艦これ&鋼鉄の咆哮【防空戦艦夜雨】〜夜空の防人と狩人〜 作:妖鵞夜雨
今回は艦これ改の要素『兵站』ということで無理矢理輸送船護衛を最後に付け足しました。
ついで程度で、wsg2pの最初の方
ハワイでの輸送艦護衛任務【PAC - A - 100】の要素も入れております。
ちょっと変な感じもしますが……。
夜雨は『防空戦艦』ということで、似たりよったりの『防空駆逐艦』と出会わせてみました。
秋月型sの口調がややおかしいかもしれません。ご注意ください。
夜雨side
周期的に私を襲う不快な感覚。それが何かを知ろうと目を開ける。
見慣れぬ木製の天井。遠くで流れる聞きなれない音。
演習が終わってからどれぐらい時間がたったのだろうか。
私は下着姿でベットに横たえられていた。ちなみに下着は白のシンプルなやつね。
「あ、やっと起きた。そのまましばらく動かないでね」
優しい声を横からふりかけられる。
その声のする方向に顔を回すと黒いポニーテールが揺れている。駆逐艦娘にしては背は高い方。
軽巡夕張と姿は似ているが髪の毛の色と質が違う。見たことが無い娘だ。
「貴方は…誰?」
「私ですか?秋月型防空駆逐艦、1番艦の秋月です」
「…あき、づき…?そんな駆逐艦居たっけ……」
私の住む世界には秋月型は計画段階では居たが、建造はされず、改秋月型として存在している。
「あー……そちらの世界では睦月型、吹雪型からしっかりとした対空兵装が装備されていたと副長さんから聞いております。夕張型を少し小さくして主砲を長砲身の10cm高角砲にしたような艦です」
そう言って秋月は水の入ったコップを差し出す。私はそれを受け取り半分ほど飲んでから名乗る。
「……そういえば私から名乗ってませんでしたね。春雨型防空戦艦の2番艦、夜雨って言います」
「私の戦艦版、と言った感じですかね。これから宜しくお願いします」
「こちらこそ、よろしくです。それで、ここはどこです?」
「医務室ですよ。初めてアレをつけるとみんなダウンしちゃうからここでしばらく休んでからほかのデータを取るって言ってましたよ」
「まだあるんですか……」
「ありますよ?えーっと、さっき姉提督さんが新しい子と一緒にデータを取るって言ってました」
「新しい……娘?」
「確か朝潮型の娘って言ってました」
「朝潮型……か」
秋月の横からロボットみたいなメカが二機歩いてきた。
「このロボット秋月さんのかな?結構可愛いですね」
手を伸ばして砲身と思われるモノを避けつつ頭をなでる
きぃーきぃー言ってる。可愛い。
「この子たちは『長10センチ砲ちゃん』という名前ですよ。秋月姉ぇ、軽めのご飯持ってきたよ」
オレンジ色の髪の毛をした秋月と同じぐらいの娘が入って来る。この娘も長10センチ砲ちゃんと思われる2体のロボットを連れている。
「ありがとう照月。そこに置いといて欲しいかな」
「りょ〜かいっ」
「長10センチ砲ちゃんか。私の主砲サイズの長35.6cm砲ちゃん造ってくれないかなぁ…」
「流石に無理だと思うよ。長門さんが島風ちゃんの連装砲ちゃんを見て作れないか真面目に検討してたけどダメみたいだったし。秋月姉さん、飲み物追加で持ってきたけど足りるかな?」
新たに入ってきた娘は黒が似合うしっかりとした娘だった。この娘も長10センチ砲ちゃんを連れている。
「あ、初月、ちょうどさっき切れた所。ありがとう」
「他に僕にできる事はあるかい?」
私に向かって聞いてくる。
「え、えーっと…」
「僕のことは初月って呼んでくれ。なぁに、呼び捨てで構わん。私もついこないだ着任したばかりだ。新入り同士仲良くしようぜ」
「あ、はい。え、えーっと、夜雨です。よろしくね」
手を伸ばして握手をする。
「こら初月、夜雨ちゃん困ってるじゃない」
「え、えと、ごめん」
「大丈夫、気にしてませんよ」
この後2時間ほど秋月型3人+長10cm砲ちゃんsと会話してからグラウンドへ向かった。
