魔法少女リリカルなのはジャンパー   作:ファイター

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第二十話

 

 

 

 

アースラの訓練スペースで、使い魔のアルフと模擬戦をしていたフェイトは突然鳴り響いた警報音にビクリと体を震わせた。

 

 

 

 

「な、なにかな?」

 

 

 

「さぁ、なんかあったのかもしれないねぇ」

 

 

 

 

「もしかして何かこわしちゃったのかなぁ」

 

 

 

バリアジャケットを解きながら、フェイトはクロノに怒られたことを思い出した。

つい数か月前に起こした事件の主犯格に近かったフェイトは、最近になって相棒のバルディッシュを返され、久々に魔法を使ってアースラの機材を幾つかショートさせて怒られたのだ。

その時、リンディには軽く頭にチョップされてクロノには説教をされた。

 

 

 

「魔力変換もしてないのにショートとかするわけないじゃないか。とりあえずクロノの所に行こうよ」

 

 

 

 

「うん」

 

 

 

汗はかいていなかったので、そのまま訓練スペースから出てクロノのいるブリッジに向かった。地球で言う宇宙戦艦の中を歩き、角を数回曲がるとブリッジに着いた。

そこには、リンディが艦長席に座り指示をだし、キーボードを忙しなく打っているエイミィ。

その補助をしているクルーたち。ブリッジは忙しく動いていた。

 

 

 

「クロノ、何かあったの?」

 

 

 

リンディの傍に控えていたクロノに声をかけると、クロノは何も言わずにフェイトとアルフの手を取り転送ポートの前に連れていかれた。そこには、民族衣装を着たユーノが既に待機していた。

 

 

 

「ごめんフェイト。話している時間が無いんだ」

 

 

 

「え、と。なに?」

 

 

 

クロノは苦虫を噛んだように顔をしかめた。

 

 

 

 

「簡潔に話すよ?今レイジングハートからのSOS信号があってそれを調べたら、なのはは結界の中にいるみたいなんだ」

 

 

 

 

「え!?」

 

 

 

 

「しかも、悪いことに武装隊員の準備も全く整ってなくて誰も行けないんだ」

 

 

 

 

武装隊員の準備が整うまで少なくても十五分はかかってしまう。

クロノが行ければいいのだが、クロノはアースラの切り札で、守りの要でもある。もしもクロノが出撃して、その間に艦が攻撃でもされたらひとたまりもない。

武装隊員の準備が全く整ってない中で行くのなら、それはなおさらだった。

 

 

 

 

「僕が行けたらいいんだけど、ね。フェイト、行ってくれないか?」

 

 

 

 

「もちろん。行くよ!」

 

 

 

 

「あたしも行くよ!」

 

 

 

 

アルフは狼の状態になってユーノの隣にいた。

 

 

 

 

「準備出来たよ。行こう」

 

 

 

 

「いきなり結界の中に転送するから、気を付けてくれ」

 

 

 

 

転送ポートの中に立った三人は、クロノに見送られて転移した。

 

 

 

 

「……艦長!」

 

 

 

 

「なにかしら?」

 

 

 

 

「僕は武装隊員の所に行ってきます」

 

 

 

 

「わかりました」

 

 

 

クロノは駆け足にブリッジを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転送されて、フェイトは息をのんだ。なのはの魔力が弱弱しくなっていることに。

そして、その傍には強力な魔力の塊があることに。

 

 

 

「なのはっ!!」

 

 

 

「フェイト!?あっユーノまで!」

 

 

 

 

アルフが驚いた声を上げているが、フェイトは自身に魔力の強化を施し、なのはの元に急いだ。倒壊しているビルに、ピンク色の魔力残滓と赤色の魔力残滓。

 

 

 

 

「もっと、速く!!」

 

 

 

 

「Sir」

 

 

 

さらに加速する。そして、倒れているなのはを見つけた。その傍にはデバイスを突き付けている赤い少女。それを見た瞬間。フェイトはちょうど二人の間の上空に移動し、バルディッシュを下に向けた。

 

 

 

 

「ハァッ!!」

 

 

 

 

魔力を雷に変換させて、フェイトは一気に落ちて行った。

煙が舞い、視界を遮る。たぶん、あの赤い少女はこの煙の向こうにいるだろうし、煙が晴れたらどうなるかわからない。

 

 

 

 

「うぅ……フェイト、ちゃん?」

 

 

 

 

「遅れてごめん。なのは」

 

 

 

 

そこへ、遅れてユーノが飛んできた。ユーノは直ぐになのはの顔を覗き込んで、体を診た。

 

 

 

 

 

「大丈夫?なのは」

 

 

 

 

「ユーノ、くん」

 

 

 

 

どんな怪我をしているのだろう。大きな怪我をしてはいないだろうか。心配で、今にもなのはの傍に行きたい。そんな衝動に駆られるが、フェイトは気を引き締めた。煙がだんだんと晴れてきたのだ。

 

 

 

完全に煙が晴れると、そこには今にも襲い掛かってきそうな赤い少女。

 

 

 

 

「くそっ、仲間かよ」

 

 

 

そう言ってデバイスを構えた赤い少女に、フェイトもデバイスを構えた。

もうバルディッシュの形は変わっている。金色の魔力光を放つ、死神が持つような大鎌。

 

 

 

 

「テメェは誰だ!」

 

 

 

 

「フェイト・テスタロッサ。……友達だ」

 

 

 

 

フェイトは赤い少女に向かって駆けた。

 

 

 

 

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