ポケットモンスターXY 神に魅入られた悪使い   作:ヤマタノオロチ

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皆様、長い間お待たせ致しました。
だいぶ時間がかかってしまって本当に申し訳ありません。アニポケ・サンムーンが進んでいく中、こちらはまだ前半ほど。もっと頑張っていくのでどうぞ楽しんで読んでください。



竹林でポケモン捜索&ゲットだぜ!

ミアレシティから旅立ってカイト達6人は竹林の中で昼食を取ろうとしていた。折り畳み式のテーブルの上に並べられている料理はスパゲッティとサンドイッチだ。

皆それぞれ飲み物や椅子を用意するなど役割を果たしている中、ユリーカは少し離れた所にポケモン達のポケモンフーズを用意する。必要な数の分を出した後、ユリーカはワクワクしながらカイトとシノンの元にやって来る。

 

 

「カイトさん!シノン姉ちゃん!用意できたよ」

 

「おう、ご苦労さんユリーカ」

 

「良い子ね。それじゃ、さっそく見せて上げるね」

 

 

そう言って2人は腰に付いているモンスターボールを全て取り出した。

実はユリーカがカイト達の今いる手持ちのポケモン達を見たいと頼んできたのだ。2人で話し合ってちょうど昼食を食べるから良いと思って承諾した。

カイトのモンスターボールからはゾロア、プテラ、ハブネーク、ジバコイルが出てきた。

シノンのモンスターボールからはサーナイト、ミミロップ、ウォーグル、エーフィが出てきた。

グラエナとキュウコンも入れてそれぞれ5体ずつ手持ちに加えている。残る枠は新しいポケモンをゲットするためにわざと空けてあるのだ。

 

 

「うわ~~すっごーいーーー!!」

 

 

沢山のポケモン達を見て喜びの声を上げた後、ユリーカはポケモン達に挨拶したり撫でたりする。それと同時に昼食の準備が整い全員が椅子に座って美味しく食べ始めた。少し離れた所でポケモン達も食べ始める。この時、グラエナの傍にメスポケモンが寄って来てそれぞれがグラエナにあ~んをさせたりとラブラブなオーラが溢れていたのは余談である。

すると暫くしてポケモン達が何かの気配を感じて食べるのを止めて周りをキョロキョロと見渡した後、近くの茂みを見つめた。1体だけ食べ続けている者がいたが・・・(汗)

 

 

「どうした?」

 

「どうやらあそこから気配を感じる様だ」

 

「気配って、何かいるのかな?」

 

「ポケモンかも!」

 

「・・・グラッ!」

 

「ケロ!ケーロ!」

 

 

正体を探るためにグラエナがケロマツに何か言うとケロマツは大きくジャンプして茂みに向かいケロムースを投げつけた。すると茂みから驚いた声が聞こえ、中から2体のポケモンが飛び出した。やっぱりポケモンだったか。そう思っている間にサトシとユリーカがそれぞれ2体のポケモンの顔に付いたケロムースをタオルで拭く。

 

 

「ビックリさせてごめんな」

 

「今綺麗にしてあげるからね」

 

 

その様子を後ろで見ていたセレナが図鑑を開いてポケモンを調べる。

 

 

『ヤンチャム。やんちゃポケモン。敵に舐められないように頑張って睨み付けるが効果は薄い』

 

 

図鑑を見た後セレナは首を捻る。目の前にいるヤンチャムと図鑑の絵と違う事に疑問を感じたようだ。シトロンが理由を推測して言うとセレナはさらに文句を言う。

 

 

「もっと図鑑の絵を可愛くしてあげればいいのに」

 

「図鑑にクレームつける人、初めて見ました・・・(汗)」

 

「そう?図鑑があんなんじゃ可哀そうよ。そうでしょシノン」

 

「そうね・・・セレナの意見にも一理あるかな。けど全部の図鑑の絵がそう言う訳じゃないからね」

 

 

セレナの言葉にシトロンは苦笑いし、途中傍に寄って図鑑を覗いていたシノンが同意しつつ必ず違う事だと思わせないように返答した。そんな中ヤンチャム達は小走りで俺達から離れて行き、先日仲間になったハリマロンの前で止まり、目の前にあるポケモンフーズをじっと見つめる。

 

 

「ヤンチャ!」

 

「ヤンチャチャ!」

 

 

