艦これ&鋼鉄の咆哮【防空戦艦夜雨】〜夜空の防人と狩人〜 作:妖鵞夜雨
夜雨「いや、そこは考えましょうよ」
ウイッス。
龍奈「というかあんたは気絶してなさいよ。本編中でも気絶してるんだし」
夜雨「そんなこと言ってるあなたは私の乗員でしょ。あなたも気絶してるんじゃない?」
凪紗「そんな事言う2人ともですよ」
そんな事言う3人ともハイ☆気絶
夜雨&龍奈&凪紗「「「スヤァ…」」」(((後で絶対覚えてろ作者…。)))
はい、本編いこっか。
「……ちょ…………う………!…かん…う………!…艦長……!」
ゆさゆさしないで…もう少し寝てたい…。今まどろみタイムだから…。寝てたい……?……あれ……?私いつの間に寝てたんだろ……?起きなきゃ
目を開ける。天井のLED蛍光灯が眩しい。
「……っ!」
床に叩きつけられた際に変なところを打ったせいか、腰が痛い。
「艦長!大丈夫ですか?」
「副…ちょ……。私は夢でも見てるのかな。起きろ私」
どう見ても副長は20cmぐらいのデフォルメ化された小人か 妖精か ゆるキャラにしか見えない。というか、女性化されてる。くるっと見回しても私以外の周りの人がデフォルメ化された15~25cm前後の小人か妖精かになっている。
待 っ て 普 通 に 可 愛 い 。
「艦長〜脳内暴走してるけど大丈夫っスか?」
航空管理長、あなたも女性化されて可愛くなってるよ…。
とりあえず、
「状況確認、艦の状態と点呼を」
「機関、兵装類、共に異常なしです」
「航空機隊も大丈夫っス。ただ、凪紗が我々のサイズになっていませんっス」
なるほど、妖精化しない例外の人も居るようだ。
「天気観測班より、CICへ。さっきまで嵐で大しけだったのに、快晴です!」
かなりの時間気絶していたのかな。それとも相当流されたか。
「応急修理班代理の龍奈です。私と鈴奈以外全員ちっちゃくなってます。とりあえず、衝突箇所などの応急修理を続行します」
「他艦とのコンタクトロスト!レーダーソナー類の故障ではない模様。現在位置は海図をてらし合わせているところです」
突然CICの扉が開く。全員がそちらに振り向くと息を切らして入ってくる少女がいた。
「艦ちょ…良かった、そのままのサイズだ!」
抱きついて来る。彼女は凪紗。神電Ⅱの専属パイロットだ。
「修理班も1人と貴方の機体の専属整備士も私たちと同じだよ」
優しく抱きしめて頭をなでる
「点呼完了。過不足なく全員います」
現状、現在位置不明、他艦との連絡途絶。ただし乗員全員無傷だが私と今入ってきた凪紗と龍奈と鈴奈以外がデフォルメ女性化されている。
つまり……
「魚雷音聴知!!数12!方位120!距離1.2km!速力45knot!扇状に広がってきます!」
「なにぃ!」
副長が思いっきり声を裏返して叫びながら私の方を振り返る。
え、魚雷ってこんなに遅かったっけ…。とりあえず、私がこの船の艦長。私が指示を出さなければ何も出来ない。
「対潜、対魚雷戦闘用意!!機関緊急始動!速力61knotまで増速!全員何かに捕まって衝撃に備えて!」
「「「了解!!」」」
『右舷見張りよりCICへ。雷跡12中進行方向へ向かう6視認!空気魚雷です!』
「艦長、空気魚雷ってかなり前に日本が開発した酸素魚雷とアメリカが開発した誘導魚雷やドイツが開発した電気式魚雷の完全に下位互換でしたよね」
「副長、あってますよ。とりあえず、避けることを優先で!」
『機関始動完了!急速前進!!速力61knotまで!』
航海班長直々が復唱、エンジンレバーを四つとも61knotのところに合わせる。
甲高い音と鈍い響きで船体を揺らすエンジン。
ボイラーを搭載した艦なら確実に直撃コース。ガスタービンエンジンを搭載した艦でも間違いなく回避できないように魚雷を撃ってきた。
高初期加速の反動が体にのしかかる。
「他に所属不明艦載機、所属不明艦、所属不明潜水艦と思われるものは無いか?」
「探知圏内にそれらしきものは今のところ見当たりません」
「艦長、これを」
と、いいつつ副長が手渡してきたぶ厚めの本。なんだこれ。
えーっと《初めての艦娘になった貴方へ》
な、ナンデスカコレ……。
「え、えっと……。」
