ポケットモンスターXY 神に魅入られた悪使い   作:ヤマタノオロチ

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ようやく完成しました。今回ロケット団の登場セリフが凄い事になっております。頑張って考えました。
感想と評価、お待ちしております。


激走!サイホーンレース!!

最初のジム戦を終え、ビオラとパンジーに見送られてハクダンジムを後にしたカイト達はショウヨウシティ目指して街道を歩き出した。

その街にもジムがあるとパンジーから教えられたからである。

 

 

「それで、セレナはこれからどうするんだ?」

 

「えっ・・・・・私?」

 

 

歩いていた時に突然のサトシの問いを聞いて俺達は足を止める。その間にもセレナは考え込んでいて、そんなセレナにサトシは言った。

 

 

「俺達と一緒に行かないか?」

 

「ピーカ!」

 

 

そう言うとユリーカとシトロンも賛成してセレナを誘う。対してセレナは俺を見つめる。

それに気が付いたシノンが腕に抱きつきながら言う。

 

 

「兄様、セレナはとっても頼りになる子なんですよ!ここまでやって来られたのもセレナのおかげなんです」

 

「そうなのか!まぁ、俺はそんな事がなくても反対するつもりはないけどな。一緒に来たいなら来るか?」

 

 

それを聞いてセレナは明るい表情になり、皆に言った。

 

 

「うん!一緒に行っても良いかな?」

 

 

その答えに全員が喜ぶ。そして再びショウヨウシティに向けて歩き出そうとした時、セレナが話しかける。

 

 

「あっ、そうだ!サトシ達はショウヨウジムに行くのよね?」

 

 

そう言うとセレナは鞄から小型のパソコンのような電子機器を出して、全員にワールドマップを見せる。

 

 

「此処が今いるハクダンシティ。そして、ミアレシティを挟んでこっちがショウヨウシティよ。だから1回、ミアレシティに戻る必要があるわ」

 

「そうだったのか」

 

「丁度良かったわ!ミアレシティに行きたいお店があったの。凄く可愛い服を売っている所とか、美味しいスイーツのお店とか!」

 

 

セレナの話を聞いてユリーカは目を輝かせる。最初興味がなかったシノンもたくさんの本を売っている店の事を聞くと行く気になった。

 

 

「そうと決まれば早速出発よ!」

 

 

そう言って走り出したセレナの後を俺達も続いて走り、追い掛けた。

 

 

 

ミアレシティに向かって歩いていた時、シトロンがセレナに旅に出た理由を聞いた。するとセレナはポケットからハンカチを取り出した。そしてそれをサトシに渡しながら話し出した。

かつてセレナは幼い時にマサラタウンのポケモンサマーキャンプに参加して、そこで怪我をしていた時にサトシと会って、先程のハンカチで手当てをしてもらったとの事だった。初めは忘れていたサトシだったが、話を聞くうちに思い出した。

 

 

「あの時の麦わら帽子の女の子がセレナだったのか!わざわざ返しに来てくれてありがとうな」

 

「ううん、私も久しぶりにサトシに会えて嬉しいわ。・・・けどサトシったら、全然思い出してくれないんだもん!」

 

「ごめんごめん」

 

「ピカピカチュ!」

 

 

ピカチュウに呆れられるサトシを見て苦笑した時、突然どこからか地鳴りのような音がした。

 

 

「何の音?」

 

 

音がする方に振り向くとこちらに向かって何かがやって来る。

それを見て急いで道の端に寄ると沢山のポケモンが走り抜けて行った。

 

 

「サイホーンよ!」

 

「なに?サイホーンだと?」

 

『サイホーン。とげとげポケモン。何でも体当たりで壊せる。自分の進む方向に何があろうと気にしない』

 

 

ポケモン図鑑で調べながら横を走り過ぎて行くサイホーンを眺めていると少しして今度はバイクに乗ったジュンサーさんがやって来た。

 

 

「君達、ここで何しているの!?一般人は立ち入り禁止よ。ここはサイホーンレースのコース場なんだから!」

 

「えっ!?コース!」

 

 

どうやらいつの間にかコースの中に迷い込んでしまったらしい。通りで先程のサイホーン達にはゼッケンを付けた人が乗っていて、道に人気を感じないはずだ。

その後、ジュンサーさんの案内でレースのスタート地点であるスミル村に着いた。村には巨大なモニターがあって、村人達はレースの様子を見て盛り上がっていた。

 

