難易度HARDの転生人生   作:とうや

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12:デートで観光旅行。 そして忘れてた何か。

 砦奪還後、俺達はメルセデスが依頼はここまでで良い、と言ったことが切欠で、メルセデスの『特別調査任務』なるグランシス漫遊は終わりを迎えた。

メルセデス曰く『かなりきつかったが、お陰で様々なことを知れた。そして大事なことも学べた。ヨシュア、感謝する』と言っていた。

その時の彼女の表情はとても晴れやかで、目標に向かって頑張れる、と言う熱意のようなものを感じた。

あと、なんだか別口の熱意も感じたけど……まぁ置いておこう。

 

メルセデスと分かれた後、俺が向かったのはカサディスなのだが、その前についでで立ち寄った場所がある。

ベステダ丘陵地帯にあるエルンスト城塞跡だ。

ここによった理由は至極簡単で、南部の城塞を根城にする盗賊が『サロモの魔導書』を持っている……と言うか奪われたという話を聞いて、城塞跡に乗り込んだのだ。

即座に盗賊が山のように襲ってくるのかと思って居たが、思いの他そういう事にはならず、すんなりと盗賊団の長モールとの面会をすることが出来た。

そうして魔導書に関して尋ねると意味深に笑い、モールは自分の指示に従う意思があるのなら見返りをくれてやると言った。

指示内容は北西の盗賊団……衝天砦跡を根城にする女だらけの盗賊団の団員10人を物理的に永遠に黙らせるのと団を身勝手に足抜けした裏切り者を始末する、と言う二つ。

どちらかをクリアすればいいらしい。

 

……女だらけだろうが、男だらけだろうが、少なくとも砦以外の場所に居る盗賊はどっちも好戦的だったなぁと思った。

砦の内部に居る盗賊たちは以外にも好戦的、と言うほど襲い掛かっては来ないのだ、どちらも。

ただ、女盗賊団の首魁は別だと思う。

あの女の顔を少しだけ見たけど、なんだかとてもやばい感じがしたんだよな。

 

 

と、それはまぁどうでも良いだろう。

その後、魔女の森でセレナにあって、ハーブで酒を作ってもらい(と言うか作り置きと交換してもらった)少しセレナと談笑してカサディスに戻る。

流石にその頃になると、移動距離が長い事と、やたらと先頭が多かったこともあってもうへろへろだったのでそのままパブロスの所で泊まる。

家に戻ってもいいけど、食事を作るにも食材が無いし、店ももう閉まってる。

何より色々面倒だ。

なので面倒ごとはぜーんぶパブロスに任せて俺はお客様モード、と言うわけだ。

 

翌朝、少し寝過ぎたかな、と思いつつ朝日を拝みつつ目を覚ますと既にポーン達は活動を開始しており、俺も漸く脳みそがおき始めたから宿を出るかと思いつつ足を動かすと、フロントにはキナがいた。

俺に気が付くと笑顔で軽く手を振って挨拶をしてきた。

 

「ヨシュア、おはよう。良く眠っていたみたいね」

「ん、おはようキナ。少し寝過ぎたくらいだ。それだけ疲れてたのかねぇ?」

「最近は、何をしてたの?」

「あぁ、最近はだな……」

 

竜識者のところに言った話や、『救済』に対する潜入調査、更に眩みの砦奪還について面白おかしく少しオーバーに語って見せると、キナはそれを理解してるものの楽しげに笑って見せてくれる。

カサディスの様な村にとって、娯楽というのはかなり限られる。

こういった土産話は程度の差こそアレ、新鮮味が強く誰もが聞きたがったりするのだ。

 

「ふふ、相変わらず大活躍なのね、あなたは」

「ま、俺だからな!」

「それに相変わらず女の子にモテるのね」

「……あー、ははは。俺としちゃ、そこまで特別に気取った事をしたつもりは無いんだけどなぁ」

「そういう所も相変わらずね。でも、それがヨシュアらしい気もするわ。だから私もあなたの力になりたいって思うわけだし」

「そう言ってくれると嬉しいな」

 

一応言っておくと、俺は別に超が付くほど鈍感と言うわけではないと思う。

ただ、相手からのああいった好意の感情への返し方が良く分からないだけなんだよ、俺は!

 

く、何故前世の俺はここまでモテず、そしてああいう好意の返し方も知らないんだ…!

