ハイスクールD×D 黄昏で君ともう一度 更新停止   作:〇〇〇もげろ

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ep.8

今日も戦場を駆ける。だが以前とは決定的に違う所がある。共に頑張ろう、と言ってくれた人がいる。それだけで戦闘が安定化し疲労の蓄積が少なく感じた。それだけでなく、あの一件以来、グレイフィアに主として多分だけど認めて貰えた気がする。この世界に転生しから、赤の他人に初めて私を認めてもらい、魔王の息子の私ではなく私自身を見てくれた。その事が私にはとても嬉しく感じた。しかし今の現状で満足するような私ではない。今でも私の実力はグレイフィアよりも劣っている。だから私はいつか見限られるのでは、と不安になっている。だから今よりも、もっと力が欲しいと強く思うようになった。

 

「今日我々の目標は最前線に赴き、少なくとも天使、堕天使を五体駆逐することだ。我々の部隊人数は四人なので最低でも一人、一体は倒さなくてはならない。しかも、最初と違い斥候部隊には下級天使はいなく、その代わりに上級天使などの強力な力を持った者しか確認されていない。奴らもここ数日の戦闘で我々を舐めていると火傷をすることを学んだらしい」

 

上級天使か・・・・。おそらく私の力では撃退は出来ないであろう。それは私が所属しているチーム全体にも言えることだ。メンバー内に上級天使に太刀打ちできるほどの悪魔はいない。全員で一体を相手取っても足止めが精々関の山だろう。だから私たちは体のいい生贄という訳だ。

 

「我々はおそらく今回の任務生きて帰還は出来ないだろう。今最前線ではヨルムンガンドが天使、堕天使を食い殺している。ぱっと見た感じ悪魔が優勢になっているが、これからもそれが続くかは分からない。だから―――」

 

「だから、俺達に戦線を少しでも維持するための捨て駒になれと。リーダー、それはあんまりだと思いませんか。それにこんなガキ二人も抱え込んで本当に上の奴らは何を考えているんだか」

 

リーダー格の悪魔に、戦場には似合わない服装の偉そうな悪魔が口論し始めた。私の勝手な見解では、リーダー格の悪魔は理想に燃え、それに陶酔し魔王のためならば命をも賭け早死にするタイプである。偉そうな悪魔は・・・・・・・うん、言わずもがな小者臭がプンプンしている。でもこういう奴は案外長生きする。

 

「それの何所に不満があると言うんだ。我らの命は魔王様のためにあるのではないか」

 

「何を言うにしても、魔王様、魔王様。もう、うんざりなんだよ。そんなに魔王が偉いのか、俺達に死ねと命じる程に」

 

その考えには私も同感だな。命の重さに優劣など存在せず、みな等しい。だから私達は自身の命の重さを感じながら、今を一生懸命に生きるのだろう。

 

「そうだ。我々兵隊の代えはいくらでもいるが、魔王様の代えはいない。だから我々は命を賭けてでも戦わなくてはならないのだ」

 

「ちっ、分かりましたよ。やればいいんでしょ、やれば」

 

戦闘区域の中に入る前にグレイフィアが二人に注意をしに行った。

 

「お二人も、もう少しで戦闘区域です。おしゃべりはこの辺でお止め下さい」

 

「お、おう、そうだな。それでは各自あらかじめ決めていた陣形に移動しろ」

 

空気が弾ける音が聞こえてくる。どうやら近くで戦闘が行われているようだ。死の空気が広がり正常だった感覚が今にも狂いそうになる。

 

 

周囲に気を巡らせながら私たちは移動する。どこもかしこも死体ばかりで、血と死体が腐った臭いが充満している。

 

「止まれ」

 

嗚呼、どやら今日初めての敵のご登場らしい。

 

「敵の数は天使二体、堕天使一体だ」

 

何故、天使と堕天使が共闘しているか気になったかもしれないが、なに簡単な事だ。私達、悪魔が一方的に奴らに戦争を吹っかけたからだ。それにどうやらヨルムンガンドの餌として天使と堕天使を攫っていたらしい。その事に気付いた天使と堕天使たちは、まず悪魔を滅ぼそうと意気投合している。この事も理由に入っているのだろう。

