予告通りキリトさんの出番です。
流石主人公の貫禄ですね(白目)
再び視点は始まりの街へ移る。
「ーー良い天気だな」
空を見て思わず呟く。天気は晴れだった。
快晴では日差しが強すぎるので、カラッとした天気というのは悪くない。白く薄い雲が空に浮かんでおり、ポカポカとした陽気だった。
その始まりの街周辺の道を歩くプレイヤーが二人。一人は今日初めてSAOの世界に足を踏み入れた、武者風の男。『クライン』。もう一人は、いかにも勇者風の見た目の少年、アバター名は『キリト』となっている。キリトは、クラインにこの世界についてのレクチャーをしていた。
「それで、街付近で危険な魔物に遭遇する確率は低いんだ。よくRPGで街の周辺に雑魚モンスターばかりが出るだろ? あれと同じでさ」
「ほぉー、成る程なぁ! で、そろそろ戦闘か?」
「あぁ、まずは戦い方を見せるからそれを参考にしてくれ」
そう言ってキリトは片手剣の初期装備。スモールソードを出現させると柄を握り構える。スモールソードというだけあって刃はあまり長くない。手で持つ部分も含めて精々六〇センチもあれば良いところではないだろうか。剣を持つ姿は中々どうして、堂に入っていた。
キリトは正面を指差して、
「クライン、あそこのフレンジーボアが見えるか。あの青いイノシシ」
「あぁ、見えるぜ」
クラインが頷いたのを確認して、彼は言った。
「あいつを狩るぞ。で、やる前に一つ聞きたいんだけどさ。クラインは戦闘スタイルをどんな感じにしたいんだ? 効率よく狩りたいならそれを教えるし、普通に戦いたいならそっちでも良いけど」
尋ねられてクラインはうーん、と唸ってから、
「そうだなぁ。出来れば侍みたいに戦いたいけどよ、とりあえず両方見せてくれ」
「分かった。じゃあまず普通の狩り方を教えるぞ」
頷いたキリトは剣を構えて突撃する。とはいえ特筆して説明することはない。フレンジーボアの危険な攻撃が突進であること。しかしそれは剣で受け止めるなり横に避ける形で回避できる事。後は切ればよい、とても簡単で基本的な説明だ。
おおよそ想像出来る内容だったからか、クラインも成る程な、と簡単に口にしている。
「じゃあ次に効率的なやり方な。まず、フレンジーボアには一つ大きな弱点があるんだ」
「あぁ、さっき掲示板の動画で見たな。確か目を抉り取るんだっけ?」
「そうだ。まぁあそこまで行くと最終形態と言ってもいい効率狩りだから今は良いとして。今回教えるのはその一歩手前だな」
まともなプレイヤーなら効率的とはいえあんな真似しないしな、というのはキリトの談。それにクラインは激しく同意する。
同意ーーーー、
「まぁ俺も出来るけど」
「いやキリトよぉ、それ言っちゃ駄目だろ」
サラリと述べたキリトにクラインは思わずツッコミを入れてしまうのだった。
それからしばらくして、ようやくキリトがもう一つのやり方、というのを説明し始める。
「じゃあもう一個のについて説明するよ。まず、クラインに聞きたいんだけどどんなプレイヤーもそうだが、囲まれると状況が一気に危険になるってのは分かるよな?」
近くに落ちていた小石を拾い上げ、何度か軽く上に放り投げてはそれを掴む、という行動を繰り返しながらキリトは言う。
「あぁ、だから常に周囲に警戒するし、囲まれないように動く必要があるんだろ」
「その通り。じゃあ、あんな風に群れで動いている場合はどうすると思う?」
あんな風に、と指さされた先には複数のフレンジーボアの姿があった。
「どうするったってよぉ……。そんなの一匹ずつ狩っていくか、それか味方を増やすんじゃないか?」
「その方法もあるけど、今回は多対一だからハズレだ。正解は、こうだ!」
