ハイスクールD×D 黄昏で君ともう一度 更新停止 作:〇〇〇もげろ
最近私生活が忙しくなり執筆時間確保が難しい。
いやぁ~久々に書いたからキャラの口調がバラバラで・・・・・
こんな駄文ですが、よろしければどうぞ!!
誤字、脱字が多そう
私が自身の領土に待機するようになってから一月が経過していた。今まさに戦争が起きているのか、と疑うくらいに何もない生活が続いていた。最初は緊張の糸が切れたのか、一日の大半を睡眠に当てていた。だが、それも二日程度だけだ。それ以降は特に何もせずにだらけている。
「暇だ」
そう、なにもすることがなく、いや四肢がないので出来ないと言ったほうがいいか。それが原因で満足に動けないので、実に暇なのだ。
長期間の暇はどうやら人を殺すらしい。体が鈍り、思考が低下し更に何もしたくなくなってくる。どうにかならないものか・・・・・。
「ソフィア様どうかしましたか」
「グレイフィア、暇すぎて鈍り死ぬ。どうしたら退屈しのぎができるんだろう」
「それは贅沢な悩みでございますね」
確かに贅沢な悩みなのだろう。今なお戦争は苛烈を極め、多くの悪魔が犠牲になっている。
前まではこんな生活が大切でずっと続けばいいと思っていたのに。
「それでは、私とお話しましょうか」
グレイフィアが私の真っ黒なベッドの横まで椅子を移動させ座る。
お話かぁー。一体なんの話をしようか。現時点の戦争の状況について話そうか、それとも全く関係ないが今日の晩御飯についてとか。いやいや、晩御飯ってベタすぎるな。
色々悩んでいるが私の中ではもう何を話すか、なんて決まっている。そろそろグレイフィアの事について話をしないといけない。今まで話そうとしたが、彼女にさらりと避けられてしまった。でも今日という今日はきちんと彼女と話し合おう。それが、私が彼女の主としての務めなのだから。
「ねぇ、グレイフィアあなたの事について話があるのだけれどもいいかな」
「私の事についてですか・・・・」
グレイフィアの表情が曇る。これから私が何を話すか大体想像できたようだ。
「私の事についてなど話しても楽しくなどありませんよ。それならもっと他の事について話しましょう」
またこのやり取りだ。以前までは私もこれ以上踏み込まなかったが、今日という今日は多少強引にでも私の話を聞いてもらう。
「別に面白くなくてもいいよ。唯、私はグレイフィアの事をもっと知りたいだけだから」
「そうですか・・・・・でもこれ以上私について話すことなんてありませんよ、ソフィアさm―――」
「こら、プライベートの時は様を付けないの。ほんの少し前までは名前だけで呼んでくれていたのに」
「それは・・・・・」
グレイフィアから気まずそうな空気が流れる。
彼女も気にしているのだろう。私が重傷を負うより以前と今の私への対応の違いに。傍から見れば甲斐甲斐しく主の世話をする従者に見えるだろう。確かに以前よりも物理的な距離では近くなったのだろう。しかしグレイフィアの心は刻一刻と私から離れていっている。その証拠が前までプライベートや人目がない場所ではお互いに名前だけで親しく呼び合っていたのに、今では私の名前に様を常に付け、心の間に彼女自身が壁を造ったかのように一定の距離を保っている。このままでは、彼女の本音が内へ引っ込んでしまう。グレイフィアの中に私への楔を打ち込まなくては今にも私から離れていきそうである。それは非常に嫌な事である。
だから、私は今からグレイフィアの心を追い詰める。かつて追い詰められた私が彼女にされた様に。
「やはり、私とソフィア様は従者とその主という立場です。主を呼び捨てにする従者がどこにいると言うのでしょうか」
「でも、私は気軽に名前を呼んでくれた方が嬉しいな。それでも、ダメ?」
「そのお願いは、承諾致しかねます」
「そう・・・・それじゃあ、今はそれでもいいよ。でも気が向いたら何時でも呼んでよ」
グレイフィアがお願いを聞き入れてくれない事を残念に思う。しかし私は確信している。何時かまた、彼女が私の事を『ソフィア』と呼んでくれる日が来ることを。
その未来のために今はグレイフィアと話をしよう。
「少し話が逸れてしまったな。私は今から先ほど言った通りグレイフィアの事について話したいんだけど、あなたが嫌がるから、とある方法を取らしてもらうよ。今から私が言う事は全部独り言。だから聞くか聞かないかは、あなたの自由。それじゃ、話すよ」