 

「へぇ~これがサイホーンレースか・・・」

 

「ガウゥッ」

 

「初めて見たぜ!それに凄く迫力があるな」

 

「ピーカ!」

 

「カロス地方だとサイホーンレースはポピュラーですよ」

 

「サイホーン可愛いーー!!」

 

「もっと大きな街だと専用のコース場があるのよ。此処のコースは簡易コースなのね」

 

「なるほど・・・セレナ、詳しいね」

 

「コーン」

 

 

シトロンとセレナの解説を聞いたシノンが几帳面にメモを取りながら尋ねる。

 

 

「う・・・うん。まぁね。サイホーンレースは6体のサイホーンで争うのよ」

 

「明日は特別に飛び入り参加のレースがあるそうよ。サトシ君達も興味があるなら出てみたらどうかしら?」

 

「本当ですか!?俺、出たいです!!」

 

 

ジュンサーさんの薦めでレースに出場する事を決意したサトシの為にサイホーンのレンタル&練習場にやって来た。仕事があるジュンサーさんにお礼を言って別れた後、サトシがどのサイホーンにするか選び悩んで後ろを歩くとセレナが注意した。

 

 

「駄目よサトシ!サイホーンは後ろから近付いたら、驚いて突然走り出す事があるの。だから・・・前に回ってゆっくり近付くのよ」

 

 

そう言って説明しながらセレナは近くにいたサイホーンの前にゆっくり近付く。サイホーンは驚かず、大人しく頭を撫でられる。

 

 

「ほらね!この子は大人しくて賢そう。この子が良いんじゃない?」

 

「そうか・・・じゃあ、君に決めた。宜しくなサイホーン」

 

「サーイ!」

 

 

随分とサイホーンについて詳しい、と俺は内心そう思った。すると同じ思いだったのか、シトロンがセレナに聞くとお母さんがサイホーンレースのレーサーをやっていて、小さい頃からいろいろと教育を受けていたとの事だ。

 

 

「それじゃあ、セレナもサイホーンレーサーを目指しているのか?」

 

「ううん、サイホーンレースが嫌いな訳じゃないんだけど・・・もっと、好きな事が見つかるかもしれないから・・・まだ、決めたくないの」

 

「自分の目標は自分で決めたい!・・・そう言う事だよねセレナ」

 

「・・・うん!シノンの言う通りよ」

 

 

2人は笑顔で見つめながら言う。本当に仲が良いな。その後、サトシの頼みで経験があるセレナにコーチをお願いして教えてもらう事となった。そして2人はレース服に着替えて準備を整えた。

セレナは、髪をポニーテールに纏めてハートのワッペンが目立つピンク色のレース服。

サトシは、シンプルに青いレース服だ。サトシが準備運動して、体を動かしている間にシノンがゆっくりセレナの側に寄って小声で話しかける。

 

 

「(ほらセレナ!サトシにも貴方の姿をよく見せないと)」

 

「(う、うん///)どうかなサトシ?似合っている?」

 

「うん?・・・あぁ!とても似合っているぜ!」

 

「!!///」

 

 

動くの止めてじっと見つめてそう言った瞬間、セレナの顔は真っ赤になった。あぁ~~そう言う事か。セレナはサトシの事が好きなのか。先程からのシノンの手助けをする行動を見て俺は納得した。まぁ、他にも気づいている奴はいるみたいけどな。

それからサトシはセレナにアドバイスしてもらいながら何度も失敗しつつ、一生懸命練習して上手く乗れるようになった。また、しっかりサイホーンを操れて、飲み場まで辿り着けた。

水を飲み始めたサイホーンの邪魔をしないようにゆっくり降りるサトシに俺は言う。

 

 

「これなら明日のレース、何とか行けそうだな」

 

「あぁ!絶対に優勝してみせるぜ。明日のレースも宜しく頼むな」

 

「サイ!」

 

 

水を飲んだサイホーンの元気のいい返事を聞いてつい笑ってしまう。やっぱりこう言う互いに心が通じ合った声が一番好きだ。だけどサトシは僅か半日で心が通じ合った・・・本当に面白い奴だ。それも加えてさらに笑い出した。

また、セレナはサトシの一生懸命な姿を見て今までの事を思い直していた。

 

 

