今回は秋が好きな高校生、秋野恵(あきのめぐみ)と神社巡りが趣味の姫宮奏代(ひめみやそよ)が秋姉妹の信者獲得の為に奮闘するお話です。
もし、秋姉妹が神社を持っていて、巫女がいたらと考え、このお話を書かせて頂きました。
正直、勢いで書いてしまったお話なのでこれからどうなって行くかはまだ未定です。(それが一番ヤバイ)
もしよければ、コメントやアドバイス、お気に入り登録して頂ければ幸いです。
東方閻鬼録というお話も書いているので良ければそちらもよろしくお願いします!
では東方秋神物語第一話、よろしくお願いします!
秋、それは最も心が踊る季節………。
見つめる先で木々の葉は美しく黄色や赤に染まり、それはまるで絵のようで、見ている者を引き込む魅力的なものがある。
春も夏も冬も嫌いではない、 しかし秋には敵わない。
何故か?と言われても直感的にそう感じているからとしか言えない。
十月、十一月という短い間にそれは終わってしまう。
ただその二ヶ月で命を次に繋げようと生物達は一番輝く、それが秋というものだ。
……………話が変わるが神様は居ると思うだろうか?
神様、それは伝説の存在で人々から信仰を集め、安全祈願、厄除け、縁結び、その他諸々の能力を持つ。
日本には八百万の神と言われ、万物全てに神が宿ると信じられていた。
しかし時代の変化により神々の信仰は薄れ、神社は名ばかりのパワースポットとなってしまった。
神様なんて非現実的なものを信じるより現実的なものの方が信じられると言う人もいるだろう。
私は神様は居ると思う。
居たら嬉しい、そう思うなら信じてた方が楽しいでしょう?
ここでは不思議な事ばかり。
こっちに引っ越して来てから出来た友達に「常識に囚われてはいけません!!」って毎日のように言われる。
確かにここはそういう所だ。
今までの常識はここで何の役にも立たない。
ここでの日常は向こうでの非日常と言ったところ。
そんな非日常が日常に変わるって事は……………。
静葉「恵(めぐみ)〜、なにしてるのそんな所で?そろそろ行くぞ〜!」
穣子「早く早く〜!」
恵「あ、はーい!今行きまーす!」
神様がいたって不思議じゃないって事……………。
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本日最後となる授業の終了を知らせる鐘が響き渡り、学校中が騒々しくなってきた。
帰りのHRも終わり、周りでは「早く部活行こー!」や「駅前に新しく喫茶店出来たから寄ってかない!?」という会話が聞こえてくる。
私の名前は秋野恵(あきのめぐみ)、近くの高校に通う普通の高校生である。
私は特に部活に所属している訳では無いので帰り支度を進めていく。
すると少し離れた席から1人の少女が駆け寄ってきた。
奏代「恵ちゃ〜ん、早く行こうよ〜!」
彼女の名前は姫宮奏代(ひめみやそよ)、私の友人である。
恵「はいはい、ちょっと待ってね。そんなに急がなくても私ん家は逃げないよ。」
奏代「でもでも、早く恵ちゃん家の神社見たいの!」
奏代はちょっと珍しい趣味で神社が特に好きなのだ。
私の家は神社の家系で、彼女と出会ったのも家の神社である。
高校一年の夏休み半ばから毎日のように神社に訪れる同い年ぐらいの女の子。
この辺では見かけない顔だったので不思議に思い声をかけた。
聞けば最近引っ越して来て散歩していたらここを見つけ気に入ってしまったとかなんとか………。
学年も同じで次に通う学校も同じと分かり、夏休みが終わる頃にはすっかり仲良しになっていた。
恵「奏代ちゃんや、そんなに同じ神社を見てて楽しいかい?」
奏代「もっちろん!あの神秘的な感じといい、風景といい、静けさといい、そして何より恵ちゃんの巫女姿が見られるなんて最高に決まってるじゃない!」
鼻息荒くズイっと顔を寄せてくる。
恵「近い近い、奏代神様落ち着き給え〜、私にそっちの気はないぞ〜。」
ピシッと奏代にデコピンをし、正気に戻してやる。
奏代は「ひゃうっ!?」と短く悲鳴をあげる。
奏代「わ、私は何を…………。」
辺りをキョロキョロ見回す友人を尻目に私はスタコラと教室を後にする。
恵「はーやくしないと置いてっちゃうぞー。」