背中に冷たいものが一筋、流れ落ちる。
「今は戦闘中なので後で読んどいてくださいネ」
「は、ハイ……」
「魚雷、我が艦の後ろを通過!」
「ソナー敵潜水艦聴知および補足!方位同じ!距離1.7km、数3!」
『更に雷跡4!距離1.4km!方位130!43knot!直撃コース』
「距離1.6km!雷跡2!方位135!44knot!直撃コース!!」
ソナーと見張りの声が重なる。相手は相当の数の軍艦に雷撃を加えてきたと思える精度とコンビネーション雷撃が出来る……ならば。
「
爆音を轟かせながら35mm砲弾を分間3000発以上吐き出す右舷4機のClWS。計毎分12,000発以上が水面に叩きつけられ水飛沫を激しく上げる。
程なくして6本の水柱が立った。
『全弾相殺!』
「よし!」
さて、敵なら沈めるか。
『敵潜水艦1隻浮上!こ、これは…ヨ級1です。潜行中の潜水艦はカ級と断定』
「か、カ級?ヨ級?な、なんっすかそれ」
「え、勉強しませんでした?」
聞きなれない敵の名前を平然と言うなし。
「とりあえず、面舵50!5番主砲、浮上した敵ヨ級潜水艦を照準!1番6番レーザー、潜ってるカ級2隻に照準!凪紗ちゃんはしばらく目を閉じてて!殲滅後取り舵50で進路戻せ!」
広がる了解の連鎖。
「おもーかーじ!」
航海班長が舵を回す。それに答えるように駆逐艦並にくるりと回る艦
「1、6番照準よし!いつでも撃てます!」
「5番照準よし!弾種対艦用榴弾!」
「
火薬が炸裂し空気が急激に膨張、砲弾を押し飛ばす。そしてフレミング左手の法則に急加速。音を軽く置き去りにし、すっ飛んでいく二つの砲弾。
それに少し遅れて一瞬眩い2つの紅の閃光が空を飛翔し切り裂く。
一瞬の静寂。そして超音速の2つの砲弾と4つの光が敵潜水艦3隻を捉え、そのまま穴を穿つ。そして爆発四散する。
艦橋、CIC、見張り員の全てが沈黙する。
「…敵潜水艦爆散を……確認。跡形もなく……吹き飛んでます。付近の敵、確認出来ず」
「殲滅完了と判断、取り舵50」
航海長と副長が即座に再起動する。
「……これが。っぷ」
凪紗が口を抑える。思いっきりモニターを見ていたようだ。物凄く酷いものを見せてしまった…かな。
「凪紗ちゃんはトイレ行ってきて。副長、今何時ですか?」
なんとか再起動した私の頭はとりあえず、場の空気を戻すためにそう聞いた。
私は腕時計を持っていない。片方の腕が重くなるのが苦手、という単純な理由なのだが、結構不便だったりする。
特に手元に端末などの時刻の確認できるものが無い時は。
「艦長、とりあえず、それ読みません?」
さっき手渡された本を指さす。
とりあえず、目次を開いてみる。げ、2000ページもあるのか……大変だな。
とりあえず、この船をどう進めるか、を考えなければ。
「艦長に意見具申。太陽がある方を南と仮定し太陽を西に進みましょう。海図を見る限りキリバス諸島かツバル諸島にぶつかると思います。」
「航海班長、その意見貰うわね。進路2-7-0!速度30.6knot。そのままの進路を維持、お願いね。私はこれ読んできます。」
手に持った分厚い本を抱えながらCICを後にした。
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「ふぃー……これで最後のページかな」
ていうか、私こんな本持ったっけ。まぁ、船員の誰かの持ち物だと思うけど。
椅子の後ろにもたれかかって背伸びをする。
後は艤装の動かし方や機能設定などの取扱説明書や洋上や孤島でのサバイバル方法、艦種別の優先攻撃順位などいろいろなことが書いてあった。
色々規格外なんだろうな。
そう考えていたら部屋の内線が鳴った。
まーた航空管理長あたりがめんどくさいことをしでかしたのかな。あーあ。やること増やさないでくれよなーまったく。
三度目のコールで受話ボタンを押した。
「はい、こちら艦長です。まーた航空管理長あたりがめんどくさいことでもしたんですか?」
『いえ、違いますよ。レーダーより報告です。約350km先で駆逐艦と思われる1隻が航空攻撃を受けている模様。SOS信号を出しています。どうしますか?』
あれ、予想が外れた。て、SOS信号?!
