セレナをカサディスに迎えて、本格的に妹扱いすること数日。
俺はただいま黒き呪いの島と書いて黒呪島に来ている。
発端は至極簡単、記憶喪失らしき美人にこの島の探索を依頼されたからだ。
もしかしたら、何か記憶の手掛かりがあるかもしれないという、覚者とポーンしか訪れることの出来ない、この島で。
ここで出会ったのは、俺を連れてきたオルガ、そして島の内部を一人で探索していたチョイ悪風オヤジのバロック。
ふと思ったが、この島って覚者とポーンしかこれないのなら、この二人もそうなのだろうか?
いや、聞くまでもないことか。
「いや、しかしお前さんもお人好しの様だな。態々誰とも知れない人物の頼みなんぞ聞くとはね」
「ついでだよ、ついで。ここは修行にもってこいの場所だ。ここで鍛えりゃドラゴンも十分に退治できるようになるだろうよ」
バロックの呆れた様な言葉に俺はそう返す。
「ま、ヒトの頼みをホイホイ引き受けて、最悪の事態にならんことを祈ってるよ」
「……忠告ありがとさん。ま、俺も目標が色々あるからね、そう簡単に死にやしないし妙なモンが起きたなら叩き潰して見せるさ」
「はは、身の程知らずというかなんというか…。ま、がんばってみせな」
「おうよ」
島の探索をして直ぐに遭遇したのは巨大な死神のような何か。
ローブのようなボロをまとい、大きなカンテラ?と大き過ぎる鎌を持つ敵…と思われる何か。
どれだけ攻撃しても大したダメージを与える事もできず、終いには見逃される形で相手が去っていった。
「次に遭った時にはリベンジです」
「いや、アレどうにかできるとは思わんね。少なくとも今の俺達には無理だって」
魔法も物理も有効打にならない相手に、どう攻撃を仕掛けろと?
少なくとも現段階で勝てる気がしない。
なんて感想を、この後何度もこの島で愚痴る事になるとは、流石に考え付きもしなかった。
羨月楼とよばれる広場から次にいける場所を探し、一つの扉を潜り進んでいくと辿り着いたのは監獄のような場所。
そこでアンデッドに遭遇したり、ミミックに噛付かれてピンチになったがまぁ何とか切り抜けられた。
ミミックのせいでポーンが一人、深い水路に落とされ、しかもヒュージブルに為す術なくロストしてしまった。
その現実が大分精神的にしんどいのだが、それでも踏ん張って先に進むとそこは地の池地獄だった。
いやちょっとまて、ここは何時から地獄とか魔界とかそんな場所になったんだ?!
回れ右して帰りたい気持ちが非常に強かったが、それでは何の為にここに来たのか分からないので仕方なく凶悪な生臭さから来る吐き気を堪えて探索を開始する。
先ず、この血の池地獄で一番に目に付くのは通常のものより更に大きいサイクロプス?の様な魔獣。
次に血の池地獄。
最後に部屋を縦横無尽に走る橋だろう。
ついでに言うと、現在進行形で魔法攻撃を仕掛けてくるスケルトンなんかもいる。
「うぉぇっ、生臭さが半端じゃないぞコレ」
「……君子危うきになんとかです。アレに攻撃するのは控えましょう」
「駆け抜けるぞ、目指すは上のほうだ!それでなくともあの骨共は潰したい!」
先ほどから飛ばされてくる火炎弾や雷撃がうざ過ぎてこちとらもう我慢の限界なんだ!