見つめられた事で驚いて食事の手を止めていたハリマロンにヤンチャム達は可愛さ満開の笑顔で話しかける。

 

 

「何て言ってるんだろう・・・?」

 

「ポケモンフーズを分けてくれって言ってるんじゃないかな?」

 

「兄様、この子達は何て言ったんですか・・・」

 

 

3人がそれぞれヤンチャムの言った言葉を考えるが分からず、シノンが俺に何て言ったか訊ねる。俺はヤンチャム達の言葉の意味を少し呆れながら言う。

 

 

「皆の食べ物を頂戴!・・・だとよ」

 

「皆の・・・?」

 

「つまり俺達が今食べている料理とポケモンフーズを全部欲しいと言う事だ」

 

「「「「「えっ!!?」」」」」

 

 

驚愕の真実のあまりサトシ達は一瞬呆然としてしまう。その瞬間、ヤンチャム達は素早く走り出して料理を食べ始めた。

 

 

「あぁ!おい、お前ら!?」

 

「ピカピカ!?」

 

「マズイ!全員でアイツらを止めろ!!」

 

「グオォーー!!」

 

 

グラエナを筆頭にカイトの手持ちポケモン達が慌てて止めようとしたが時すでに遅く、料理はヤンチャム達によって全部食べられてしまった。

 

 

「遅かったね・・・」

 

「リマリーマ!!」

 

 

セレナが唖然としながら言い、食いしん坊のハリマロンが空になったお皿を片手に持って憤慨するが、ヤンチャム達は満足な顔をしながら知らんぷりんしている。それを見て俺は度胸があるなと思いつつため息をつく。その間ピカチュウ、グラエナ、キュウコン、ゾロア、ケロマツ、フォッコが落ち込むハリマロンを慰めようと傍に近づく。

だがその時、空から突然大きな網が覆い被さり、そのまま上空に連れ去らわれてしまった。慌ててカイトとサトシが網を掴もうと走り出すが間に合わなかった。悔しい表情をしながら網が繋がっている先を見るとそこにはアニメを見た人ならお馴染みとも言えるニャース型の気球が空に浮かんでいた。そして乗っているのはあの5人組だ。

 

 

「「「「「ピカチュウとグラエナ!ゲットだぜ!!」」」」」

 

「ロケット団!?」

 

 

ロケット団は早々にこの場から立ち去ろうと気球を動かす。無論ポケモン達を盗られたまま黙っているカイト達ではない。

 

 

「逃がすか。ヤヤコマ、頼む!」

 

「プテラ、ジバコイル、行け!」

 

「ウォーグル、お願い!」

 

 

指示を受けた4体は飛び立って気球を攻撃しようとそれぞれ技を出そうとするが、コジロウのマーイーカの墨とロバルのエアームドの『エアスラッシュ』によって妨害される。4体がダメージを受けて墜落している間に気球は遠くの方に去ってしまった。カイト達はダメージを負った4体をボールに戻してすぐ荷物を持つ。

 

 

「今ならまだ間に合う。急いで追いかけるぞ!」

 

「分かった。行くぞ皆!」

 

「ええ!」

 

「はい!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「分かってます!必ず皆を助け出します!」

 

 

カイトとサトシを先頭に全員で走り出して、ロケット団の気球の後を追い掛ける。だがその途中、突然気球が爆発した。

 

 

「なんだ!?」

 

「突然爆発しました!」

 

「それじゃ、皆は!?」

 

「大丈夫だセレナ、微かだけど全員無事だった」

 

「本当ですか兄様!?」

 

 

爆発したのは上部分であったし、ポケモンの体は丈夫だから大丈夫だと心配するセレナとシノンを安心させる。そして次にどうやって捜し出すかを考える。落ちた場所が深い竹林であったから探すのが難しいと思っていた時、ユリーカの持っていたポシェットを見て思い付いた。

 

 

「そうだ!ここはデデンネに協力してもらう」

 

「えっ?デデンネに・・・?」

 

「そうか!最初にデデンネと会った時、ピカチュウと電気エネルギーで会話していた。それを使えば捜し出せると言う訳ですね!」

 

 

カイトの言った事を理解したシトロンが、デデンネの力を説明する。

 

 

「そっか!デデンネ、ピカチュウからの電気をキャッチしたら教えて!」

 

「デネッ!」

 

 

