渓流のベースキャンプに着いた2人。ベースキャンプに着くなりファリスはトウジにこう言った。
「支給品なのだけれど、全て貴方が貰いなさい。」
「え?どうしてですか?分けた方がいいと思うのですが....」
「だっていくらライザが信頼していると言っても、貴方危なそうなのだもの。それに荷物持ちって似合ってるわよ?」
「....(ライザが信頼しているかはともかく荷物持ちってことは俺を下に見てるってことか....)」
「それじゃ、酒場で話した通り....エリア6へ行くわよ....どうしたの呆けた顔をして、置いてくわよ?」
「は、はい!(助けてもらってるとはいえ悔しいぞこれは....)」
〜エリア6〜
「どうやら1頭だけみたいですね....ってあ!」
気付くとファリスは1人でアオアシラに突っ込んでいた。遠距離武器である弓が前衛に出るということはソロ以外ではほとんど有り得ないことであり、つまり彼女は1人で戦っていると思っているわけである。それにトウジは....
「....(くそっ!やっぱり僕のことを下に見てるじゃないか!)」
突っ込んでいったファリスにトウジは続きアオアシラに接近する。アオアシラはハンター達に気付いたのかそちらへ振り返る。
「....はっ!」ヒュン!グサッ!
「ギャオォォォォ!?」
ファリスの放った矢が眉間を貫いた。不意打ちを食らったらしくアオアシラは怯んだ。動物全ての弱点である眉間なのだから当然である。そしてトウジはアオアシラの後脚付近に近付き、鉄刀で斬り結ぶ。アオアシラの後脚は硬い甲殻のある前脚と比べ柔らかく、斬りやすいのである。しかし、アオアシラもやられっぱなしではなく前脚の爪をトウジに振り下ろした。
「くっ....」チッ!
トウジは斜め後ろへ避けるが若干爪が当たり少し吹き飛ばされた。しかしダメージは低いためすかさず攻撃に転じる....はずだった
「グルルゥア!!!」
アオアシラは吠えた。もう1頭のアオアシラを呼ぶかのように。流石のトウジも近くで吠える声を聞き耳を塞いでしまっていた。しかし距離を少しとっていたファリスは
「この必中王アケノヨイチ....獲物を逃したことはないわ....」ヒュンヒュンヒュン!ザクザクザクッ!
曲射を放ったのである。たまらずアオアシラは吠えるのをやめファリスに標的を絞った。そしてファリスに突進していった。
「甘いわよ....」サッ
何の危なげもなくファリスは避ける。そしてアオアシラに追撃をかけようとしたその時....
「危ない!ファリスさん!」
「え?....」ファリスの後から現れたもう1頭アオアシラがファリスに爪を下ろしていた。
「....はっ!」
ファリスは気付くとベットの上にいた。背中がズキズキと痛むが薬草と応急薬が塗られており痛みが和らいでいた。
「あっ....起きたみたいですね。大丈夫ですか?え、えっとその応急薬を塗る時防具とったんですけれどその....み、見てませんからね!?」
トウジは顔を赤くしながらそう言った。
「アオアシラは....?」
ファリスが聞くとトウジは
「ファリスさんをベースキャンプに戻したあと1頭は倒しましたけどあと1頭が倒せなくて....」
そう言ったトウジは至るところが傷だらけで満身創痍といった所だ。
「....ありがとう....貴方は休んでて後は私がやるわ....いややらせて。」
「怒りますよ?僕達パーティでしょ?」
「....っ!ええ行きましょう。」
そう気付いたのだ。今はファリス1人ではない。助け合うのは当然なのだと....
「ありがとう....優しいのねトウジ君....」
「?何か言いました?ファリスさん?」
「な、何でもないわ!ライザが待ってるわ早く行きましょう!」
ファリスが照れながら早口に話す。そして立ち上がり、渓流へ向かう。どうやら背中の傷はだいぶ癒えたようである。
「って....待ってくださいよ~!」
少し渓流内を探索するとすぐもう1頭が見つかった。だいぶ弱っているようでありこの一戦で終わると予想される
「いましたね最後の1頭....どうやって倒します?」
「私はいつも通り近づいて撃ち続けて注意をこちらに惹き付けるわ。そこをあなたが攻撃していって。」
「あ、前に出てたのって僕を無視してた訳じゃないんですね....すいませんでした。」
「いや、ちゃんと伝えなかった私も悪いわ。ごめんなさいね」
やけに素直に謝るファリスに少し疑問を持つトウジ。
「そろそろ話は終わりにして行くわよ!」
アオアシラへ突貫し嵐の如く怒涛の攻撃を繰り返すファリス。そしてファリスに続きアオアシラの後脚を斬り結ぶ。たまらずアオアシラはファリスへ突撃して行くが
「甘いわ。」ヒュン!ザクザク!
曲射という矢の雨を降らせアオアシラの足は止まる。その怯んだアオアシラの顔面に
「喰らいなさい。」ヒュン!グサッ!
矢を撃ち込む。何発も。何発も。顔面が埋まるかというほど撃ち込み続ける。ファリスのその表情は悪鬼羅刹のようであり、トウジは攻撃するのも忘れその光景を恐れながらも見入ってしまう。
「乙女の身体に傷をつけたこと後悔させてあげるわ....さあ苦しみながら死んでいきなさい。」
あとは一方的だった。アオアシラは耐えきれず倒れもがき、いずれ動かなくなっていった。
「私とした事が、感情に任せて狩りを行ってしまったわ....命よ申し訳ありません....」
自分の狩りを恥じているようだ。ファリスはアオアシラの前に跪き、何か祈りを捧げるように呟いている。トウジは不思議に思いながらファリスに尋ねる
「な、何をしてるんですか?お祈りみたいですけど....。」
「貴方もお祈りをしなさい。私達はこの命達を貰って生活を送れているのよ。さあ....」
狩人はモンスターは狩るがそれは一定の場所に1種のモンスターが増えた時に狩ることが殆どである。そして狩りの間は気高く戦わなければならない。つい先程のファリスは気高さに欠けていたため恥じていたのだ。そんなしっかりとしたファリスの姿に驚くトウジ。
「何かしら?そんな呆けた顔をして?」
「い、いやしっかりとした人だなと思って....僕もお祈りしますね」
トウジもアオアシラの前に跪き、お祈りをする。しばらくしてファリスが口を開く。
「失礼ね....まあいいわ。早く剥ぎ取って戻りましょう私達の戦いは....終わりよ」
「はい....ファリスさんとの狩り楽しかったです!」
そう終わったのだ。渓流には静けさが戻り、木々が優しく揺れていた。
色々ありましたが狩猟完了!
次話はちょっとムフフな所があります!
2人は仲良くなれたような雰囲気ですからね。うん。
誤字脱字があれば!ではありがとうございました。
ファリス「....あのトウジ君いいかしら?」
トウジ「何ですか?」
ファリス「背中の傷が痛みだしたから....村までおぶっていってくれないかしら?」
トウジ「え、ええ!?」