グレイフィアが思いの丈を話してくれないのなら、私が彼女の心に遠慮なく踏み込んでいこう。そんなことをしないと、グレイフィアはきっと私の話なんて流して聞いてしまうだろう。それだけ彼女の意志は恐らく強いのだろう。だから今はただ攻めるだけ。
「私には、今とても大切な人がいます。私自身よりも大切なその人は私の事を見てくれる数少ない人物です。初めの頃は嫌われていたと思いますが、ここ最近ではお互いに支え合って心地よい関係を築けていたと思っていました」
グレイフィアは今どんな顔をしているのでしょうか。さっきから、俯いてばかりで表情が分からない。私ごときが彼女を諭そうとしている。この事が彼女を怒らしているのか、それとも悲しんでいるのか・・・・・でも、きっとこれっぽっちの言葉だけでは彼女の意思は変わらないだろう。だからもっともっと、彼女の心に触れていく。
「でも、最近その人に元気がありません。本人は上手く隠せているようですが、私には分かってしまいます」
「っ!!!そうですか・・・・どうやらその人は隠し事が上手くないようですね」
「私もそう思います」
もちろん嘘だ。
グレイフィアは表情に全くと言っていいほど辛そうな雰囲気など出してはいない。
これはグレイフィアの感情を揺さぶるためのブラフだ。前もって彼女の心持ちを知っていなければ私も気付かなかったにちがいない。
だが、そのおかげでグレイフィアの表情に焦りと、困惑が現れ始めた。
「続きを話すけど、いいかな?」
「・・・・・」
グレイフィアは一向に話そうとはしない。唯俯いているばかりだ。
「じゃあ、話すね」
それから私はグレイフィアとの何気ない日常から非日常まで彼女の名前を上げずに話していった。恐らく彼女は自身の事を話しているのだと気付いていたかもしれない、いや気づいていたはずだ。その証拠に私が話続けると、彼女の纏っている空気が重くなっていく。
「―――それでね、私と一緒に修行に付き合ってくれたんだ。嫌も好きの内ってことかな」
「ソフィア様どうしてそんな話をするの?」
今まで沈黙を貫いていたグレイフィアがとうとう口を挟んできた。我慢の限界を迎えたのだろう。
「うーん、どうしてだろう。何とも言えないな。唯これだけは言えるかな・・・寂しかった。うん、これが一番しっくり来るかな」
グレイフィアは確かに今私を献身的に支えてくれている。でも、それは主従関係によって構成された物でしかない。この世界に転生してから友達というのがほとんどいない。それは転生前にも当てはまるけど。
だから、主従関係なくお互いの名前を気軽に呼びあった時、同年代の友達ができて私は嬉しかったのだ。
でも、その関係は元の主従関係に戻ってしまった。だから、私は寂しいと感じているのだろう。一度でも、あの暖かな関係を持ってしまったから、なおさらその思いは強くなった。
だから私は強烈に以前の関係を望んでしまう。
それにどうやら、私はこの世界に転生してかなり独占欲が強くなってしまったようだ。
グレイフィアが私以外の男と仲良く話している姿を想像するとムカムカし心に雲がかかる。
皆のグレイフィアではなく私だけのグレイフィアでいてほしい。なんとも浅ましい思考だ。私が彼女に抱いている感情はきっと清く正しい物ではないのかもしれない。だが、不思議と嫌な気持ちにはならない。
私は彼女を自身の物にするために躊躇などしない。だから今は攻め続けるのみだ。
「ねぇグレイフィア、そんなに私といるのは苦痛?」
「いえ、そんな事は―――」
「私には建て前なんかいらないよ」
グレイフィアの逃げ道を徹底的に潰していく。こうでもしないと彼女はすぐに逃げてしまう。
さて、彼女がどのような答えを言うのか予想出来ても少しだけ怖いな。ここで彼女が本心で私の事を拒絶したら立ち直れないかもしれないな。
しばらくの間私とグレイフィアは見つめ合う。私は彼女が話すのを待ち、彼女は私が諦めるのを待っている。だが、今日の私は待ち続ける。
どれぐらいの時間その状態を保っていたのだろうか、グレイフィアがやっとその重い腰を動かした。
「はぁー、私の負けです。そうですね・・・・はっきり言って、ソフィア様と供にいることは辛いです」
あー・・・・・やっぱりこの会話なし。時間戻らないかなぁ。
グレイフィア、はっきり言い過ぎ。
「そもそもですね、従者よりも弱い主というのが問題あります。そんなダメ主を支える身にもなってくださいよ」
「ぐっ」
正論過ぎて言い返せない。でも今更その話を普通持ち出すか?
