ハイスクールD×D 黄昏で君ともう一度 更新停止 作:〇〇〇もげろ
分かっています。なかなか時間が取れないでござるよ
「ぐっ」
攻撃の衝撃によって吹き飛ばされる。それだけの魔力を雷槍につぎ込んだ。威力だけで言えば、先ほどまで放っていた魔力弾とは段違いの威力を誇っている。
これで全くダメージがなかったらアルビオンの攻略は更に難易度が増すだろう。
手ごたえは確かにあった。固いものを貫き、肉を裂く感触がありありと手に伝わってきた。
槍の威力で舞い上がった砂ぼこりが晴れていく。
いや、中からの暴風によって強引に散らされた。
「あまり調子に乗るなよ、この羽虫があぁぁぁ!!!」
「やっと、僕たちの事を認識したな。そうだお前が戦っている相手は、お前を傷つける事の出来る羽虫だ。あまり舐めていると瞬殺するぞ」
アルビオンの体から赤い血が流れている。今まで傷一つ付けられなかった筈の鎧が破損した。
そのことがよほど気に入らなかったのか、先ほどの余裕を廃しこちらに殺気を叩きつけてくる。
だが、恐れる必要など何処にもない。こちらの攻撃は通る。傷を負わせることが出来るのだ。だったら勝つことも出来るはずだ。後は、それを可能とするための武器を用意すればいいだけだ。
「トワ、僕の魔力が尽きるまでひたすら魔法を発動してくれ。補助頼んだよ」
さっきの攻撃ではっきり確信した。
アルビオンは認識外からの攻撃を半減させることは出来ない。あの半減の能力は自動的な物ではなく自分の意志で発動しなくてはならない。
だったら、アルビオンが認識できないほど加速して攻撃をすればいい。
先ほどよりも雷を濃く纏い、アルビオンに突撃する。
その速度は先ほどよりも速く、荒野を縦横無尽に駆け巡る。狙い目はアルビオンの背中。
駆けながら二本の雷槍を再び掌に顕現させる。先ほどの攻撃によってできた亀裂を更に広げるために今度は細く鋭く、意識しながら収束させる。
「うろちょろ、飛び回るな」
アルビオンの体から紫の霧が立ち込める。
周囲の空気が不自然なほど重く感じる。恐らくあの霧は毒だろう。それにかなりの毒素を含んでいるのだろう。その影響か奴の周りの地面が毒の沼地のように侵されている。
これでは追々と近づくことが出来ない。
だったら―――
「ふんっ」
遠距離攻撃を試してみる。
アルビオンの目に狙いを定めて雷槍を投げつける。
近づけないのであれば遠距離からの攻撃に頼る他ない。だが、恐らく効果は見られないだろう。ゼロ距離からの攻撃でなくては、この槍は威力不足だ。
アルビオンは雷槍をブレスで掻き消した。
奴が使用する力は今のところ半減と毒だけだ。それだけならば、まだやりようがある。
「トワ、じゃんじゃんいくよ」
再び高速移動戦に持ち込む。アルビオンの土俵で勝つことなど出来はしない。だから自身の持つもっとも得意な分野である速さ勝負の土俵まで引きずり込む。
だが、アルビオンも完全に僕を見失う事はなかった。徐々にだが目が慣れ始めて追いついてきている。
魔力弾の弾幕を張り巡らせる。
「貫けっ」
張り巡らした弾幕と今生成した雷槍を、乱雑に狙いを定めて放つ。
数十個の魔力弾と槍がアルビオンに襲い掛かる。大気の空気を巻き込み、槍はその回転数を上げていく。
―――Divide―――
それは何時かの繰り返しである。放たれる魔法どもがどれも半減されアルビオンには届かない。
やはりアルビオンを打倒するには超高速での接近戦しかないのであろう。それも相手の認識外からの攻撃でなくては全て半減される。
だが、アルビオンに接近するという事は、奴が出す毒の地獄の中で戦うという事だ。そんなものは、生きている生物にはどだい無理な話だ。
だが、生き物でなかったとしたらどうだろうか。通じる可能性は十分にあるのではないか。
「トワ!!!」
僕の掛け声だけで僕が何をしたいのか、即座に判断したトワは次なる魔法の行使を試みる。
自身が雷になっている姿をイメージする。
速く誰よりも速く突き進む、青白い稲妻。貫けない物などこの世にはなく、また誰にも干渉されない最強の存在。