奏代「あー!恵ちゃんひどーい!待ってよ〜!」
涙目でこちらに駆け寄ってくる友人を見て思わず笑いをこぼす私であった。
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歩く事十五分、我が家が見えてきた。
名前は秋野神社、町の少し外れにあり、それほど大きい訳でもないが、このあたりの人達から絶大な支持を集めている神社である。
奏代「到着〜!ふあー!やっぱりここは何度来ても素晴らしいねぇ!!」
恵「ほぼ毎日来ているじゃない。飽きないの?」
奏代「全然っ!」
奏代はテンションMAXらしくあっちこっち動き回り、感嘆の声をあげている。
気分は犬の散歩、奏代のお尻から尻尾が生えてきそうだ。
恵「そ、奏代、少し落ち着いて…………」
奏代「あ、豊(みのり)さん、こんにちは!お邪魔してます!」
あぁ駄目だ聞いちゃいねー。
豊「あーら奏代ちゃん、いらっしゃい!久しぶりねぇ〜、元気だった?」
奏代「そりゃあもう元気も元気ですよ!」
久しぶりも何も、ほぼ毎日会ってるじゃない、と言うか昨日も会ってるし………。
まぁいいや、放っておこう。巻き込まれても面倒だ。
豊と言うのは私の母である。
結構抜けている所があり、見ているこっちがハラハラしてくる事も多々ある。
豊「恵〜お母さんこれから買い物行ってくるから〜。奏代ちゃんと遊んでてもいいから留守番お願いね?」
母の緩〜い声を「はいはい、任せなされ。」と適当に返す。
豊「恵ちゃ〜ん、返事は一回よ〜?」
ゆるふわ系な母だが以外に厳しい、特に返事や礼儀等
あの笑顔のプレッシャーには敵わない。
恵「わ、分かりました!」
豊「よろしい、じゃあ奏代ちゃんゆっくりしていってね!」
豊はニコッと笑うと鼻歌交じりに買い物にでかけて行った。
奏代「恵、恵!とりあえず神社に手を合わせて置こうよ!」
恵「え?あぁ、うん。」
奏代に声をかけられ、神社の正面に向かう。
二人はその横にある手水舎に入り慣れた手つきで左手、右手、口を清めていく。
それが終わったら本殿まで行き、二礼二拍一礼
恵「…………そんで、何しようか?」
奏代は「ん〜」口元に手を当て少し考えこむ。
奏代「………とりあえずまずはぼーっとしようよ!その後出てた課題済ませちゃおうか?」
うげっ!課題…………。忘れたい一言だったよ。
恵「………そ、奏代様?課題なんですが………。」
奏代「ん?丸写しは駄目だよ?」
で、ですよね~………。
奏代「そりゃそうよー。丸写しは恵ちゃんの為にならないからね!次のテストでは目指せ全教科合格だよ!」
恵「嫌っ〜!奏代の悪魔!鬼〜!!」
そう、私は勉強が大の苦手で一年から二年に上がる進級試験では苦労したものだった。
奏代は全国模試で上位に食い込むほどの秀才であり、
その時は彼女に勉強を手伝ってもらい、なんとか進級出来たのであった。
奏代「大丈夫大丈夫!私がちゃんと教えてあげるから!同じ大学行くんでしょう?」
恵「うぅ〜、よろしくお願いしま………きゃっ!」
その時、ひと吹きの風が落ち葉を巻き上げ彼女達の視界を塞いだ。
暫くすると風も収まった。
恵「うっひゃ〜何じゃい今のはっ!?」
奏代「凄い風だったねぇ〜。あー!髪の毛ぼさぼさ〜!」
恵は辺りを見渡す。
何故だろう?いつも見慣れた光景の筈なのだが何かが違う気がした。
空気が澄んでいると言うか、周りがとても静かだ。
車の走る音もしなければ、電車の音もしない。
恵「…………ねぇ奏代、なんか変じゃない?」
奏代「え〜?どこが〜?」
奏代は髪の毛に付いた葉っぱを落としたり、ぼさぼさになった髪を整えているのでまだ感じてないようだ。
恵「なんというか、辺りの雰囲気が変わったというか…………。」
恵は縁側から立ち上がると、神社入り口の階段まで歩き出す。ここの神社は山の麓に建てられていてここからは遠くが見えるのだ。
しかし恵はその光景を見て驚愕した。
恵「…………奏代、ちょっと来て。」
奏代「もー、どうしたって言うのよ恵ちゃん?」
奏代も立ち上がりこちらに寄ってくる。
恵「…………ここ、どこ?」
奏代「何言ってんのよ恵ちゃん、ここは……………どこ?」
二人が目にしたにはいつも見慣れた光景とは大きくかけ離れていた。