3人全員一気に足場を駆け上がり辻斬り的に骨を破壊しつくしながらどんどんと上に上って行く。
そうして行き止まりまで骨をつぶしながら進むと、其処には一つの死体と鍵があった。
「……うん?何か聞こえたような?」
「マスター、負け犬の遠吠え等聞く必要もありません。行きましょう」
「そうだな」
その後、この血の池地獄を探索して全員地の池地獄が持つ毒に冒されたので慌てて飛石で黒呪島の入江まで帰還した。
「ってな感じだ。覚者をやってるおっさんがいたよ。悪いヤツじゃなさそうだ」
「そうですか。機会があればあってみたいです」
「何時か会えるんじゃないか?多分」
ポーン達とオルガを含めた5人で休憩所で適当に作った料理(シチューもどき)を食いながら俺は言う。
やっぱり、シチューにはライスが欲しいと思うんだよな。
「しかし、意外ですね。覚者である彼方が料理もできるとは」
「いや元々は猟師だぞ、俺は。食料確保から簡単な調理位できて当たり前だろう」
それに、現世での両親が死んでからは一人暮らしだったんだ。
余計に出来なけりゃいけなかった。
「そういや、そっちは記憶喪失って言ってた件、どうなのさ?」
「こちらは何の進捗もありません。ですが、ここにいるからには私もまたドラゴンに関係したものであったのではないかと思います」
「つまり、覚者か。まぁそうだろうなぁ」
しかし、こうして振り返ると覚者って意外と世に多いのか?
領王、竜識者、セレナの祖母、オルガ、バロール、そして俺。
更に、あんまり気にしないようにしていたが、この地で朽ちた死体の殆どは嘗て覚者であった存在のようだ。
難攻不落のダンジョン。
そして、アンデッドになって敵がしんどい位に強くて心の折れた死んで楽になる事も出来なくなった覚者たちが襲ってくる。
……。
「無限に霧を払い続けたり、世界に火を灯す為の薪の王になるつもりは無いんだがなぁ」
「何をおっしゃっているのですか?」
「独り言。あぁ、そういえば俺の知ってる物語にこんなのがあってだな」
「どんな物語でしょうか?」
「題名は『闇の魂』といってだな」
それは一人の戦士が世界に火を灯す薪となる物語。
「……どうしてこうなった」
「わかりません」
今絶賛手とと膝をついて凹んでいる俺。
理由は至極簡単、羨月楼へ向かう道のりで二箇所ある広場のうち、二箇所目の広場でコカトリスが大暴れしていたからだ。
コカトリスを単純に説明すると、黒くってでっかくて、空を飛んで、石化ブレスを吐いて、脚の爪は猛毒の爪という面倒くささの塊が鶏の形を持ったような相手だ。
コレに比べれば、グリフィンがどれだけ優しい相手だかッ!
石化ブレスとか、してこないしな!
その後、石化ブレスでポーンがあわや全滅の憂き目にあったが、なんとか撃退。
え、詳細?
逃げて、避けて、張り付いて頭に切りかかるの繰り返しだよ。
魔導弓が思ったより通じなかったからコレしか手段がなかったのよね
途中でポーンが全員石になった時は絶望して心が折れそうになったけど、まぁ何とかなったもんだ。
後で飛石使って逃げればよかったと気付いてかなりへ込んだけど。
「それにしても、何でこんなところにコカトリスが?」
「ここ魔物が多過ぎやしないか?しっかりと殲滅した筈なのに直ぐに湧き出てきやがる」
俺はポーン達と共に、とある拠点。
『虚実入り混じる倉庫』とバロールが呼んでいた場所を抜けた先にある『戦士の休息所』という一切魔物が出現しない場所で俺達は休憩を取っていた。
何故か、羨月楼に居たバロールが先回りしていたが、気にするだけ無駄だろう。
そんな気がする。
「ソレに関して、俺なりの解釈でよければ説明できなくもないぞ?」
そう言ったのは何故か俺達よりも先にここにいたバロール。
「聞くか?」
「是非」
そうしてバロールが説明を始めるのだが、相変わらず俺の頭で理解できるのは情報の端々だけだ。
先ず、ここが俺が暮らす世界とは違う場所にあること。
そしてポーン達の居る異界とも異なるということ。
じゃあ何処なのかと聞いてみれば…。
「さぁな、どこかの誰かが想像した世界なのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。まぁそれはともかくとして本題の魔物の湧き出るのが早いという件だが、あれはどうにも異世界とかそういうのから呼ばれているのかもしれんな。時折現れる凶暴なエルダーオーガやガルム、そしてデスなどの現れ方が良い例だ。奴等は血や肉、死の臭いを嗅ぎ取り滲み出る様に何処からともなく現れる」
との事だった。
想像した世界とか、想像と創造をかけた洒落なのなのだろうか?
