ポケットモンスターXY 神に魅入られた悪使い 作:ヤマタノオロチ
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セキタイタウンに辿り着き、最後の試練を突破して無事ルカリオナイトを手に入れたカイト達。
そしてコルニは手に入れたルカリオナイトをルカリオに渡し、キーストーンに触れてメガシンカを試す。
「ルカリオ・・・メガシンカ!!」
コルニが大きく叫ぶと彼女の持つメガグローブのキーストーンとルカリオナイトから光が現れて、2人の間で結び合う。光が強くなるにつれてルカリオがオレンジ色の光に包まれ、光の中でルカリオの姿は徐々に変化していく。体が一回り大きくなって両手両足に2本の棘が生えて、頭の4本の房が長く伸びた。
そして光が消えるとそこにはコルニが待ち望んでいたメガルカリオの姿があった。
「変わった!カッコイイーーー!!」
その姿を見たコルニは瞳を輝かせながらメガルカリオの元へ駆け寄る。カイト達も初めて見るメガルカリオの姿を興味津々に見たり、観察したりする。
一方メガルカリオは、メガシンカした事で自分の体内に溢れる波導が以前よりも遥かに高くなっているのを感じ、試しに右腕を横に振るう。
すると周囲に波導を伴った風が発生して、その場にいた全員の髪や服等を大きくはためかせた。
「OKルカリオ!私、アンタの波導をビシバシ感じる!最強な上にも最強だよ!これよこれよこれよ!これを待ってたの!!」
余程メガシンカができた上に予想以上のパワーアップした事が嬉しいのか、コルニは喜びのあまりメガルカリオに抱き着いた。
そんな2人にカイト達は祝福の言葉を掛ける。
「やったなコルニ、ルカリオ!」
「ピカ!」
「メガシンカおめでとう!」
「凄い迫力!」
「感動的です!2人の努力が遂に実を結んだんですね!」
「これで目標達成だな」
「ガウ!」
「えぇ、メガルカリオの姿をちゃんとメモさせてもらったわ」
「コーン!」
「皆、ありがとう!」
全員から祝福の言葉をもらってコルニは心の底から嬉しい気持ちになる。そして少し離れた所で見ていたコンコンブルの元へ嬉々として駆け寄ってこれまでの事を報告する。それを聞いてコンコンブルは優しい表情で頷きながら孫の頑張りを認め、隣にいたマキタも「シャラジムの将来は安泰だ」と褒めた。
それらを見てコルニは益々嬉しい気持ちになり、再びメガルカリオに抱き着く。するとここである事を思い付いた。
「そうだサトシ!今此処で私達とバトルしてくれないかな?ルカリオがメガシンカしてパワーアップした波導の力を試したし、前のバトルのリベンジも果たしたいから!」
「いいぜ。シャラジム挑戦前の良い腕試しだ!」
「ピッカ!」
突然コルニからバトルの誘いを受けたサトシだが、すぐさま承諾して石門の前の手頃な広さの場所へ移動する。またカイトが再び審判を務める事となり、両者の間に立つとバトルが開始した。
この時ゾロアがまた勝手にボールから出て、一緒にバトルを観戦する事になったのは余談だ。
「どちらも準備いいな?それじゃ、バトル開始!!」
「行くよルカリオ!今度こそサトシに勝つんだから。ボーンラッシュ!」
メガルカリオは頭上で両手を合わせて『ボーンラッシュ』を作り、そのまま2つに割って二刀流で攻める。
「迎え撃て!アイアンテール!!」
