魔法少女リリカルなのはジャンパー   作:ファイター

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第十八話

 

 

ヴィータとザフィーラが見下ろすのは、広がる街の光だ。

つまり、ヴィータとザフィーラは飛んでいる。だからと言って、地上にいる人間には見れる様な低さではない。

 

 

 

「どうだヴィータ、見つかりそうか?」

 

 

 

「いるような……いないような」

 

 

 

余り容量を得ない答えに、ザフィーラは騎士服に着いているポケットから煙草を取り出して火を点けた。本来なら、ここで二人は別れて探すのだが悠也が禁止していた。

常に二人一組で動く。そう言われているのだ。これは色々と悠也が考えた結果だ。

確かに、別れて探せばそれだけ蒐集できる対象が多く見つかる。だが、それは同時に危険を伴っているのだ。それを危惧した悠也が提案したのが二人一組。

連携を取って敵を倒して蒐集。これは思ったよりも簡単なことだ。守護騎士と言えば、もう何年も共に過ごしてきた仲間である。連携の訓練をするまでもなく息が合った戦いを出来る。

 

 

 

「大物見っけ!」

 

 

 

大きな魔力。これなら、闇の書の項も埋まる。

 

 

 

「封鎖領域、展開」

 

 

 

ザフィーラを中心に、結界が張られた。かなりの広範囲だ。街を殆ど覆った封鎖結界は性質上、外から入る者に対して効果はあるものの高位力のダメージで破られては流石に侵入を許してしまう。ただ、結界の内側にいる者に対しては絶対的な効果を示す。高位力のダメージを与える為には、どうしても隙が出来る。その出来た隙でヴィータとザフィーラが襲い掛かれば、相手は戦うしかない。それに、この結界は念話の類も遮断する。

ヴィータが発見した魔力反応は一つ。魔導師を狩るのには相性が良すぎる代物だ。

二対一。殆ど同じ魔力の量。ならば、勝敗を分けるのは質だ。ここで仲間を呼ばせたらどうなるか解らないが、そのための結界だ。この結界に気づいて、外にいるかもしれない仲間は今頃慌てているだろう。

 

 

 

「では、いこう」

 

 

 

「あいよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街に見たこともない結界が張られた。まさか、この世界で再び結界が張られるなんて夢にも思わなかったなのはとレイジングハートは唖然としていた。

 

 

 

「レイジングハート!」

 

 

 

「Set up」

 

 

 

魔法の練習を欠かさずやっていたおかげか、苦も無くバリアジャケットを展開した。

相棒であるレイジングハートとの息もピッタリである。

 

 

 

「嘘、念話が通じないよ!?」

 

 

 

「Perhaps it is caused by this prevention against evil」

 

 

 

初歩の初歩である念話が通じない。この結界がそんな性質なんて知るわけもない。

そして感じる二つの大きな魔力。明らかに「お話」が出来る様な感じじゃなかった。

その二つの魔力は、どんどんと近づいてくる。

 

 

 

「レイジングハート、アースラの皆にSOS信号って出来る?」

 

 

 

「It takes the time a little, but does not have any problem」

 

 

 

「よし、じゃあ大丈夫だね」

 

 

 

友達のユーノ君。そして時空管理局の執務官であるクロノ君に教えてもらったものだ。

緊急時には構わずSOS信号を出せと。流石に、万年人手不足の時空管理局だからと言っても九歳

の女の子を戦場に出すわけにはいかないのだ。それに、両親が許さない。

まぁ、戦場に出ていない代わりに災害現場などには出ているのだが……。

 

 

 

「……くる」

 

 

 

首筋にゾクリ、と何かを感じたなのはは飛び上がった。

それなりの高さまで上がると、はるか前方に赤い魔力と青い魔力が見えた。

まだ、相手は遠い。落ち着いて対処しよう。そう思ってレイジングハートを構えた瞬間。

 

 

 

「Protection」

 

 

 

凄まじい衝撃と、ピンク色のシールドが張られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チッ、防ぎやがったか」

 

 

 

すでに、強化した視力なら相手の顔がわかる近さまで接近したヴィータは舌打ちした。

鉄球をアイゼンで先に撃ち出していたが、防がれたのだ。はやてと同じくらいの背格好の少女が強いのか。はたまた、少女の持っているデバイスが優秀なのか。

 

 

 

「ザフィーラ。ここはアタシがやる」

 

 

 

「わかった。だが、あまり無茶はするなよ?」

 

 

 

「ハッ、わかってるって!」

 

 

 

ザフィーラをその場に残し、ヴィータは目の前の白い魔導師を睨み付ける。

不意打ちはもうお終い。

ヴィータとザフィーラの作戦は、先に鉄球をアイゼンで撃って白い魔導師の後ろに回り込ませて撃墜すろこと。けど、それは失敗に終わってる。なら、せめて騎士らしく“正面”から行こうではないか。

 

 

 

「君は誰?いきなり襲われる覚えはないんだけど……」

 

 

 

「あ~、それは悪かったな」

 

 

 

「ふぇ?」

 

 

 

いきなり襲い掛かってきた相手。それも奇襲されたのだから、こんなにも素直に答えてくれるとは思ってもいなかったのだろう。現に、なのはもビックリした様な顔になっている。

けど、そんなことはどうでもいいと言わんばかりにヴィータはアイゼンを上段に構えた。

 

 

 

「ま、待って!」

 

 

 

「煩せぇ。こっちには時間がねぇんだよ。だから」

 

 

 

だから

 

 

 

「潰れろォ!!!」

 

 

 

鈍器を武器にしているものの利点。日本刀は、斬ることに特化した刃物だ。達人クラスの人物が使えば、盾など関係なく斬る。

シグナムが使う西洋剣は、叩き斬るものだ。叩き、斬るのだ。

そして今、ヴィータは上段にアイゼンを構えている。ハンマーは、潰すことに特化している。

大きなハンマーなら、力を入れずに振り下ろしただけでも骨が折れることもあるし、死ぬことだってあり得る。

なら、体を強化しているヴィータがアイゼンを振り下ろせばどうなるか。

 

 

 

「レイジングハート!!」

 

 

 

「Roundshield!」

 

 

 

さっきの衝撃とは桁違いの衝撃を受けて、なのははビルに撃ち落とされた。

 

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