オーバーロード 古い竜狩りの英雄譚(?) 作:Mr.フレッシュ
少女とさらに幼い少女に全身鎧の男は剣を振りかぶり、今にも殺そうとしていた。
少女はせめて幼い少女、妹だけでも逃がそうとするが、周囲には同じような全身鎧を装備した男逹が自分逹を囲むように立っていたことでそれは不可能な事だと思い知り、その表情を絶望に歪めた時、男逹が少女から目線を外し、ある一定の方向を視ているのに気が付いた。
思わず少女がそちらを見ると、そこには騎士が居た。
体を黒く染まった鎧で覆い、頭には獅子を模した黒い兜を被り、そして何か神聖な雰囲気を漂わせた大槍を持った大柄な騎士が居た。
何故こんな所にあのような騎士が居るのか、男達は首を傾げた。
通りすがりか何処かの国からの派遣者か、それともあるいはただの異形か………疑問は絶えなかった。
一歩、また一歩と近付く騎士に男逹が疑問の声を上げる。
だが、騎士はまるで聞こえてないかのように歩みを進める。
次第に男達は苛立ち、怒声を上げる。しかし騎士は歩みを止めず此方へと近付いて来る。
そしてそんな騎士の態度についに怒りが頂点に達したのか、男逹の中の一人が騎士に近付いて剣を振った。
危ない!!
と少女が思わず叫びそうになったが、その声は出なかった。
何故なら男の振るった剣が騎士の鎧に当たるも半ばからへし折れてしまったからだ。だが一方で騎士の鎧に傷らしきものは一つもなかった。
そして次の瞬間、剣を振るった男は驚愕に染められた表情のままその首を騎士の持つ大槍によって切り落とされた。
悲鳴を上げる間もなく、正に一瞬であった。
そして司令塔である脳を失った肉体がやや遅めに大地に崩れ落ちた。
そこでやっと驚愕のあまりに動きが止まっていた男逹は動き始め、一斉に騎士に斬りかかる。
だが、騎士は大槍を軽く振るうだけで男達の首を、胴体を鎧ごと斬り飛ばす。
別に男逹の身に付けていた鎧が脆いという訳ではない。現に暫く前に少女が殴りかかった際にはへこみすら出来ず、逆に少女の手の方が赤く腫れ上がったのだから。しかし騎士の持つ大槍はその鎧を易々と切り裂き、男逹を斬り殺した。
騎士には斬りかからず傍観してた何人かの男が自分達には敵わぬ相手だと知り、悲鳴を上げながら逃亡をしようとするが、その動きは再び止まる。
理由は突如何も無い空間に現れた闇だった。男逹は突如現れた闇を警戒してか思わず逃走を止めてしまう。
だが、それを彼らは後悔する。
その闇からは濃密な死の気配を漂わせたローブを纏った皮膚や肉が一切無い骨だけの異形が現れたのだから…………
NEXT?
どうも、新人のMr,フレッシュです。
寝不足徹夜テンションと古い竜狩り(&オーンスタイン)と緑衣の巡礼への愛と勢いを原動力に文字数を気にして執筆開始です。
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