向かって来るメガルカリオに対してピカチュウは体を回転させながら『アイアンテール』を放つ。それを右の『ボーンラッシュ』で受け止めようとしたメガルカリオだったが、最初のバトル同様ピカチュウのパワーに負けて振り払われてしまう。そして2体が体勢を崩して倒れている間『ボーンラッシュ』はブーメランのように飛んで岩山に衝突し、大爆発を起こしながら岩肌を傷つけた。
その威力にサトシとコルニ達は勿論、カイトですら驚いた。
「コイツは凄いな。メガシンカによってあれ程パワーアップするなんて・・・俺もちょっと手に入れてみたいと思ってきた」
「ガーウ・・・」
カイトの呟きを聞いてグラエナは頷く。すると突然隣にいたゾロアがグラエナの背中に乗っかってカイトに飛びついた後、目をキラキラ輝かせながら告げた。
「だったらマー!オイラが最初にメガシンカ・・・あっ、ニーが最初で、オイラ2番目にメガシンカしたいゾ!」
「おや?1番でなくていいのか?」
「うん!だってニーがマーの1番の相棒なんだからオイラは2番だゾ!」
「そうか・・・その事をちゃんと覚えていて偉いぞゾロア」
「ガウガウ」
「えへへへ~~」
上位関係を理解しながら言うゾロアをカイトが褒めると、ゾロアは嬉しい表情になって再びグラエナの背中に乗っかってそのまま甘え出した。その様子をカイトが優しく見つめた後、再びバトルフィールドへ視線を戻した。
そこではメガルカリオが『グロウパンチ』で攻撃しようとするが、ピカチュウの『電光石火』による攪乱で攻撃ができなかったり、躱されたりしていた。
「ヴヴヴゥ・・・」
その事にメガルカリオは段々と苛立ち始め、先程とは別人と思えるくらい敵意と殺意が籠った目でピカチュウを睨みつけた。
「ピッ・・・!?」
「何だ・・・?」
「ヤバイな・・・」
「ガウ・・・」
「ニー、オイラ怖いぞ・・・」
その目を見たピカチュウは恐怖を感じ、対峙していたサトシや審判していたカイト、シノン達も異変に気がついた。
だがコルニはその事に気付かず、そのまま指示を出す。
「ルカリオ、もう一度グロウパn「バヴヴヴヴヴヴゥゥゥーーー!!」・・・えっ?」
メガルカリオはコルニの指示を消すくらい大きく叫んだ後、目に見えぬ程のスピードでピカチュウに接近して勢いよく蹴り飛ばした。ピカチュウは石門の1つにぶつかった上に、かなり強く蹴られた事で石門にめり込んで身動きが取れなくなってしまった。そこへメガルカリオがまた指示も無く自己判断で『グロウパンチ』を放ってピカチュウを石門ごと殴り飛ばした。それを見て誰もが驚愕し、コンコンブルは眉を顰めた。
「ガアアアアアアァァァァーーー!!!」
しかしメガルカリオはそれによりさらに興奮して、瞳孔が大きく開き、鋭い犬歯を剥き出しに咆哮を轟かせる。そして必死に立ち上がろうとするピカチュウに接近し、尻尾を銜えて勢いよく振り回した。
「ちょ、ちょっとルカリオ!」
その様子を見てコルニは驚きながらも止めようとする。しかしメガルカリオは全く聞かず、ピカチュウを勢いよく地面に叩きつけた。さらにそのまま蹴りを食らわせてブッ飛ばした。
最早それはバトルではなかった。
「ダメだよルカリオ!そんなのバトルじゃない!!」
コルニが必死に呼び掛けるが、メガルカリオにはその声が届いていなかった。そして地面に向かって落下していくピカチュウにさらに追撃しようと二刀流の『ボーンラッシュ』を作り、4本の房を立たせて構えながら迫った。
「ルカリオダメえええぇぇ!!!」
「ピカチュウ!!」
コルニが悲痛な叫び声を上げ、サトシがピカチュウを守ろうと駆け出す。だがメガルカリオの方が早い為、誰もがピカチュウに攻撃が当たると思ったが・・・。
ドッゴオオオオオオオオオォォォン!!!
