ハイスクールD×D 黄昏で君ともう一度 更新停止 作:〇〇〇もげろ
やっぱり、書くのって難しい。
こんな小説ですがどうぞ
グレイフィアの言っていることが私は信じられなかった。
魔王四人が戦場に参戦したことは知っていた。これで戦場は悪魔側が一気に有利になると予想した。
だが、その予想はいとも簡単に崩れ去った。
数日前に本拠地から約30名からなる部隊が戦場へ駆けていったと私はグレイフィアから聞いていた。
どの悪魔も実力は申し分なく、最上級悪魔で構成されている。それに対して天使、堕天使側は今それなりの戦力を用意していたが、それでも魔王に敵う者などいなかった。
それなのに、私たち悪魔は負けたと、グレイフィアは言う。魔王を除いて、ほんの六人しか生き残っていない。しかも、生き残りの者も無傷とは言えず、傷の重いものなどは腕がなくなっていたりしていたと聞く。
ここまで悪魔を追い込めた者に対し私は興味を抱いた。
「グレイフィア、魔王の実力は聖書の神に匹敵しているという認識で間違いはないか」
「そうですね、大体それで合っていると思いますよ。ただ、魔王一人では聖書の神には届かないと思いますけど」
「魔王一人でもかなりの戦闘力を有している。それを相手取ったと言うことは聖書の神がこんな戦場に出張って来たのか」
古今東西、魔王に対抗する手段を用いることが出来るのは、勇者か神であろう。
「いえ、聖書の神はまだこの魔界には出没していません。今回魔王様達が戦ったのは赤いドラコンと白いドラコンでした」
「ドラゴンか・・・・・」
―――ドラゴン―――
最強の種族と言っても過言ではないのだろう。
奴らは極めて高い知識と力を有している。
ドラゴンの亜種である蜥蜴と呼ばれているワイバーンでさえ有している力は上級悪魔に匹敵していると言われている。
だが、所詮は蜥蜴と馬鹿にされているワイバーンでは魔王に打ち勝つ事などできる筈がない。という事は、今回出現した二体のドラゴンは正真正銘のドラゴンなのであろう。
「グレイフィア、何でこの戦争にドラゴンが関わってくるんだろうな」
「それは分かりかねます。ただ・・・その二頭のドラゴンは言葉を話す程の知識と、魔王を四人同時に相手取っても余裕で勝つことが出来る力を持っているのは確かな事です」
「はぁ、私たち悪魔はそのドラゴンには勝てないだろうな」
溜息しか出てこない。
天使、堕天使の相手だけでもよく言えば互角、悪く言えば終始押され気味だったのに、ここでドラゴンって・・・・・・。
「確かに私たち悪魔で勝てないでしょう。それでも私たちは戦わなくてはならない」
グレイフィアの言う通りだ。これからも生きていくためには戦って勝ち続けなくてはならない。
それがこの戦争を始めた側が生還するための最低条件と言えるだろう。
でもその最低条件ですら今の私たちでは満たすことが出来ない。
「生き残れるのかな、私たち」
「弱気な発言ですね。まぁ、今回は仕方がないでしょう」
圧倒的に不利な状況に直面しているのにグレイフィアに悲壮感はない。
「でも、意外と何とかなりそうかもしれませんよ」
グレイフィアが言ったことが信じられない。悪魔は今、あっちもこっちも敵だらけで、四面楚歌状態だ。
戦力の差が激しい。唯一、全ての敵を相手取ることの出来るのは、ヨルムンガンドだけであろう。
しかし、今このタイミングでヨルムンガンドの配置を変えるのは得策ではない。私たちは今、ヨルムンガンドが抜けたところをカバー出来るほどの兵数がいない。恐らくヨルムンガンドがドラゴンの相手をしている間に戦線が崩壊して、悪魔が敗北するだろう。
一体どうしてこの最悪の状況を覆せると言うのだろう。
まぁ、弱者である私がこのような事を考えても意味はないのであろう。
「その顔は信じていませんね。これが本当にどうにかなるかもしれないんですよ」
「やけに自信があるようだな」
「それはそうです。だって、今回私たちが相手をするのはドラゴンだけですから」
ん?どういう意味だ。私たちが今相手にしないといけないのは、天使、堕天使、ドラゴンのはずだ。しかし今、グレイフィアはドラゴンだけと言った。
「まさか・・・・」
一つだけ心当たりがある。だが、それはあまりにもあり得ない事だ。
この戦争を始めてしまったのは悪魔だ。それなのにそんな事が許されるのだろうか。いや、許されるはずがない。
私の葛藤など気にせずにグレイフィアは続きを話す。
「私たち悪魔は限定的ですが天使、堕天使と共闘し二体のドラゴンと戦うことになりました」
「やはりそうなるか。だが、そんな事可能なのか。私たち悪魔は多くの天使と堕天使を屠ってきた。それがピンチになったからといって助けられるのは如何様な物なのか」
「ソフィアは難しく考えすぎです。いいですか。ドラゴンの力は強大です。それこそ私達、悪魔の全勢力をぶつけても恐らく勝てないでしょう。でもドラゴンが敵視しているのは、私達悪魔だけなのでしょうか」
違う。ドラゴンに対しては悪魔、天使、堕天使など所詮は羽虫程度にしか思われていない。
でも考えてみてほしい。もし、自身の周りに羽虫が飛んでいたらどう思う?
