ポケットモンスターXY 神に魅入られた悪使い   作:ヤマタノオロチ

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お待たせ致しました。
もうすぐアニポケXY&Zが終わってしまいますが、こちらはまだまだ続きます!今回はセレナやシノンの乙女達が活躍(?)します。また、新しく出る手持ちポケモンも紹介します。
感想と評価をお待ちしております。


ポケモントリマーとトリミアンの絆!

ショウヨウシティに行くためにミアレシティへ向かっている途中、カイト達はとある街で多くのオシャレをして礼儀正しく歩いているポケモンを見つけた。

そのポケモンを連れた人の中には凄いオシャレをしていたが・・・(汗)

 

 

「あのポケモンは何だ?」

 

「アレはトリミアンよ!」

 

「トリミアン?どれどれ・・・」

 

『トリミアン。プードルポケモン。大昔のカロス地方では、王様を護衛する役目を与えられていた』

 

 

セレナから名前を聞いて図鑑で調べてみる。

ほぉ、王様を護衛していたのか。道理で礼儀正しい筈だ。だが今まで見たトリミアンの姿は図鑑で表示された姿と違っていた。それについて不思議に思っているとセレナがポケモントリマーにトリミングしてもらったのと電子ノートに写っているお洒落なお店を見せながら教えてくれた。

 

 

「ポケモントリマーって何なの?」

 

 

初めて聞く単語にシノンが手帳を持ってセレナに尋ねる。

 

 

「まぁ、ポケモンの美容師さんみたいなものよ。そしてこの人はカリスマトリマーなの!会ってみたいな~~」

 

「フムフム、ポケモンの美容師さん・・・っとね」

 

 

セレナの説明とガイドブックに載っている写真の人を見ながらシノンは素早くメモを取る。

少し離れた所で話を聞いていたユリーカも会ってみたいと言い、俺達の元に走り出した時、近くの茂みから1体のトリミアンが飛び出してきた。

 

 

「ユリーカ、危ない。伏せろ!」

 

 

ぶつかる寸前に気配に気が付いた俺は走ってユリーカを庇う。背中にトリミアンの後ろ脚が当たるが、それほど衝撃と痛みがなかったので膝をついただけで倒れずに済んだ。

 

 

「カイトさん大丈夫!?」

 

「うん?これくらい平気だよ」

 

 

そう言って立ち上がるとすぐにシノン達が駆け寄ってくる。大丈夫?と尋ねられると安心させるように笑顔で答える。だがシノンはまだ心配していて、ぶつかったところを優しく擦る。グラエナは足元に寄り添って心配そうに見つめる。するとそこへ慌てて走り寄る足音と女性の声がした。

 

 

「すみません!その子は私のトリミアンなんです!」

 

 

女性は背中を擦ってもらっている俺を見て状況を理解したのか、深く頭を下げる。

 

 

「ごめんなさい!あなたに怪我をさせてしまって・・・!」

 

「あぁ、大丈夫ですよ!こんなのギガイアスやボスゴドラに踏み付けられたり、頭突きをされたり、抱き締められた時のに比べれば軽いものです」

 

「「「「「えっ!!?」」」」」

 

 

さらっととんでもない事を言う俺に女性だけでなく、サトシ達も驚きの顔をする。シノンだけは知っていたので苦笑していた。どちらも岩と鋼タイプでとても重いポケモンだ。いかに愛情表現だからといって頭突きや踏み付けられて平気とは・・・サトシ並みのスーパーマンだ。

その後、近くのベンチに移動して休憩して、それぞれ自己紹介する。サトシはジェシカと名乗った彼女の隣にいるトリミアンの姿を見て、図鑑に載っていた本来の姿とトリミングの事について納得する。そんな中でユリーカはジェシカをじっくり見つめた後、ハッと何か思いついたように明るい表情になってあのセリフを言い出す。

 

 

「ジェシカさん、キープ!お願い、お兄ちゃんをシルブプレ!」

 