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朝潮side
「朝潮型1番艦、朝潮、入ります」
私の名前は朝潮。場所は扉のない提督室の前。無い、というよりも『破壊された』と言うべきでしょうか。小さな破片が散らばっている。
ついさっき私の艤装が建造されてここの鎮守府に来ました。
2つの鎮守府が連携を取ってる珍しい鎮守府らしいです。
「別に好きに入ってきていいぞ」
「いえ、これが礼儀なので。失礼します」
部屋の中に入る。
「本日付けで鎮守婦に着任することになっています。朝潮型1番艦、朝潮です」
「ようこそ、俺と」
「私の鎮守府へ。歓迎するわ」
「と、言いたいんだけど、とんでもない規格外がさっき来てな。ちょっとドタバタしてるけどあまり気にしないでくれ。しばらくしたら慣れる」
「規格外と言うよりも、異世界の戦艦ね」
「は、はい?」
そんな戦艦が着任したという情報は一つも入ってない。
「とりあえず、自己紹介だな。俺のことは弟提督と呼んでくれ」
「私は姉提督でいいわ。実際双子だし。後これが鎮守府用のタブなんだけど、どれがいい?」
見たことないタイプの情報表示機器が2つある。
(眼鏡のようなやつと空中に浮かびでるタイプ……それに普通の端末タイプ…端末一択ですね)
「端末タイプでお願いします」
この後、姉提督と弟提督が漫才みたいに
「フォーマットとフィッティングとセットアップは…ええとあ゙取説貰うの忘れた」
「ったくしゃーねーなー。こここうして…こう」
「おお、動いた」
とかやってました。そこまではいいんです。
「姉提督さん、質問してよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
「この端末、高性能過ぎませんか?いくら何でもおかしいスペックですよね」
「「うん、そうだよ」」
「誰が制作したのですか?」
「格外戦艦」
「夜雨ちゃん」
私が知る限りですが、そんな名前の戦艦なんて聞いたこともない。
「えーっと、姉提督さんか弟提督さんが造られた艦ですか?」
「流れ着いた、というべきかしら」
「だな。異世界からの漂着艦だ」
「…もう1回言ってもらってもよろしいでしょうか」
「異世界からの漂着艦だ」
「……もう大丈夫です。私では理解ができません」
「大丈夫、俺達もほぼほぼ理解なんてしてない」
「あ、そう言えば能力テストして無かったわね。後で動きやすい服に着替えてグラウンドに来て欲しいな。部屋はその端末に表示されてる通りに行けば大丈夫よ」
「了解です。失礼します」
そう言って扉の無い提督室からスタスタ立ち去った
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夜雨side
私は今グラウンドにいる。
いや、何でかって陸上体力測定をするとか何とか。
凪紗ちゃんはまだわかるとして、なんで龍奈ちゃんや鈴ちゃんまで一緒にこないと行けないのかがね、うん。
「夜ちゃん不機嫌ねー。まぁ、さっさとやってさっさと終わらせましょう。これが一覧ね」
「変なあだ名付けないでくださいよ姉提督さん…」
「夜ちーの方が良かった?」
「もっとダメです…」
あれ、いつからこんなに弄られたっけ。まぁいっか。
ちなみに体力測定の種目はこんな感じ。
・50m走
・1500m走
・障害物500m/射撃500m
・反復横跳び
・立ち幅跳び
・遠投
・シャトルラン
・重量挙げ
なるほど、燃える競技ばっかりだ。
「とりあえず、やりたい奴からやってって〜。測定はこっちの妖精さんがやってくれるわよ」
「んじゃ遠投から行きますか」
妖精さんたちが測定器具を手に走り出す。
しばらくして準備完了という報告が来た。
「んじゃ遠慮なく、ッアッ!」
全力で振りかぶり、遠くに投げ捨てる。
みるみる小さくなって飛んでいくソフトボール。
一番遠い所に立っていた妖精さんのはるか上空を通過し洋上へ姿を消した。