 

「ソフィア様とグレイフィアは堕天使の方を担当しろ。我々はそれぞれ天使の方を担当しよう」

 

「了解」

 

「それでは任務開始だ」

 

私達は自身の敵と戦うためにそれぞれ散開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで俺の相手はお前らでいいのか」

 

私達の前に一体の堕天使がいる。それも、いままで辛勝してきた相手が霞む程の力を携えて。外見は装飾の凝った黒いコートを羽織っている若い男だが、注目すべき点はそこではない。やつには漆黒の翼が十翼もある。この事からこの堕天使は堕天使の中でも幹部クラスであることが容易に想像することが出来る。はっきり言って出来る事なら此奴との戦闘を回避したいところだが、雰囲気的にそれは出来ないだろうな。だったら徹底抗戦しかないだろう。

 

「そういう事になるな、()よ」

 

「ほう、俺達堕天使の事を烏と呼ぶか。態度の方はでかい様だが実力の方はどうだろうな。直ぐに死んでくれるなよ」

 

殺気が飽和し、私達を容赦なく圧迫する。これから始まるのはおそらく死戦である。私達二人が死ぬ方が遥かに確率は高い。しかしこんな所で死んでたまるか。私達はこの戦争を生き抜いてやる。

堕天使の手に膨大な量の光が集まり巨大な槍へと形を変えていく。並の悪魔があれほどの量の光にあたれば死体すら残らないだろう。

 

「グレイフィア、いつも通りでいく」

 

私が前衛でグレイフィアが後衛で魔力弾の援護となっている。私には魔法の才がなく魔力弾一つ打ち出すことが出来ない。だから(おの)ずと前衛になってしまう。

 

「それはあまりにも危険でございます。あれほどの光をあなたが防ぐのは無理があります。考え直してください、ソフィア様」

 

「いいや、それは出来ない。これが今、私が出来る最善の手です。大丈夫、私を信じて」

 

「・・・・・分かりました。それがあなたの望みなら」

 

私は今自分が出来る限界まで肉体に魔力を巡らし、堕天使の前に立ちはだかる。

 

「作戦会議は終わったのか。ならば始めようか闘争を」

 

堕天使がまずは小手調べと言わんばかりにさきほど作った巨大な光の槍ではなく光弾を放った。それらの光弾を必要最低限の動きで私は槍を使い(さば)いていく。

何度も何度も光弾を捌いたことにより、その余波で地面は抉れ、台地が荒れていることだろう。しかしそれを見ている余裕はない。確かに一発一発の威力が低い光弾だが、問題はその数である。一瞬たりとも気が抜けない。一発当たれば今のリズムがおそらく崩れるであろう。だから唯々槍で光弾を突く、払う、斬る。

今は耐えるしかない。今の私には堕天使に致命傷を与えるだけの武器がない。だから先ほどから私の後ろで魔力を()っているグレイフィアを守ることしかできない。

 

「ほらほら、どうした。守っているだけでは、いつか死ぬぞ。今からもっと行くぞ」

 

そう言い堕天使は更に数を増やし速度を速くした。

 

「ぐっ・・・」

 

数が多すぎる。グレイフィアを守りながらでは捌くことが出来ない。だがグレイフィアの力がなくては、この堕天使を打倒することが出来ない。だから守らなくては。

 

「グレイフィア、後どれ位で魔法が完成しますか。そろそろ私の方は限界が近い」

 

「あと少しです。だからもう少し持ち堪えてください」

 

「分かった」

 

あと、少しか・・・・。さてどうやって凌ごうか。光弾の数が今こうしている間にも増えていっている。今は何とか槍に魔力を流し込んで均衡しているが、いつかは魔力ではなくて、槍の耐久が持たずに槍が壊れるだろう。そうしたら私は丸裸で戦場に立つことが確定だ。

