魔法少女リリカルなのはジャンパー   作:ファイター

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第十三話

現在、悠也とザフィーラ(狼)に乗っかっているはやてとシャマルは目の前で床に視線を落としているシグナムと向かい合う様に座っていた。

レヴァンティンは、はやての手の中だ。こうなっている理由はシグナムが新しいバリアジャケットを展開したばかりの悠也に襲い掛かったからだ。怪我は無かったものの、下手すれば死んでいたかもしれないのだ。まぁ、はやては知らないがシャマルは理解している。

現に、私は怒っていますと言わんばかりにシグナムを睨んでいる。

流石のシグナムと言えど、ヴォルケンリッターの参謀には敵わないのだろう。

強さが、じゃなく別の“強さ”が、だ。

 

 

「さぁ、シグナム」

 

 

ニヤリと笑うはやてに、ビクッと肩を震わせたシグナム。

 

 

「は、はい」

 

 

「お仕置きの時間や」

 

 

「うっ、主はやてがそう言うなら」

 

 

シグナムにしては珍しくビクビクしながら立ち上がり、レヴァンティンを受け取った。

そしてシャマルはどこからとなくカメラを構え、はやての様にニヤリと笑う。

 

 

「あ、主はやて、本当にやるのですか?」

 

 

「せやで?」

 

 

「し、しかし!」

 

 

「お前も諦めが悪い。騎士としては主の言う事は絶対だ」

 

 

「ザフィーラ!」

 

 

「そうよシグナム。騎士は主の言う事に絶対服従なんだから」

 

 

「シャマル!?」

 

 

三人に抗議するもニヤニヤと笑いながら諦めろと言われ、少し涙目になりながらも悠也を見た。その目は、まるで捨てられてしまう仔犬の様で騎士がするようなものではなかった。そこでカシャと音が鳴った。いつの間にか携帯を取り出していた悠也が写真を撮ったのだ。そこでシグナムは気づいた。この戦場に私の味方はいない、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はやて、シグナムのお仕置きどうする?」

 

 

「せやな~……」

 

 

悠也がシグナムに襲い掛かられてから一日が過ぎた朝。朝食を終えた悠也はコーヒー片手

にテーブルに座っていた。もはや学校はどうした?と聞かない。

家には、悠也とはやてとザフィーラしかいない。ヴィータはご老人方に誘われてアイゼンを担いでゲートボールに行き、シャマルはどこかに出かけ、シグナムは道場に行っている。

何も知らないシグナムは、昼前には帰ってくる筈だ。

 

 

「レヴァンティンでも取り上げるか?」

 

 

「う~ん。それは騎士やからちょっとなぁ~」

 

 

「じゃあ、はやてみたいにお尻ぺんぺん……は変態か」

 

 

勿論やったことはない。断じてない。年齢的にはまだいけるかもしれないが、ない。ヴィータも見た目が子供だからいけるのかもしれないが、実際の年齢は悠也よりも年上だ。

 

 

「お尻ぺんぺんて、アカンで?」

 

 

「わかってるよ。それにしても……なぁ~」

 

 

悶々と考えていると、ザフィーラが渋い声でとんでもないことを言い出した。

 

 

「昔、シグナムがメイド服を着ていたことがある」

 

 

「「それだぁ!」」

 

 

早速はやては画用紙を持ってきて、メイド服を描きだした。何も、服を買ってくるというわけでもないのだ。デバイスがあればバリアジャケットとして着れるのだ。

 

 

そして数十分後、はやてと悠也は互いに描いたメイド服を見せあった。

はやてが描いたメイド服は本に載っているメイド服……ではなく、スカート丈が異様に短く胸元と背中が大きく開いた絵だった。悠也が描いたのは基本に忠実なメイド服で、違うと言えば猫耳に猫の尻尾だ。

見せ合った後、目を合わせた二人は二枚の絵を重ね合体させた。完成したのは猫耳でスカート丈が異様に短く胸元と背中が大きく開いたモノだった。もはや原型が全く留めていない。

 

 

「これをシグナムが……ぷっ」

 

 

「想像しただけで笑いが」

 

 

「……クッ」

 

 