「バウッ!?」
攻撃した場所にピカチュウの姿がなく、メガルカリオが周りを見渡すと少し離れた場所にピカチュウを口に銜えたグラエナの姿があった。どうやら『ボーンラッシュ』が命中する前に素早くピカチュウを助けたようだ。そしてグラエナはピカチュウをサトシの元まで連れて行って渡した。
「ありがとうグラエナ。ピカチュウ、しっかりしろ!!」
「ピ・・・カ・・・」
サトシの呼び声にピカチュウは弱々しくも返事をする。だが誰から見てもダメージが深く、戦闘不能寸前であるのは明らかだった。しかしメガルカリオは今度こそピカチュウに止めを刺そうと構える。コルニが何度も止めるように言うが、全く聞かなかった。それを見てカイトは2人を守る為、メガルカリオの前に立ち塞がる。
「サトシ、お前はピカチュウと一緒に後ろに下がっていろ。後は俺達がやる」
「あ、あぁ・・・すまないカイト。頼む」
「気にするな。ヘルガー、出陣!!」
「ヘール!!」
モンスターボールから出たヘルガーは素早くグラエナに頭を下げながら挨拶をした後、メガルカリオと対峙した。
「ヴヴヴゥゥゥゥゥ・・・ガアアァァッ!!」
「ヘルガー、攻撃してはダメだ。遠吠えでメガルカリオの動きを止めろ」
「ヘル!ヴヴヴヴヴォォォォォーーー!!」
「キャウゥゥゥッ!?」
突然現れたヘルガーに驚くメガルカリオだったが、すぐさま威嚇して攻撃しようとする。それを見たカイトはヘルガーに遠吠えするよう指示を出し、ヘルガーは力強く不気味な遠吠えをした。
それを聞いたメガルカリオは心の底から恐怖を感じて脅える。さらにサトシ達も同様に恐怖を感じて震えた。
「これは・・・!?」
「震えが止まらない!?ル、ルカリオ・・・」
「何なの、この遠吠え・・・?」
「お兄ちゃん、ユリーカ怖い」
「デネネ・・・!」
「ヘルガーの遠吠えは地獄の死神が呼ぶ声と言われていたと聞きます。まさにこの遠吠えこそそうだ!」
「だが恐らくこの遠吠えは通常のヘルガーの遠吠え以上の恐怖を感じるぞ」
「あぁ、これはもう勝負はついたようだ。見ろ」
コンコンブルが静かに言うと、メガルカリオはヘルガーの遠吠えによる恐怖にとうとう耐え切れなくなり、その場で気絶して倒れ込んでしまった。
それに合わせてメガシンカが解け、元の姿に戻ったルカリオの傍に原石のままのルカリオナイトが転がった。それを見てカイトはヘルガーを褒めながらルカリオの元へ行く。
他の皆もルカリオの元へ駆け寄って心配する中、コンコンブルは倒れたルカリオの頭を人撫でしてからルカリオナイトを拾ってマキタに渡した。
「ルカリオ・・・どうしちゃったのよ・・・」
コルニはルカリオの傍に寄って座り込み、不安な表情で見つめている。しかしいつまでもそのままでいる訳にはいかない為、カイト達は重苦しい雰囲気を漂わせつつもピカチュウとルカリオポケモンセンターへ連れて行った。
その後ポケモンセンターに辿り着いたカイト達は、2体をジョーイに預けてロビーで待機した。先程までの件もあって誰も何も話さず、ただ2体が回復するのを待っていると回復を終えたアナウンスが鳴り響いた。そして治療が終わって元気になったピカチュウをジョーイとプクリンがカートに乗せながら運んできた。しかしルカリオの姿は無かった。
「ピカチュウ!」
「ピカピ!」
カートからサトシの腕の中にピカチュウは飛び込み、元気よく鳴く。どうやら傷はなくなって完全に回復できたようだ。その姿を見てカイト達が安堵する中、コルニは未だ戻って来ないルカリオの事をジョーイに訊ねた。
「ジョーイさん、ルカリオは・・・?」
「もうちょっと待っててね。ルカリオはかなり消耗して、回復にはもう少し掛かるみたいなの。でも大丈夫、あと少しで元気になるわ」
「はい・・・」
まだ回復できないと聞いてコルニは再び不安な表情になる。そこへコンコンブルが歩み寄ってその原因について話した。
「消耗するのも無理はない。初めのうちは力に振り回される事もある」
「その力って・・・波導の事?」