指示を聞いたデデンネはポシェットから出て、ピカチュウの電気を探そうとヒゲを動かしながら走り出すそれを頼りにカイト達はポケモン達を探しに竹林の中に入っていった。

 

 

 

 

 

その頃、空の上から竹林へ落ちたケロマツは運良く川の中に落下していた。落下したショックで気を失っていたがすぐに気が付き、他の仲間を探そうと水辺から上がった時、突然草むらが動き出す。ケロムースで変装するが現れたのはピカチュウだった。変装を解くケロマツにピカチュウはどこか慌てた様子で付いて来てと言って走り出す。

その後を追い掛けて向かってみた先にはゾロアとハリマロンがいたけど・・・。

 

 

「う~~ん!抜けないゾ~~~!!」

 

『痛い!痛い!もっと優しくやってーーー!!』

 

『・・・・・何をやっているでござるか』

 

 

今目の前で行われているのは、落下した時に頭から落ちて上半身が地面に埋まってしまったハリマロンの尻尾をゾロアが銜えて引っ張っていると言う状況だ。

呆れつつも理解したケロマツは、ピカチュウとゾロアと協力してハリマロンを地面から引っこ抜いた。何がともあれこれで4体が合流する事ができた。

 

 

『さあ、グラエナ、キュウコン、フォッコを見つけに行こう』

 

『了解でござる!』

 

『うん!』

 

「分かったゾ!」

 

 

ピカチュウ達が残りの仲間を探しに行こうとした時、突然上から誰かの声がした。

顔を見上げてみるとそこには竹林の枝に引っかかって身動きできないニャースがいた。

 

 

『ニャース!』

 

「ピカチュウ、助けてくれニャー!」

 

『えーー?』

 

 

今までの経験もあって嫌な表情になるピカチュウにニャースは懸命に説得する。悩むピカチュウにケロマツとハリマロンがそれぞれ意見を出す。

 

 

『ピカチュウ殿、信用してはいけないでござる』

 

『別に良いじゃん。助けてあげ・・・ってあああぁぁーー!?』

 

 

突然ハリマロンがある所に指を差しながら大声で叫ぶ。どうしたのかと思いながらピカチュウもその先を見つめると、なんとゾロアがニャースを助け出そうと竹をよじ登っていた。それを見てピカチュウ達は慌てて止めようとする。

 

 

『ダメだよゾロア!』

 

『危ないでござる!』

 

『早く降りてきて!』

 

 

しかしゾロアはどんどん登っていき、あと少しでニャースに手が届く位置までいく。

 

 

「待ってろ。今降ろしてあげるゾ」

 

 

そう言ってゾロアが前足を伸ばしてニャースの尻尾を掴んだ時、2体の重さに耐えきれなくなった竹の先端がボキッと折れてしまった。一直線に落ちて行くゾロアとニャースを受け止めようとするピカチュウ達の横を誰かが通り抜ける。

 

 

『よっと・・・大丈夫かゾロア?』

 

「えっ?あっ、ニー!」

 

 

通り抜ける者の正体はグラエナで、地面にぶつかる寸前のゾロアとニャースを背中で受け止めたのだ。グラエナに優しく下ろされた後、ゾロアはグラエナに抱きついて甘えだし、ニャースは深く頭を下げてお礼を言う。

 

 

「いや~~助かったのニャ。ありがとうございますニャ」

 

『別に構わん。ピカチュウ達も無事のようだな』

 

『グラエナも無事で良かったよ』

 

 

良い時に合流できたとピカチュウはホッと内心安心する。今いるこのメンバーの中でグラエナ程頼りになる者はいない。戦力は勿論だが、何より鼻が一番効く。

 

 

『グラエナ、キュウコンとフォッコが何処にいるか分かる?』

 

『あぁ、アイツらの臭いは覚えている。すぐに見つけてやるよ』

 

『その前にこやつはどうするでござるか?』

 

 

ケロマツが見つめる先にいるのはニャースだ。するとニャースは仲間と合流するまで休戦だと言う。

 

 

『休戦?』

 

「そうニャ。ここは共に助け合う事が必要ニャ」

 

『良いだろう』

 

『なっ!?グラエナ殿、いいのでござるか』

 

 

ニャースの提案をすぐに受け入れたグラエナにケロマツが抗議する。

 

 

『あやつは敵でござる!信用していいでござるか!?』

 