仕方がないか。痛いのは嫌だけれども我慢することにしよう。

 

「ががああぁぁぁぁ」

 

イタイ、イタイ、イタイ、とっても痛い。でも我慢だ、我慢するんだ、ソフィア・ルシファー。

光弾が肩、足などを貫き、体の中から焼けるような痛みが私に襲い掛かってくる。

 

「どうだ、俺の光はさぞ痛かろう。自分の体が光に喰われていく感覚はどうだ?コウモリ(・・・・)

 

光弾の数が更に増加する。

堕天使の挑発になんか耳を傾けるな。やる事はさっきと同じだ。そうだ、もとより私に出来る事なんてこれしかない。ただ淡々と光弾を捌き、叩き落とす。だから致命傷以外は構うな。構えばそれだけタイムラグが発生し、グレイフィアを守るのが難しくなる。

 

「この程度か、烏よ。その手に持っている巨大な光の槍は唯の玩具か。いつまで余裕ぶっているんだ。悔しいのだろ?だったらそいつを早く放ってこいよ。Hurry・・・Hurry!Hurry!!Hurry!!Hurry!!Hurry!!!」

 

「ちっ!このガキが。子供だから手を抜いてやったというのに。いいだろ。貴様の望み通りこいつをくらわしてやる。精々足掻けよ、この腐れ蝙蝠が」

 

聖なる光を纏った巨大な槍が放たれる。

私はそれを捌くために渾身の魔力を槍に注ぎ込み、光の槍の切っ先に叩き込んで迎え撃つ。

 

「オオオオオオオオオォォォォォォォォォォ、止まれ―――」

 

改めて見ると凄いな。内包している光の量が今までの光弾と比較するのが、バカらしくなるほど膨大だ。

面白い。

この光の槍を防ぎきって、堕天使に一泡吹かせてやる。

槍から発せられる光が私の体を焼く。体ごと消滅してしまいそうだ。

 

「痛い、痛いんだよ。止まれ、止まれ、止まれ―――!!!アアアアアアアァァァァァァァァァァ」

 

私の使用していた槍と光の槍が同時に限界を迎えて砕け散った。

 

「どうだ、堕天使。お前の攻撃、防ぎ切ったぞ」

 

辺りは酷い有様だ。私達を避けるように地面が抉れて、更地へと変化している。先ほどの光の槍がどれ程の威力だったのか周りの風景が物語っている。

 

「よくも、この俺に恥をかかせてくれたな、このガキ共が。今度こそ死ね」

 

先ほどの私の態度が癇に障ったらしく堕天使は右手に光を集めて槍の形を作ろうしている。

またあの巨大な槍が飛んでくるかもしれないという絶望する場面なのに私の心情は酷く落ち着いている。その理由とは―――

 

「お疲れ様です、ソフィア様。後は私に任せてください」

 

「そうか・・・・・」

 

グレイフィアがいる。

グレイフィアの前ではかっこ悪い姿は見せられない。

唯それだけの事で私から絶望などと言う感情は吹き飛んでしまった。

 

「後の事は任せます」

 

「承りました」

 

そう言うと今までに溜めていた魔力がグレイフィアの体から発せられる。それと並立し堕天使の周辺に数えきれないほどの魔力弾が生成されていく。

 

「何時の間にこれ程の数の魔力弾を、私に気付かれずに設置した、小娘ぇぇぇ!!」

 

「私が教えるとでも思っているのですか。これ以上の言葉は不要ですね。それでは

 

 

―――舞いなさい―――」

 

 

その掛け声と同時に大量の魔力弾が堕天使に向かって襲い掛かる。

「クソが――――――」

 

着弾と同時に大音量が鳴り響き、堕天使の叫び声をかき消す。

 

「これにて任務完了します」

 

戦場でグレイフィアの声が響いた。

 




今回初めて戦闘シーンを書かせて頂きましたが、どうでしょうか??
もし、こうすればもっと良くなるなどのアイデアをくれるのであれば嬉しいです。
感想などお待ちしています。
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