ポケットモンスターXY 神に魅入られた悪使い   作:ヤマタノオロチ

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皆様、お待たせいたしました!時間を得てようやく完成できました。ポケモンバトルを書くのは本当に苦労します。けど頑張りました!・・・最後のところはちょっとね(汗)
来週はアニポケお休みだから残念ですね~~。なるべく追い付くように頑張ります!
それでは楽しんで読んでください!!感想と評価をお待ちしております!


ハクダンジム戦!VSビビヨン!!

ここはハクダンシティから少し離れた場所にあるポケモンセンター。そこの一角のテーブルで2人の少女、セレナとシノンがパートナーポケモンと一緒に朝食を食べながら楽しく話し合っていた。

 

 

「へぇ~毎日サイホンレースの朝練を!」

 

「えぇ、とてもキツかったの!だからこんな静かな朝は最高にいい気分~!」

 

「あらあら♪」

 

 

昨日の件もあってか、お互いに敬語を外すくらいに仲が良くなっていい感じで話し合う。テーブルの下でもフォッコとキュウコンが仲良く食事をしていた。そして全員が食事を終えてジョーイさんにお礼を言ったあとベランダから出る。

 

 

「もうすぐハクダンシティ!やっと会えるわ!あの子・・・サトシに!」

 

「ふふ、セレナはだいぶサトシに夢中ね♪」

 

「えっ!?い、いや・・・その・・・///」

 

 

シノンの言葉にセレナは顔を赤くして動揺して、それを見てシノンはくすくすと笑う。

 

 

「そ、そう言うシノンだってお兄さんに対して同じじゃない///」

 

「!!そ、それは///う~~」

 

 

反撃とばかりに言い返されたセレナの言葉にシノンも同じように顔を赤くする。互いに想いを見抜かれて言われてしまい、暫く睨み合うが途中から笑顔になって笑い出す。

 

 

「ふふふ、それじゃ一緒にお互いの想う人の所に行きましょう!」

 

「ええ!」

 

 

そう言って2人は胸をドキドキしながらハクダンシティを目指して行った。

 

 

 

その頃、カイト達もハクダンシティに到着して、ジムに向かって走り出したサトシを追いかけていた。

 

 

「待ってろよハクダンジム!1個目のバッジ必ずゲットだぜ!」

 

「ピカピーカ!」

 

「ハァ、ハァ!ま、待ってくださーい!」

 

 

最後尾を走っていたシトロンが息も切れ切れに叫んだ後に真正面から豪快に転んでしまった。

 

 

「おい、大丈夫かシトロン?」

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

 

転んだシトロンを見て俺は引き返して手を貸してやって立ち上がらせた後、先に進もうとするサトシの後を追おうとするがシトロンがそれを止める。

 

 

「サトシ、1つ質問があるんですが、サトシはハクダンジムが何処にあるか知ってるんですか?」

 

「勿論知らないぜ!」

 

 

自信満々の答えを聞いて2人はきょとんとするが、俺とグラエナは予想していたので苦笑する。

 

 

「相変わらずだな。シンオウ地方で会った時もそんな感じだったぜ」

 

「あぁ、走れば道は見えてくる!進めば必ず辿り着く!それが俺達だ!!」

 

「ピーカチュ」

 

 

傍の噴水に足をかけて、ビシッ!と指先まで力を入れて遠くを差すサトシ達の背景でタイミング良く水が美しく噴き上がった。まるで彼らの気合いを表しているみたいだ。そして互いに顔を見合わせて微笑んだ時に不意にシャッターの切る音が聞こえた。

 

 

「素敵な写真をありがとう!」

 

 

そう言ってカメラを構えていた女性が綺麗な笑みを浮かべて歩み寄って来る。

 

 

「貴方達、中々良いコンビのようね」

 

「はい!ピカチュウは俺の相棒です!」

 

「ピーカチュ!」

 

「フフ、そうそう、ハクダンジムならこの先を右に曲がった所よ」

 