『今のコイツは1人だ。もし不審な行動をした時には容赦なく攻撃すればいい』

 

 

グラエナの言葉に渋々ケロマツが納得した後、ピカチュウ達はグラエナを先頭に歩き出した。

それから暫く歩き続けた後、小川の傍にいるキュウコンとフォッコを発見した。

 

 

『キュウコン!』

 

『フォッコ!』

 

『グラエナ!皆も!』

 

 

ピカチュウ達に気が付いた2体は嬉しそうに駆け寄る。さらにキュウコンはグラエナの体に強く抱きついて喜ぶ。大胆な行動を目の前にしてピカチュウ達は顔を赤くして、自分の目やまだ子供であるゾロアの目を両手で隠す。グラエナも同じ感じになるかと思えば、彼も優しい表情で抱きついていた。暫し彼らだけの世界ができる・・・はずがなかった。

 

 

「コラーーッ!!何明るい昼間からイチャイチャしているのニャー!」

 

 

ニャースのツッコミによって我に返ったグラエナはキュウコンから離れて行く。愛する者が離れていく事にキュウコンは寂しい表情をしていたのに気づかないままで。

兎に角全員合流できた。早くカイト達と合流しようとピカチュウ達は歩き出すが、キュウコンが待ったをかける。

 

 

『その前にフォッコの尻尾を綺麗にできないかしら?』

 

『お願い・・・』

 

「おみゃーはお洒落さんなのニャ」

 

 

今のフォッコの尻尾はボサボサで、所々が汚れていた。セレナと同じ綺麗好きなフォッコにとって大きな問題である。それを見てケロマツがケロムースを千切って丁寧にフォッコの尻尾に塗り込んだ。すると尻尾の毛は潤いを得てキラキラと輝きながら元通りになった。尻尾が今まで以上に綺麗になったのを見てフォッコは笑顔でお礼を言い、ケロマツは頬を赤く染めて照れた。

そしてピカチュウ達は今度こそカイト達を探しに歩き出すのであった。

 

 

 

 

 

ところ変わってこちらはロケット団。

気球が爆発した後彼らもいなくなったニャースを探して竹林の中を歩いていた。

ちなみに気球が爆発した原因だが、実はムサシ、コジロウ、ニャースのいつもの3人組が今回の作戦の手柄争いの為であった。さらに不幸は重なって探していた途中で遭遇したヤンチャム達をゲットしようとした時に彼らの仲間である進化形のゴロンダの技によって吹き飛ばされて体中を痛められてしまったのだ。

 

 

「まったく!あんたらには呆れるじゃーん・・・」

 

「チームで行動している以上、手柄は全員平等に分けられると言うのに・・・」

 

「だから!さっきから謝っているじゃないのよ!!」

 

 

先程から文句を言う2人にムサシが反論した時、突然何かに躓いて転んでしまった。

 

 

「お、おい・・・大丈夫かムサシ?」

 

「イタタ・・・何よまったく!?」

 

 

ムサシがぶつかったものを確認しようと振り向くとそこから何かが地面から出てきた。全員が驚きながら見るとそれは南瓜に似たポケモンだった。コジロウがすぐに機械で調べる。

 

 

「コイツはバケッチャと言うポケモンだ」

 

「ふ~ん、バケッチャね。こいつどうする?」

 

 

先程から胸の光る眼で辺りを照らしているバケッチャをどうするか、ミズナが尋ねたのと同時にムサシがモンスターボールを投げる。ボールは数回コロコロと動いて点滅した後に止まった。

つまりこれは・・・。

 

 

「やだゲットしちゃった!!」

 

「ウッソ~~!?」

 

「あり得ない。バトルをしていないのに・・・!?」

 

 

普通なら絶対あり得ない事が目の前で起きた事にムサシ以外のロケット団は呆然とする。

しかしこれにてロケット団に新たな戦力が加わったのであった。

 

 

 

そして再び視点はポケモン達の方に戻る。

ピカチュウ達はグラエナの嗅覚を頼りにカイト達を探していた。暫く竹林の中を進んでいた時、突然ピカチュウの電気袋に小さな電気が発生し、ピカチュウは足を止めて周りを見渡す。左右にいたニャースやケロマツ、先頭にいたグラエナとキュウコンがそれに気が付いて足を止めて様子を見る中、後方にいた残りのポケモン達はマイペースに待っていた。

 

 

「そんな物、美味しいのニャ?」

 

『ええ!』

 

 

美味しそうに木の枝を食べているフォッコを見て興味を持ったハリマロンが足元に落ちていた木の枝を拾って食べてみる。けどやっぱり口に合わなかったようで、ぺっと吐き出す。そして不味い物を食べた苛立ちを木の枝にぶつけながら投げ捨てる。

 

 

 

コンコンコン・・・グサッ!

