オーバーロード 古い竜狩りの英雄譚(?)   作:Mr.フレッシュ

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「マトリックスは君を視ている」

「久しぶりだな、モモンガ君。」

「エージェント!?」

「避けただと!?攻撃が当たらない!」

「アップグレードしたからな」






遅かったじゃないか(ゲイ興ブン

久しぶりの更新です。読み専や浮気に走っていて投稿が遅れました。

上記のは買っておいたマトリックスの映画を久しぶりに見た後の夢です。エージェント・スミスはカッコいいですが、オリエージェントも出してみたいですね。ネロ陣営?難易度ルナティックだしイヤだよ。



『第九話』

────いつからでしょうか、あのお方のことが愛しくて愛しくてたまらなくなったのは─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名はシャナロット。生まれた時から失敗作であった私にあの人が付けてくれた名前。

 

 

いや、かつての………私でない『私』の名前でもあったと言うべきかもしれません……

それはあの御方に教えられたもう一人の『私』という存在。

 

 

その『私』は世界の流れに逆らい、 定められた因果を超えようとした者たちによって生みだされました。

闇に蝕まれ、侵食されていく世界を救うための一つの手段として私は造られたのです。

人に造られし竜の子、それが私でした。

 

 

しかし、私は失敗作でした。

まだ幼く、思考が幼い当時の私は一体何が駄目だったのかは解りませんでしたが、結果として、私を産み出した者の“因果を越える”という計画は頓挫したのだと分かりました。

 

 

それから私は、本来の役目の代わりに『火防女』として多くの不死を“玉座”へ導く役割を得ました。

いつしかこの世界の闇を払い、大いなる者達を倒し、そして私の旅を終わらせてくれる………そんな都合の良い事を考えながら、私は不死達を導き続けました。

 

 

 

 

 

そして次第に『私』は壊れていきました。いえ、“壊れかけていった”と言う方が正しいかもしれません。

 

 

私は多くの不死を導いてきました。

 

 

中には、私をこの使命から解放すると言ってくれた方もいました。

 

 

尤も、その言葉を言ってくれた方とは二度と会えませんでしたが………

 

 

私も最初はそんな彼ら、彼女らを好ましく思って、彼等に自身の希望を託して最大限の補助をしてきました。ですが、結局は誰もが道中で力尽き、玉座に到ることはありませんでした。

そして私の旅を終わらせてくれる方も………

 

 

そんな理不尽且つ不毛な日々を過ごす内に、私からは感情が消え、ただ不死を導くための“物”となっていきました。もう笑うことも泣くことも怒ることも私は出来なくなり、ただただ不死を導き続けました。そうでもしないと私はこの世界生きる意味を見出だせず、私という存在を維持出来なかったのですから………。

心が擦りきれ、氷の様になっても、私は己の使命をまっとうし続けました。

 

 

その間にも世界は闇に覆われ、太陽は出ない時間が長くなっていきました。

草木は枯れ始め、動物は異形となり、世界は終焉へと歩みを向けていきました。

 

 

───ですが、それはそれでもう良いのではないかと思いました。

そもそも、闇を払うという事が世界の理として間違っているのです。光と闇は表裏一体、光の次は闇が来る。人は元より闇から生まれた存在。

つまり世界が闇に満ちたとしても、人にとっては本来の世界に戻るというだけです。それの何処が悪いのでしょうか? 光に満ちた世界も、人の本質からすればただのまやかし、虚偽に満ちた夢に過ぎません。闇に閉ざされた世界で、不死なる異形の姿が人の“真実”なのですから。

 

 

───ああ、やはりもう駄目なのだと思いました。

 

 

心を閉ざし、想いを殺して物となっていた私は、もう限界でした。思考が乱れ、本来は考えてはいけない事を考えるようになって…………

 

 

 

 

 

 

…………誰か……私を……私の旅を……………

 

 

 

 

 

その後の事は分かりません。

私は旅を終える事が出来たかもしれませんし、逆に終える事が出来なかったかもしれません。

 

 

最後に私が導いた者が、男性であったか女性であったか、若かったか或いは老けていたか、平凡な体であったか筋肉質であったか、戦士であったか騎士であったか剣士であったか野盗であったか聖職者であったか魔術師であったか探索者であったか何も持たぬ者であったか……

不思議な事に、その者達全てに救われた様な気もしますし、逆に救われず、それどころか介錯(という名の虐殺)されたような気もします。

 

 

───でも、それがもう一人の『私』。始まりは明確であれど、終わりは見えない『私』の記憶。薄れ、壊れ、消えかけて尚欠片として残った不透明で不確かな『私』の(ソウル)

 

 

 

 

 

 

───冷たく、冷えた『私』の心。

けれども、今はあの御方がいる──

 

 

『私』は因果を超えようとした者達によって生み出されました。

 

 

でも私は違います。

 

 

闇を纏う人で在りながら、神の資格と力を併せ持ち、叶わぬ夢(・・・・)と吟いながらも尚神話へと至らんとする強き者に私は生み出されました。

錆び付き、それでもかつての美しさを損なわない鎧を身に着け、数多の竜を葬り、輝く光を闇で隠された槍を手にした古き竜狩りのお方。

 

 