コルニの疑問にコンコンブルは静かに頷く。それを見て彼女は顔を俯かせ、悲しい表情のままサトシとピカチュウに向き直った。
「サトシ、ピカチュウ、ごめん。私、どうしたらいいか分かんなくて・・・。あとカイト、グラエナ、ヘルガーも本当にありがとう。もしあそこでピカチュウがやられて、ルカリオがあのままの状態だったと思うと・・・」
「大丈夫だよコルニ。そりゃあ俺達もビックリしたけど・・・いきなり凄い力を持ったんだし、ルカリオも苦しかったんじゃないかな」
「ピーカチュウ」
「俺の方も同じだ。それに仲間を助ける事なんて当たり前の事なんだからよ」
「ガウガウ」
「ヘール」
「それにポケモンは進化すると言う事を聞かなくなる例も沢山ありますから、決してコルニのルカリオが特別と言うわけじゃないと思います」
次々と優しい言葉でフォローを入れてくれるカイト達にコルニは嬉しさで涙目になり、ぐっと口元を引き締める。
「元気出せよ、やっとメガシンカできたんだ!コルニとルカリオならきっと上手くいくよ」
「ピーカチュ!」
「・・・そうだよね。私のルカリオならすぐに力をコントロールできるよね。そしたら約束通りサトシとカイトと言いジム戦ができるよ!」
「何・・・?」
「ジョーイさん、ルカリオの事を宜しくお願いします!」
「えぇ、お任せ下さい」
少しだけ元気になったコルニから頼まれたジョーイは微笑みながら了承し、プクリンと一緒に治療室へ戻って行った。だがこの時、ロビーのソファーに座っていたコンコンブルがカイト達とジム戦の約束をしていると聞いて眉を顰めたが、コルニは気づく事がなく彼に訊ねた。
「ねぇ、おじいちゃんのルカリオも最初はあんな風だったの?」
「そうさなぁ。誰にでも初めてと言う事はあるからな。ただ・・・」
「何々?ただ、何!?」
「さっきのバトルはとても褒められたものじゃないぞ」
「うっ・・・でも、サトシ達も言ってくれてるじゃん!これからだよ!これから!」
鋭い眼光で睨まれて厳しい言葉を言うコンコンブルにコルニは一瞬怯むが、すぐに反論した。そこへマキタが帰って来て、コルニにルカリオナイトを加工した腕輪と再度プリントアウトした記念写真を渡した。2つを受け取ったコルニは大喜びし、マキタにお礼を言った。
その後カイト達は今後の事を話し合う為に全員集まって席に着いた。
「メガルカリオに何が起こったんでしょうか?」
「進化して初めてだから、バトルに集中し過ぎたんだよ」
「サトシとピカチュウはどう思った?」
「・・・最初にバトルした時とは全然違うポケモンと戦っているような感じだったな」
「ピカチュー」
「兄様はどうでしたか?」
「・・・俺もサトシと同じだな。ルカリオから放たれたあの殺意・・・尋常ではなかったからな」
「ガーウ」
「ヘルー」
「うん、私・・・何か怖かった」
「ネーネ・・・」
「オイラも怖かったゾ・・・」
「ワイルドになったんだよ」
「メガシンカと言ってもポケモンによっていろいろでな」
「俺達、この前チャンピオンのカルネさんに会ったんです!」
「カルネさんと言えば、パートナーのサーナイトがメガシンカするね」
「メガサーナイトにも会いました」
「同じメガシンカでも、メガサーナイトはメガルカリオとは全然違う印象です」
「うん・・・メガサーナイトは優雅で華麗って感じだった」
「でもメガルカリオはそれとは真逆の感じでした」
「あぁ・・・確かにメガルカリオは強くなったが、あれではバトルをしているとは言えないな」
それぞれがメガルカリオの事について感想を言うが、内容は皆暗い感じのものだ。カルネのメガサーナイトを見た事もあって尚更だ。それを聞いて居ても立っても居られなくなったコルニはコンコンブルに原因が何なのか訊ねた。
「お願いおじいちゃん!知っている事が教えて欲しいの!あの子が私の言う事を聞かなかったの、初めてだったんだよ?」
「・・・本当にそう思っているのかコルニ?」
「えっ?」
「前のサトシ達とのバトルやロケット団とのバトルの時も、ルカリオはコルニの指示無しに勝手に技を出して攻撃していたんだぞ?」