言ってキリトは手に持っていた小石をフレンジーボアに投げつけた。当たるとフレンジーボアが少し揺れ、こちらの方へと『群れごと』駆けてくる。見た目以上に素早く見えた。クラインが「ウワーッ!?」と情けない悲鳴を上げる。
その時キリトがフレンジーボアが向かってくる方向から少し斜めに動いて手に持った剣を突き刺す構えを見せた。フレンジーボアが近づくと、ぐるりと一周するようにフレンジーボアの足を切り裂く。突撃していたフレンジーボアの群れは足元を崩され、地面へと転がっていった。
それからバタバタと足を動かして起き上がろうとするフレンジーボアの目を、躊躇なくキリトは剣で突き刺していく。とても鮮やかな手際だった。
「ほら、こんな感じ。やってみろ」
「いや、キリトよぉ……。笑顔でやってる事があの幼女よりエグいぞオメェ」
あと出来るか! とクラインは叫んで、はたと思い出したように呟く。
「そういや、あの女の子今どこまで進んでるんだろうな」
「順調に行ってればそろそろホルンカの村を抜けてフィールドボス辺りだと思うぞ。確か、付き合わされた時はそれくらいだった」
そこまで言ってキリトは何かに気付いたように黙り込んだ。顔が蒼ざめている。
「……どうしたんだ、キリト」
どうもおかしな様子が気になったクラインが神妙な顔つきで尋ねると、キリトは汚物を見るような目でクラインを見つめて、言う。
「ーーお前、ロリコンだったのか?」
あまりにも真剣な声色だった。
だが同時にあまりにもしょうもないセリフだった。思いもよらぬ言葉にクラインは憤慨する。
「な、なーっ!? 何を言いやがる! いやまぁ確かに可愛いとは思ったけどよ……」
「ギルティ! 絶対にお前にだけは『スグ』に会わせねぇ!」
「スグって誰だよ! というか俺はロリコンじゃねぇ! いやキリトよぉ、お前の中の俺は一体どんなキャラなんだ」
ギャーギャーとフィールドで騒ぐ馬鹿二人。当然、索敵など頭から抜け落ちている。
そこに、一匹のフレンジーボアが背後から近づいて来た。地面で鼻をヒクヒクさせながら草を食べている様子はなんかシュールだ。
そしてーー。
二人が言い合いながら半歩足をずらした時、どちらの足かは分からないが、地面に落ちていた小石を蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた小石はコロコロと転がって、そのフレンジーボアへとぶつかる。
ーーーーもう、展開なんて読み切っていた。
「良いか! うちのスグに手を出しうぐわぁぁッッ!!」
「だからやらねぇって! それからぬわあぁぁッッ!!」
二人は仲良くフレンジーボアに吹き飛ばされ、転がっていくのだった。
ーーーーーーーーーーーー
ソードアート・オンライン 最速攻略についてPart7
1 名前:名無しのプレイヤー
・このスレはソードアート・オンラインの最速攻略について語るスレです。
・その他のことはスレ違いなのでご遠慮下さい。
・誹謗中傷コメも無しでお願いします。
2 名前:名無しのプレイヤー
>>1
スレ立て乙
3 名前:名無しのプレイヤー
おい
もうホルンカの村に人が居るぞ
4 名前:名無しのプレイヤー
早くね?
お前らどんだけ最速狙ってんの?
5 名前:名無しのプレイヤー
ホルンカの村最速到着って思ったら二番目って言われた。誰や、一番目
6 名前:名無しのプレイヤー
やっぱこれだけ話題のゲームだと最速が誰か気になるよな
7 名前:名無しのプレイヤー
>>5
周りに誰か居なかったの?
8 名前:名無しのプレイヤー
>>7
居なかった。だから最速だと思ってたんだけど。あ、ちなみにコルは一万貰えました。
9 名前:名無しのプレイヤー
村到着ゥ! 見た感じ村に着いたのって一〇人そこらくらいか?