「本当ですか!?ありがとうございます!ほら、道は見えたぜ!行くぞ、ピカチュウ!」

 

「ピカッ!」

 

「サ、サトシ!」

 

「待ってよーー!」

 

 

俺達を待たずにサトシ達は再び走り出した。ユリーカは慌てて追い掛けて、シトロンと俺は女性にきちんとお礼を言ってから後を追いかけた。走っている途中で俺は女性の正体にうすうす気が付いた。穏やかで優しい目をしていたが、体中から溢れる闘志を感じた。あの人はジムリーダーだ。

どんなポケモンを使うのか楽しみだな。そう考えている間にハクダンジムの前に到着した。

 

 

「とうとう来たぞ!」

 

「僕の記憶が正しければ、此処のジムリーダーは虫ポケモンの使い手の筈です!」

 

「虫ポケモンか・・・」

 

 

シトロンの情報を聞いて俺は足元にいるグラエナを見つめる。悪タイプに虫タイプは相性最悪だ。対するグラエナも俺をじっと見つめて短く鳴く。

 

 

「たとえ苦手なタイプでもお前には関係ないか。何度も同じ経験をしてきたし!」

 

「ガウッ!」

 

 

それに虫タイプ対策はきちんと考えてある。そう判断した時、サトシの驚く声が聞こえたので前を向くと何かがサトシに飛び掛かっていた。

 

 

「エリリ!」

 

「エリキテル!?」

 

「ピーカ!?」

 

「いらっしゃい。サトシ君、元気そうね」

 

 

ジムから出てきた人物の元へエリキテルは早足で戻って身軽な動きで肩まで登りつく。

 

 

「お久しぶりです!パンジーさんも来てたんですね!」

 

「ええ!取材も終わったし、サトシ君も来る頃かなって思って。・・・あら?新しいお友達?」

 

「はい。シンオウ地方で一緒に旅をした仲間とミアレシティで知り合った仲間です」

 

「はじめまして!ユリーカです!この子はデデンネ」

 

「デネデネ!」

 

「カイトです。サトシと同じようにジム戦に挑戦しにやって来ました。そして相棒のグラエナです」

 

「ガウガウッ!」

 

「それからお兄ちゃんの・・・」

 

「シトロンです!どうぞよろしく!」

 

 

全員があいさつし終わった後、シトロンがサトシに訊いた。

 

 

「知っていたんですね、ここのジムリーダーを」

 

「違う違う。パンジーさんはポケモンルポライターなんだよ」

 

「そう。ここは妹のビオラのジムなの」

 

「び、おら?」

 

「私よ!」

 

 

突然背後から声を掛けられて振り向くが、逆光ですぐに姿が見えなかった。少しして目が慣れてきて見てみると先程道を教えてくれた女性がいた。やはりこの人がジムリーダーだったか。

 

 

「さっきはどうも」

 

「えっ!?貴方がパンジーさんの妹?」

 

「あら、もう妹と会ってたんだ」

 

「1枚撮らせてもらったの。姉さんから聞いてるわ。暫く留守にしていてごめんなさい」

 

「いえ、楽しみにしてました!」

 

 

そう言うとビオラさんは微笑みながら俺達をジムの中に誘導した。中に入ってみると奥に大きな扉があり、壁一面には沢山の虫ポケモンの写真が展示されていた。

 

 

「これは凄い。どの写真もポケモン達の美しさ等が伝わってくるな・・・」

 

「これ全部ビオラさんが撮ったんですか?」

 

「ええ。ここにあるのは作品のほんの一部だけど」

 

「妹は優秀な虫ポケモンカメラマンでね。時々私の取材も手伝ってもらっているのよ」

 

「良い写真ですね!被写体への愛情が溢れていますよ」

 

「本当!虫ポケモン大好きって感じだね!・・・決めた!ビオラさん、キープ!お願い!お兄ちゃんをシルブプレ!」

 

「ネネー!」

 

 