 

 

木から木へと跳ね返った木の枝はあるポケモンの額に突き刺さった。それはロケット団をブッ飛ばしたあのゴロンダであった。

 

 

「ゴッダアァァーーー!!」

 

「またアイツニャアアア!!」

 

 

恐ろしい表情で迫って来るゴロンダを見てニャースは我先に逃げた。ピカチュウ達も慌てて逃げ出すが、ハリマロンだけ逃げ遅れてしまった。極限まで恐怖が高まってしまった為にハリマロンは目の前まで迫ったゴロンダの顔面目掛けて『ミサイル針』を放って当ててしまった。それを見た全員がさらに慌てる。怒っている相手に反撃するのは火に油を注ぐものだ。予想通りゴロンダは益々怖い顔になって両腕を振り上げたが、銜えていた笹の葉が黒焦げに散ってしまった途端に弱々しい顔になってその場に座り込んでしまった。

あまりの変わりようにピカチュウ達が疑問に思っていたら大食いコンビのヤンチャム達が文句を言ってきた。激しく言う2体にグラエナが落ち着くように言うとした時、背後からカイト達の声が響いた。

 

 

「グラエナ!!ゾロア!!」

 

「ピカチュウ!!」

 

「ガウガッ!」

 

「マーー!」

 

「ピカピ!」

 

 

ポケモン達はそれぞれ自分のトレーナーの元へ駆け寄り、胸に飛び込んだりして再会を喜ぶ。

 

 

「いや~~皆無事に再会できて良かったニャ」

 

「ニャース!?」

 

「何でアンタが一緒にいるの!?」

 

「細かい事は気にするニャ。それよりも問題はコイツニャ」

 

「・・・このポケモンは?」

 

 

ニャースがいた事に全員が驚くが、本人がさりげなく自分の事から後ろに座り込んでいるゴロンダを差す。見るからに元気がないゴロンダを見てカイトはすぐに図鑑を開く。

 

 

『ゴロンダ。強面ポケモン。ヤンチャムの進化形。気性が荒く、喧嘩っ早い。口に銜えた笹の葉は感覚器官の役割を持ち、周囲の動きを読み取る』

 

「これまた図鑑と違う・・・」

 

「だが悪タイプと言うなら今ゲットしてやる」

 

「待ってください兄様!今はゲットよりも何故ゴロンダが元気のない理由を調べるのが先です」

 

 

隣で図鑑を覗いていたセレナが違和感を感じて首を捻る。だが俺は気にせずに空のモンスターボールを取り出してゲットしようとする。それをシノンが止めて、さらにヤンチャム達が目の前にやって来て訴え出す。

 

 

「「チャムチャム!ヤーチャ!」」

 

「・・・何だと?」

 

「カイト、ヤンチャム達は何を言っているんだ?」

 

 

怒りを纏わせながら激しく言うヤンチャム達の声を聞いて驚く俺にサトシが尋ねてきたので通訳する。

ヤンチャム達の言った内容は、ゴロンダが元気ないのはハリマロンのせいである事、元気を取り戻すにはこの先の岩に生えているお気に入りの笹の葉が要るとの事だった。理由を知ったサトシ達はすぐに取りに行くと言い出したので、最終的に全員で取りに行くと決めた。ヤンチャム達は1体が案内役、もう1体が留守番役と決めた。この時、ニャースが残ると言って少し一悶着が起きたが、ニャースだけでは何もできないのと早く戻ってくれば大丈夫と話し合って、ヤンチャムを先頭に竹林の奥へ向かって行った。暫く走った後、辿り着いた場所は崖に囲まれた岩場だった。目的の笹の葉は崖の上の端っこに生えていた。

 

 

「あんな所に・・・」

 

「あのゴロンダがよく銜えようなんて思ったわね」

 

「拘りって事でしょうか」

 

「それよりどうするの?」

 

「俺が行く!」

 

「待ってください!危険ですよ!」

 