まぁ、なんにしろ神の如き所業だなという感想が残った。
それと魔物に関しては詰まる所、出現抑制などの対処不可能、諦めましょうと言う事だ。
「しかし、開き直って戦い耽ってみればここは修行場としては本当にすばらしいな」
「はい、尽きぬ敵に油断の出来ない環境、それでいてしっかりと休める場所もあり、水や食料となる動物の肉にも野菜代わりの薬草にも困りません」
難点は魔物を殺し過ぎるとガルムとかエルダーオーガとかいう魔物が沸いて出ることか。
実際に遭遇したがあいつらときたら硬い上に強いので見かけたら相手せずに逃げに徹している。
いや、それぞれ一度相手はしたのだけど油断すると一撃死しかねない相手なんて相手なんてできるカッ!
そう思いつつも、先に進まねば話は進まない。
俺もここいらで散らばる屍の様に死してなおこの場に捕らわれるとかそういうのは嫌なのでとっとと進む。
そうして辿り着いたのはエヴァーフォールの様な雰囲気を持つ巨大な螺旋階段?の様な場所だ。
「エヴァーフォールだと、この先で触手が出てきたよなぁ」
「マスター、それ以上いけない」
マリーがフラグダメ。ゼッタイ。というが、時、既に遅し。
「Nuuunn!」
「ちょっ!?」
リアルベアード様!?とは口に出して言わない。
これはあれだファンタジー知識に照らし合わせるならイビルアイとかそういう類の魔物だ。
ただ、やったらでかいけどな!
見た感じの直径が4~5M級、いや、下手するともう少し大きい?そして、こういう手合いはファンタジー基準で魔眼持ちっ!
「全員柱の陰に隠れろ!」
俺は直感に従い、来た道を戻って奴の視界から逃れ、ポーンも一人を除いて即座に退避した。
「え?」
ソレがポーンの最期の言葉だった──ワケではないが、様々な状態開かれた巨大な瞳から放たれる怪しい光を浴び、状態異常を一挙に受けて動きガス炉になり、目が見えないと訴える。この状態で攻撃を受ければ全てがクリーンヒット間違いなしだろう。
「ち、コレを使え!」
「ありがとうございます!」
道具袋から目当てのものを手早く投げ渡し、ポーンはソレ(光の石)を握りつぶして回復。
「アレはゲイザーです!奴の視線を浴びると下手をすれば石化も引き起こします!」
「なぬっ!?」
ポーンの告げた言葉に驚きつつ、壁際で奴の対処法を思案する。
あくまで見た限りなのだけど、どう考えても分厚い上に硬そうでもしかしてドラゴンレベル?な皮膚。
そして、その中にある目玉。
弱点は、まぁ見て分かるとおり目玉だが、難点は幾つもある。
一つ、硬い外皮に弾かれて魔法も弓矢も剣も意味がない。(今飛び掛って諦めて逃げた)
一つ、浮遊してるから取り付いたとしても正直しんどい。(そもそも逃げた理由の全てがこれ)
一つ、触手がうざいんだけど、どうしてこうなった!!(放置してたら魔法が飛んできて死ぬかと思った)
とぃう訳で一度離脱しよう。
「マスター、結局の所どうされるのですか?」
「いや、ゲイザーは倒す。倒せそうだしな」
そう、倒せそうなのだ、アレは。
エルダーオーガも倒せそうだが、見かけ異常に俊敏そうなので見かけたら逃げている。
ガルムも倒せるかもしれないが、あの俊敏な動きは非常に厄介な上に俺自身と相性が悪そうなので倦厭している。
デス?そもそも最初の1度以外見てませんがな。
しかし、何時までも避け続けることも出来ないだろう。
ソレをするという事は、ひいてはドラゴンとの戦いもそうであると言う事だ。
と言う訳で、今ある壁を突破するという意味でもゲイザーは倒さなければならない。