10 名前:名無しのプレイヤー
>>8
一万ってスゲェな。だとすると一位はどんだけ貰ったんだ……
11 名前:名無しのプレイヤー
確かβ版では、すべてのクエストに一位ボーナスあった気がするぞ。後フィールドボスもボーナスがあった
12 名前:名無しのプレイヤー
なぁ、俺の知り合いがフィールドボスに挑んで死んだ後復活してこないんだけど誰か理由知ってる?
13 名前:名無しのプレイヤー
そのまま落ちたんじゃね?
敵リアルだし怖くなった可能性も微レ存
14 名前:名無しのプレイヤー
それよりログアウトボタンが無い件
15 名前:名無しのプレイヤー
>>13、14
バグだろ。今確認したけど俺のフレンドも死んだまま表示になってるし。
16 名前:名無しのプレイヤー
こんだけ話題になってるゲームが初日からログアウトボタンと復活のバグとか最悪やな。運営オワタ。
17 名前:名無しのプレイヤー
まぁそれは置いとこうぜ。つかホルンカの街にソロプレイヤーっている?
18 名前:名無しのプレイヤー
>>17
見た感じ居ないと思う。
19 名前:名無しのプレイヤー
>>18
いや、居るから。二番目に着いた俺もソロだから。まぁ戦闘は全て避けてきたけど
20 名前:名無しのプレイヤー
まぁどっちみちアニールブレードのクエに入ると鬼畜難易度だからな。ソロはキツイだろ。
21 名前:名無しのプレイヤー
てか攻略スレッド見ても殆ど情報が無いんだが
22 名前:名無しのプレイヤー
ログアウトボタンがバグってるからな。外のサイトは見れないから仕方ないだろ
23 名前:名無しのプレイヤー
ここの人は結構ホルンカの村に着いてるみたいだけど、実際皆はどんな感じでプレイしてんの?
24 名前:名無しのプレイヤー
>>23
六人パーティ組んでホルンカの村周辺の狩場で金貯めて装備整えてるトコ。
25 名前:名無しのプレイヤー
>>23
鍛冶屋目指してるんだけどまだ殆ど素材なくて困ってる。
26 名前:名無しのプレイヤー
>>23
四人パーティで森の中入ってウルフとかビーとかと戦ってた
27 名前:名無しのプレイヤー
>>26
戦ってた?
28 名前:名無しのプレイヤー
>>27
麻痺攻撃食らって俺以外全滅したわ。ついでに仲間が帰ってこないんだけど(憤慨)
29 名前:名無しのプレイヤー
>>28
俺も同じだわ。友達とやってたけど死んでから帰って来ねぇw
難易度高すぎワロタw
30 名前:名無しのプレイヤー
やっぱり森の中はレベ上がってからの方が良いかなぁ?
31 名前:名無しのプレイヤー
>>30
でも急がないと最速特典貰えないジレンマ
32 名前:名無しのプレイヤー
>>24みたいに装備整えてからの方が吉。迂闊に森に入ると死にかねない。つかβテスト時に麻痺攻撃無かったしな。
33 名前:名無しのプレイヤー
そんなに急いでるならこんな所で油を売るなよw
34 名前:名無しのプレイヤー
おいお前ら。今、ホルンカの村に幼女が駆け込んできたんだけど知りたい?
35 名前:名無しのプレイヤー
>>34
kwsk(詳しく)
36 名前:名無しのプレイヤー
>>34
詳しく聞かせたまえ
37 名前:名無しのプレイヤー
>>34
早くしろ! 遅くなっても知らんぞ!!