キラキラと輝かせた大きな眼を灯しながらユリーカがビオラさんの前に片膝をつき、右手を勢いよく目一杯前に出して言った。

 

 

「は?」

 

「シルブ、プレ?」

 

「んん?」

 

「シトロンをよろしくって意味か・・・?」

 

 

全員が突然の事に困惑していた時にシトロンが真っ赤な顔でユリーカに注意する。しかしユリーカは悪びれた様子はなく、逆にお嫁さんが必要だと言う。これはまた随分と変わった兄想いの妹だ。だが恥ずかしい思いが最高潮に達したシトロンがリュックからエイパムの手が付いたアーム『エイパムアーム』を起動させて強制退場させて行く。

 

 

「小さな親切大きなお世話だ!」

 

「ビオラさん!考えておいてねーー!」

 

 

シトロンに引き摺られながらも笑顔で念を押して退場していくユリーカ。抜け目がないなと内心そう思った。

 

 

「・・・ユニークな妹さんね」

 

「それじゃサトシ君!始めましょうか!カイト君はその後でいいかしら?」

 

「はい!」

 

「ピッカ!」

 

「ええ、大丈夫ですよ」

 

「ガウッ!」

 

 

そう言った後、奥の扉からバトルフィールドに移動してサトシはフィールドに立ち、俺達は観戦するための外野に移動した。ちなみに並び順だが、左からパンジーさん、シトロン兄妹、グラエナ、俺である。どんなバトルをするのか楽しみだ!

 

 

「これより、チャレンジャー・サトシ対ジムリーダー・ビオラのハクダンジム、ジム戦を始めます!使用ポケモンは2体!どちらかのポケモンが全て戦闘不能となった時点でバトル終了となります!ポケモンの交代はチャレンジャーのみ認められます!」

 

「シャッターチャンスを狙うように勝利を狙う!行くわよ、アメタマ!」

 

「アーメ!」

 

「へぇ~、アメタマか」

 

 

バッグからポケモン図鑑を取り出してアメタマに向けて調べる。

 

 

『アメタマ。あめんぼポケモン。水面を滑るように歩く。頭の先から甘い匂いを出して獲物を誘う』

 

 

虫・水タイプのポケモンにより相性で有利でもあって、カロス地方最初のジム戦と言う理由からサトシはピカチュウを出した。そして審判の合図と共にバトルが始まった。

最初は両者ともに互角のバトルを繰り広げていたが、途中アメタマが放った『冷凍ビーム』でフィールド一面が凍ってしまう。慣れない場所によってピカチュウは動きが鈍くなって本来の力が出せなくなってしまった。逆にアメタマは先程よりも素早い動きで攪乱させて攻撃する。そして技同士のぶつかり合いで起きた爆発でピカチュウは大きく吹き飛ばされて、その隙をついて放たれた『シグナルビーム』で戦闘不能になってしまった。

 

 

「ピカチュウ!大丈夫か!?しっかりしろ!」

 

「・・・・・ピ、ピカピカチュウ・・・」

 

「よく頑張ったな」

 

 

そう言ってピカチュウを後ろの端に移動させてゆっくり下ろした。

 

 

「しっかりは育てられているけど、まだまだ私のアメタマには勝てないわね」

 

「勝ってみせますよ!こいつで!頼むぞヤヤコマ!」

 

「ヤッコーー!」

 

 

次にサトシが出したのはヤヤコマだった。飛行タイプで、空も飛んでいるから氷のフィールドも相性も大丈夫だとシトロン達は言う。甘いなこいつら。

 

 

「・・・ジム戦は相性が有利なら勝てる訳じゃない。この勝負、サトシには分が悪いな」

 

 

そう言った時、突如横から強い衝撃とともに誰かに抱き付かれた。それによって倒れそうになるが慌てて体勢を整えて踏ん張り、抱き付いて来た者を見た。

 

 

「お久しぶりです!兄様!!」

 

「シノン!?」

 

 

満面な笑顔とキラキラとした目で俺を見つめながらシノンはまた抱き付く。それを見て俺は内心焦り出す。だってシノンが来た通路に女の子が1人居て、その子が顔を真っ赤にさせながら見つめているんだもん!グラエナに助けを求めようと見るが、グラエナも同じ感じだった。キュウコンの尻尾に体を巻き付かれて顔をスリスリされていた。お前も大変だな~~!