「(サトシって、何にでも一生懸命なんだ。ジム戦でもそうだった。私、サイホーンレースを少し勘違いしていたかも・・・)」

 

 

サイホーンレースに対するイメージが心の中で変わっていくのを感じていた。

そして次の日、飛び入り参加可能のサイホーンレースが始まろうとしていた。サトシを含めた6体のレーサーがスタート地点についた時、観客席にいるユリーカが大きな声で応援する。

 

 

「サトシ絶対優勝だよー!!」

 

「おう!頑張るぜ」

 

「ピカピカチュウ!」

 

 

ユリーカの応援にサトシと肩に乗っているピカチュウが笑顔で答えた。また、サトシの乗るサイホーンも張り切って鳴き声を出す。

 

 

「さあ、今・・・・・スタートです!」

 

 

アナウンスの声と旗の合図により、サイホーン達は一斉に走り出した。しかし、サトシのサイホーンだけが少し出遅れてしまった。

 

 

「もう・・・何してるの~~」

 

「大丈夫かな、サトシ・・・」

 

「どうでしょう・・・」

 

「最初のスタートが肝心ですからね・・・」

 

「最初がダメでも途中から巻き返せればいい。サトシは何があっても諦めない奴だからさ」

 

 

心配する4人に俺が落ち着くように言う。

そしてスタートしてから巨大モニターで様子を見ていた時、突然4つのモニターが次々と黒く塗り潰された様に見えなくなった。この事に観客達から動揺と混乱の声が上がる。

 

 

「どうしたの?」

 

「トラブルでもあったでしょうか?」

 

「いや、これは・・・・・」

 

 

じっくりとモニターを見ていたら最後の方で一瞬ポケモンが映ったのに気が付いた。シンオウ地方にいた頃、シロナ姉さん・・・略してシロ姉の計らいでよく四天王の方に会って、バトル以外にもいろいろと教えられたからすぐに映ったポケモンが何か分かった。

 

 

「(今映ったのはマーイーカだった。もしかしてアイツらか・・・?)」

 

 

この先で起こっている事を予想し、今のサトシの手持ちとレベルなども考える。その結果から俺はすぐに席から立ち上がる。

 

 

「グラエナ、行くぞ」

 

「ガゥッ!」

 

「兄様、どうかしたのですか?」

 

「コンコーン?」

 

「僕達も行ってみましょう!」

 

 

他の人の邪魔にならないようにしながらコース場に向かうカイトの後をシノン達は後を追い掛けた。

 

 

 

一方サトシは、走っても走っても他のレーサーの姿が見えない事に不審に思っていた。自分との距離はそんなに長く離れてはいないはずなのに・・・。同じように感じたピカチュウがサイホーンの鼻先の角に移動して遠くの方を見ようとした時、突然前から飛んできた四角い機械によってサトシは縛られてサイホーンから落ちてしまった。

さらにピカチュウとサイホーンも同じ機械によって檻に閉じ込められてしまった。

 

 

「どうなってるんだコレ!?」

 

「こういう事じゃーん」

 

「誰だ!?」

 

 

混乱していたサトシに誰かが答える。声がした方を見ると木の陰からロケット団が姿を現した。

 

 

「誰だ!っと聞かれたら!」

 

「黙っているのが常だけどさ!」

 

「「それでも答えて上げるが世の情け!」」

 

「「世界の破壊と混乱を防ぐため!」」

 

「「世界の平和と秩序を守るため!」」

 

「愛と真実の悪と!」

 

「力と純情の悪を貫く!」

 

「クールでエクセレントであり!」

 

「ラブリーチャ―ミ―な敵役!」

 

「ムサシ!」

 

「コジロウ!」

 

「ミズナ!」

 

「ロバル!」

 

「「宇宙と銀河を駆けるロケット団の4人には!」」

 

「「ホワイトホールとブラックホール、2つの明日が待っているぜ!」」

 

「にゃーんてニャ!」

 

「ソォーナンス!」

 

「イートマ!」

 

「エアーー!」

 

 

いつもよりパワーアップした長い口上を言い終えたロケット団。彼らを見てサトシは怒り、ロープを解こうとするがなかなか外れなかった。

 

 

「よーし、そろそろミッションコンプリートだ」

 

「そうしましょう。・・・ところで、あのセリフは毎回やらないといけないのですか?」

 

 

手に持った機械を操作するコジロウにロバルが呆れたように先程の口上の事を言う。それを聞いてムサシが何言っているのかと言う感じに詰め寄る。

 