車も電車も無い、見慣れた家も無い。あるのは田んぼと時代劇で見るような家々。
一体、何が起きたのか全然理解出来なかった。
突然の出来事にその場で立ち尽くす二人
すると神社の方から話し声が聞こえてきた。
静葉「やっぱりもっと信仰を得るには焼き芋をみんなに配るのが良いと思うのよ!」
穣子「姉さん、もう少し神様としてのプライドを持った考えを出してよ………。」
静葉「やっぱり神社と言ったら巫女かぁ〜。恵が幻想入りしてくれないかなぁ………。」
穣子 「無理なものは無理でしょう?そんな夢のまた夢みたいな事は諦めて、今日も信仰者が増えるように頑張りま……………」
神社から出てきたパッと見中学生位の女の子二人組、真っ赤な紅葉をイメージした服の子とブドウの飾りをしたナイトキャップのような帽子を被っている子
あ、目が合った……………。
静葉、穣子「「恵(ちゃん)!!??」」
二人が勢いよくこちらに駆け寄ってくる。
恵「え?ちょっ!?えっ!?」
静葉「うおぉぉぉぉ!!!恵ぃぃぃ!!!よく来てくれたっ!!私感激だよぉぉぉ!!!」
穣子「貴女が奏代ちゃんね!?いつもいつも家の神社に来てくれてありがとうぅぅぅ!!!」
奏代が「これどういう事っ!?」って感じの視線を送ってくるけど、奏代ちゃんや、私にも分からんのよ。
恵「ちょ、ちょっと待って!?あなた達は一体?」
二人は一瞬キョトンとした顔になったが何か納得したように頷き始めた。
穣子「そりゃそうよ姉さん、恵ちゃんに最後に会ったのは十四年も前なんだから。忘れてても仕方ないわよ。」
静葉「それもそうだな。よっし!じゃあ改めて自己紹介しようか、私の名前は秋静葉!」
穣子「妹の穣子よ。」
静葉「まぁ神様だ!二人共宜しくな!!」
静葉、穣子………………どこかで聞いたことが………あっ!
恵「もしかしてあの静葉様と穣子様ですか!?」
まだ私が三歳の時の記憶だ。神社で1人遊んでいると何処からともなく声が聞こえてきた。
その声の主は二人、静葉と穣子、と名乗った。
それから私はよく静葉様と穣子様とでお話したものだった。
しかし、年齢が上がると共に段々二人の声が聞こえなくなり、やがて忘れていったのだった。
奏代「………静葉様と穣子様って言ったら恵ちゃんの神社が奉っている神様の名前だよね?ん?神様?」
ゆっくりと二人を見つめる奏代。
その視線に答えるように頷く神様二人。
奏代「恵ちゃん、私、神様に会っちゃった……。」
恵「私も驚きだけど、本当だよ………。」
奏代「うわぁぁぁ!!!私、姫宮奏代と申します!!お会い出来て光栄ですっ!!」
静葉「奏代ちゃんにはいつも恵がお世話になってるからねー!」
穣子「私達も奏代ちゃんに会えて嬉しいわ!」
恵「あ、あのっ!それでなんですけど静葉様、穣子様!!」
静葉「ん?どうした恵?」
恵「………ここは、一体どこなんですか?」
私達が一番気になっている事、私達がどういう状況なのか知りたかったのだ。
穣子「あぁ、そうね説明しないとね!………ここは幻想郷、忘れられた者が暮らす世界よ。」
幻想郷…………。
奏代「忘れられた者って事は私たちは…………。」
静葉「正確には忘れられた者と言うよりはその存在が曖昧になったという方が正確かな。だから、恵達のケースはちょっとイレギュラーなんだよね。まぁ、数日以内にここの管理者が来るから。それまでここの神社にいるといいよ。」
恵、奏代「「あ、ありがとうございます!」」
穣子「恵ちゃんはそもそもここの子だし、奏代ちゃんも家によく来てくれる子だから歓迎するわよ〜!」
良かったぁ〜何とかなりそうで…………。
全く知らない所で助けてくれる人も居なかったらどうしようかと思ったよ…………。
静葉「しかーし!世の中はそう甘くないぞ二人共!働かざるもの食うべからず!という訳でこれから二人には家の神社で巫女をやってもらうよ!」
恵「いつもやってる事ですから勿論!」
奏代「むしろ嬉しいです!」
静葉「それじゃあ早速里に出発だー!」
こうして私達二人は幻想郷での生活の第一歩を踏み出したのだった。
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