「それに何ですか、その容姿は。男か女かはっきりしてください。そんな貧弱な体で戦場に立って私を守りたいなんて、死にたいんですか」
生まれつきこういう容姿なのだから、それは仕方がないだろう。
グレイフィアの一方的な言葉攻めにどんどん苛立ちが募ってくる。人が折角心配して声を掛けてあげたのに、この言われ様は納得がいかない。
「私だって別の死にたいわけじゃない。ただ、グレイフィアを守ろうとしただけじゃないか。それなのに何でここまで言われなくてはいけないんだ」
「まだ、そんな事を思っていたのですか」
グレイフィアが言った言葉は私を追い詰め、驚愕する他ない。それと同時に私の中に疑念が湧き上がって来る。
今、彼女が言った事は全て本心なのではないのか。
彼女にとって本当は私など邪魔者でしかないのではないか。
そのような考えが浮かび上がってくる。認めない、認めたくなどない。認めてしまえばきっと後悔する。
だから私はそのような考えに蓋をした。
「ソフィア様はそもそも前提が間違っています。何故私よりも弱い主に私が守られなくてはいけないのですか」
「確かにグレイフィアの言っていることは正しいのかもしれないけど、あの時一緒にこれから頑張っていこうって言ってくれたのに・・・・あれは嘘だったのか?」
「そんなことも言いましたね。確かに私とソフィア様は供に戦う事を誓いました。でも、そう思っていたのは私だけだった!!!」
グレイフィアが声を荒げた。先ほどまで一方的に私を糾弾していた彼女の纏う空気が変わった。しかしそんな事よりも今彼女が言った言葉の方が気になった。
「グレイフィア、それはどういう事だ。私とあなたは供に戦場を駆け、お互いがお互いを補っていたはず。これの何処が誓いに反していると言うのだ」
「やっぱり、あなたは何も分かっていない」
私の何処が間違っていると言うのだ。
出来るだけグレイフィアとは供に行動していたし、真っ先に彼女の事を心配した。何処にも、間違いなどありはしない。
「ソフィア様はいつでも私を助ける。あなたにとって私はそんなに弱い女でしかないのですか?」
つい先ほどまでの私ならばグレイフィアの問いにすぐさま否と答えることが出来たであろう。が、彼女の私を非難する眼差しに蹴落とされ、答えることが出来なかった。
「はぁー、だんまりですか。やはり、あなたは私の事なんて気にしていなかったのですね。ただ、私を助けた自分に酔っていただけ」
恐らく今までかなりの量を溜めこんでいたのだろう。グレイフィアは今立場など考えずに私へ暴言を吐きだしている。
彼女をここまで追い込んだのは不甲斐なかった私が原因だろう。
だから彼女の不満は全て私が対峙しよう。
「認めよう。グレイフィアは正しく、私は間違っている。それでも・・・・・・それでも私はこの生き方を止めることは出来ない」
「本気ですか。そんな生き方は真っ当な精神でいられるはずがない。それにその行く道の果てに待ち受けている結末がどのような物か、分からないあなたではないでしょ」
「分かっている。自身よりも他人を優先するなんて生き方は誰にも理解されず受け入れられないなんてことは」
そんな事は転生する前から分かっていた。私のしていることは唯の自己満足。他人を助けることで自身は美しく汚れていないと思い込んでいた。自身の汚さや弱さを見たくなかったから、ひたすらに助けるという自慰行為に耽った。愚かにもほどがある。
でも、それでも私は辞めることは出来ない。
「自身よりも他人が大切なんて価値観はそもそも破綻しているのだろう。それでも私はこの生き方しか出来ないよ。だって私にはこの生き方しかないから」
そう、この生き方は嘗てトワから与えてもらった物を延長して行っているだけでしかない。だが今なお私の体はこの間違った生き方を進むのを止めない。
この道を進めばまた彼女に会える。唯そう信じてこれからも歩み続けるのだろう。
「・・・・・・―や」
「ん?何か言った?」
グレイフィアからこぼれ落ちた言葉を私は聞き取ることができなかった。
彼女にはつい先ほどまで私を糾弾していた時の元気がない。俯くその顔は前髪によって隠され彼女の顔を見ることがかなわなかった。
私は唯彼女の姿を眼に写すだけ時間を過ごす。その行動が彼女には気にくわなかったのか、それとも悲しかったのか理解できなかったが彼女は瞳の端に涙を溜めて私のことを見た。