38 名前:名無しのプレイヤー
幼女に食いつき良すぎワロタwww
39 名前:名無しのプレイヤー
ここは変態の巣窟だったのか(愕然)
40 名前:名無しのプレイヤー
詳しくって言われても今全身皮装備の幼女がホルンカの村に駆け込んできただけ。迷わずアニールブレードのクエスト受けれる屋敷に走って行ったから恐らくβテスターと思われ
41 名前:名無しのプレイヤー
Part1でもあったけどまた謎の幼女か。でも今駆け込んできたなら最速じゃないだろうな。
42 名前:名無しのプレイヤー
>>41
34だけど、多分同一人物だと思う。根拠はプレイヤーネーム
43 名前:名無しのプレイヤー
>>42
今どんな感じなの? 追跡よろ
44 名前:名無しのプレイヤー
>>43
了解だ大佐。そう言うと思って今、追跡している。
45 名前:名無しのプレイヤー
おい、スレ内に犯罪者が生まれたぞ……おい。
46 名前:名無しのプレイヤー
そんな事より聞いてくれ。
あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!
『俺達はモンスターに苦戦してたんだが、その時に森の方から出てきた幼女が《アバンストラッシュ》を放ちそのまま走り去って行った』
な、なにを言ってるが分からねーと思うが(ry
これが五分前の話。六人パーティだし、仲間も間違いないって証言出来るぞ
47 名前:名無しのプレイヤー
>>46
マジ? アバンストラッシュってドラクエの技じゃ無かったっけ?
48 名前:名無しのプレイヤー
>>47
マジだよ。というか凄い手慣れた動きでソードスキル使っててさ……多分仲間が言うには《ホリゾンタル》ってスキルを上手く構えてやったんだろって言ってんだけど
49 名前:名無しのプレイヤー
>>48
ちょっと待て。それがガチならちょっと構えが違っててもソードスキルが発動するってことになるけど。あれ、子供の頃夢見たあの技……夢がひろがりんぐ
50 名前:名無しのプレイヤー
>>49
その前に、森に入ってたってのがガチなら既にアニールブレードのクエストを受注してアイテムを手に入れてきた、なんて……いや、まさかな
51 名前:名無しのプレイヤー
>>50
それは無いだろ。その幼女って確かソロだろ?
52 名前:名無しのプレイヤー
おいお前ら! とんでもない事に気付いたぞ!
53 名前:名無しのプレイヤー
>>52
どうした?
54 名前:名無しのプレイヤー
ウィンドウを開くと、設定ボタンがあるだろ。そこに『倫理コード』というボタンがあるんだが、その中に『装備の部分破壊』機能ってのがあるんだ。最初はOFFになってるんだけど、それを押したら装備が敵の攻撃で破れたんだ。それだけじゃない、プレイヤーの手でも破ける。これってつまり、女の子の服も破れるって事じゃないか?
55 名前:名無しのプレイヤー
>>54
天才
56 名前:名無しのプレイヤー
>>53
服が破れるかどうかは自分で決められるらしいぞ。ただし、服を全部脱いでトランクスとシャツ一枚になる必要があるけど
57 名前:名無しのプレイヤー
……知らなかったわ
58 名前:名無しのプレイヤー
やっぱ神ゲー確定やな。バグ起きてるけど
59 名前:名無しのプレイヤー
あれ、でも何で>>54はそれに気付いたんだ?
60 名前:名無しのプレイヤー
>>59
それな。しかも破いたと言ってるし
61 名前:名無しのプレイヤー
よし、そろそろゲームに戻ろう
62 名前:名無しのプレイヤー
リア充死すべし慈悲はない。
63 名前:名無しのプレイヤー
>>62
お前、リア充になったら死んでしまうん?
ーーーーーーーーーーーー
「クライン、馬鹿な事言ってゴメン」
「いや、俺の方こそ悪かったな。キリトよ」
草原に寝転んで何気なしに掲示板を眺めながら、二人は静かに和解を果たしたのだった。
「一言」
ここまでキリトさんとかを放置して話を進めていくSAOの作品はこれだけなんじゃないだろうか。
あ、後寝たら風邪は治りました。まだ喉は痛いけど。インフルエンザとかじゃなくて良かったです。
そして……これがSAOデスゲーム宣言前の犠牲者達のお話です。