は本当にエターナルの力を失う……!)
今朝、確認の為にこのエターナルの力と一緒に渡されたあの忌々しい誓約書を久しぶりに見たら『雄英高校入学試験まで他者に変身を見られるべからず』『雄英高校入学試験まで正体をばらすべからず』の2つの文章が消えていた。
このことから一番厄介な誓約2つは解けたことがわかったが、まだ問題がある
それはこの試験中にエターナルに変身するか否かだ
ここでエターナルに変身することでのメリットは実技試験は軽く突破できるであろうこと、これ以上正体を隠す必要がなくなるということの二点だ。それに対しデメリットは正体を晒した場合の自分、周りの扱いだ。最悪少年院送りで雄英に入学できるかも絶望的になる可能性や父さん達、NEVERヒーロー事務所の皆にも迷惑をかける可能性もある
はっきり言ってメリットに対してデメリットが大きすぎる。俺個人だけの問題ならまだしもエターナルは10年前から活動していたのだ、NEVERさん達はともかく父さんと母さんには何故気づけなかった、教育が悪かったのではないかという形で非難の声が浴びせられるだろう
(やっぱりエターナルを使わずにやるしかないか……)
「―――和君、斗和君」
「あ、ああ、なんだ出久?」
「大丈夫?なんかボーッとしてたけど。緊張、してるの?」
どうやら考え過ぎて上の空だったようだ。出久にも心配されてしまった
「大丈夫だ、ちょっと考え事しててな」
「ならいいけど。あー、緊張するなー!」
「ま、あんま力み過ぎんなって。お前ならやれるって信じてるからよ」
「うん、斗和君も余裕過ぎるからって油断しないようにね」
「ハっ、言うじゃねーか。負けねーぞ、出久」
「こっちこそ!」
こうして俺達の雄英高校入学試験は幕を開けたのだった
―――――――――
雄英高等学校ヒーロー科入学試験会場
演習場C
実技試験の会場であるここは雄英が所持している模擬市街地の1つだ。1つの街をまるごと持ってきたかのようなこの会場はA~Gまでありこの中で実技試験は行われる
試験内容は簡単だ。10分という制限時間内で会場中に現れる1~3
出久や同じく受験を受けている爆豪は別の会場で試験を受ける。同じ学校の友人と協力させない為の措置だろう
俺はいつもの訓練着姿に腰にナイフ二挺、懐に投げ用ナイフ20梃、背中に父さんに作ってもらった両端を収納して長さを調節できる鉄の鉄棍を装備している
他の受験者がほとんど丸腰で動きやすい格好をしている分武器を装備している俺の姿を見てひそひそ話してる奴もちらほらいる
『ハイ、スタートー!』
そうやって周りの奴らを見ているとこの試験の説明の司会をしていたボイスヒーロー、プレゼントマイクのよく通る声で試験開始の声が出された
周りが呆気に取られている間に俺は会場内に走り仮想敵を探す
『どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?』
その通りだ、実戦じゃ敵はいつ出てくるかなんてわからない。だから―――
『標的捕捉!!ブッコロス!!』
―――いつ来ても倒せないとなあ!
いきなり横路時から飛び出てきた両腕に大きく1と書かれた1Pの仮想敵の首めがけ鉄棍を振るう
見た目の割に脆い仮想敵の首の半ばより上は簡単に吹き飛び仮想敵は機能を停止する
プレゼントマイクの急かす声が響きようやく他の受験者達も動きだしたようで駆けてくる音がし始める
「さあ、祭りの始まりだ」
――――――――――――
同演習場B
SMASH!!