「なるほどねぇ……いや、真面目な覚者様だよお前は」
「真面目というほど真面目でもない。ドラゴンなんてのがいたら、ただでさえ治安が悪くてうんざりしているのに、余計に日々安心して寝れないからな。そういうわけで安眠妨害の元は断つに限る」
「ハハッ、言うに欠いて安眠妨害たぁな!こりゃ驚きだよ」
バロックが持つ回復アイテムを融通してもらいながら、俺はふと思ったことを尋ねる。
「そういや、俺が倉子に預けてる物をお前は取り出せるようだが、どうやってるんだ?」
「あん?まぁ……秘密だ……と、言いたいが特別に教えてやるか」
そう言ってバロックが出したのは飛石だ。
しかし、どこか普通の飛石と違う感じがする。
「お、何となくわかったか?そう、コイツは少し特殊でな。永久の飛石……を、改造して何処にでも転移できるようにした代物だ。そのせいで俺専用になっちまって売り物にもならないし、同じ物を作ろうとしてもどうしてか上手く行かないからまた作るのはもう二度と無理、という代物だがな」
「つまり、ソレで街に戻って倉庫から取ってきて、また戻ってきた?」
「そういう事だ。もう少し楽ができりゃ良いんだが、そこまではうまくいかないもんだ」
「なるほどねぇ」
そんな会話をして暫くしない内に準備は整った。
俺はバロックに別れを告げ、再びゲイザーの元に向かう。
「よし、全員先ずは奴の目の届かない場所に退避し、沸いて出てくる奴の触手を叩っ切れ!」
「「「了解!」」」
先ずやるべき事はコレだ。
触手を放置すれば痛い目に合うのは俺だ。
ポーンよりも先にまず俺が狙われるからだ、理不尽だ。
しかし、それも再生する前に全滅させれば良い。
前回、一応何本か触手を切り倒して即座に再生することがなかった事から、再生にはある程度時間がかかるのも十分に分かってる。
比較的細い触手や、太いのもある程度斬り終わったころ、アーチャーのポーンの足元にゲイザーの触手が現れるときの空間の歪みが見えた。
しかも、それは今まで見た触手のどれよりも大きい!
「足元から来るぞ、避けろ!!」
「っ!」
ポーンは即座に指示に従い回避し、俺達はその一撃に呆気を取られるが、即座にマリーが提案してくる。
「この一撃、奴に加えればそれなりに良い打撃になるのでは?」
「その案良いな。全員、下の開けたとこまで駆け足!ゲイザーの真下に移動だ!」
ゲイザーの真下までいくと、案の定というべきか奴は自分の直ぐ下に極太触手を転移させようとしていた。
「離脱ッ!」
「BUOOOOOO!?」
その事実を確認した直後に離脱すると、一瞬送れて極太の触手がドンッと柱の様に突き立つ。
何だろう、丁度目潰しみたいな感じで刺さったぞアレ。
自業自得の目潰しでダウンするゲイザー。
口というか目蓋というか分からないそこから目がでろんと飛び出ている。
こっちとしてはその間抜け具合に助けられたが、ソレで良いのかゲイザー。
しかし、死んだ訳ではないので追撃は必須だ。
「ゲイザーが怯んでいるぞ!全員突撃ー!!」
「「「おぉー!」」」
全員がそれぞれの獲物でゲイザーを殴る。
俺も短剣だからそれほど刃が通らないかと思ったが、道中で拾った二本の短剣、クリスナーガペインは恐らく竜種の鱗さえも刺し貫けそうな『対ドラゴン武装』と言って良いほどの良い武器だ。
最初、呪いで正体が何か分からない状態だった。
そんなものだからどうしたものかと思ったのだけど捨てずに取っておいて良かったというものだ。
暫く殴るがそれでも一向に死んだようには見えない。
ドンだけタフなんだ!!