「あれ、こんなに私飛ばしたっけ?」
首をかしげながら飛んでいった方向を見つめる。確か前測ったときは25m~30mぐらいだったはず…
「じょ、場外……」
「私も投げていい?」
凪紗がぴょんぴょん跳ねながら肩を回す
「凪紗も投げたいって言ってますけどやらせていいですか?」
「大丈夫よ。ついでにそこの2人も投げたら?」
「なんで私まで…えいっ!」
「……まぁいいんじゃ……ッ!」
「いっくよー!そぉい!」
放たれた三つの球体は理想的な放物線を描いて私が投げた球と同じ道をたどる。
「全員……場外……」
空いた口が塞がらない朝潮。
姉提督や弟提督はまだ耐性があるのか、顔がひきつる程度で収まっている。
「次、朝潮ちゃん、投げて」
「あ、はい。行きます」
しかし、朝潮の投げた球は35mぐらいのところで地面に落ちる。
「むしろこれぐらいが普通なんだけどなぁ……」
弟提督がぼやく。
反復横跳び、1500m走も夜雨sがぶっちぎりで最高記録を塗り替えていく。
ちなみに。説明が遅れたが障害物500m/射撃500mとは、
障害物500m走の後、射撃をしながら500mの距離を駆け抜けるという速さと射撃精度を測る競技だ。
「そういえばお前ら、銃はどうするんだ?」
弟提督が思い出したように聞いてくる。
「私は愛用の対戦車/対物ライフルにしようかな〜って思ってるんですが艦の方…え、あるの?」
艦にあると思っていたが、龍奈が持ってきてくれたようだ。
「…私…
鈴奈ちゃんは有名なデザートイーグル50AEのオリジナル改良型で、装填数が増えている。非常に大きな口径は高い貫通力や攻撃力を持ち、反動はでかいが殺傷力は高い。
「
凪紗ちゃんはSG750 はSG550の
「
龍奈ちゃんはこれまた良く分からない銃を持ってきている。
手元でこそっとウィンドを開き龍奈ちゃんに聞いてみる。
夜雨『それなんてやつ?』
龍奈《スターライトカノン》
夜雨『まさか自作?』
龍奈《もち》
夜雨『了解』
青系列の色でまとめられた両手銃。かなり銃身が長く作られているようだ。
「姉提督さん、私は無いので一丁貸してもらえますでしょうか」
「これしか私持ってないけど大丈夫かしら?」
「大丈夫です」
出てきたのはワルサーPPK。割と有名であろうセミオートマチック拳銃である。
こんなものを常時携帯する提督って一体……
「わーお物騒。んじゃ、あの白いテントのところに置いといて。安全装置は白テントを出てから解除ってことで」
「了解」「りょーかい」「……了解……」「ラジャー」「了解です!」
五人がテントに向かい、戻ってくる。
「んじゃ、置いてきたかな?位置について!よーい」
測定開始の電子音が鳴り響く。
それと同時に朝潮一人を除いた4人が狂った獣の如くすっ飛んでいく。
コースに指定されたルートにはそびえ立つ壁や普通では飛び越せないような段差などがいくつもある。
普通なら10分以上かかるコース。誰もがそう言っていた。
スタート直後の一般の人々ならまず普通に歩いては登り降りができないと思われるほどの急な下り坂。
それを駆け下りず、走る勢いをそのままに宙返りをする。
宙を舞う4つの光、地に映る4つの影。
坂の8割ぐらいをジャンプカットし、受身を取りつつ滑り降りる。
滑り降りた反動を使いすぐ立ち上がり走り出す。
小さな石の段差から飛び上がり一階建ての鉄筋コンクリート製平屋の壁に張り付きよじ登る。
4人は止まらない。
3メートル間隔の腰ぐらいのサイズの街灯突起の上を駆け抜け、6mもあろうかという兵舎の絶壁をよじ登り、落ちたら骨折だけでは済まないであろう高さの屋根をつたい、壁に張り付きながら素早く移動し、植え込みを飛び越え、腰よりも高いフェンスをあたかもそこに何も無いかのように疾走。
白いテントの中を駆け抜け支持された目標を的確に打ち抜く。
小気味の良い銃声のリズム。遅れて伝わる撃破の合図。
あっという間に全ての目標を粉砕し、クリア。