 

 

「お、お前な~~場所を考えろよな(汗)。・・・まぁ、俺も会えて嬉しいよ」

 

「!!兄様~~~♪」

 

 

嬉しさのあまりシノンはさらに力を込めて抱きつこうとするが、突然何かを思い出したようにハッと顔を上げて俺から離れていき、後ろにいた女の子を連れてきた。

 

 

「ごめんなさいセレナ、貴方の事を忘れてしまって・・・」

 

「い、いえ大丈夫よシノン。あ、すみません。ちょっと見学したいんですが、いいですか?」

 

「ええ。大歓迎よ!」

 

「バトル中なので、こちらへ」

 

「今、良いとこなの!!」

 

「ありがとうございます!」

 

 

皆から笑顔で迎えられて少女・セレナはシノンと共に俺の隣に立つのを確認した後、再び目の前のバトルの方へ集中して見る。ヤヤコマは『影分身』と自慢のスピードでアメタマの『冷凍ビーム』と『粘々ネット』をかわして、それにより隙ができたアメタマに止めの『かまいたち』を加えた。これに驚くビオラさんが見た先には戦闘不能になったアメタマが居た。

ヤヤコマの勝利にサトシやシトロン達が喜んで歓喜した。俺も喜び合うが、内心ではまだサトシの分が悪い事に変わりはないと悟る。そんな中でビオラさんが次に出したポケモンは美しい桃色で模様がある翅を持った初めて見るポケモンだった。

 

 

「綺麗なポケモンですね兄様!」

 

「あぁ、あのポケモンは・・・」

 

『ビビヨン。鱗粉ポケモン。水源を捜し出す能力に優れ、ビビヨンの後を付いて行けば湧水に辿り着けると言われている』

 

 

タイプは虫と飛行か。どんな技を使うのかと思いながらバトルの方に集中した。サトシが先制とばかりにヤヤコマに『つつく』を命じるが、ビオラはビビヨンに『サイコキネシス』で動きを止めさせ、氷のフィールドに叩き落とした。落とされながらもヤヤコマはもう一度飛び上がるが、ビビヨンの『風起こし』で天井まで吹き飛ばされてしまい、さらに先程アメタマが放った『粘々ネット』に捕らわれて身動きができなくなってしまった。そして動けないヤヤコマに『ソーラービーム』を放って止めをさした。流石だな。これを破るにはどうするか・・・?

 

 

「・・・!兄様!!」

 

「うん?なんだシノン?」

 

「サトシ君達行ってしまいましたよ」

 

「なに・・・?」

 

目の前を見るとフィールドにサトシの姿はなく、出口の方を見ればピカチュウ達を抱えて急いでポケモンセンターに向かって走っていた。見送った後、先程サトシがいた場所の木の後ろにバッグがある事に気が付いた。それを見て俺は隣で戸惑っているセレナに声を掛ける。

 

 

「セレナ、あそこにあるバッグはサトシの物だ」

 

「え?は、はい・・・」

 

「届けてあげな」

 

「えっ?」

 

「そうよセレナ!届けてあげれば良いきっかけになるよ。ほら!」

 

 

置いてあったバックをシノンが持って来てセレナに渡した。セレナは「うん」と答えて後を追い掛けて出て行った。

 

 

「2人は行かなくていいの?」

 

「俺のポケモンは元気ですから」

 

「私も同じです」

 

 

パンジーさんの質問に答えて、階段を下りて俺はサトシが居た場所に立つ。

 

 

「では・・・ビオラさん。少し休んでから俺とジム戦をしてくれませんか?」

 

「あら、今からじゃなくていいの?」

 

「ええ、アメタマもビビヨンも連戦ではキツイですし、大変ですから」

 

