ポケットモンスターXY 神に魅入られた悪使い 作:ヤマタノオロチ
ともあれ今回は、サトセレファンにとって好きな話の1つです。また最後ら辺であるハプニングが起こります。どんなハプニングが楽しみに読んで下さい。
感想と評価をお待ちしております。
プラターヌ博士が主催のポケモンサマーキャンプに参加する事になったカイト達一行。
1日目のポケモンバトル大会が終わった次の日、朝食を済ませた一同は海に向かった。
2日目のプログラム内容は釣り大会であったからだ。
そして各自用意された釣竿を持ち、海に向かって勢いよく釣り糸を投げ飛ばす。
「よーし!いっぱい釣るぞー!!」
「ピカピカ!」
「ケロケロ!」
「ポイントの高いポケモンを釣ろうぜグラエナ」
「ガーウ!」
「オーライ、僕達も負けないよ!!」
「ゼニゼニ!」
「ああ!やってやるぜ!!」
「ガラガラ!」
「私も絶対に大物を釣ってやるんだから!」
「ダネダネ」
「私だって頑張っちゃうんだから!」
「フォコ!」
「私達もね、キュウコン!」
「コーン!」
これまで何度か釣りをした事もあって、カイト達は次々と水ポケモンを釣り上げる。そしてある程度釣り終わった後、釣り上げた水ポケモン達からポイントの高いポケモンを選ぼうとした時、制限時間ギリギリでトロバがホエルオーを釣り上げた。
まさかの結果に皆が驚く中、ホエルオーを釣った事でティエルノ達のチーム・ゼニガメが高ポイントを得た。
そして現在の順位は1位がチーム・ゼニガメ、2位がカイト達のチーム・ケロマツと同位のチーム・ヒトカゲであった。
まだ逆転できるチャンスがあると分かり、次こそは高ポイントを取ろうとカイト達が決意していると、プラターヌ博士から3日目のプログラム内容はチームごとポケビジョンを作る事と発表された。ポケビジョンと聞いて一番張り切ったのは当然セレナで、彼女は発表が終わった後すぐさまコテージに戻り、考えたイメージをスケッチブックに描いて見せてきた。
「ジャジャーン!コンセプトはこれ!『仲間達』よ!!」
そこにはピカチュウ、フォッコ、ケロマツ、ハリマロン、デデンネ、ゾロアの6体が楽しそうに野原を駆ける姿が描かれていた。何故6体かと言うと、あまり多過ぎるのも大変と言う事から各チーム6体までとルールで言われたからだ。
「今回の主役はこの6体!本当はグラエナとキュウコンも入れたかったんだけど・・・」
「仕方ないさ。今回のポケビジョンで、ポケモンは6体までと言われているからな」
「うんうん、その変わりゾロアや皆の魅力がとてもアピールできるように尽くすからね。頑張ってゾロア!」
「うん!オイラ頑張るゾ!!」
「でもデデンネ、ちゃんとできるかな?」
「デ、デネェ・・・」
「大丈夫!自然体でいれくれればオッケーよ!綺麗にトリミングして、ポフレも用意するから、皆で頑張ろう!!」
「よし!1番狙おうぜ!!」
「今まで旅で経験してきたもの全て、今回のポケビジョンで活かせる訳ですからね」
「うん!」
「それじゃあ、トリミングは私に任せて、セレナはポフレ作りをお願い。ユリーカちゃんはそのお手伝い!」
「なら俺とサトシ、シトロンは機材の準備をしよう。いいなサトシ?シトロン?」
「あぁ、分かったぜ!」
「僕も大丈夫です。フフン、過去の反省を生かして作り直したマシンが再び活躍する時!シトロニックギア・オン!!」
自信満々に言いながらシトロンが見せてきたのは、以前セレナのポケビジョン作りで使用したカメラをモデルにしたロボットであった。だがまだ調整が必要と言う事なので、カイトとサトシはそれを手伝う事になった。
こうして5人は、それぞれトリミング・ポフレ・機材準備と担当別に別れて制作に取り掛かるのであった。
その間セレナとユリーカは、サナからポケモンパフォーマー・エルが新たにポケビジョンを投降した事を知る。さらにエルも持つフォッコがテールナーに進化したという内容やそんな彼女に憧れて、そしてカロスクイーンになるのがサナの夢である事も知る。
それを聞いてセレナは内心さらに焦りが出始めていた。
その後カメラの調整から戻って来たカイト達と出演するポケモン達のトリミングを終えたシノンがやって来て、一同はロケハンの為に森へ入った。
「随分と森の奥へ入ったが、なかなか見つからないな」
「ガーウ」
「そうだゾ、マー」
「それにキャンプ場から離れすぎじゃないですか?」
「リ~マ・・・」
「もうちょっと行けば、もっと良い場所があるかもしれないから」
「フォコ!」