映画のスタントマンが如くさもそれが当然であるかのように4人が戻ってきた。
「今の……何?」
姉提督が驚愕の顔をしていた。
弟提督は完全にフリーズしている。
「パルクール/フリーランの応用です。必須技能ではないですけど私の乗組員は大抵できますよ」
「ぱるくーる……?ふりーらん?」
「今私達がやったあの動きです」
その場で一回転宙返りをしてみせる。
あのスタイリッシュな動きは相当訓練等でやり込んでいたので自然と体に染み付いていたようだ。
「あっぶねー、弾切れかけてた。無駄撃ち一発もしてないのに」
「次から別の銃使おう、これは重過ぎる」
「……だいぶ……なまった……」
このように3人ともだいぶ余裕の顔である。
「……何このペース。ありえないぞ」
弟提督がやっと再起動する。
「うちんとこの乗組員ほぼほぼできますよね?」
「できますね」
「……できる……」
「何人か連れてきてやらせます?」
姉提督は流石に困った顔で
「いや、大丈夫です。むしろ何人か夜ちゃんたちの訓練をさせてみたいわね」
とか冗談言える余裕はあるほど耐性が出来ているようだ。
そんな話をしていたらかなり遅れて息を上げながら朝潮が帰ってきた。
「き、規格化…あ、銃有難うございます」
「はい、どうもです」
「そういえば、これ、ついで程度でこんなモノを拾ってきました。これ意図的に置いてたやつじゃなければ絶対邪魔ですよね?」
何故今まで気が付かなかったのかと思いつつ、手に持ってたでっかいモノを地面にそっと置く
「あー…46cm砲弾…それあのテントの所に置いといて」
「はーい」
その物とは46cm砲の砲弾。言わずと知れた大和砲弾である。
1tどころではない、ものすごく重量物であるらしいが、私にはおもちゃのレプリカのように軽い。
こいつ、タダもんじゃねぇバケモンだ…とんでもねぇのが来やがったぞ…とか、弟提督がそんな顔で私のことを見つめている。
そんなに見ないで欲しいかな。恥ずかしいし。
この後、順調に夜雨達4人は規格外な記録を出し続けその場にいた者をドン引きさせたのは言うまでもない。
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翌日 夜雨side
「で、テストの一環で私の兵装も見たいと」
「そういうことですね」
姉提督を艦にのせ、島から少し離れた『パラオ泊地』に来ていた。
厳密には元パラオ泊地というべきであろうか。
前任者提督が深海棲艦との死闘の末敗れパラオ泊地は壊滅
提督、艦娘および島の人全員無事だったものの、超巨大爆撃機により文字通り鎮守府は瓦礫の山と化したらしい。
瓦礫を撤去し再建築するよりも新たな島を整備した方が格段に早く安いという事で今の姉提督および弟提督の鎮守府が出来たという。
「超巨大、爆撃機…?」
「とにかく大きいとしか私は聞いてないのよ」
「……
「ん?何か言いました?」
「いえ、何も」
もし仮にアルケオプテリクスだった場合は艦娘が全員爆散する可能性があるのでその可能性は極めて低いと思うのだが……
「艦長、方位0-1-5、距離420に所属不明艦を確認」
「よ、420?42の間違いではなくて?」
「なんですかその''目視の方が絶対に性能がいいですよ''レーダー。ちなみに数は?」
「駆逐艦クラス5、軽巡クラス1、輸送艦と思われる船団1、数14、合計20です」
「……敵味方識別は?」
「現在確認中……味方です」
「姉提督、該当艦隊は?」
「輸送船団とその護衛艦隊ですね。出迎えついでに護衛して帰りましょう」
「了解、進路0-1-5 速力70、急加速警報!姉提督さん、これに座ってベルトをしてください」
「な、ななじゅう……?! knotですよね?km/hじゃないですよね?それでも異常速力ですが」
べらべら話す姉提督を座らせベルトをつける。私は艦橋についたポールに捕まり急加速に対する衝撃に備えた。
急加速警報が鳴り響きとち狂った加速で姉提督が座席に押し付けられ黙りこむ。