「分かったわ。じゃ、こっちにいらっしゃい」

 

 

そう言われて俺達はビオラさんに案内された部屋のソファーに座る。その隣にビオラさんが座り、ソファーの腕かけの所にパンジーさんが腰を下ろす。全員が座ったところでビオラは先程撮った写真を見せてくれた。

 

 

「良い笑顔ですね。それにサトシ君とピカチュウの絆も強いみたいですし」

 

「本当ね」

 

「絆は強いけど、ポケモンバトルはいまひとつだったかな~~」

 

 

おやおや、随分と厳しい評価だ。初めてのジム戦だから仕方がないと思うのに。隣でシノンも苦笑いしている。

 

 

「あら、油断は禁物。次に対戦する時は、貴方もビックリするわよ。そうでしょうカイト君・・・」

 

「はい。サトシは本当に面白い奴です」

 

「え?」

 

 

俺達の話にビオラさんは不思議そうにしていたが、パンジーさんは立ち上がってそのままどこかに行ってしまった。まぁ、予想がつくけどね。サトシの元へ行ったのだろう。

 

 

「それじゃ、もう回復も終わったからさっそくジム戦に挑戦する?」

 

「はい!よろしくお願いします」

 

「ガウッ!!」

 

 

俺とグラエナは気合いの入った声で返事をする。そして腰についているモンスターボールもカタカタと揺れる。こいつらも早く戦いたいようだ。待っていろ・・・ちゃんとバトルさせてやるよ!

そして再びバトルフィールドに行くと先程のバトルの跡は何処にもなかった。まさかあの短時間で直したのか!?凄いなと思いながら審判の説明とシノンの応援を聞いて構える。

 

 

「サトシと同じだけど・・・カロス地方最初のジム戦なら、1番手はお前だ。グラエナ!」

 

「グガアァッ!!」

 

 

隣で待機していたグラエナは大きく鳴き声を上げながらフィールドに飛び出す。

 

 

「あら?相性で不利な悪タイプでいいの?」

 

「構いません。俺のグラエナにとって相性と言うのはあまり意味ないし、それに俺達にはとっても高い絆がありますから。その理由を見せてあげますよ!」

 

「兄様!グラエナ!頑張って下さい!」

 

「コーン!コンコーン!」

 

 

シノンとキュウコンが祈りながら応援した後、審判の合図でバトルが始まった。

 

 

「まず手始めにこの技からだ。グラエナ!悪の波動!」

 

「アメタマ!守る!」

 

 

グラエナが放った『悪の波動』は『守る』によって防がれた。

 

 

「グラエナ!アメタマの足に氷のキバ!!」

 

「ガウゥッ!!」

 

 

グラエナはアメタマが『守る』を解く前に背後に回り、そしてかわす隙も与えずに『氷のキバ』で噛み付いて足を凍らせながら勢いよく投げ飛ばした。

 

 

「アメタマ!!」

 

 

地面に落ちるアメタマだが、水タイプであるから氷タイプの技の威力はさほど高くなかったので持ちこたえた。流石ジムリーダーのポケモンだ。しかし、追加効果で4足のうち2足が先端から凍っていた。

 

 

「なるほどね。技の威力だけじゃなく、追加効果も考えている。そして2人の強い絆・・・いいわ、ここからが本番よ!アメタマ!フィールドに冷凍ビーム!!」

 

 

先程のようにアメタマはグラエナを狙いながら『冷凍ビーム』を放つ。グラエナは無駄のない動きでよける。するとフィールドはあっという間に氷のスタジオになった。

 

 

「足を凍らせたからって油断しない事ね。アメタマそのまま滑るのよ!」

 

「アーメ!」

 

 

足が凍っているのにもかかわらず、アメタマは素早い動きで滑ってグラエナを翻弄しようとする。だが俺はグラエナに爪で体を固定するように指示をして、この状況の対抗策を伝える。

 

 

「グラエナ!氷のフィールドに向かって焼き尽くすだ!!」

 