「大丈夫だよ。行ける!」

 

「いいえサトシ、いくらなんでも此処を登るのは無理よ」

 

「此処は俺に任せろ。ジバコイル、出陣!」

 

 

登ろうとするサトシを押さえ、カイトは出したジバコイルにグラエナと一緒に乗っかって崖の上を上がって行く。そしてもう少しで笹の葉に手が届くと思った時、突然何かが襲い掛かって来た。咄嗟にしゃがみ、ジバコイルが大きく下がってかわす事ができた。

 

 

「うおっ!なんだ!?」

 

「ヒートト!ツキキ!」

 

 

体勢を立て直して振り返るとそこには剣にそっくりなポケモンが浮かんでいた。すぐにまた図鑑を開いて調べる。

 

 

『ヒトツキ。刀剣ポケモン。死者の魂が古代の剣に宿って生まれたらしい。人の腕に青い布を巻き付けて、命を吸う』

 

 

なるほど、ヒトツキと言ってゴースト・鋼タイプか。見た目もカッコイイし、何より強者の雰囲気が溢れている奴だ。そう思っていた時に下の方からヤンチャムが慌てながら声を出す。

 

 

「ヤチャヤチャ!チャムチャム!」

 

「・・・そうか、コイツはこの辺りを縄張りとしていて、笹の葉を取るには勝つしかないのか」

 

 

ヤンチャムの話を聞くとますますゲットしたくなった。下で心配するサトシ達に大丈夫だと伝えて、俺とグラエナはジバコイルから降りて崖の上に立つ。そしてヒトツキを指差して言う。

 

 

「ヒトツキ!今から俺のジバコイルと勝負だ。俺が勝ったらゲットさせてもらう。いいな?」

 

「ヒートト!!」

 

 

カイトの言葉を聞いたヒトツキは「受けて立つ」と言わんばかりの真剣な表情になって戦闘態勢をとる。だがこの時、隣にいたグラエナが少し不満そうな顔をしていたのは余談だ。

 

 

「よ~し!まずはジバコイル!ラスターカノン!」

 

「ジババッ!」

 

 

強力な『ラスターカノン』が一直線に放たれてヒトツキに命中するが、同じタイプの技であったので簡単には倒れず、すぐに体勢を立て直して『シャドークロー』を繰り出す。

 

 

「ジバコイル、金属音で動きを止めろ」

 

「ジバ!バルルルルーーー!!」

 

 

ジバコイルから放たれる『金属音』によってヒトツキは苦しみ出して動きを止める。その隙をついて止めの指示を出す。

 

 

「終わりだ。放電!」

 

「ジバババッ!!」

 

 

前に受けた『金属音』の効果もあって『放電』が命中するとヒトツキは目を回しながら落下して地面に倒れた。

 

 

「よし!行け!モンスターボール!」

 

 

カイトの投げたモンスターボールはヒトツキに当たり、モンスターボールは数回揺れた後音を鳴らして止まった。

 

 

「よーし、ヒトツキ、ゲット完了!」

 

「グガウゥッ!!」

 

「ジバッ!!」

 

 

グラエナとジバコイルと共に喜び合いながら笹の葉を取ってすぐにサトシ達と合流し、急いでゴロンダの元へ引き返した。しかし戻ってみるとそこにはロケット団が仁王立ちで待ち構えていた。彼らの後ろにはヤンチャムとゴロンダがイトマルの糸で縛り上げられていた。

 

 

「ロケット団!?」

 

「ニャース!やっぱり貴方!」

 

「ニャハハ!ニャーも仲間と感動の再会を果たしたのニャ!」

 

 

仲間と合流できて機嫌良いニャースが笑った後、ロケット団はゴロンダ達を人質にしながらピカチュウとグラエナをこちらに渡すように脅す。無論そうはさせないとカイトとシノンはボールに入れていたポケモン達を出して数を増やす。しかしロケット団は余裕そうな雰囲気であった。

 

 

「見なさい!本日ゲットしたてのホヤホヤ。ロケット団の新戦力!」

 

「チャッチャチャ!」

 

 

ムサシが投げたモンスターボールから出て来たのは先程ゲットしたバケッチャだ。図鑑で調べて草・ゴーストタイプである事を知る。

 

 

「バケッチャ、宿り木の種!」

 

「チャバッ!」

 

 