「90knotで接近、距離60km前後で敵味方識別。敵でなければ救助援護しましょう。敵なら沈めます。」
『了解。急速前進、速力90knot。60kmで敵味方識別。敵なら沈めろ。そうでなければ援護救助。』
急速前進警報が鳴り響く。続いて
普通の船なら船体がグシャッと潰れて沈むであろう。しかしこの船は違った。
波を切り裂き、大量の海水を後ろにふっ飛ばす。
大日本帝国海軍最速の島風型駆逐艦(約40knot)の速度を軽く超え、二次改装後の金剛型戦艦(約30knot)の約3倍の速度で疾走する大和型よりも大きい戦艦。
さて、とりあえず私もCICに行かなくては。
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「状況はどうです?」
「報告します。目標、第一次攻撃隊は凌いだ模様。第二次攻撃隊の補足はできていません。不定期でSOS信号出しています。」
こちらから探知できないって事はレーダー探知距離外に空母機動部隊は居るのかな。ならば。
「了解、航空管理長!神電Ⅱの発艦許可出すわ。凪紗ちゃんに
「了解っス『凪紗ァー、出番っスよー。』」
艦中部にあるヘリポートがゆっくりと下がり再び顔を出した時、大空よりも蒼い機体が1機と2人が載っていた。
1人は凪紗ちゃん。神電Ⅱを駆るパイロットだ。
もう1人は発艦を手伝うマーシャラーと呼ばれる人。
マーシャラーの人妖精化してるけど、ちゃんと見えるのかな。
「凪紗ちゃん、聞こえる?」
『はい、聞こえますよ、夜雨ちゃん』
ちゃんをつけて呼ばないで恥ずかしいから。
「マーシャラー、ちゃんと見えてる?」
『バッチリ見えてますよ!』
「OK、今回の任務は護衛と敵味方識別。ついでに外の空気もしっかり吸ってきて。敵ならある程度監視すること。やばいと思ったらサッサと逃げていいから。命と機体を大事に。いいわね?神電Ⅱ発艦せよ!」
『了解です。では、行ってきます。』
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【凪紗side】
(夜雨ちゃん直々のお使い、頑張らなきゃね。私は艦娘に乗れる数少ない人間なんだし)
ヘルメットバイザーをしっかりと被り、指紋認証と声認証によるエンジン起動キーを回す。
徐々に甲高くなるエンジンの音。各種ディスプレイで異常がないかのチェック。
『凪紗ァー。聞こえるっスかー。今積んでる
「管理長さん了解。行ってきます」
そう言いながらマーシャラーに敬礼をする。私は発艦準備完了の合図代わりに敬礼を使う。
マーシャラーが赤旗と緑旗を持ち、振り上げる。上昇後ホバリングの合図だ。
安全を確認してスロットルをゆっくり上げる。甲高い唸りと、どっしりとした響きを奏でるエンジン。
ふわり。重力の手から解き放たれた機体をゆっくり上昇させていく。
1……2……3……4……5m
マーシャラーが両手を真横に伸ばしたままを維持する。
ホバリングの合図だ。スロットルを上げるのを止める。
彼は緑旗を持つ腕を伸ばしっぱなしのまま赤旗を前方で数回振り上げ下ろしをする。
ゆっくり操縦桿を左に倒す。海の上に滑りでる機体。完全に夜雨の横に並ぶ。やっぱりいつ見てもこの船は大きい。
マーシャラーに再び敬礼をし、マーシャラーが答礼したのを確認してスロットルレバーを全開位置にいれ、その隣のレバーをめいいっぱいまで押し込む。エンジンが吼え、私は座席に押し付けられる。
『神電Ⅱ発艦完了。』
「マーシャラーさん、機体整備班さん、艦長さん、いつもありがとう。」
お礼は忘れずに、ですよね、艦長。
『神電Ⅱ発艦を確認。お使い、頼むわね。行ってらっしゃい。''ナイトメア''』
音をやすやすと切り裂いて所属不明の駆逐艦の元に飛んでいった。
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凪紗ちゃん可愛いよおおおおおおおお(作者ご乱心)
ゲフンゲフン。失礼
凪紗ちゃんは髪型は浜風によく似ていて、ショートヘア?ですが毛の色は黒。素晴らs(六角レンチ直撃
失礼、ピン留めは実は艦長自作の針金細工だったりします。
そこそこなボイン設定で行こうかなと思っております。
SOSを出した船ははたして誰なのか。
次回、〜タイトル未定〜 ←おい
※あくまで予定(仮)です。