(割とどうでもいい話)
実は前に同じ感じのモノを出していた気がしたのですが、
無事被っていない事が判りました。冷や汗掻きました。
というわけで、本編をどうぞ。短めです。
12月14日
古式鎮守府 本館四階
正午
「んな訳で、ちょいと伝えなければならない事がある」
「藪からフェニックス(この場合は、とある戦闘機に搭載されたミサイルの事である)に。
裏で何やってたの?」
「おや、気付かないか?前の『コロネ島周辺の諸海戦』の勲章の件」
「・・・・・!虚空の彼方に行ってたよ」
ティーカップは虚空に逃れないようで。
「実はだな、勲章作りの権利、というか大役を引き受けたのさ」
「もしかしてかなりヤバい状況下?」
「もう空輸済だ。何せ軽いし」
銅像でもないのだから、ねぇ。
「つまりココは後回しと」
「まァ、そうなるな。そして」
「そして⋯?」
ごそりごそり。
「ババーン!コロネ島沖残存高火力艦隊鎮圧の、いわゆる戦功章って奴だ。
細長いリボンもおまけだぞ」
「むしろそれが本命だと思うんだけどなぁ」
「どうせ机に突っ込むだけだろ?」
「リボンは一応付けてるんだけど」
おや、確かに二個横並びにくっ付いている。両方とも内容なら分かる。
「でもメダルは仕舞うんだろ?」
「ううっ。そう言われると悲しむなぁー」
「ま、『メダルを』作れと言ったのは司令部だし仕方ない」
「へぇ~」
「因みに艦娘用よりも飾りつけを豪華にしろとも言われたからな。
下手に落としても返品聞かないぞ」
繊細過ぎて職人さんの脳が死んだ。今も治療室に居る。
「うっわ、もう引き出し行き確定ね」
「あと爆撃隊のよりも高いぞ」
「それはどうでも良かったかも」
「ついでに提督用のモノより高いぞ。きっとアイツら死んだと勘違いしてるんだ」
報告に合った業火の中で生き残れる方がおかしい。
そもそもどうやって帰って来たかはまだ聞いてすらいない。
アレを使ったわけでも、あるか。
「つまりもう一個、提督名義で有ると」
「ほいこれ」
「うーん、微妙な変化ね」
「持ち上げてみ?」
「あれ?薄い」
「ちょっとした遊びさ。厚い方を見るのは、担当の妖精と、俺と、上級大将のアンタだけさ」
「元親衛隊のみんなには?」
「慎重に伝達している。一応こいつは金庫禁錮の刑に処される事になっているからな。
⋯書類上は」
コン、と皿にカップを置いた目の前のお方はこう続ける。
「次に出ても、勲章は貰えない?」
「その為の元帥さんだろう?」
「うわぁー、腹黒はらぐろー」
「今回も薄々感じてたみたいだ。言伝もある」
「どんな内容?」
「もし正体を曝け出したら、まず皆と昼食を共にしろ、ってさ」
「⋯中々良い事言うじゃない」
「p.s.娘が妊娠したので、その時には顔を出してくれ、だとよ」
「ただのお誘いじゃない!」
「言伝だもの。仕方ない」
「う、まぁ、そうだけど」
「後は、元帥のお父さんだな。まだ元気らしいけど」
「何歳だっけ?」
「もうすぐ95歳」
「長っ過ぎじゃない?」
「捕虜生活よりは楽だってよ」
「ホント、生き生きしてるひとは良いねぇ、毎日ブカブカの服着て正体ひた隠し。
いつか終わるかなぁ」
厚そうな暑そうな、でっかいトレンチコートで姿見を隠す。
「そろそろ司令部も一枚岩じゃ無くなる時だ。じきにバレる」
「でもなぁー」
「んじゃあ、休暇でも取ればいい。ただの見学者扱いだったら、バレるも何もないぞ」
「私の腹筋が持たない」
「そりゃ想定外だった。でも」
少しミルクティーを飲んで、そのカップを持ちながら、俺はこう言ってみる。
「少しは日に当たらないと、ストレスも溜まるぞ」
「じゃあ、有り難く」
「館内放送を急がせよう。でもあいにく明後日になりそうだな」
「ついでに三日位取ろうかな」
「別に良いんじゃないか?」
「あ、珍しく否定しない」
時を戻して。
あの頃も今も、機嫌はいい感じだ。
でも、言いたい事は言う葛城には少し緊張気味かもしれない。
「 」ガクガクブルブル
案外大丈夫だとは思うが。あくまで第三者での目線ではある。
信頼は薄っぺらい即席のモノから長年の分厚いモノまで様々である、が
ほんの少しズレただけで、ほんの少し疑問に思うだけで、
音も無く泡沫と化してしまうのだ。