そう悪口を付くとゲイザーが復帰し暴れ始める。
「マスター、あそこの触手がなにやら特殊な魔法を!!」
「なんだと!?」
マリーの言葉に驚き振り返ると触手の四本が陣を組み、その中央に魔力を集めていた。
言われて気づいたという間抜けぶりだが、その魔力は俺達を吹き飛ばすには十分過ぎる威力がありそうだ。
「触手を切り落としてあの魔法を不発にさせましょう!」
言われるや否や、俺は全力疾走で触手に近寄り、ひたすら斬る。
遅れて到着したポーン達もとにかく妨害してやろうと必死に暴れる。
その甲斐あってか、或いは触手事態がそれほど強くなかったからかあっさりと4本全て切り倒すことが出来たが、触手たちが作っていたゲイザーの魔力を集めた塊はそのまま残る。
「……せぃっ!」
俺はこの時、自分が何を考えていたのかはわからないが、何となくコレを殴るといいんじゃないかという気がして殴った。
すると、魔力の塊は欠片が魔力弾となってゲイザーに飛んで行き、ゲイザーへのダメージとなる。
空中を飛び、こちらを触手で攻撃しようとしていたゲイザーはコレに驚き再び落下した。
「全員、ゲイザーかコレを殴りまくれ!!」
その後は、もう本当にあっさりとしたものだった。
先ほど同様のフルボッコ、という状態が完成し、今までの脅威感は何だったのかと言うぐらいあっさりとゲイザーは死んだ。
「……強いとは思いますが、必勝パターン、のようなものがある相手でしたね」
「あぁ、とりあえず色々と物があるしソレを拾ったら次の場所に行くか」
そう、この部屋にはなんだか知らないが色々と物が落ちていた。
魔導書や魔力の篭もったカメオ、薬草、よくわからん人形とか。
物を拾い終え、次の場所へと進んでいくとそこにはバロールが居た。
「うん?もしやゲイザーを倒せたのか?」
「あ、あぁ、アンタはどうやってここに?」
俺が問うとバロールはにやりと笑う。
「それは……」
「それは?」
「秘密だ」
「……そうかい」
何となく、ただで教えるような奴じゃなさそうなのは判っていたし、別に落胆はなかった。
「それよりも、もしも戻る事を考えてるのなら、あそこの扉を開けて戻るといい。入り口の方へのショートカットになるぞ」
「マジで!?」
「マジだよ。まぁ、こっち側から鍵がかかっていたから最初のうちはショートカットも出来ないんだがな。俺は時々ここにいるから、物が必要だったら羨月楼か休息所、もしくはここに来い、いいな?」
「あぁ」
この時、俺が思ったのはただ一つ。
いい加減、グランシスに戻ろうという事だけだった。
今日のNG コカトリスは攻撃力よりもブレスが厄介
黒呪島、そこは多くの魔物がひしめく悪夢の島。
俺は来て直ぐの通路を進んだ所でいきなり攻撃を受けた。
「ぐはっ、な、なんだこれは!?」
「か、体が硬く!?」
「マスター!こ、コカトリスです!!」
そう、俺に攻撃してきたのはコカトリスだった!
「まさか、石化ブレスだとぅ!?」
「か、からだ うご ぁ」
隣に居たポーンが完全に石化する。
そして、お れ ぉ
今日のNG 何度でも何度でも
「バイツァダストォ(負けて死ね)!」
「マスター、いきなりなんですか!?」
コカトリスを撃破した後、俺は何故かそう叫んでいた。
「判らない、けどなんだか叫びたい気分だった」
「ふぅ……」
ポーンの一人が処置無し、とばかりに溜息をつく、失礼な奴め。
「所でマスター、なんか出ました!!」
「ガ、ガルムだー!」
ポーンの一人が叫ぶ。
「ち、血の臭いに釣られて出てきただとぅ!」
ポーンの説明台詞に思わず解説乙といいたくなる。
「逃げるぞ!」
そうして俺は背を向けて逃げようとした。
おもえばソレが間違いだった。
奴は思いも寄らない瞬足で俺に飛び掛り、そして、俺の上半身を一口で食いちぎり、俺は死んだ。
今日のNG いや、やっぱベアード様だろう、コレ。
ゲイザーが出てきた時、奴は俺のパーティを見て、俺を糾弾するように言う。
「この変態(ロリコン)め!」
「俺は変態(ロリコン)じゃない、変態(ロリコン)だとしても紳士と言う名の変態(ロリコン)だ!」
そう言い放った直後、俺は後ろから魔法やら弓矢やら剣でボコボコにされた。
まて、味方に殺されるのは納得がいかないぞ!
「変態(ロリコン)は敵ですので、悪しからず」