きっとそれは不快に思うはずだ。
恐らくだがドラゴンが敵視しているのは悪魔だけでなく、天使、堕天使も含まれているのだろう。
「気付いたようですね。今、ドラゴンは悪魔だけの敵ではありません。悪魔、天使、堕天使がバラバラに相手取って勝てる相手ではない。だから協力関係を築くのは至極当たり前の事です」
私はその当たり前の事が信じられない。協力関係を結ぶまでは殺し、殺されの関係だったのだ。お互いに少なくとも憎んでいるのは間違いないだろう。それなのに供に戦う事が、背中を預ける事が本当に出来るのだろうか。
「ソフィアの不安は分かります。ついこの間まで敵だった相手をどのように信じればいいのか。それは私にも分かりません。でも私たちは力を合わせてドラゴンを倒さないと生き残れない。これだけは確かな事です」
悩んでいても仕方がないか。今出来る一手はこれしかないのだろう。
私はまだ死にたくない。グレイフィアの告白に答えていない。だから生き残るためならば、天使、堕天使でも受け入れよう。
「決意は決まったようですね」
「そうだね。私は今この時決断した。グレイフィア、供にこの戦場で生き残るぞっ!・・・・・・・・・て、言っても動けない私は何もできないけど」
グレイフィアの灰色の瞳を覗く。
力強い目だ。決意に満ち溢れている。
そんな彼女の事を頼るしかないのが少し悔しいと感じた。
「私に任せてください。ソフィアの分は私が頑張りますから」
「それは男としてどうなんだ。まぁいいか。それより悪魔はどのように動くつもりなんだ」
「私達悪魔は、全勢力を持ってドラゴンを迎え撃つつもりです。編成は次のようになっています」
グレイフィアが一枚の紙を私に見せてくる。どうやらその紙に小隊の編成の内容が綴られているらしい。
・・・・・・・・えっ!?
「グレイフィア、何で私の名前が小隊リーダーの所に記載されているの」
「あー、それはですね・・・・」
グレイフィアが苦虫を噛み潰したよう表情を浮かべる。
その顔を見て全て理解した。
「悪魔側はそれ程までに余裕がないんだ」
「そうですね。そしてソフィアの小隊の役割は―――」
グレイフィアが続きを言うのを戸惑った。
まぁ、流石に本人の前では言いにくいか。
「無理して言わなくてもいいよ。そうか、私たちは贄か」
私の部隊は皆、身体的ケガや心に深い傷によって戦場に立てなくなった者たちのみ構成されていた。配置場所はヨルムンガンドと同じ所だ。
ここまで言えばもう分かってしまうかな?
そうだ。私達はヨルムンガンドが更なる力を蓄えるための食糧になることが役割の様だ。
戦えない兵士は戦場には不要なのだろう。残酷な言い方だが的を射ている。
「ソフィア・・・・・」
「そんなに悲しまないでよ。私は生きる事を諦めない。まだまだグレイフィアと話したいことがあるんだ。だからきっと大丈夫。私は生き残るよ。それに危険なのはグレイフィアも同じでしょ」
グレイフィアは今回最前線でドラゴンと戦わなくてはならない。危険度で言ったなら相当な物になっている。
「そうですね。確かに危険ですね。でも私はソフィアより強いから大丈夫」
「その自信は一体どこから来るのやら。それじゃお互いに約束しよう」
「そうですね。勿論約束する内容は―――」
「「絶対に生き残って、また会おう」」
グレイフィアと声が重なる。その事がどうしようもなく嬉しかった。
グレイフィアも私と同じ思い。その事を再確認でき、彼女と繋がっているようで思わず頬が緩む。
それから私達は何気ない事を話し続けた。
お互い、これが最後だと分かっていたのだろう。
今日を持って穏やかな日々は終わりを告げる。
どうしようもなく青臭かった刹那が終わる。そのことは確かに悲しい。でも、いつまでも子供のままではいられない。だから、私達は進まなくてはならない。
それがきっと生きるってことなのだから・・・・・。
「グレイフィア・・・・・もういいよ。覚悟は決まった。本題に入ろうか」
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