初霜さんと   作:琵琶醐醒醍

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初霜「どうしちゃったんですか?同じ日に二つも」
作者「『suomalainen polkka』でようつべで検索したのよ」
初霜「それで?」
作者「見慣れないものがあるなぁと思ったのよ」
初霜「それを聞いて見た訳ね」
作者「そしたら、さ、確かにsuomalainen polkkaだったのさ!」
初霜「違うのなんてあるの?」
作者「少なくとも一つはleavenだったからね。また同じだったら⋯」
初霜「この前覚えたDYSOBでも使う予定だったのね」
作者(読まれた⋯)
初霜「今回も私は不遇ですが、これはどうしましょうか」
作者「今、そして未来さえ充実していれば過去なんて忘れてもいいのさ。
   加古は別だけど」
初霜「そうね。相変わらずの迷言節ですね」
作者「取り敢えずこのぬいぐるみ渡すからモフモフしときな」
初霜「あ、はい。⋯可愛い」

A2





『遠すぎる記憶』

光は失せ、もはや黒の霧しか見えない夢の奥地。

彼女は何を思い出し、何をデリートするのか。

 

 

血生臭い。まだこんなところにいたのね。

意識を失うなんて、全く、自分のツメも甘いものだ。

⋯だったら、中佐さんは何処に居るのだろう。

「彼はここには来れないわ」

「誰っ!?」

世の中は奇妙でも、こればかりは奇妙じゃない、と、思いたい。

聞きすぎている声の主がまさか自分だとは。

でも、そう、私は艦娘。他に初霜はたくさんいる。

海に引きずられた違う私だって、いる。

「それは無い」

また読まれた。

「私は、貴女。だから私。こういう時、ハロー、って言うべきだっけ?」

「じゃあ今度は挽肉にでもされるの?」

「私自身を傷つけるのはもうたくさん。でも、彼女たちがそれを阻むの」

彼女達⋯あの黒い人型だろうか?

「そう。思念の集合体。もしくは怨念の塊。

 強いて言うなら、壊れた歯車の織り成す、色褪せたオルゴール」

「⋯中佐さんは」

「本当は、あの人の元に居たいのね。私自身が言うのもなんだけど。

⋯ここは隔離された世界、私だけの舞台」

「私だけの⋯」

確かにここは臭く無かった、さっきまでは。今は酷い。

「流石の中佐さんでも、無理な話よ。

⋯私には、私自身の事を知ってもらわなければならない」

嫌な気がする。ここ程なじみのある場所は無い。

 

お前の新しい世界はここだ。そして、墓場になるかもしれない場所だ。

 

耳鳴りが終わる。と、前の私?は口を開く。

「貴女は自分の親を知ってる?」

「いいえ、見た事すら」

「そう、でしょうね」

光った!?

「ふぅ。髪色は白くない⋯わね」

「その⋯服⋯!?」

見覚えのある服、いや、着た覚えがある。

「でも思い出せない。そうよね?」

⋯⋯⋯⋯⋯

「私は二つの事柄で記憶を失っているの。一つはそのお荷物」

と言って後ろの艤装を指す。

「彼も頑張っていじくったみたいね。でも難しかった」

「何でそんな事⋯」

「艤装の中に居たから。仕方ないよね」

艤装の⋯中。

「そう。そしてもう一つ、自分自身で閉じ込めてしまったもの。

こっちは少し厄介だった」

「厄介⋯?」

「あの怨念が入り込んできた、ていうところ。

弱みに付け入るところは、やはり人としての面影を残していたのかもしれない、わね。

最悪の形として」

「⋯あの怨念は、どんな人間、⋯?」

「そうね。この光景、思い出せないかしら?」

眼がセピアに代えられる。

 

日の当たらない建物

     一人は怯え 一人は余裕をかます

                   私は一人 みんなが集まるラウンジのソファに腰掛ける

あぁ、強気な子が試験室に向かっていく

     あそこから戻って来たのはほんの三人なのに

                   たった 三人なのに

怯えた子は二日ぶりに目の前に現れた

     あの試験室から出てきただけはある

                   でも実際は 誰も記憶を持っていない

だから気持ちは 保っていられた

     記憶を飛ばせない 私を除いて

                   そんな私に 友達が出来た事は 彼らは知らない

飯を渡してはそれっきり

     壁の向こう側にしか現れない彼らが

                   知る由もないし 知ってたまるか

―初霜ちゃんは 何が見えるの―

     ―感情のない笑い 冷たい試験室

                   ああ あの子 意識が無いまま死んじゃうのね―

―それは本当なの?―

     ―本当よ 耐えられた貴女に言うのも

                   少しおかしい気がするけれど―

―お別れ 言えなかったね―

     すでに時遅く もう意識は戻せない

                   再び誰かに宿らない限り

―あれ そういえば

     君の右目 いつの間にか治ったんだね―

                   ―⋯⋯⋯⋯⋯え?―

 

引き戻された。右目?一体何のことなのか、サッパリ分からない。

「そう、思えば私は右目を『剥がされた』。他の娘とは違う現象だ、ってね」

しかし目は両方共にあるべき位置に収まっている。この目は誰からのものなのか?

