難易度HARDの転生人生   作:とうや

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気付けば四半期も音信不通で遅くなってしまい申し訳ありません。
外付けHDDに続き、その後に買ったSSDもイカレて意気消沈してブラウザゲーやスマホゲーに逃げてました。
SSDお高かったのですがあっさり壊れました。
保証書とか別にそうそう壊れへんやろ(慢心)と思って箱ごと廃棄した2週間後に壊れました。

ダクソシリーズでも折れなかった心がぽっきり折れました。

今はあきらめてPS4の内臓HDDに保存しているのですがこれが壊れたらと思うと…。


08:梃子入れしてみるか

フライアが極東支部近辺で待機し、少しの時間が過ぎた。

ブラッド隊はそれなりに極東支部に馴染み始め、ヒロもリンクサポートデバイスのヒトバシラをしたり、ハルオミさんの話術に乗せられて男のロマンを追及したり、第一部隊のメンバーと討伐に出たりと忙しい様子だ。

中でも一番のイベントは恐らくカリギュラの変異種、体色から端的に赤いカリギュラと呼ばれる存在の討伐だろう。

ギルとハルオミさんの因縁の相手だが、度々ギルの相談に乗っていたヒロが彼らと協力して討伐し、この時にギルが血の力に目覚めたのだという。

俺もその場面に参加したかったものだが、俺は俺でその時はフライアのレア博士に呼ばれて有人タイプの神機兵の開発補助を行っていた。

 

『ヨシアキ、聞こえている?』

「はい、レア博士バッチリ聞こえていますよ」

 

通信機から聞こえてくる声は実にクリアなものだ。

 

『簡単な操縦法はマニュアルを読んでくれたと聞いているけど、行けそうかしら?

先ずは起動シークェンスから丁寧に始めましょうか』

「大丈夫です、起動シークェンス始めます」

 

俺はそう言うとタッチパネルになっているモニターをポチポチと操作する。

 

「オラクル残量81%、バッテリー残量87%、どちらも問題なし。

続いて各関節部の簡易チェック……各部位問題なし。

センサー類問題なし、専用神器問題なし、カメラ問題なし」

『第1段階は良しね。第2段階、各部の稼働チェックよ』

 

このぐらいは当然とばかりのレア博士の声が聞こえた。

 

「了解、稼働チェックプログラム流します」

 

すると跪いた体制の神機兵が体を起こし立ち上がる。

足を前後に開き、或いは歩き、手を特定パターンに沿って動かしたり腕を回したりする。

 

『問題無さそうね。現段階で負荷はどうかしら?』

「こちらとしては特に問題なし、先ずは歩かせる所からでしたか?」

『そうよ、先ずは基本動作の習熟よ』

 

レア博士の言葉に従い基本動作を繰り返していくと、微妙に頭痛がしてきている事に気付いた。

 

「っ」

『──ヨシアキ、体調に問題は?』

「軽い頭痛です、この程度なら問題ありません」

 

俺が返すとレア博士は少し驚いた様だ。

 

『アナタ、もしかすると他の人よりも神機兵の負荷に対して耐性があるのかしら?

大体のテストパイロットはここまでやるとそろそろ負荷であなたの数段上の体調不良を訴えるのよ』

頭を抱えて蹲っちゃうレベル、と言ってのけられる。

「……そりゃまた、とんでもないじゃじゃ馬ちゃんですね」

 

とはいえ、戦闘機だって加速のGで体調を崩す人間はごまんといるのだし、前々世で乗った旅客機でも気圧差で体調不良を起こす人間だって珍しくなかった。

神機兵の負荷はそれより強い様だが……まぁ、俺のデータを基に改良が進めばそれが一番なのだが。

 

