世の中には死後の世界があると述べる者もいるが、ある訳がないと述べる者もいる。
だが実際そんなことは死んでみてからでないとわからない事であってあると述べる者の意見もないと述べる者の意見も根拠のない個人的意見でしかない。
そんなどうでもいい事を考えながらいつもの様に妹二人と朝飯を食べていた。「お兄ちゃん、ご飯のお代わりあるよ!」そう僕の妹小学生四年生の妹神田愛花(カンダマナカ)は言った。それに続く様にもう一人の妹からも、「一樹今日から2学期なんだからちゃんと食べないとダメだぞ!」とごもっともな意見を言った妹中学二年生の神田真白(カンダマシロ)は僕のもう一人の妹である。「わかってるよ!いいからお前らも飯食べろ!」と流す様に言った僕は神田一樹(カンダイツキ)高校一年生である。そして朝食を済ませ使った食器を台所に持って行きいつも通り学校の準備をし外に出た小学生の愛花は班での登校のため家の前でバイバイだ。「愛花!いってらっしゃい!」と僕と中学生の真白が言うと小学生の愛くるしい笑顔と共に「行ってくる!バイバイ!」と愛花は言った。僕たちも手を振りその後途中まで登校の道が同じため一緒に歩いて行った。今時兄妹で一緒に登校してる人なんて全くと言っていいほど見かけないが僕たちの親が僕が小学生の頃交通事故で亡くなってしまってから家事全般はいつも三人でやってきたため普通の家庭とはすこし違う兄妹の固い絆みたいなものがあるのだ。中学生の真白の学校につき僕はいつも通りいってらっしゃいと言うと真白もじゃあね!といつも通り返してきた。そして僕は学校に向かった。高校生になれば青春謳歌できるんだろうなという妄想などは1学期初めの一週間で潰れ僕は2学期の初日にもかかわらず小説を黙々と呼んでいた。そしていつも通り学校が終わり帰っている時僕は何故か意識が飛んだ。僕はもちろん死後の世界があるなんて思ってはいないしまずそういう体験もまだまだ先の事なんだろうと思っていた。
僕はいつの間にか気絶していたようで見た事のない場所に倒れていた。「おいおい、ここはどこなんだよ…。」周りを見渡しても真っ白な空間だという事しか言えないような場所だ。その途端頭頭痛とは明らかに違うドスッとしたような痛みがした。その痛みは明らかに頭痛などとは違う尋常ではないほどの痛みだ。「ウッ…さっきから一体なんなんだよ。誰だかしらねぇが悪ふざけにも限度があるぞ!」そう発した瞬間真っ白な空間の奥に何か紙みたいな物がある事に気付いた。僕は早くこの現状から抜け出したい一心でその紙らしい物の方へ恐る恐る近づいた。近づいてるうちにその紙らしき物が何なのかに気付いた。それは思った通り紙だった。だが普通の紙などとはすこし違う様だ。文字が眩しいほどの光を放っているのだ。目をかすめその光を放っている文字を読んでいくとある事が書いてあった。《選べ 1・このまま死ぬ 2・運命に逆らう》僕は意味がわからず文を読み間違えたのではないかと自分に暗示をかけるかのごとくひたすら読み返していた。だがやはり読み間違いなどではなかった。「意味わかんねぇよ」僕はそう思ったがどうもこのどちらかを選ばないとこの謎の場所から出られないと自分の第六感らしき物が訴える気がした。そして取捨選択で1はまず論外だな、と捨てて紙に書いてあった選択肢の2を選んだ。その瞬間真っ白な空間が眩しいほどの光に包まれ訳が分からなくなった。「一樹!起きてよ!起きてってば…」「お兄ちゃん!お願いだから起きてよ…。」などと僕を泣きながら呼ぶ声が聞こえた。そして僕は目が覚めた。一瞬真っ白な空間にも思えたがそれは自分が病院のベッドで寝ていて天井を見ていたからだった。上半身だけ起き上がらせると僕は二人の泣き崩れた女の子に抱きつかれた。その瞬間飛んでいた記憶の全てを瞬時に思い出した。僕は学校帰りにトラックと衝突事故にあったのだ。その時「お兄ちゃんが起きたよ!」「いつまで寝てんのよバカ!」と二人の女の子はいい僕に抱きついてきた。二人の妹の愛花と真白は涙をボロボロと流し3分ほど泣きじゃくっていた。その後病院の先生から聞いた話によると僕は二日間も寝続けて一度心肺停止になったらしく今こうして生きている事が奇跡らしい。僕は確かに真っ白な空間にいた記憶があるのだがあれは果たしてなんだったのかよくわからない。だが生きているという事がこんなにも素晴らしい事だと気付いた途端僕も涙が溢れ出してきて抱きついている妹二人に「心配かけてごめんな、もぅどこも行かないからな」といい抱き返した。
それからというものの体の回復具合も常人の人間ではありえないほど急激に完治していき僕はなんと一週間程度で退院する事ができてしまった。
だが退院したという喜びと裏腹に真っ白な空間で選択した選択肢2・運命に逆らうの事をふと思い出した。