魔法少女リリカルなのはジャンパー   作:ファイター

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第二十二話

 

 

 

 

 

金色の髪の少女が後ろに下がったのを確認した悠也は、ヴィータの前に出た。

バインドを破壊するのには、悠也では時間がかかってしまう。それは魔力ランクが原因している。なのはとフェイトの魔力量はAAAランク。これは、街を一人で壊滅させれる程の力だ。

悠也の魔力量は多く見積もってもAAランク。たった一つ違うランクだが、その差は大きい。

 

 

 

 

なら、同じAAAランクであるシグナムに任してしまった方が早いのだ。

 

 

 

 

「Shield」

 

 

 

 

金色の魔力刃がアカレラの張ったシールドに当たり、派手な音を立てて爆散した。

が、悠也はその煙を魔力を開放して吹き飛ばした。

 

 

 

 

「なっ!?」

 

 

 

 

「悪いな。その魔力を頂いていくぞ」

 

 

 

 

「グェッ……」

 

 

 

 

煙に紛れて奇襲しようと、かなりのスピードで突っ込んできていたフェイトの鳩尾に膝を叩き込み、脱力した体を抱きかかえる。

一瞬の攻防は悠也の勝利で終わった。

 

 

 

 

「シグナム」

 

 

 

 

「……わかった」

 

 

 

 

既にヴィータを縛っていたバインドを破壊したシグナムは、顔を歪めながらフェイトの胸を貫いた。

騎士としては、悠也のやったことに嫌悪感を抱きながらもリンカーコアを蒐集する。

ヴィータも、縛られていた手首を揉みながら顔を歪めている。

だが、その眼はしっかりとフェイトを見ていた。

 

 

 

 

「悠也……はやては?」

 

 

 

 

「はやてなら友達と一緒に寝てるよ」

 

 

 

 

この時間帯なら、友達と一緒に遊んで疲れているのなら寝てしまうのも当然だった。

 

 

 

 

「主悠也。蒐集完了しました。指示を」

 

 

 

 

シグナムが悠也の事を「主」と呼んでいるのには理由がある。それは、本物の主であるはやての事を知られないための策。今だけは悠也の事を「主」と呼び、管理局員を勘違いさせる。それに、なのはは悠也の事を知っているのだ。

 

 

 

 

「ここにいる魔導師を蒐集し、即時に戦域から離脱。集合場所に」

 

 

 

 

「御意に」

 

 

 

 

シグナムは軽く頭を下げ、結界を破壊させようとしているユーノのいる所に飛び去った。

残ったヴィータは、ビルの屋上で発行している場所。なのはが治療している場所へと飛んでいった。

そして、悠也はフェイトを抱きかかえたまま適当なビルの屋上に降りた。

 

 

 

「……ごめんな」

 

 

 

 

そう言い残し、悠也はザフィーラと戦っているアルフの背後にジャンプした。

 

 

 

 

「すまない」

 

 

 

 

「アッ!?」

 

 

 

 

振り向く暇さえ与えずに、首筋を思い切り剣の柄で殴り気絶させた。

アニメや漫画などでは軽く首筋に手刀を入れたら気絶する。なんてことは現実ではなく、思い切り首筋を殴るか、顎先を掠らせる様に殴って脳震盪を起こさせる。それか、頸動脈と静動脈を力を籠めて押さえて血液の流れを一瞬だけ止めて意識を失わせる。

そんな乱暴な方法でやらなければ人間の意識は簡単には失わさせられないのだ。

 

 

 

 

「ザフィーラ。蒐集を」

 

 

 

 

「御意に、主」

 

 

 

 

ザフィーラがアルフの胸を貫いた。

 

 

 

 

「……ぬ?」

 

 

 

 

かの様に見えたが、腕は貫通する事はなくアルフの胸の谷間に手を埋めただけで終わった。

 

 

 

 

「守護獣だから蒐集出来ないのかな?」

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

ザフィーラは何も言わずにフェイトの眠るビルの屋上に移動し、その隣に寝かした。

それが終わると、ザフィーラはそのまま結界から抜けて、管理局に捕捉されない様に次元間転移を繰り返し集合場所に向かって飛んだ。

 

 

 

 

 

「もうそろそろ終わるかな?」

 

 

 

 

フェイトとアルフが眠る屋上に降りた悠也の呟きは、車のクラクション音で?き消された。

空を見ると、そこには星空が広がっていた。結界が解除されたのだ。

いや、結界を解除したという方が正しい。

 

 

 

 

「終わりました」

 

 

 

 

「終わったぜ」

 

 

 

 

シグナムは肩に担いでいたユーノをそっと下ろし、アルフの隣に寝かした。

ヴィータも、魔法で浮かしていたなのはをフェイトの隣に寝かした。

 

 

 

 

「帰ろう」

 

 

 

 

「はい」

 

 

 

 

「おう」

 

 

 

 

悠也はバリアジャケットを解除し、魔力を抑え込んだ。それを見ていた二人もバリアジャケットを解除して、魔力を抑え込んだ。今、三人の魔力を追いかけることは難しい。

地球にも魔力を持っている人間は存在する。その殆どが一般人で、三人とも一般人並みに魔力を抑えているのだ。膨大な魔力であったり、既に魔力を捕捉されていたら話は別だが、今の三人を見つける事は管理局であっても不可能だった。

 

 

 

 

 

悠也はヴィータを左腕で抱え上げ、シグナムを右腕で抱き寄せる。

ジャンプするなら、なるべく悠也と密着していた方が負担が少なく失敗する可能性が減るからだ。

 

 

 

 

「いくよ」

 

 

 

 

瞬間、悠也とシグナムとヴィータの姿は消えた。魔力を一切使わないソレは、形跡を残す事もなく集合場所にジャンプした。

屋上に気絶している五人を残して……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――

 

 

 

 

突如として、なのは達がいた空間の結界が解除されて、アースラの艦長。執務官。武装隊員。クルーたちは目を見開いていた。

 

 

 

 

「バカな……あの五人がたった数十分で撃墜されるだとッ!?」

 

 

 

 

ブリッジ、そして待機ルームが唖然とするなか、クロノは歯を噛締めながらも隊員に激を飛ばす。

 

 

 

 

「何をやっている!?医療班は急いで負傷者を回収しろ!武装隊員はその護衛に着け!まだ敵が近くにいるかもしれないぞ!!」

 

 

 

 

その激にクルーたちは気を引き締めて転移ポートから出撃する。

そして、誰もいなくなった転移ポートの傍で、クロノは叫んだ。

 

 

 

 

「アアアアアアアア!!!!」

 

 

 

 

ガツン、と壁を殴りつける。バリアジャケットも展開していない拳からは血が滲みだし滴る。だが、痛みが無ければ正気を保っていられなかった。

後悔がクロノの心を支配する。

何故、艦長に武装隊員の指示を無理やりにでも頼まなかったのか。そして、なぜ自身が一番に出撃しなかったのか。

 

 

 

 

「許さないぞ……ッ!!」

 

 

 

 

 

握りしめた拳は、掌に爪が食い込んで血が出ていた。

 

 

 

 

 

 

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