「動作問題なし、事前にあった動作パターンは試しましたけどどうです?」

『十分よ。やっぱり負荷が問題なだけで操縦系統は十分ね……というか、まさか体操選手みたいな動きも実演できるなんて思わなかったわ』

「それだけ神機兵の運動性能と操縦系統が優れてるって事ですね。

ただ、流石にあんな動きをしたせいでちょっと酔いが」

 

グルングルン動いていたので流石に目が回るし負荷も少しずつ頭痛が強くなっている。

 

『アナタの耐性は見事な物ね、これだけデータがあれば負荷に関わる部分も精査できそうだわ』

「役立ったのなら何よりで……そろそろ帰投しますか?」

 

そういう話をしていた所で、今回のオペレートを担当しているフランから連絡が入る。

 

『アラガミ中型種が複数接近中です!どうしてここまで至近距離に急に……ブラッドβ1、神機兵をフライヤに戻してください!』

「……レア博士、コイツの専用大型神機、実戦で使えますよね?」

『そっちはクジョウ博士の無人機が使っているのと同様よ──なるほど、イイコね。

オペレーター、方針を変更するわ、神機兵を用いて全アラガミを撃破……いけるわね?』

「了解、目標を殲滅します」

 

神機兵はよくあるロボット物の初期機体とかその手の量産機とは違って随分とスムーズに動き大型神機も担いでいるのだが重さを感じさせない動きだ。

 

「先ずは一匹!」

『コンゴウA撃破、B,Cが2時方向より接近中』

 

フランの警告した方向を見ると障害物の無い大通りをコンゴウが2体駆け寄ってきている。

 

「なら、射撃モードでやってみようか!」

 

がしょんと変形して手早く射撃形態に変形させると、そのままトリガーを引く。

アサルトのような連射性でキャノンと同等の威力を出す射撃は実に爽快だが、同時に怖ろしい武器だとも思う。

俺の直感で申し訳ないが、無人機ってどう考えてもアレ暴走して敵対しそうだし、何か対応策や戦術を練る必要あるんだろうなとガチで思ってる。

暴走の例で言えばどこかのこの時代では古典となっているアニメの汎用人型決戦兵器とか、ね?

そもそもオラクル細胞の塊みたいなもので神機のように制御を行っているが、その制御系にダメージが入ってしまえばどうなるのか、と言う不安もある。

博士達は追加装甲を取り付け、動きに支障を来さないレベルで強化したと言っていた。

 

実際、見た目もそこそこヒロイックに少し角張った感じに変わった。

例えるならコードギアスのランスロットっぽくなっていた。

なんでもクジョウ博士がデザインしたらしい。

思わず良いセンスだ、最高じゃないかって絶賛したら本人照れ臭そうに喜んでいた。

因みにラケル博士は妙に怪物風(ガンダムAGEの敵機体風)、レア博士は偉く威圧的な悪役風味(SRWのヴァルシオン風)だった。

グレム局長は意外そうな表情をして、即クジョウ博士のデザインをリーダー機向けに採用した。

一括変更にならないのは今さら全ての生産ラインに変更を入れた場合、コストが掛かりすぎるからだとか。

 

『周囲にアラガミの反応なし、撤収準備に取りかかります』

「了解、此方も合流地点に移動する──ちょっと頭痛してきたな」

 

その後も何度か神機兵に乗って出動を繰り返していくと負荷が抑えられるコクピットの改良や専用のパイロットスーツ作成で随分と楽になった。

その結果がコレだ。

 

『おぉ、ワシでも随分と楽に動かせる!素晴らしいじゃないか!』

「お喜び頂き光栄です、グレム局長」

 

気が着いたらグレム局長が試乗しても問題ないレベルで稼働できるようになった。

2週間程度で良くもここまで…。

フライヤの3博士とスタッフの優秀さはガチだな、と改めて思った。

 