 

放たれた強力な火炎によって氷のフィールドは全て消えた。ついでにアメタマに付いた氷も溶けてしまったが、かわりにダメージをくらった。

 

 

「頑張ってアメタマ!シグナルビーム!!」

 

「グラエナ!かわしながらもう一度氷のキバ!!」

 

 

アメタマの放った『シグナルビーム』をかわして素早く近づいて、また『氷のキバ』で噛み付いた。今度はすぐに離さず、ずっと噛み付いた事によってアメタマは完全に凍り付いて、グラエナは勢いよく空に向かってアメタマを放り投げた。

 

 

「止めだグラエナ!悪の波動!!」

 

「グウゥガアアァァッ!!」

 

 

氷状態で動けないアメタマはそのまま『悪の波動』をくらって、氷を砕かれながら地面に落ちて動けなくなった。

 

 

「アメタマ戦闘不能、グラエナの勝ち!!」

 

「流石です兄様!!」

 

「コ~~ン///」

 

 

アメタマを倒したのを見てシノンは嬉しく思いながらカイトを褒め称える。特にキュウコンはグラエナの戦う姿を見て、顔を赤くしてうっとりとした表情であった。

 

 

「アメタマ、ご苦労様。ゆっくり休んでね・・・そのグラエナ、かなり強いわね!けどまだ負けないわ。お願い!ビビヨン」

 

「よくやったなグラエナ、戻って休んでくれ。ビビヨンの相手はお前に頼んだ!第2陣、プテラ!!」

 

 

グラエナにお礼を言って俺の隣の位置まで戻し、ビビヨンが出たのを見て腰にあるボールを1つ取って、次に出したポケモンはプテラである。

 

 

「あら、グラエナの出番はここまでなの?」

 

「えぇ・・・俺のポケモン達はどの子もバトルが好きなんです。早く交換しろと煩いんですよ」

 

「プテラ!頑張ってーー!」

 

「プラーーー!プラプラ!!」

 

 

ビオラさんに交代の説明をして、シノンの応援を聞いてプテラは大きく鳴き声を上げる。そして早くバトルさせろと言う・・・まったく、我慢できない奴だ。

 

 

「それではいきますよ!プテラ!岩なだれ!!」

 

「ビビヨン、かわしながら風起こし!」

 

 

上空からたくさんの岩が降って来る中をビビヨンは素早くかわし、翅を大きく羽搏かせて強い風を起こす。

 

 

「プテラ!風の動きに逆らわずに乗ってバランスをとれ。そしてそのまま翼で打つだ!!」

 

「プラ!プラーーー!!」

 

 

風の動きにうまく乗ってダメージを最小限に受け流し、逆に風を利用してプテラは素早く動いてビビヨンに『翼で打つ』を命中させた。

 

 

「ビビヨン!」

 

「ビ、ビヨーー!」

 

 

効果抜群の技をくらって少しフラつき、不安定になりながらもビビヨンは翅を動かして空を飛び続けた。

 

 

「ビビヨン!サイコキネシスでプテラをフィールドに叩き落とすのよ!!」

 

「ビヨーー!」

 

 

ビビヨンの眼が青く光るとプテラの動きが封じられる。必死にプテラが体を動かそうとするができず、そのままフィールドに叩き付けられた。

 

 

「プテラ、まだ行けるか?」

 

「テラ!プララ!!」

 

「ふ、そうだったな。お前がこの程度の攻撃で倒される訳ないか!竜の息吹!!」

 

 

落ちたプテラを心配して声を掛けるが、プテラはダメージを受けてないと言うかのように翼を大きく広げた。そして再び空高く飛んで『竜の息吹』をビビヨンに放った。攻撃は命中し、ビビヨンは落下しそうになるが何とか持ちこたえる。

 

 

「頑張ってビビヨン、眠り粉!」

 

「プテラ、翼で風を起こして防げ!そしてもう一度竜の息吹!!」

 

「ビ、ビヨ~~!」

 