これを着ているシグナムを想像するとザフィーラでさえ笑ってしまう始末。

そしてリミッターと言うものが外れた悠也が画用紙を取り次に描いたものは……

 

 

「スク水!?」

 

 

「悠也……流石にこれは」

 

 

「お仕置きだぜ?なんでもできるんだぜ?言ったら勝ちなんだぜ?」

 

 

それから三人は画用紙に自分が思い描くものを次々と描いていった。ザフィーラもだ。因みに、ザフィーラが描いたものは犬耳でふわふわの尻尾がついた衣服。はやてと悠也は止まらない。それどころか、シャマルが帰ってきてから酷くなった。

 

 

 

それから数時間後、シグナムは何も知らずに帰ってきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ……」

 

 

私の目の前には敵がいる。いや、主はやてとシャマルにザフィーラ。それに騎士悠也なのだが、今は敵なのだ!

つい数分前にレヴァンティンを貸してほしいと主はやてに言われて、貸してしまったのが運のつきだったのだろう。いや、騎士悠也に攻撃した所から私の運命は決まっていたのだろうな……

 

 

「ほらほら、早くセットアップしなきゃシグナム」

 

 

「騎士は主の言う事を聞くんじゃなかったのか?」

 

 

「はよ見たいな~」

 

 

なら、その手に持っているカメラを置いてください!と強いことは言えない。

なら、私は騎士だ。騎士ならば、騎士ならば主の願いには答えることが出来なくて何が騎士か!

 

 

「レヴァンティン!」

 

 

リビングが一瞬、光に包まれた。そして、光が収まるとそこには純白のウエディングドレスを着たシグナムがいた。

 

 

「おぉ……」

 

 

悠也は思わず感嘆の息を漏らし

 

 

「はわ~」

 

 

はやては目をキラキラさせて

 

 

「フフフ」

 

 

シャマルはシャッターを連打し

 

 

「……フッ」

 

 

ザフィーラ(狼)は哀れな視線を送る

 

 

「こ、これは……」

 

 

シグナムは目の前から送られてくる視線と音を気にせずに堂々としているが、やはり恥ずかしいものはあるのか顔をうっすらと赤らめていた。

知識はあるのだ。いくら転生して記憶が薄れていようが、この姿は男と女が世間に生涯を一緒に、と誓う恰好だと。

 

 

だが、

 

 

「じゃ、次行ってみよ~!」

 

 

「次なんやったっけ?」

 

 

「私も着たいな~」

 

 

「はぁ~」

 

 

シグナムは固まった。表情が、体の筋肉が。流石に心臓は止まらなうが、思考は止まった。

 

 

「(まだあるのか!?)」

 

 

「レヴァンティン、次いって」

 

 

「Ja!」

 

 

「なっ!?」

 

 

悠也がレヴァンティンにそういうと、シグナムが何も言わずに新たなバリアジャケットが展開された。それは、悠也が描いたバニーコスチュームだった。

身体の線がモロに出る衣装は、メロンとはやてに称された母性がプルンとなりすぐさまシグナムは胸を隠した。

 

 

「フフフ、甘いわねシグナム。もう撮ったわよ」

 

 

「消せっ!今すぐ消せっ!?」

 

 

写真を撮っているシャマルと叫んでるシグナムを、悠也は携帯のカメラで撮る。

なかなか面白い絵が撮れた。そして、

 

 

「レヴァンティン!」

 

 

「Ja!」

 

 

「ま、まてレヴァッ!?」

 

 

シグナムの受難はまだまだ続いた。スク水に猫耳メイド服。どこかの学校の制服に、浴衣姿。その度にシグナムは叫び、シャマルはシャッターを押しまくり、はやては顔を赤くしたり目をキラキラさせたり。悠也は悠也で、シグナムの恰好が変わるたびに爆笑していた。

因みに、レヴァンティンに入力していたコスプレの中には子供に見せられない物も入っており、シャマルが結界まで張って、逃げるシグナムをバインドで拘束して写真を撮りまくっていた。

 

 

「フフフフフフフフフ」

 

 

「消せ、消せ消せ消せ消せえぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

「ふ、服着てへんよ!?」

 

 

「ブ八ッ!?」

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