長い時間掛けて絶好な撮影場所を探し続けるが、なかなか良い場所が見つからなかった。その為カイト達はさらに奥へ歩き続けるが、シトロンとユリーカは疲れが出てフラフラし始めた。逆に張り切っているセレナや日々ポケモン達と共に鍛えているカイトとサトシ、こっそりそれに付き合っているシノンは余裕であった。
あとポケモン達もハリマロン以外は余裕だ(デデンネには触れてはいけない)。
「セレナ~探すだけで1日終わっちゃうよ~」
「デネ~」
「ここら辺で良いにしたらどう?」
「コーン」
「それもそうね・・・」
「どうする?」
「ピーカ?」
「ケーロ?」
「・・・あっ!ねぇ、あそこなんてどう?良い撮影場所だと思う!」
セレナが指差す先には、一面花畑の広い場所があった。そこは彼女の言う通り今まで見てきた中で1番撮影するのに良い場所だった。そして彼女はもっと確認しようとその場所に向かって走り出した。
「あっ、セレナ!待ってくれ!!」
それを見たサトシが慌てて追い掛け、カイト達も後に続く。
一方セレナは目の前の花畑の事しか見ていなく、その為手前に崖があるとは知らず踏み込んでしまった。それによって・・・。
「えっ?キャアアアアアアァァァァーーー!!?」
「セレナ!!」
足場が崩れて落下するセレナを助けようとサトシが手を伸ばして掴み、必死に引き上げようとする。しかし急な事だった為、サトシも一緒に落ちてしまう。だったらせめてセレナだけでも守ろうと、サトシは地面にぶつかる寸前に彼女を強く抱きしめて背中から受け身を取った。
「サトシ!!」
「ガーウ!」
「ピカピ!」
「ケロロ!」
「セレナ!」
「コーン!」
「フォココ!」
「大丈夫ですか!?」
「リーママ!」
「返事して!!」
「デネネ!」
カイト達の声によってセレナはゆっくりと目を開ける。そして自分がサトシの体に乗っている上に、彼に抱きしめられている状況に驚いて慌てて飛び退く。だが今の彼女は顔を真っ赤にして、心臓を早鐘のように鳴らせていた。
「サ、サササトシ!!だ、だだだ大丈夫///!?」
「あぁ、大丈夫だ。セレナは?」
「私も大丈夫。サトシが・・・助けてくれたから・・・///」
体を起こしながら応えるサトシを見て、セレナはほっと安堵の息を吐く。そこへピカチュウとケロマツ、フォッコが崖を降りてやって来た。
「ピカピ!」
「ケロロ!」
「フォココ!」
「ピカチュウ、ケロマツ。それにフォッコも。来てくれたのか」
駆けつけて来た3体にお礼を言いながらサトシは落ちていたセレナの帽子を拾い、彼女に渡した。
「ほら、セレナ」
「ありがとうサトシ」
「さて、早く此処から脱出しないとな」
そう言って立ち上がるサトシだが、右足に痛みが走り、再び膝を折ってしゃがんでしまった。それを見てピカチュウ達は心配そうに駆け寄る。
「ピカピ・・・」
「・・・ッ!ちょっと捻ったみたいだ。対した事ないよ」
「大変、私のせいで・・・」
「大丈夫だって。セレナのせいじゃないんだから気にすんなよ」
「おーい!サトシ!セレナ!2人とも無事か!!」
「ガーウ!!」
「ああ!大丈夫!皆無事だ!」
「ピカチュウ!!」
「サトシが足を痛めて動けないの!」
「足を?それだとプテラで上に運ばせる方法は止めた方がいいな」
「えぇ、下手に動いて痛みが酷くなったら大変ですよ兄様」
「ココーン!」
「でしたらプラターヌ博士に知らせて、応援を呼んできてもらいましょう!皆、そこで待っていて下さい!!」
「リーマ!」
「すぐに助けに来るからね!!」」
「デネネー!」
サトシが怪我をしていると知ったカイト達は、プラターヌ博士に救助の要請をする為に会場に向かって走った。
その間セレナはピカチュウ達と一緒にサトシを安全な場所へ移動させる。そして近くの川でハンカチを濡らしてサトシの足を冷やした。
「サトシ、本当にゴメンね」
「コーン・・・」
「いいよ、そんなに自分を責めないでくれセレナ」
自分の為に精一杯やってくれている事に、サトシは心から感謝して言う。それを聞いたセレナは先程まであった悲しみが薄れ、愛しい彼に感謝された事への喜びが溢れて顔に出そうになるのを必死に耐えながら話を続ける。
「ピカチュウ達は凄いね。サトシの為にこんな所まで来てくれるんだもの」
「俺とピカチュウはいつだっていろんなピンチを乗り越えてきたんだ。そしてケロマツも同じさ。皆一緒なら何とかなる!」
「ピカピーカ!」
「ケーロ!」