『コレなら神機兵を今まで以上にプッシュできるな。後で詳しい話を聞くが無人機の開発はどうだ?』

「えぇ、有人機のデータ蓄積が反映できますのでこちらもより完成度が高まっておりますわ。

ヨシアキの運用データは素晴らしい物があります。機会があればジュリウスやヒロを筆頭としたブラッド隊員の運用データも得て多様化を図りたいと思います」

 

ラケル博士がそう言って要望を伝える。

 

『良かろう。どうせだ少々大盤振る舞い、梃子入れをしてみるか』

 

グレム局長はかなり俗っぽい人物だが、経営者として恐ろしく優秀だ。

フライヤの様な一見無駄の多い移動拠点を維持し続け、ブラッドや神機兵に関してもグレムの投資が無ければここまでの成果はなかったのは事実だ。

最も、俗物であるからこそどうしても悩まされ続けていた。

神機兵の開発が特に顕著で人類にとって必須の存在、急がなければならないと言うのが常に頭にあった。

開発や試作にコスト面が鼻に付くところがあるのが事実だが、一度生産ラインが稼働すれば安く量産出来る目処があった。

また性能も十分に採算がとれるとわかっていた。

一般兵士と比較しベテラン神機使いの育成期間、運用可能期間の短さ、そもそも神機使いの補充自体に難があるのは常に戦力拡充を望むフェンリルにとって重要な課題だ。

神機兵が完成すればその辺りの課題がクリアされる、それで得られるメリットはグレム個人の利益に留まらず、人類の福音になるという確信があった。

その利益はブラッド隊員の一人や二人の損失は問題ではないと判断したからだ。

嘗て赤い雨に神機兵とシエルが取り残された際の判断はそう言った判断基準に基づくのだ。

期待された『血の力』を振る舞えるのは指揮官兼広告塔であらゆる面で最優のジュリウス、そして他者の覚醒支援が期待できると報告のあったヒロ、最低限この二人、最悪の場合でもヒロがいればブラッドの運営は幾らでも建て直しの目処が出来た。

試作機も十分な役目を果たしたので次は先行量産で試験して数を用意してその後の大量生産だ。

需要は世界全土にあり、成し遂げれば人類史に名を遺す偉業だ。

 

「ヨシアキくん、協力に感謝するよ」

「クジョウ博士?」

 

不意に話しかけられて少し驚く。

 

「神機兵は……ロボットは私が子供の頃から追い求め夢見た形の1つなんだ」

 

ポツポツとクジョウ博士が語り出す。

アラガミを倒せるのはゴッドイーター、神機使いだけとされるが、その神機使いの研究が進むまで人類は負け続けていた。

クジョウ博士が子供の頃はアラガミのアウトブレクとほぼ重なり滅亡の危機にさらされていた、平和な時代から地獄に叩き落とされた世代だ。

そんな彼の希望になったのが日本のカッコいいスーパーロボットアニメだ。

 

「ワタシは自分が戦いに向かない性根で、その上力仕事の適正がないことも理解してました。

実際、偏食因子の適正はさっぱりで、でもワタシの周囲には適性があった有人知人がいました。

ワタシは最初、彼等のサポートがしたくて研究開発部を志したのですが、入って直ぐの頃に先の友人知人はアラガミとの戦闘で次々にKIAになりました。

間に合わなかった、遅すぎた、自分の無力さを思いしる、そういう思いが強かったです」

「だけど、博士が責任を感じることでは……」

 

思わず俺が言うと、分かってはいるんですと返される。

 

「しかし大事な友達だったんです。

塞ぎ込みがちだったワタシですが部屋で不意に子供の頃に見たアニメの続編が目に入ったんです。

不思議なモノで極東支部で発掘された新品同様の未開封品のボックスでした。

勇気、愛、友情、例え心が折れそうな時もそう言った想いが主人公や仲間を支え続け困難を乗り越える勇者ロボシリーズはワタシの心のバイブルです」

 

すっごく覚えがあるな。

確か開封されたのと未開封の勇者ロボシリーズのメディアディスクのボックスがあって、開封された方はアナグラに寄贈して、未開封品は確か前支部長さんに譲ったんだっけ?