「ガーウ」
「それは俺も思ったぜ」
「ピーカ」
「私も同じよ」
「コーン」
「僕も気になっていました。何故トレーナーの指示も無しに勝手に技を出すんだろうと・・・」
「そ、それは・・・」
「フム・・・君達4人は優れた観察眼を持っているようだな。まぁ、カイト君やシトロン君は当然であるな。なにしろダークマスターとミアレジムのジムリーダーだかな」
「・・・えっ?えええぇぇ~~!?そうだったの!?」
「コンコンブルさん、あまりダークマスターとは言わないでくれると助かります。いろいろ大変な事になりますし、それに今の俺はカロスリーグに挑戦しているただのトレーナーですから」
「僕も今はサトシ達と一緒に旅をして修行している身ですから・・・。ともあれ、それもメガルカリオが暴走した原因の1つだと思うのです」
「で、でも!私達これまでずっと頑張って修行し続けて来たんだよ!それなのに・・・」
「それでもメガシンカによる力が、お前のルカリオには強過ぎたと言う事だ」
「強過ぎた?」
「メガルカリオは波導の強さが極限まで高まると考えられている。その為バトルしている間は全神経を集中させていて、戦いの事以外は考えない。その結果、強くなった波導が闘争本能を掻き立てる」
「・・・確かに本能だけで戦っていた。でもカイトのヘルガーの遠吠えを聞いた時、それが再び変わったけど?」
「あの時シトロン君も言ったが、ヘルガーの遠吠えは地獄の死神が呼ぶ声と言われるくらい恐れられている。それを聞いてメガルカリオの闘争本能が防衛本能に変わって防ごうとした。だがカイト君が育てたヘルガーは通常よりも恐怖を感じた為、耐え切れなくなって気絶してしまったのだろう」
「非常な性格にガラリと変わってしまうと言う例はあるにはあるんだからな・・・」
「そんな!?」
「じゃあコルニは、それをコントロールできるようにならなくちゃいけないと?」
「ピーカ?」
「そうだ。シャラジムのジムリーダーとしてなくてはならない力だ」
話がある程度進んでさらに話し合いが続こうとした時、突然カートを押す音が聞こえてきた。コルニが音がする方へ振り向くと、奥からジョーイとプクリンと一緒にルカリオが帰って来た。元気になって帰って来た相棒を見て、コルニはすぐさま立ち上がって抱きついた。
「ルカリオ!良かった・・・」
「バウ!」
「もう元気になりましたよ」
「ありがとうジョーイさん!気分はどう?OK?私の事、分かるよね?」
「バウゥ!」
元気に返事をしながら体を動かすルカリオを見てコルニは安心する。カイト達もルカリオが元気になって良かったと言う。そしてコルニは先程マキタから受け取った腕輪をルカリオに見せ、彼の左腕に装着させる。
「似合うよルカリオ!」
「本当!トレーナーとお揃いでアイテム付けるの羨ましいかも!」
「ネネネ~!」
「気に入ってくれたかな?」
「うん!これはルカリオのお守りだね」
「バウ!」
「ルカリオ、メガシンカっていろいろ大変だけど、私達ならモノにできる!メガシンカしたらもうこっちのもんなんだから!」
「バウウ!」
「・・・コルニ、ちょっと付き合いなさい。1つ、ポケモンバトルといこう」
「えっ?おじいちゃんとバトル!?久々だなぁ・・・!ルカリオ、次こそメガシンカを成功させるよ!」
「バウ!」
「・・・お前にはまだ、メガシンカと言うものが分かっていないようだ。表に出なさい」
厳しい声でそう言った後、コンコンブルは外へ出て行く。その後をコルニとルカリオは気合いバッチリと言う感じですぐに追いかける。それを見てサトシ達は不安な表情になり、シノンはこっそりカイトに近づいて耳打ちした。
「コルニの奴、大丈夫かな?」
「ピカピカチュ~」
「大丈夫だと思いたいけど・・・」
「どう思うお兄ちゃん?」
「あの様子では何とも言えませんね」
「う~ん・・・兄様、コルニはさっきの話についてちゃんと理解したんでしょうか?」
「・・・お前はどう思う?」