「セレナだって同じさ。これまでフォッコと一緒に旅して来たんだ。フォッコと一緒なら何とかなる。セレナの為に駆けつけて来た事が何よりの証だからな」
「フォコー!」
「・・・・・そうよね、私達はいつも一緒よね」
サトシの言葉を聞いて、セレナはフォッコを抱き上げてそのまま優しく抱きしめる。フォッコもセレナに抱きしめられて喜びの表情になる。そんな彼女達を見つめながらサトシは再び話す。
「それよりポケビジョン、上手く出来るといいな」
「うん!」
「俺さ、このキャンプでやった事、バトルで役に立つんじゃないかって思ってるんだ」
「このキャンプで?昨日の釣り大会や今日のポケビジョンも?」
「勿論!無駄な事なんて1つもないと思う。俺達の旅全部がカロスリーグ優勝に繋がるんだ。だからもっともっと頑張らないとな」
「・・・サトシは頑張ってるよ。充分なくらい」
「ううん、まだまだだよ。このぐらいじゃ夢は叶わないよ」
「夢って・・・?」
「ポケモンマスターになる事さ」
「そっか。やっぱり凄いね、サトシ」
「え・・・?」
「夢・・・ちゃんと持ってるから」
「どうしたんだよ?急に?」
「私のやりたい事・・・夢って何かな?って時々思ってたんだ。皆にはあって、私にはないから・・・」
「いいじゃん焦んないで。ゆっくり見つければいいんだ」
「フォココ!」
「フォッコ・・・」
「フォッコが一緒に夢を見つけようってさ。大丈夫!絶対見つかるさ!」
「ピーカ!」
「ケーロ!」
「ポケモンと見つける夢か・・・そうね、焦っても仕方ないもの。じっくり探していけばいいよね。フォッコと一緒に」
「フォコ!」
「さて、そろそろ助けが来るかな?」
「ああ!サトシはじっとしてて。私が見て・・・きゃあ!」
「セレナ!?」
あれから大分時間が経ったからそろそろ救助隊が来てもいいと思い、立ち上がろうとするサトシ。それを見たセレナが自分が変わりに確認すると言って駆け寄ろうとするが、足下にあった石に躓いて前に転びそうになる。それを見てサトシが素早く両手を前に出して、彼女を受け止めようとするが・・・。
ムニュ!
「「えっ・・・?」」
「「「!!?」」」
なんとか受け止める事に成功したサトシだが、彼の手はセレナの10歳とは思えない発育の良い胸を鷲掴みしていた。この状況にサトシは慌てて手を引っ込めて謝罪する。
「!!?ご、ゴメンセレナ(//////)!!」
「あっ・・・そ、その・・・大丈夫だから!気にしないで/////」
そう言うセレナだが、顔を真っ赤にしながら後ろを向いているから説得力無しであった。ピカチュウ達もあまりの展開に声が出ず、辺りに思い沈黙が包んだ。
「(うううぅ~///恥ずかしくてサトシと顔を合わせられない///で、でも何か言わないといけないよね/////)さ、サトシ・・・・・!?」
意を決して声を掛けようと、セレナはゆっくりと振り返る。そんな彼女が目にしたのは、同じように顔を真っ赤にしながら帽子を深く被って横を向いているサトシの姿であった。
「わ、悪いセレナ・・・その、もう少し待っててくれ/////(俺なんて事してるんだよ!!女の子の胸を掴むなんて!!でも・・・セレナの胸、大きくて柔らかかったな・・・って何言ってるんだ/////)」
「う、うん・・・・・(サトシがあんなに赤くなっているなんて・・・凄く恥ずかしい筈なのに・・・ちょっと嬉しい・・・♪)」
まさかのサトシの反応に、セレナは先程までとは打って変わって嬉しい気持ちになっていた。そんな2人の様子をじっと見つめていたピカチュウ達は、コソコソと静かに離れて、ヒソヒソと話をし始めた。
『まさかこんな事になるとは・・・一体どうしたらよいでござるか・・・?』
『決まっているじゃないかケロマツ。あの、あのサトシに・・・遂に思春期が訪れたんだよ!!ここはこのまま邪魔せずに見守るんだ!!』
『少し大袈裟すぎる気がするけど、ピカチュウの言う通りね。今はそっとしておきましょう』
その後2人の間に進展はなく、ただどことなく甘い空気が漂っていたところへカイト達が救助隊を連れて戻って来た。そしてサトシとセレナは無事に救出された。
それから目的地の花畑に辿り着き、そこでポケビジョン撮影を行って完成させた。その作品は大変できが良く、カイト達は堂々の1位を勝ち取った。
これによりチーム・ゼニガメと共にトップに踊り出て、さらに上を目指すのであった。ちなみにサトシとセレナのハッピーハプニングな展開は、ピカチュウ、ケロマツ、フォッコ以外知られずに済み、2人の忘れられない思い出になるのであった。