 

突然のキープに全員が沈黙する中、シトロンは無言でいつものようにエイパムアームを起動して引っ張って行った。戸惑うジェシカと初めての事に驚くセレナとシノンが俺達に尋ねる。

 

 

「どういう意味なの?」

 

「ユリーカがシトロンの為にしっかりした女性を探して、お嫁さんになってくる人を捜しているのさ」

 

「「お、お嫁さん!!///」」

 

 

説明すると2人は同時に顔を赤くする。お嫁さんと言う言葉がだいぶ効いたみたいだ。そして彼女達は気付かれないようにそれぞれ恋している異性を見つめたのだった。

その後、それぞれが落ち着いて俺達はトリミアンの散歩途中であったジェシカに付き添い、話をしていく内に彼女が見習いのポケモントリマーだと分かった。元々ポケモントリマーに興味を持っていたセレナがトリミアンを見て質問する。

 

 

「この子には何もしないんですね」

 

「実はこの子・・・カットやブローしたいのにやらせてくれないの。さっきもクシを入れようとしたんだけど、すぐに逃げ出して・・・」

 

 

なるほど・・・茂みから飛び出してきた理由はそれか。図鑑によればトリミアンは知能が高く、トレーナーの人間性を見抜く観察眼を持っている。よって認められなければ決して言う事を聞かないポケモンなのだ。王様の護衛する役目を与えられた理由も納得する。

 

 

「じゃあ、ジェシカさんはまだこの子に認められていないってこと?」

 

「こら、ユリーカ!」

 

「ごめんなさい・・・」

 

 

何気なく言った言葉にシトロンが慌てて怒りながら注意して、理由に気が付いたユリーカはジェシカに頭を下げて謝る。

 

 

「いいのよユリーカちゃん。だって、その通りなんだもん」

 

 

笑顔で言うが、やっぱり悲しい事だと見ていてはっきり分かる。重くなった空気を変えさせようとシノンが別の話をジェシカに言う。

 

 

「あの、私トリミアンにトリミングするところを見てみたいのですが・・・いいでしょうか?」

 

「私も見たいです!前から興味があったの!」

 

「あたしもあたしもーー!」

 

 

セレナとユリーカもお願いしてきて、ジェシカは小さく笑んで自分の働いているお店に招いてくれた。辿り着くとそこは先程セレナが見せてくれたガイドブックに載っていたお店だった。中に入るとちょうどカリスマトリマーで、ジェシカの師匠であるバリーさんがトリミアンのブローをしていた。会ってみたかった人物に会えてサトシ達のテンションは上がる。その後バリーさんが俺達に気が付いて奥の部屋から出てきて、ジェシカが俺達の事を紹介する。そしてポケモントリマーに興味があると話すとすぐに見学させてくれた。

 

 

「それじゃあジェシカ、どんな仕事なのか貴方が教えてあげて」

 

「はい!」

 

 

仕事場に入るとそこには木の実やシャンプー、ハサミなどがたくさん置いてあった。

その種類の多さに驚く中で、ジェシカは分かりやすく丁寧に説明してくれた。話を聞く内に彼女の知識力は高く、もう見習いではなくてプロと同じかと思った。その後バリーさんがトリミングを終えたトリミアン達を見せて上げると言い、ジェシカに連れて来るように言う。その時に説明を素早く手帳にまとめていたシノンが隣にやって来てこっそり話しかける。

 

 

「兄様、ジェシカさんがこんなにもすごいのにトリミアンに認められないと言う事は・・・まだ何か彼女に足りないものでもあるのでしょうか?」

 

「・・・おそらく彼女の経験か自信だろうな。まぁ、これはあくまで俺の推測さ」

 

 

2人で話しているとドアが開いて中から2体のトリミアンが出てきた。その姿はまるで別の種類のポケモンだと全員が思った。カットした名前も違って青色の方がクイーンカット、オレンジ色の方がカブキカットと言うらしい。

 

 