「・・・・・いやっ、そんな瞳で私を見ないで」
グレイフィアの言っていることが理解できない。私に見られるのが我慢できないほどに私のことが嫌いなのか。もし、そうだとしたら絶望的だな。
「ソファイア様、あなたは一体何を見ているのですか、その瞳で!」
「何を見ているって・・・・・今はグレイフィアを見ているけど」
「そういう事じゃない!確かにあなたの瞳には私は映っているのでしょうね。でも、私はあなたの中に存在していますか?」
グレイフィアの眼差しは真剣である。だが、質問の意味がいまいちわからない。
私の中にグレイフィアがいるか、と聞かれているから、勿論答えは『はい』だ。
私は彼女を認識出来ているし、今も話をしている。それに今までの彼女の行動に落ち込んでいる私がいる。これは私の感情がグレイフィアに揺さぶられた、と言う事ではないだろうか。
だが、こんな簡単な答えでいいのであろうか。なんとなくだが、グレイフィアが求めている答えとは違うような気がする。
「どうなんですか?何か答えてくださいよ」
「それは・・・・・」
「答えられないんですね。それならば、私が答えてあげます。あなたの中に私はいない。いや、それどころか、この世界の全てがない。ソフィア様、あなたは私に何を重ねて見ているのですか」
「私は、僕は―――」
グレイフィアに何かを重ねている?
改めて彼女の事を見つめ直す。
―――グレイフィア・ルキフグス―――
癖のない長い銀髪の髪と瞳、そして決して病的に白いわけではなく、健康的な白さで覆われている肌。
ザザザザ―――
耳の奥でノイズが響く。脳裏に黄金の海岸の景色がフラッシュバックする。その海岸で一人の少女が佇んでいる。
夕日によって出来る陰によって表情を見ることは叶わなかったが、それでもその少女が少し悲しそうに微笑んでいるのは分かった。
あぁ、そう言う事か。彼女とグレイフィアの容姿の共通点はほとんどないと言ってもいいだろう。
でも、似ている所もあった。さっき見た光景の中の彼女の表情が、今なお浮かべているグレイフィアの表情と同じだ。
いやそれだけではない。グレイフィアが日々浮かべている何気ない表情が重なって見えてしまう。
「―――ごめん」
「何で謝るんですか?ここで謝られたらっ!・・・・私が、あまりにも惨めすぎではありませんか」
全て理解した。今まで私はグレイフィアに彼女を重ねていた。いやグレイフィアだけでなく、この世全ての事に目を背けていた。まるで、テレビ画面越しにいるような、そんな曖昧な感覚でこの世界を生きていた。
「―――いや、いやよ。もう我慢できないよ。一番にならなくてもいいから、きちんと私の事を見てよ」
グレイフィアを見て、どれだけ私が彼女に最低な行為をしてきたか分かってしまう。その事実が私の心を傷つける。
「ごめん、本当にごめんなさい」
「っ!何でよ?・・・・何でなのよ!」
グレイフィアが私の肩を掴み前後に揺する。
今の私には謝ることしか出来ない。
「自分でも愚行をしたと思っている。でも今までしてきたことを今すぐ止めることは出来ない。そして、彼女に再会するために他人を助ける生き方は止めれない」
彼女に会いたい。これが今の私の根源と言ってもよい位深く根付いている。
「そうですか・・・・。私はもう限界です。これ以上、ソフィア様が傷つくところなんて見ていられない」
グレイフィアは疲れ切った表情を浮かべる。本当に限界なのだろう。戦時中なのも影響しているかもしれないが、その表情を浮かべる切っ掛けを作り出したのは紛れもなく私だろう。
「自身が守るべき大切な人に助けられ、そのせいで大切な人が死にそうになる。ソフィア様は耐えられますか?私には無理でした」
「私はグレイフィアにそれほどのまでの喪失感を与えていたのか?」
「―――ええ。その事を理解したというのに、それでもソフィア様は止まらないんでしょうね」
「ああ」
グレイフィアの再三の問いかけに肯定の意志を出す。
沈黙が続く。あまりの静けさのせいで、耳鳴りが聞こえてくる。
―――パン
どれ位の時間そうしていたのだろうか、数秒、数分、それとも数十分か。
その時間もグレイフィアの急激な手の平を叩く音により終わりを迎えた。