 

 

 

 

ナザリック地下四階層の地底湖より繋がるエリア、ハイデ大火塔。

 

 

所々が崩落しているとはいえ、かつての英華を今だに色濃く残している建造物に、エリア全体を照らす夕日。心が安らぐ静かな波の音。そしてそれらが全て合わさることによって醸し出される独特の静謐さと儚さを合わせ持つ神聖的な印象の強い地。

かつてこそは英華を極めるも最期は滅びを迎えたと言われるその地の守護を、武者修行で普段はこの地より離れているあのお方の代わりに、私はあのお方に命じられ、今日という日まで配下の騎士団と竜の子と共に領域守護者として護り続けてきました。

 

 

 

 

………………と言っても基本私は青聖堂にていつもボーッと過ごすばかりで、本格的な守護をしていたのはあのお方の配下の………………えーと………………そう、ハイデ騎士団でしたが。別に忘れてた訳ではありません。ありませんったらありません。

 

 

 

 

 

あのお方はいつも武者修行と称して各地に旅をしに行っていることが多く、普段からこの地に居るわけではありませんでした。

私はあのお方に生み出された存在。あのお方の命令を守るのは当然のことでしたが、だからといって寂しくないわけではありませんでした。

 

 

ですが三日に一度程の割合で帰ってくると、古き制約によって過度な行動をとれぬように枷を嵌められ、この地より離れることができなくなった私に旅先で冒険譚を聞かせてくれました。

この地より離れることができない私にとって、外の、未知の世界のことは充分に興味を引く娯楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の心に最初にあったのは、私を生み出してくれたあのお方への揺るぎない忠誠心と畏敬の念だけでした。

 

 

ですが、時が経つ度にもう一つの感情が芽生えてきました。

それが何なのか、最初は分かりませんでした。ですが、あのお方を想えば想う程心が暖かくなるのを感じ、次第に私はこれが“愛”であることに気がつきました。

 

 

自覚してしまうとその後はもう大変でした。

いつもいつも、あのお方の事ばかりを考え、愛しいと想い続けてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ですが、いつしかあのお方はまったくと言って良い程帰ってくることが無くなりました。

 

 

元は三日に一度の割合で帰ってくることも無くなり、次第に一週間に一度、一ヶ月に一度、遂にはもう帰ってくることが殆ど無くなってしまいました。

 

 

 

 

何故?

私は何か無礼でも、あのお方の機嫌を損ねてしまったのでしょうか?

それともこの変わることのない地や私の存在に飽きてしまったのでしょうか?

武者修行ということで、あまり帰ってこれない事は分かります。むしろ三日に一度で帰ってくるあの御方の方がおかしかったのだと。

 

 

ですが、だからと言って何故急に帰ってこなくなってしまったのですか?

何故、私には何も言わず、そんな長い旅に出てしまわれたのですか?

 

何故…………何故…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナz____________ッ?

こんなにも、私は貴方様のことが愛しくて愛しくて愛しくて愛しいのに………こんなにも私は貴方様のことを求めているのに………………この古き誓約が怨めしい。もしこの誓約がなければ、今すぐにでもあのお方に着いていけるのにと何度思ったことか。

 

 

 

 

 

ですが、そんな日々も、ある日終わりを告げました。

 

 

気が付けば私は自分の意思で身体を自由に動かせるようになっていました。

その時、ついにこの身を縛っていた誓約が消えたのだと、私は歓喜の声を上げました。

 

 

そして、耳を澄ませると聞こえる軽快な足音。ガシャガシャと鎧の擦れる音、槍の石突が石作りの足場を叩く音。大聖堂の入り口を見るとそこに居たのは─────

 

 

 

「古き竜狩りのお方、貴方の帰りを私は待っていました」

 

 

 

 

 

思わず目から涙を溢しそうになる。

それは悲しみから来るものでなく、喜びから来るもの。

でも泣いてはいけない。そんな事で視界を暈して(ぼかして)あのお方のお姿が見れなくなるのが嫌だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、待たせたな。今帰ったぞ……………シャナロット」

 

 

 

 

 

────我が父にして、何よりも愛しいお方、古き竜狩りのエルダー様。貴方の帰還をお待ちしておりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………誓約も無くなりましたし、これで何処までも着いていけます。もう待つのは嫌ですからね?

──────絶対にニガシマセンヨ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈一方その頃〉

 

 

 

ゾクッ

 

 

「うおぅ!?」(エ)

 

「どうしました?」(モ)

 

「いや、今なんか病みかけた人の電波を遅れて受信したような…………」(エ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NEXT?

 

 

 

 






Qどうしてこうなった?

Aダクソ2やった後に書いて、オバロ読んだ後に書いて、Fateの清姫とかインフィニットストラトスとか東方とかのヤンデレ二次小説読んだ後に書いたらこうなった。

誓約云々は原作でNPCが動けなかったのをダクソ風に言っただけで他意はありません。

次回からはカルネ村に行きたいな。できれば段々と下がっていくクオリティも上げて行きたいな。インフィニットストラトスと東方とFate の二次創作も書きたいな。煙の騎士霊m……レイムの二次創作も次話をはやく書きたいな。

感想評価批判なんでもお待ちしております。

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