水しぶきが艦橋を濡らす。
「うっひゃー、濡れた!気持ちいい!」
「暑かったから丁度いいや」
そんな乗組妖精の声も聞こえてきた。
輸送船団との距離が100を切ったところでお気楽ムードの艦橋に旋律が走る。
「艦長、軽巡クラスからの緊急電、我、潜水艦からの襲撃を受けつつあり!」
「了解、ソナーの効力を上げよ。目標および護衛対象の行動を報告せよ」
「駆逐艦2隻が対潜制圧攻撃をかけようとしたものの返り討ちにあい中破した模様。速力低下されど航行に支障なし。輸送艦1隻に魚雷が命中したものの不発、全力航行可能。目標は4隻!」
「多目的ミサイルVLS(ASROC-c)ハッチオープン。目標、敵潜水艦」
重い音を立てて多目的ミサイル発射用VLSの装甲フタが全て開く
「目標捕捉、諸元入力完了!」
「発射!」
「了解、
白煙が艦橋の超硬質防弾ガラスを覆い隠す。
白い光の矢が4つ舞い上がり獲物を求めて空を翔る。
煙を割って進む黒鋼の城。
「新たなる目標、方位0-4-5、距離9、数2!敵潜水艦です!こちらに魚雷を発射した模様。本艦のかなり後ろを通過するコース」
「了解、新たなる目標に攻撃せよ」
「了解、
更に追加で放たれる2本の矢。
パラシュートを開き減速後、着水。
スクリューを駆り各自の目標を自前のソナーで追いかけ、追いつき、爆ぜる。
水柱が計6つ。全艦撃破の証である。
「目標全部の反応消失を確認。戦闘態勢解除。周囲警戒をおこたらないようにして」
「対潜水艦攻撃……貴方戦艦ですよね?」
「はい、防空ってつきますけど戦艦ですよ」
「なぜ戦艦が対潜水艦攻撃を……?」
「逆に聞きます。できない戦艦なんて居るんですか?」
「航空戦艦以外はできませんよ……航空戦艦は航空機を使って攻撃するので本体からの攻撃とは言えませんが」
「……てっきり全員できるのだと思ってました」
「軽巡および輸送艦からの入電、見事なり!感謝する!です」
「返信!まだ気を抜かず最後まで任務を遂行せよ。頼みます」
「りょ〜か〜い」
幸い、負傷者程度で済み、損傷した艦艇は自力航行可能だったが、速力は少し下がったようだ。
「艦長、意見具申。本艦も護衛につきましょう」
「それが妥当ですね。しんがりを務めます。艦を輸送船団最後尾に回せ!距離1をキープ。速力は前と合わせて」
「了解!距離1キープで輸送船団の最後尾へ!」
ぐるっと大きく円を書くようにして回り込む。
「損傷した駆逐艦2隻は堕落してないことを見ると大丈夫そうですね」
「鎮守府まであと少し……何事もなければ大丈夫でしょう」
「方位1-8-5、距離405!不明機!数15!」
「……残念ながら姉提督さん、何事もないわけがなさそうですよ」
「本島に連絡をいれて戦闘機を……」
「神電Ⅱ発艦せよ」
《了解、神電Ⅱ発艦します》
姉提督が艦橋の窓から後ろを振り返る。
全身が真っ青の機体が航空力学ガン無視の軌道を描いて飛び出していった。
「……何よ今の……私、霊にでも取り憑かれた…?幻影でも見てるの…?」
姉提督が己の脚の力で立てずにへたり込む。
艦橋にいた妖精が口々に
「アレが神電Ⅱのいつも通りですよ」
と、言う。
「あれが正常なんです。むしろ、垂直に飛べなければこの艦からは飛べませんよ」
この後、神電Ⅱは不明機が敵機だということを確認、全機を撃墜し無事に輸送船団はパラオ鎮守府に入港した。
姉提督は陸に上がっても幽霊でも見たかのように 信じられない という顔をしていたという。
秋月型可愛いですよね!!
実装済み3人ともに美味しい料理を作ってたらふく食べさせてあげたい……!
僕っ子の四女も現代人よりの次女もプロトタイプの長女も。
私的に、ですが、秋月型は涼月の着任に期待しております。史実をどう反映するか……!
多機能フォームが正常に動作せずいろいろ困ってますがまぁ、なんとかなるので大丈夫でしょう。変換予測の学習能力が無駄に高いのでw
はい、次回はいつも通りの未定です。ここはテンプレですね。