「辛気臭い話はここまで。今回の事は、お互いに疲れていたという事で無しにしましょう」
グレイフィアが椅子から立ち上がった。私の方を見ずにグレイフィアは部屋を後にしようとする。
このままでは駄目だ。私はまだ、自分の意志を完全には言っていない。
この機会を逃したら次何時になるか分かったもんじゃない。
だから、グレイフィアの背中に話し掛ける。
「確かに私はまだ止まれない。でも、私が今、グレイフィアに抱いている感情は決して偽りなんかじゃない」
グレイフィアが立ち止まる。彼女は振り返ることはしなかったが私の話を一応聞いてくれているみたいだ。
「私が何も思っていない赤の他人に対して自身を削ってまで助けると思った?そんなに出来た大人ではないよ、私は」
「それなら、きちんと私を見てくれないソフィア様は私にどのような感情を抱いているんですか」
「耳がいたいなぁ。まぁ、仕方がないか。私がグレイフィアに彼女の像を重ねていたのは事実だし」
ここでグレイフィアに私が持ちうる最初で最後の切り札を切ることにした。
「でも、そんな私を好きだと言ってくれて本当に嬉しかった」
「・・・・・・・・えっ」
グレイフィアが驚きで私を見る。きっと今彼女の頭の中には色々な事が飛び回っているに違いない。
「それにしても、あんな濃厚な口づけをするなんてグレイフィアは中々大胆だったんだね」
グレイフィアの顔が赤く染まり、口をパクパクと動かす。その行動は魚が餌を
「なっ、なっ、何で知っているんですか!もしかしてあの時、もう既に気付いていたの」
「まぁ、気が付いてはいたかな」
「っ!―――はぁ、もういいです。あの時の事は忘れてください。どうせ叶わない恋なんですから」
グレイフィアが表情を歪ませて言う。そんな顔で言われても全然説得力ないし、おまけに未練たらたらなのが一発で分かる。
「そんな悲しい事を言わないで。今はまだグレイフィアの思いに答えることが出来ないけれど、いつか私が答えられる日まで待っていてほしい。都合の良い事を言っているのは理解している。でも、その時が来るまで、私と供に歩んでほしい」
相手の事を全くと言っていい程に考えずに、自身の都合のみを優先している。
最低のプロポーズだな。
「ズルいです。そんな事言われたら、我慢して諦めていたのに期待してしまいます」
「じゃあ!」
「分かりました。ソフィア様が答えてくれるまで、あなたと供にありましょう。でも、私はあまり気が長い方ではありませんよ」
そう言ったグレイフィアの表情は今までで一番綺麗な笑みを浮かべていた。思わず此方の顔が赤くなってしまった。
「ありがとう」
「ふふふ、何に対しての感謝の言葉か分かりませんが受け取っておきましょう。それでは、私はこれで失礼させてもらいます」
グレイフィアが再び部屋から退出しようとした。先ほどまでの重苦しい雰囲気はお互いになく、これからの生活に胸を弾ませる。
「-――としてしまいますね」
「何か言った?グレイフィア」
部屋から出ていくときにグレイフィアが何か言ったが聞き取ることが出来なかった。
「いえ、何も。それでは」
グレイフィアがいなくなった部屋は広く感じ少し心細くなった。
それだけ、グレイフィアの存在が大きくなっているということか。
グレイフィアに答えるために頑張りますか。でも手足がないからどうしよう。まぁ、なるようになるか。
「やっぱり、嫉妬してしまいますね」
ソフィアの部屋から出て彼の部屋の扉にもたれ掛かりながら言う。
部屋で同じことを言ったがソフィアには気づかれなくてよかった。彼には嫉妬する私の事を知ってほしくはない。
ソフィアがそこまでして再会したいと思っている彼女に私は嫉妬した。
だって、仕方ないでしょ。私はソフィアのことが好き。本当は彼の一番になりたい。
でも今の私では無理。だって彼の中には、その彼女の事でいっぱい。
そのことが分かっているのに、彼に供にいよう、と言われたら嬉しくて仕方がなかった。
もし、こんな私を知ったらソフィアは呆れるだろうか。
「それは嫌ですね。でも嫉妬ぐらいなら許してくれますよね、ソフィア様」
私はそう言い残しその場を離れた。
今回の話はどうでしたか?
いつものことながら駄文ですね。
矛盾点などがたくさんありそうで怖い。
感想、評価などお待ちしています。