「これで―――56P!」
こちらでは、オールマイトから受け継いだ個性『ワン・フォー・オール』を使って出久が次々と仮想敵を倒していく
ただ単純に殴る、ただそれだけの攻撃で自分よりも二回りも大きい仮想敵の体が近くのビルに叩きつけられ機能を停止する
この数ヵ月、出久は『ワン・フォー・オール』を使いこなすことだけに力を注ぎ続けた。その結果、0か100%しか出せず何度も身体を(物理的に)壊したこの個性も自分が今出しても問題ない5%の力までは安全に使えるようになった
たかが5%かとも思うが侮ってはいけない。5%は5%でもオールマイトの力の5%だ。大人の全力と子供の全力が違うように『ワン・フォー・オール』を受け継いだ出久の5%は充分普通の人間では出せない程の力を発揮している
その証明のように、出久は出てくる仮想敵達を倒し着実にPを稼いでいた
(もうすぐ制限時間だ!でもあの説明会で言われてた0Pの敵がまだ出てきてないから油断は出来ない……)
そうして残りの制限時間も2分を切った時、全ての演習場にそれは現れた
ビルを越える程の巨躯、移動するだけで周りを破壊していくそれはこの試験での災害のような扱いをされている0Pの巨大仮想敵
並の個性では短時間での破壊も足止めも難しいそれは残り少ない制限時間も相まって正に受験者にとっての邪魔者
倒すのも面倒、倒してもメリットが無い、そんな物の相手をする者は勿論のこと誰もおらず皆、巨大仮想敵とは逆方向に逃げていく
同じように出久もこの場を離れ更にPを稼ごうとした。だが走りだす前に見てしまった。巨大仮想敵の足下の瓦礫に脚を挟まれ動けなくなっている少女を
その瞬間出久は足を止め巨大仮想敵へと走りだした
この試験の評価を忘れ目の前の少女を助ける為に
(今の5%じゃあの仮想敵を倒せないしあの子の所までたどり着かない!なら!身体が壊れる覚悟で!)
「う、おおおおおおおおお!!」
『SMASH!!!!!』
出久の100%の拳が巨大仮想敵の顔面を粉砕し吹き飛ばす
巨大仮想敵は殴られた勢いのまま仰向けに倒れ完全に沈黙する
「ぐっ、痛っ~~~!?」
だが大きな力には大きなリスクが伴うのが世の常。身に余る力を使った反動でとてつもない痛みを感じながら跳び上がった際の両足、殴った右腕は筋肉や骨がズタズタに壊れ使い物にならなくなる
しかも跳んだ高さは巨大仮想敵の顔の高さ。つまりビルよりも高い場所からの紐無しバンジー、周りに掴める物も何も無い。これで四肢が全部イカれていたら本当に終わっていたがまだ出久には左腕が残っている
このまま、左腕で5%の力で地面を殴ればなんとか生き残れるかもしれないがそれでも充分賭けだ。タイミングを一瞬でも間違えたならば地面に落ちたザクロのように出久の頭は潰れるだろう
(落ち着け、落ち着け、チャンスは一瞬。左腕に5%の力を出せるよう集中して……)
だが出久の心配は意外な形で杞憂となった。左腕に力を込め繰り出そうとする数秒前に右の頬を先程助けた少女に思い切りはたかれたのだ
「!!?」
その瞬間、出久の落下スピードがほぼ0になり3Pの仮想敵の千切れた頭に乗って浮いていた少女と共にゆっくりと地面に着地した
「解、除…」
個性を解除した少女はキツそうでぐったりとしているが急に「うっ!?」と口を押さえ口からリバースしてしまった
すぐにお礼を言おうとした出久も流石にその状態の少女に話しかけるわけにもいかずとりあえず少女の尊厳の為にも見ないことにした
(ただ助けるつもりが逆に助けられちゃったな……。でも良かった、とりあえず怪我は無いみたいだ)
「あっ、時間が!くっそ、せめてもう少しPを!」
出久が左腕で身体を引きずり少しでもPを増やしにいこうとする中、無慈悲にプレゼント・マイクの声が響いてきた
『試験終了~~!!』
「あ……」
終わってしまった、まだいける筈だった。出久は自分を投げ打ってあの子を助けたことに後悔はない、後悔はないが……それでも悔しかった。
身体の痛みがオールマイトと自分の差を否が応にも教えてくる。こんなんじゃ駄目だ。もっと上にいかなきゃ、
挫折を乗り越えた少年は再び高みを目指す。自分に力をくれた師に、自分を上へと向かわせてくれた親友に誇れるようにと!
タイトルのYは雄英のY
ですちょっと尺が長くなりそうなんで出久の方だけで切らせていただきました
出久は身体が既に鍛えられてたからぶっちゃけ入学前から原作ヒーロー殺し戦の時並にまで個性使えてます。しかも技も色々と二年間教えられているから原作より総合的に強化されてるという。これじゃただでさえ少ないリカバリーガールの出番が更に減っちゃうなー(棒)
でもまだ斗和や家族には教えてない為、斗和とは嘘をついてつかれてな関係に…。二人共に嘘をつかれてる状況の爆豪がヤバイな
校門での麗日さんとのフラグは斗和と一緒にいるせいで無くなりました。でも0Pの仮想敵でのフラグは建てたから希望を捨てるなよ、出久!お前達を(BL的に)腐らせたりはしないからな!
次回は斗和サイド、斗和が高速で駆け抜けるぞ!