「いいえ、まぎれもなく私、貴女のもの」

ますます分からない。

「そういえば、『被弾零の魔女』だっけ?私のあだ名。分かるわけない」

 

君はなんというバケモノだ 手足すらもニョキニョキ生えやがるとはねぇ⋯

今度は心臓でも抉ってやろうか?キェッキェッキェッキェッ⋯

 

誰の声だったか。薄気味悪い声が耳に残る。

「こんな事まで覚えている自分自身に苦笑いね。もう40年は昔なのに」

いきなりのおばさん発言にショックのあまり両手を見る。

そこまでしわがれていないのに?

「その間水に浸かりっぱなしだった貴女の体を維持するのも大変だったわ」

何故か自分が哀れになった来た。

「哀れじゃない記憶、ね。こんなの、覚えていないよね」

 

お嬢様、明日は何処へ行かれますか?

海岸、でしょうか?英気を養うためにも、今日はお休みになられて。

新しい楽しみが、また一つ。良い事です。

 

「私に執事なんて、居たかしら?」

「居た。もう今は居ないだろうけれど」

顔は一瞬思い出せたが、人柄までは思い出せそうにない。

「本当に何も覚えていないのね。⋯まぁ思い出したくもないのだから仕方ないか」

目の前の自分は眼を深紅に変える。服も黒ずんでいく。

「今まで貴女が死なずに済んだ理由、

 そもそも何にも当たらない拒絶反応の理由、知りたくない?」

「知りたくは無い」

「それが私の価値を高める事だとしても?」

「無い」

「そう。⋯今貴女は寮に戻っている用よ、あぁあと、」

 

       運命は扉を蹴破ってまで自己主張を辞めない、でしたっけ?

 

おい見ろ!こいつまだ赤ちゃんだぜ!?

そっちが見ろ 不吉な色だ

おいおい、このご時世、眼なんて赤くても普通じゃあないか!

黙れ!コイツは化け物なんだぞ!

あーあー、だから物騒なものは仕舞ってって⋯

五月蠅い!⋯雨か 調度いい この寒さでこいつは死ぬか 精々足掻けよ

おい見ろよ!空が!空が!

おいおい⋯って、なんだこれは!?

引き、ずられ、る⋯う、うわぁぁぁぁっぁ⋯⋯⋯⋯.

ビルも、※※リ※までも!

 

             セ  カ イ   ガ    ワ  レ    ル  ⋯   ?

 

どうしようもない夢を、見た。けれど、隣には、中佐さんが居た。

        でも、素直に泣く事は、出来なかった。




用語・人物集

葛城(改)

第二艦隊の中で航空兵装を持つ者の一人。
その実力(と突撃っぷり)に初めは誰もが魅入られる。
とはいえ、ここ最近は突撃を控えている。
元々獲物を指し示すためにやっていたようだが、
どこかの短槍持ち程の成果を挙げられなかったようだ。
高校受験の際にA高校を志望していたという。
しかし15年の1月に不運にも艤装の適合が認められた。
勉強なぞ明日吹く風、海軍に連れていかれ、
偶々見つかった葛城の艤装持ち第一号になる羽目に。
艦娘になってからはかなーりだらしねぇ状態だったため古式に異動。
気合がある時に任務を受けよう空気の古式鎮守府には気があったのか、
現在のように気合が入るようになっている。
なお、A高校では自走できるものは何でも動かせないとダメ、という制約があったため、
実はトラックを運転できる。やりたくない、とは言っているが。
割とどうでもいいが、ブラックコーヒーは余裕で飲める。
あと料理は少しは出来る。天城教育でさらに伸びるだろう。A高校の影響か?

葛城「設定多くない?」
作者「んまぁ明確にこちら側の人間だからね。艦娘入りの経緯も必要とね」
葛城「へぇ~。じゃあ、初瀬提督は?」
作者「謎のボールを持っているとか、キマイラを模した勲章持ちだとか」
葛城「勲章?もしかしてこのエー⋯」
作者「触れるなと⋯言ってなかったな」
葛城「どういう事?」
作者「そこらへんはDが詳しいべ」
葛城「てことは投稿するのね!分かった!」
作者「いやぁ、おい、待てっ、待てって!」

初霜「作者が認めるsuomalainen polkkaはようつべに7つあるそうよ」
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