イメージすれば後は簡単だ。トワがそのイメージを元に魔法を完成させてくれる。僕だけではまだ辿り着けない魔道の極地だ。だが二人ならばその場所まで至れる。
『「概念兵装―――
現実の世界との境界線があいまいになる。世界が明瞭化し全てが遅くなる。それと並行し頭痛が襲い掛かる。恐らくだが、今頭の中では膨大な量の情報が処理されているのだろう。膨大な情報の処理によってかかる負担がこの頭痛の正体なのであろう。
しかしそんな物を気にしている暇などない。
どれほど能力に違いがあるのか確かめるために、地面を思いっきり蹴って前に加速しようとする。
「えっ?」
アルビオンの眼前に移動しようと思ったのに、移動した先はアルビオンとかけ離れた場所に移動してしまった。
速すぎるのだ。
自身の感覚器官ではとてもではないが加速の変化に付いていけない。先ほどまでの高速戦闘など幼稚なものであったかのように、劇的に変化した加速。
不味い、非常にまずい。
今の僕では逆立ちしても使いこなす事など出来ない。使いこなせないのであれば、それは重りでしかない。
でも、―――
『そうだよ。そのために私がいるのだもの』
―――僕達ならば使いこなしてみせる。
今度こそアルビオンに届かせるために、再び駆けだす。景色が目まぐるしく変化した。
体中の感覚を冴え渡させる。
感覚を研ぎ澄まさせろ。
この状況をひっくり返すために、自身を適応させる。
チカチカと視界が明滅し、鼻の奥から何か生暖かい物が広がっていく。
瞬時に変化する景色という暴力的な情報を強引に頭に詰め込んで処理しているせいか、脳は今までにない程に稼働する。一歩間違えば、即廃人コース一直線だ。
だが、そうはならない。
トワがその事を許すはずがないのだ。彼女は自身の全てを使って膨大な量の情報を片端から処理をしていく。
だから、この結果は当然であったのだ。
「とらえた」
もはや高速ではなく、転移のようなものである。二度目の挑戦により、アルビオンへの肉薄に成功した。
アルビオンはまだこちらの存在に気づいてはいない。
僕は再びアルビオンの意表を突き、出し抜いた。相手に気づかれないように殺気を極力抑え、息を殺す。
己の掌に雷を集中させ刃と成し、その無防備な後ろへ雷の刃を深々と刺し穿つ。
龍の鱗を魔法などの衝撃で破壊し砕くことは、今の僕には出来ない。だから何かとてつもなく鋭いもので鱗を貫こうとした。
一見派手さはないものの、確実に相手の肉までこの刃は届き少しのダメージを与えているのだ。
ならば、この攻撃にはきっと意味があるのだ。
塵も積もれば山となる。
その言葉を念頭に置き刃での刺突を繰り返す。少しずつだがアルビオンの白かった鱗は赤に染まっていく。
だが、それを容易く容認するほどアルビオンは愚かではない。
―――Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide・・・・・―――
アルビオンが手当たり次第半減にする。ありとあらゆる物が半分になっていく。半減という能力がアルビオンの体を覆い尽くしている様だ。
今の僕の体は雷というエネルギーの塊だ。アルビオンの半減は空気まで及んでいることから、今の状態の僕にも半減は通用してしまう。
だが、アルビオンの半減は僕の魔力を対象にせずに体の方を対象とした。
現にさっき体の半身を吹っ飛ばされた。瞬時に魔力で足りない部分を再生することが出来たが、これが生身の体だったと思うと血の気が引いてしまう。
毒だけでなく半減にも対抗するために雷化は決して解くことは出来ない。
アルビオンの体力が限界を迎えるか僕の魔力が尽きるか、かの我慢勝負だ。
「ぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
吠える。体の底から引き出すように魔力を練り上げ攻撃を繰り返す。今よりもっと速く鋭く刺突を繰り返す。
一筋の刃が幾多にも分かれているかに見えるほどの連撃が雨のようにアルビオンの鱗を削っていく。鱗が剥がれた個所からは血に濡れた肉が顔を見せ始める。
「ががががががぁぁぁぁぁ!!!」