 

「あれは私達にとって重要なものなのよ。やるのは当たり前じゃない!」

 

「しかし・・・(汗)」

 

「まぁまぁ、いいじゃないロバル。なかなか面白いし・・・私は結構気に入っているじゃーん♪」

 

 

2人の言葉にロバルは渋い顔になるが、仕方ないと諦めた。その間にピカチュウとサイホーン達が入った檻は少し先にある車に繋げられ、ロケット団が乗ると車は走り出した。

 

 

「待てロケット団!ピカチュウ達を返せ!!」

 

「返す訳ないでしょう?」

 

「このポケモン達は俺達が有効に使わさせてもらうぜ」

 

「あんたは係りの人が来るまでそこで寝てるがいいじゃーん」

 

「では失礼致します」

 

 

そして逃げようとした時、車が突然穴に落ちて、さらに空から大量の岩が落ちてきて車は動きを止める。その衝撃でロケット団は車から転げ落ちた。

 

 

「よくやりましたホルビー!」

 

「プテラ、ご苦労だった!」

 

「ホッビ!」

 

「プラーー!」

 

「シトロン、カイト!」

 

 

森から現れた2人とホルビー、プテラにサトシとロケット団は驚く。

 

 

「サトシー!」

 

「大丈夫ー?」

 

「何かあったのー!?」

 

「セレナ、ユリーカ、シノン!皆来てくれたのか?」

 

 

セレナとユリーカとシノンも合流して、シノンはキュウコンにサトシを縛るロープを尻尾で体を傷つけないようにしながら噛み付きで解くように指示する。その間、手が空いている者でロケット団と対峙する。彼らは苛立ちながら態勢を立て直そうとする。それを見たフォッコがセレナの足を軽く叩き、自分の意思を伝える。

 

 

「フォコフォッコ」

 

「え?・・・・・うん。ピカチュウ達を助けるの、手伝ってくれる?」

 

「フォッコ!」

 

「フォッコ、火の粉!」

 

 

一歩前に出たフォッコにセレナが指示を出す。フォッコはロケット団に向けて口から火を出す。あまりの熱さにコジロウは手に持っていた機械を落としてしまう。落ちた機械を見てどんなものなのか、瞬時に理解した。

 

 

「グラエナ、噛み砕く!」

 

「ガウゥッ!」

 

 

ロケット団が拾う前に素早く近づいたグラエナが機械を口に銜えて文字通り噛み砕いた。機械が破壊されるとサイホーン達を閉じ込めていた檻が次々と消えていった。外に出たサイホーン達は怒りの目でロケット団を睨み付けて崖の端に囲む。囲まれたロケット団は真っ青になり、ロバルがエアームドで空に逃げようとするが人数が多いため逃げられず、そして強烈な『突進』を受けて遠くまで飛ばされたのだった。

 

 

「よっしゃ!やったな皆!」

 

「ピカピ!」

 

 

飛び込んで来たピカチュウを抱きかかえながらサトシは喜びの声を上げる。全員が返事をして安心した時、バイクに乗ったジュンサーさんがやって来た。

 

 

「皆、大丈夫でしたか!?」

 

「ジュンサーさん!」

 

「はい、皆無事です!」

 

 

その後、他のレーサー達も助けてサイホーンレースは終わった。

そんな中、セレナは抱えたフォッコを穏やかな目で見つめて・・・。

 

 

「(私にも・・・バトルができるんだ)」

 

 

心の中でそう思った。そして彼女の目は自然とサトシの方を見つめていた。

 

 

 

サイホーンレースが終わった夕方、スミレ村を出発する前にセレナが母親に連絡したいと言って来たので、自己紹介もするために俺達も一緒に付いて行った。軽く挨拶を済ませて母親のサキさんからセレナを頼むように頼まれた後、親子との話を邪魔しないために先にポケモンセンターから出た。暫くしてセレナが軽い足取りでやって来た。

 

 

「お待たせ!・・・と言う事で、これからはよろしくね!」

 

「こちらこそよろしく!」

 

「ピーカ!」

 

 

今日の旅からセレナが加わり、これからもっと賑やかになって楽しくなると思った。特にシノンは凄く喜んでいた。何故か俺に抱きつきながら(汗)

そしてセレナから貰ったお菓子を食べながら俺達は出発した。

 

 

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