「私ははっきり言ってまだ分かっていないと思います」
「そうか・・・残念ながら俺も同じだ。アレではまた暴走するな」
「やっぱり・・・」
「ガウガーウ」
「コ~ン」
「マー・・・」
全員が不安な気持ちのまま外へ出る。
そしてお互いにルカリオを出してメガシンカにさせ、メガルカリオ同士のバトルを固唾を飲んで見守っていたが、結果は予想通りコルニのメガルカリオが暴走して彼女の指示も聞かず勝手に技を出しまくった後、コンコンブルのメガルカリオの『波導弾』を受けて戦闘不能になった。
その後コンコンブルはバトルの中で見抜いたコルニとルカリオの問題点を厳しく伝える。しかし2人は納得ができず反論してしまう。それにより・・・。
「バッカモーン!!!」
「ッ!?」
コンコンブルの怒りが爆発して辺り一面に彼の怒声が響き渡る。それを聞いてコルニだけでなくカイト達も震え上がらせた。
そして彼は厳しい声のまま2人に言葉を掛けた。
「お前に新たな修行を命じる。ムスト山に、儂が若い頃から世話になっていたトレーナーがおる。メガシンカするポケモンをパートナーにしている。きっとお前達が、メガシンカの先に何を見ればよいか教えてくれるであろう」
「・・・分かったよ」
コルニとルカリオは悲しい表情になって項垂れながら立ち上がる。それを見た後コンコンブルはカイトとサトシの所へ向かってある事を告げた。
「カイト君、サトシ君。君達に大変申し訳ないんだが、見ての通りコルニとルカリオは新たな修行に出る。その為シャラジムの挑戦は儂が変わりに受ける事にしよう」
「えっ・・・?」
「ピカ!?」
「それは・・・」
「ガウガウ?」
「なっ!?ちょっと待ってよおじいちゃん!サトシとカイトのジム戦は私達が受けるって約束してあるんだよ!!」
「バウバウ!」
「残念だがそれは無理だ。はっきり言ってお前達では2人の相手は荷が重過ぎる。どちらも凄腕のトレーナーであり、特にカイト君はダークマスターと言うチャンピオンと同等の強さを持っているんだ。さっきのヘルガーの遠吠えを受けて十分に理解した筈だ。そんな2人を相手に例えメガシンカをコントロールできるようになったとしても、良いバトルができるかどうか分からん」
「それは・・・」
「バウ・・・」
そう言われたコルニとルカリオは先程よりもさらに悲しい表情になる。そこへサトシがコンコンブルに言った。
「コンコンブルさん、お気持ちは嬉しいのですが・・・俺はコルニとジム戦をすると約束したんです。此処でコンコンブルさんとジム戦をしたら、コルニとの約束を破る事になります。そんな事、俺にはできません」
「ピカピカ!」
「俺も同じです。約束はきちんと守らなければなりませんし、折角強くなった2人とバトルしないなんて事は勿体無いですから!」
「ガウ!」
「サトシ・・・カイト・・・」
「そんな訳で、俺達もコルニ達と一緒に修行します」
「ピカチュウ!」
「俺も一緒に修行します!」
「ガウッ!」
「・・・分かった。2人がそう言うのであれば何も言うまい。コルニとルカリオの事を宜しく頼む」
「「はい!!」」
「ところで、ムスト山の場所は分かるかね?」
「大丈夫です!ムスト山への行き方はもう調べてあるわ」
「えぇ、準備も整っていますよ」
「サンキュー、セレナ」
「シノンもありがとうな」
「コルニ、ルカリオ、元気出せよ。強くなる為だ!」
「ありがとうサトシ。カイト」
「そうそう、皆で行けば修行も楽しくなるよ」
「私も行く!」
「デネ!」
「当然ながら僕も参加します!」
「2人のメガシンカをこの目で見届けたいです」
「コーン!」
全員が当たり前の事のように付いて来てくれる事にコルニは心の底から嬉しい気持ちになった。彼らがいなければずっと悲しい気持ちのままであったであろう。もしかしたらムスト山に行ってもメガシンカを成功させる事ができなかったかもしれない。
でも彼らと一緒ならば絶対に新たな試練を終わらせる事ができると確信しつつ、一行はムスト山に向かって歩き出すのであった。