アルビオンもまた同様に吠え、大気を震撼させる。痛みによる集中力はアルビオンの半減の発動を妨害する。だがそれは誤差の範囲でしかない。奴は龍であり、その事に誇りを持っている。そんな奴が、矮小な悪魔一匹などに負ける事など許すはずがない。ここで負け死んでは死にきれない。
強烈な意志により痛みをねじ伏せ半減を行使し続ける。
体が半分に四散する。魔力で再生する。下半身が霧散する。魔力で再生する。頭を残して消散する。魔力で再生する。吹き飛ぶ。再生する。消える。再生する。掻き消える。再生する。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。消える。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。再生する。―――
数えきれないほど繰り返しそれでも、僕とアルビオンは立ち上がり続けた。
こっちの魔力は完全にガス欠状態で、絞りつくしても後一回の魔法の行使で限界だ。
アルビオンの方も随分悲惨な状態である。ほとんどの鱗を剥ぎ取られた事により完全に肉だるま状態である。美しかった白は、今では赤一色に統一され、唯一奴の力強い青い瞳だけは例外だった。
「はぁはぁはぁ」
息が苦しい。いくら息を吸っても足りないように感じる。肺が痙攣を繰り返し正常に働いていない証拠だ。
ほとほと嫌になる。こちらは二人係で挑み、一生かかって辿り着くかもしれない領域の力を出しているんだ。言わばズルしている。
だがアルビオンは違う。奴は自分の力のみで戦っている。
どうやら認めるしかないようだ。
ドラゴンこそが最強の存在であることを。
だが、それでも僕にも譲れないものがある。
「確かにお前たち、ドラゴンは、最強の存在なのだろう。はぁ、はぁ、だが、それでも一対多では僕達悪魔、いや僕とトワの方が強い」
体に残存している魔力のカスを寄せ集める。少々以上に頼りない程しか集まらない。既に雷化は解けている。それにもう必要もない。アルビオンは毒を垂れ流すことも半減を行使することも出来ないほど消耗している。
寄せ集めの魔力で右手に雷槍を作成する。それはあまりにも希薄であり、すぐに霧散しそうなほど頼りない。
だが、今のアルビオンにはこれで十分だ。
「アルビオン、終わりにするか」
「ぐうぅぅ・・・・ぅぅぅぅ」
アルビオンは唸り声しか上げない。瞳は力強く見開かれているが意識が朦朧としているのだろう。
その姿は憧憬に値するものだ。それ故に、これ以上の醜態を曝させておくのは、僕もアルビオンも望みはしない。
右手で握りしめている雷槍を両手でしっかりと握り締め直し、アルビオンの方へ構える。
重たい足取りで大地を踏みしめながら駆ける。
相手は虫の息だ。外すことはしない。狙うは心臓。後一撃で終わる。
「彼女とこれからも生きるために、ここで死んでくれ。お前の死を持って幕引きとしよう」
アルビオンの胸に深々と雷槍を突き立てる。
深く深く、奴の心臓に届くまで穿て。
ねじる様に槍を捻り、肉を抉りながら進む。
後少しあと少しだ。
手に伝わる感触で、もうじき心臓に装着することを悟った。
―――Divide―――
「あっ!?」
雷槍が急に霧散した。
驚きが頭を支配する。
まだか、まだ倒れてはくれないのか。
目の前が黒く染まっていき、意識を保つことが出来ない。『
限界を超えて、トワに手伝って貰ってもまだ超えることが出来なかった。
「あ~あ、こんな幕引きか・・・・・。かなり悔しいや」
この悔恨を飲み干すには時間が少しばかり必要だな。はぁ、次目覚めたら大変だろうな。間違いなく女になっている筈だもん。
そんな場違いな心配を心に抱きながら、抗いがたい眠りに襲われる。
『おつかれさま、マリアンヌ』
もう聞こえない筈の誰かの声が頭に響き、その声に安心しながら僕は意識を手放した。
戦闘なんてなかったんだ・・・・・・・。
描いていて難しくて簡略化?しました。(*σ・ω・`*)ペロペロ
ん?
アルビオンが毒を使ったのが気に食わないだって?
作者はそこまで小説持ってませんので・・・・・そんな設定は頭の中にないのです。
はぁ、アルビオンの方はこれで一段落付きましたね。
次はドライグの方か・・・・・
どないしよ