ボウヤだったからかなぁ……。

 

ま、それはともかくとしてそれなりにキナとの会話を楽しんでいると、キナが思い出したかのように『あ』と言う。

いや、本当に今まで忘れていて今思い出したらしい。

 

「私を『祈りの滝』に連れて行って欲しいの」

「祈りの滝?確か……領都の西の『立ち枯れの森』にある……えぇっと修道院近くにある川の上流の滝だよな?」

「そうよ」

 

そうしてキナが語りだす。

なんでも教会や竜の事を調査する内にもっと強くなる必要性を感じたが、どうにも一人では勇気がでないらしい。

だから、俺に一歩踏み出すために付き合って欲しいのだとか。

 

「あなたにばかり頼って申し訳ないのだけど……」

「はは、そういうことか!ならOKだ。了解したよキナ。そういう事なら是非頼ってくれ。そういや竜識者が言ってたな。強い想いと共に一歩踏み出すのが覚者だって。キナもまた覚者だな」

「ふふ、茶化さないで頂戴。でも、そうね、私も覚者なら……」

 

俺はキナの言葉に何となく言わんとする内容を感じ取り、割り込んで口を開く。

 

「おっと、それ以上は今は無しだ。覚者ってのは別に無理や無茶をする奴のことを言う訳じゃぁ無いんだぜ?」

「あら、ならヨシュアはどうなのかしらね?」

「あっはっは、大丈夫。俺だって死にたくないからな。死ぬぐらいだったらすたこらと逃げるさ」

「そうね、あなたは足速いしそれぐらい簡単かも」

 

そんな感じでカサディスで小休止して、その後、俺は一先ず領都に向かい、領都で一晩過ごしてから次に『祈りの滝』へと向かった。

道中では盗賊やゴブリンが出たりもしたが、そこはそれ、俺は弓だしポーンは魔法で攻撃を仕掛けるから危険など欠片も存在せず比較的安全に祈りの滝まで全員で雑談しながら歩いていった。

そうして辿り着いた『祈りの滝』は、前世の俺が見た日光の『華厳の滝』と比べればスケールは小さい気がしたが、それでもどこか心に響くものがあった。

 

「おぉ……な、なんだかこう、圧倒されちゃうよな」

「えぇ、まるで心の奥にまで響く様な何かが感じられるわ」

「グランシスにはまだまだ俺達の知らない、こう…感動できるものって言うのかな。そういうのがいっぱいある気がしてきた」

「そうかもしれないわ」

「俺、覚者として間違いなくグランシス中を歩く事になるから、そういう場所いっぱい探してみようかな。んで、ドラゴン倒して平和になったらキナ、一緒にそういう場所を観光しに行かないか?その時は、二人だけで」

「……なら、あなたの無事を祈る為にも、私ももっと強くならなくちゃいけないわね」

「ハハ、キナならきっと大丈夫!俺も応援してるよ」

 

『祈りの滝』で決意を新たにした俺達。

一応、キナの頼みも終わったのでカサディスに送ろうか、と尋ねると首を横に振られた。

 

「私、今度からすぐそこの修道院に入る事になったの」

「うん?つまり……あぁ、なるほど、単純にデートってだけじゃなかったと」

「そういうこと。カサディスよりはこちらの方が領都より近いし、あなたとの連絡も取りやすいわ。それに、ここでも色々と調べ物が出来そうなの」

「そっか、そっちも本当に頑張ってくれてるんだな」

「あたりまえじゃない、大事な幼馴染の為だもの」

 

そんな感じに和やかに話しつつ、俺達は修道院でお別れした。

 

 

 

所で、修道院の近くに何個もあった呪われた像って……なんか、すっげー不気味なんだが何であんなところに何個もあったんだろうか。

 

 

 

 

領都に戻り、再び宿で一休みしているとそういえば何か忘れている、と言う事に気づいた。

マリーにそれを尋ねると、彼女は「あぁ、そういえば」と言って。

 

「教会の調査隊の協力を依頼されていませんでしたか?」

「おぉ、それだ!!」

 

完璧に忘れてた。

 




と、言うわけで今回はキナとデートでした。
割とあっさり風味(1話だけ)なのは、流石にキナを連れて危険地帯を歩くと危な過ぎるからです。
主に、キナが。
さりげなくセレナにもあってるのは、(プレイヤー視点では)ハーブ酒狙いです。
主人公的には女の子に会えるのは嬉しいと言う気持ちもあります。

ちなみに、教会の調査隊は素で忘れてました。
次辺りで一気に片をつけます。
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