「いつかうちの子も、こんなふうに素敵なトリミングしてみたいの」

 

「ジェシカさんなら絶対に出来るわよ!とても素敵だな~~」

 

 

セレナの力強い声援を聞いてもジェシカは隣にいるトリミアンを元気のない表情で見る。そしてバリーさんがこっそりと教えてくれた事で彼女が自分の腕に自信が持てないのが理由だと分かった。その後バリーさんがジェシカの為にも思って俺達に街案内をしたらどうかと提案した。

それを引き受けてくれたジェシカと共に俺達も街の中を歩き出した。トリミアンも後ろから付いて来たのを見て、信頼がない訳ではない。あとはジェシカ次第だと感じた。いろんなお店を見せてもらってしばらく歩いていた時、突然ゾロアがボールから出てきた。

 

 

「どうしたゾロア?」

 

「マー!アイスだゾ!オイラ、アイスが食べたゾ!!」

 

「ガウッ!?ガウウゥゥ!!」

 

 

そう言ってゾロアは小さな男の子の姿に化けて、遠く離れた場所にあるアイス屋に走り出してしまった。それを見たグラエナが慌てて追い掛ける。

 

 

「待てお前達!・・・仕方ない。サトシ、悪いが先に行ってくれ。俺はゾロアとグラエナを見つけたらすぐに戻る!」

 

「あぁ、分かった。気を付けろよ」

 

「兄様、私も行きます!」

 

「コーン!」

 

 

シノンとキュウコンと一緒にグラエナ達の後を追い掛ける。暫く走った後ようやく追いつき、グラエナがお店の前で子供に化けたゾロアの尻尾を軽く噛んで元の姿に戻して、親猫が子猫を持ち上げるように首元を銜えて待っていた。

 

 

「グラエナ、ご苦労だった」

 

「グルル・・・」

 

「駄目でしょうゾロア!勝手にいなくなると皆が心配するでしょう」

 

「コンコン!」

 

「はーい、ごめんなさいゾ・・・」

 

 

シノン達の説教を聞いてゾロアはしょぼんとする。だがすぐに優しい表情になったシノンとキュウコンが頭を撫でつつ、もう勝手にいなくならないように言う。

それが終わった後グラエナに下ろすように言って、ゾロアを抱える。

 

 

「分かればいいさ。それじゃあゾロア、アイスを食べようぜ」

 

「ワーイ!マーありがとう!!」

 

 

アイスが食べられると分かると先程とは打って変わって幸せな表情になる。まったくシロ姉さんじゃあるまいし。そう内心苦笑しながら自分達の分のアイスも買ってみんなで一緒に食べながらサトシ達の元に歩き出そうとした時、突然グラエナとキュウコンが何かに気が付いて周りをキョロキョロし始めた。

 

 

「どうしたグラエナ?」

 

「キュウコン何か感じたの?」

 

「ガルル・・・」

 

「コーン・・・コン!」

 

 

2体が言うにセレナのフォッコの臭いがするとの事だ。こんな所にフォッコがいるはずはないと思った時、近くの広場から声が聞こえてきた。

 

 

「やったのニャ!フォッコをゲットしたのニャー!」

 

「結構ポケモンも集まったじゃーん」

 

 

声を聞いた瞬間、アイスを素早く食べ終えて姿勢を低くして近くの木の陰にシノンと共に隠れる。そっと顔を出して見てみると派手な格好をした5人組と大きな白い袋があった。

 

 

「ガウガウッ」

 

「コーン」

 

「そうか。あの中にフォッコがいるのか」

 

「兄様、あの人達ですが・・・絶対にロケット団ですよね」

 

「あぁ、あいつらの声と特徴を合わせると間違いない。奴らの隙を見てフォッコを助け出すぞ!」

 

 

そう言って喜んでいるロケット団の隙を伺って一気に茂みから出ようとした時、ニャースの後ろからトリミアンが走ってやって来た。さらに後ろからサトシ達とジェシカ、ジュンサーさんも走って来た。それを見て俺達も合流する。