「プラ!テラーー!!」

 

 

眠り粉を翼で羽ばたかせて起こした突風で吹き飛ばし、また『竜の息吹』を放って命中させる。するとビビヨンの動きが先程よりも鈍くなった。『竜の息吹』の追加効果で麻痺状態になったのだ。

 

 

「止めだプテラ!ギガインパクト!!」

 

「プラァァァァァァァ!!」

 

 

最大の力を込めて体当たりをする。爆発とともにビビヨンは大きくブッ飛ばされて壁に激突した。そして少しするとビビヨンは地面に落下して、目を回しながら動かなくなった。

 

 

「ビビヨン戦闘不能、プテラの勝ち!!よって勝者、チャレンジャーカイト!!」

 

「やった!俺達の勝ちだ!!」

 

「ガウガウッ!」

 

「プラーーー!」

 

 

審判の勝利宣言を聞いて、明るい顔でグラエナと一緒にプテラの元へ駆け寄る。シノンとキュウコンも観客席からやって来る。

 

 

「やりましたね!兄様!!」

 

「コーン!!」

 

「あぁ、応援ありがとうシノン!」

 

「ガウゥッ!」

 

 

応援してくれたお礼としてやって来たシノンの頭を優しく撫でる。撫でられたシノンは恥ずかしさで顔を赤くするが、拒もうとはせず嬉しい感じだ。そして皆と一緒にビオラさんの所に向かう。

 

 

「見事なバトルだったわカイト君。そして貴方とポケモン達の絆もね。はい、これが勝利者の証、バグバッチよ」

 

「ありがとうございます!ビオラさん」

 

 

バッジを貰ってケースに入れて、ビオラさんと握手して別れの挨拶を済ませてからハクダンジムを後にした。そしてポケモンセンターに辿り着くと近くのポケモンバトルフィールドで、サトシがパンジーさんを相手に特訓をしていた。見に行こうと思ったが、先にジョーイさんの所に行ってグラエナとモンスターボールに入れたプテラを預けて、それから外に出て向かった。フィールドを見るとピカチュウとヤヤコマが背中に風船を付けて強力な風から必死に耐えていた。アレは風起こし対策だとすぐに分かった。

 

 

「調子はどうだサトシ?」

 

「あっ、カイト!!」

 

 

俺とシノンがやって来るのに気が付くとその場にいた全員が驚きながら俺の方を見つめる。

 

 

「ねぇねぇ!カイトさんは今まで何処に行ってたの?」

 

「うん?ジム戦に挑戦していたんだよ」

 

「それで結果はどうでしたか!?」

 

「勿論兄様の勝利でしたよ!」

 

 

ジム戦の結果を聞くシトロンにシノンが代わりに答える。そしてシノンが皆に軽く紹介した後、サトシがお願いして来た。

 

 

「なぁカイト、ちょっと俺の特訓に付き合ってくれないか?」

 

「構わないよ。だが、やるからには手加減するつもりはないぞ」

 

「だったら私もお手伝いしますよ。私のポケモンでサイコキネシスを使える子が居ますから」

 

 

そう言ってシノンがモンスターボールを1つ取り出すと中からサーナイトが出て来た。

 

「サーナ!」

 

「これがサーナイトなんだ!綺麗なポケモンね」

 

 

セレナがポケモン図鑑で調べながら見つめる。そしてユリーカも眼を輝かせながら見つめて、触ったりする。サーナイトは嫌がらずに微笑みながらユリーカの相手をする。

 

 

「どうかしら?」

 

「ありがとう。よーし!必ずバッジをゲットするぜ!!」

 

「ピカ!ピーカチュウ!!

 

 

こうしてメンバー全員で特訓の手伝いをして、サトシ達も気合を込めながら特訓に精を出した。よって次の日サトシは見事ジム戦に勝利してバッジを手に入れたのであった。

 




新しく出たポケモン達は記録に追加しておきますので、そちらの方も読んでくださいね。次回をお楽しみにーー!!
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