もしかしてクジョウ博士の友人達の件って前支部長のアレが原因じゃないだろうな……。

 

「もしかしてそれの送り主は極東支部の前支部長のヨハネス・フォン・シックザールさんですか?」

「おや、分かるのかい?私は彼とも研究者として知己があってね」

 

意外そうに驚かれた。

 

「それを発掘したのは俺です。

開封品と未開封の2セットあって、ヨハネスさんに是非譲って欲しいって言われて。

残った方も結局アナグラに寄贈してみんなの楽しみになってるんです。

ロボ好きが集まってアニメ流している居酒屋なんかも出来たんですよ、今のアナグラはロボアニメブームの真っただ中ですよ」

「そうか、良い時代になったんだなぁ……今度の休暇にでも寄らせて貰いたいものだ」

 

その後、幾らか話して俺はアナグラのある場所へと向かう。

「お、てめぇらヨシアキが来たぞ!」

「おぉ、リーダー!」

「遅かったじゃないか!」

 

「「「おかえり!」」」

 

そこには3人の男女が居た。

揃いも揃って俺よりも年上の青年達だ。

 

「ただいま、みんな。挨拶が遅くなってごめん」

 

俺が言うと良いっ子なしだと一人が言う。

 

「リーダーのやりかけの仕事、こちらできちんとこなしておきましたよ」

「各所にアラガミ襲撃時の緊急避難シェルターの設置は何とかできましたが関係各所にデカい借りを作っちまいましたけどね」

 

借りを作ったという割に男の顔は晴れやかだ、確実に意味のある物を用意できたという思いがあるからだろう。

 

「耐久性には限界がありますけど、近隣のゴッドイーターが駆けつける時間は確実に稼げますよ!

……まぁ、赤い雨が降られたらかなり拙いですけど誘導作用のある偏食場パルス発生装置も用意したので最悪それで時間を稼げます」

 

それまで持ち出すとは随分な力の入れようだ。

過去にそれでかなりの被害が出た覚えがあるけど。

 

「それはそれ、って事だな。要は道具は使い様だってことで、寄せ付けちまうなら寧ろうまく利用しちまえって魂胆でそれなりの数が生産されてるぜ」

「それと、リーダーの提案してた設置展開できる大型の雨避け装置だが、こちらも開発されて既に利用されてるぜ。

ただ、思ったよりでかくなったが、その分広範囲をカバーできる。

うまく使えば神機使い共もこの下でそれなりに戦えるって算段らしいぜ、支柱さえ破壊されなきゃ」

 

何気に難易度高いな。

そうなると、銃撃で小型潰せるかどうかだな。

中型以上は遭遇しないことを祈るしかない。

 

「みんな、ありがとう。周辺状況はどう?」

 

俺が訪ねると現在の偵察班リーダーの男性、カトウが苦み走った顔で報告する。

 

「恐らく把握していると思うがココ関東地方目掛けて東北や中部、関西のみならず海の向こうからもアラガミが段階的にやってきてるぜ」

「付け加えるなら何時かの事件の時、アレのやばくなっていった時期と同じ雰囲気ですね」

「本番はこれからって事よ」

 

それを聞くと思わずため息が出た。

 

「状況を考えればあの時より悪いか……とはいえ、状況が常に最悪でもそんなのは日常茶飯事だな」

 

そう、この最悪な状況の実験場とでもいえる極東地区こそが俺達の故郷なのだから。

 

「応急処置でも何でも一つずつ対処していこう。

 少なくとも感応種相手に戦える状況は整いつつあるのだから、ある意味本当の最悪じゃない……寧ろ出来うる最善を拾い続けている。

 問題は如何に取りこぼさずに走りきるかだ」

 

或いは、世界を救うための荒療治も必要だろうか。

 

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