バケッチャは口から無数の種をポケモン達の足元に飛ばす。すると地面から蔓が伸びてポケモン達の体に巻き付いた。そして動きを封じたのと同時に体力を奪い始めた。カイト達が何とか取ろうとするができなかった。

 

 

「どうすればいいの・・・?」

 

「サトシ、ポケモン達は俺に任せろ。お前は持って来た笹の葉をゴロンダに銜えさせるんだ。そうすれば何とかなる!」

 

「分かった!見ろ、ゴロンダ!お前の好きな笹の葉だ!」

 

 

ヤンチャムの傍に落ちていた笹の葉をサトシは拾ってゴロンダに見せた後、全速力で走り出した。それと同時にカイトはまだモンスターボールに入れたままであったヒトツキを出した。

 

 

「ヒトツキ、切り裂くでグラエナ達の蔓を切るんだ!」

 

「ヒートト!」

 

 

剣の部分を光らせてヒトツキは左右に振るう。ポケモン達の体に巻き付いていた蔓は次々と切れて解放された。迫って来るサトシとポケモン達が解放されていくのを見てロケット団は焦り出し、妨害しようとマーイーカとシシコに攻撃を命じる。それを見てピカチュウは身動きが取れるポケモン達に援護してくれと指示を送る。

 

 

「ピーカ!ピカチュウ!!」

 

 

指示を聞いたポケモン達は頷く。マーイーカの『サイケ光線』をピカチュウの『10万ボルト』が、シシコの『火炎放射』をグラエナの『悪の波動』で防いだ。それにより発生した爆風の中をサトシはよろめきつつも走り続けた。

続いて妨害しようとバケッチャの『シャドーボール』とカメテテの『ロックブラスト』をケロマツの『水の波動』とホルビーの『マッドショット』とキュウコンの『火炎放射』で防ぐ。今度はこっちの番だと言うようにフォッコとハリマロンが『火の粉』と『蔓のムチ』を放つ。ロケット団はソーナンスで防御しようとするが、技は彼らではなく、目の前の足元に当たった。砂煙が舞い上がって視界が遮られる中、サトシだけは目標を見失わずにロケット団の真上を飛んでゴロンダの口に笹の葉を入れた。

 

 

「どうだ・・・!」

 

 

全員が見つめる先には、力を取り戻したゴロンダが雄叫びを上げて糸を引き千切る。そして振り返るように『アームハンマー』をロケット団目掛けて放った。

 

 

「ゴッロンダアアァァーーー!!」

 

「「やな~~」」

 

「感じ~~!!」

 

「ソーナンス!」

 

「「うわああぁ~~!!」」

 

 

強力なパンチをくらったロケット団はいつものように吹き飛んでいった。

『宿り木の種』による蔓もヒトツキのおかげで切れてポケモン達は全員解放されて喜ぶ。

 

 

「ありがとうゴロンダ!ヒトツキ!」

 

「おかげで助かりました」

 

「笹の葉の効果って凄いのね・・・」

 

 

元気になったゴロンダとポケモン達を助けてくれたヒトツキにシノンとシトロンはお礼を言い、セレナは笹の葉の効果に驚いていた。

その後ゴロンダにお礼と同時に改めて笹の葉の事を謝るが、ゴロンダは特に気にしていないと言うのであった。

そして夕方、ゴロンダとヤンチャム達に案内されて竹林の出口へやって来たカイト達は彼らに笑顔で見送られながら次の目的地へ出発した。だがその途中で・・・。

 

 

「そう言えば俺達、昼飯の途中だったんじゃ・・・」

 

「ピカ・・・!」

 

「そう言えばそうでしたね」

 

「思い出したら何か・・・お腹が急に・・・」

 

 

昼飯をヤンチャム達に食べられてから何も口に入れていなかった。その瞬間、皆のお腹が鳴る。

 

 

「やれやれ、もうすぐポケモンセンターに着くからこれで我慢しな」

 

「お、オレンの実か。サンキューカイト。よーし!それじゃ急いで行こうぜ!」

 

 

手持ちにあったオレンの実を皆に配って食べた後、ポケモンセンター目指して歩き出すのであった。

 




どうも皆さん、ヤマタノオロチです。
今回はカイトに新しいポケモンが加わりました。次はシノンちゃんかな♪手持ちにしたいと思うポケモンなどがいたら教えて下さい。
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