 

 

「あっ、カイト!シノン!此処にいたのか!?」

 

「ゾロアを追っていたらフォッコの臭いがするとグラエナ達が言ってな。そして近くで不審な連中を見つけたのさ」

 

 

理由を説明したあと、隣に立ったサトシが5人組にフォッコを返すように言う。奴らの正体はやっぱりロケット団で、いつものセリフを名乗って正体を明かした。

ポケモン達を取り戻そうとジュンサーさんは相棒のライボルトを繰り出す。それに対してロケット団側もコジロウとミズナがマーイーカとシシコを出してバトルする。

 

 

「10万ボルト!」

 

「かわして体当たり!」

 

「こちらは頭突きじゃーん!」

 

 

鬣に溜めて放ったライボルトの『10万ボルト』の電撃をマーイーカとシシコはかわしてお互いに技を当てた。特にシシコの『頭突き』でライボルトはひるんで隙ができてしまう。そこを狙ってマーイーカが放った『サイケ光線』が直撃し、ライボルトは自分の周りに電撃を放つ。混乱の追加効果を受けてしまったようだ。

 

 

「ジュンサーさん、追加効果で混乱しています!」

 

「戻ってライボルト!」

 

 

ジュンサーさんは苦い顔でライボルトをボールに戻す。すると代わるようにサトシが前に出る。

 

 

「ここは任せてください!ピカチュウ、行くぞ!マーイーカに電光石火!」

 

「ピッカ!」

 

 

ピカチュウは猛スピードで2体に向かってまずはマーイーカに攻撃を仕掛けた。だが空中に浮かんでいるマーイーカはふわりとかわしてピカチュウの顔目掛けてスミを吐いて視界を封じた。

それによりピカチュウは目が開けられなくなってしまった。姿が見えないとバトルは不利だ。

 

 

「ピカピカ~~」

 

「今ですエアームド!鋼の翼!」

 

「エーア!」

 

 

顔に付いたスミを取ろうと動きを止めたピカチュウにチャンスと思ったロバルがエアームドに命じて攻撃する。しかし当たる寸前、横からグラエナが間に入ってエアームドの首に噛み付いて動きを止めた。

 

 

「グルル!ガウゥッ!」

 

「よくやったグラエナ。そのまま地面に叩きつけろ」

 

 

グラエナは必死に逃れようと暴れるエアームドを地面に叩きつけた。砂煙が晴れるとエアームドは頭から首元まで地面に埋まっていた。その光景を見てロケット団は全員驚く。ロバルが早く脱出するようにエアームドに言うが、なかなか抜けらない。暫くあの状態が続くだろうと思い、その隙に俺とシノンは前に出てサトシの隣に並ぶ。

 

 

「サンキューカイト!助かったぜ」

 

「気にするな。それよりサトシ、久しぶりに一緒にバトルするか!」

 

「私も協力するわ」

 

「分かった。行けるな?ピカチュウ!」

 

「ピカ!」

 

 

グラエナとキュウコンは目が見えないピカチュウを守るように隣にやって来てロケット団を睨み付ける。それを見てロケット団達もソーナンスとカメテテを援護に送り出す。

互いに対峙しつつ、加勢しようとしたシトロンを止めた後、トリプルバトルが始まった。

サトシがピカチュウの目となって息ピッタリに的確に指示を出し、カイトの高い戦術でグラエナは上手にピカチュウを守りながら相手の技も利用して攻め、シノンもキュウコンと上手くサポートして強力な技を繰り出す。

3人の信頼と絆の高いバトルを見てシトロン達はただ驚くばかりだ。

 

 

「凄い・・・!サトシ君がピカチュウの目となって、バトルを続けて・・・カイト君もシノンちゃんもなんてあんな凄いバトルをするなんて」

 

「僕も最初は本当にビックリしました。でも、彼らだからこそできるんです」

 

「とても信じ合っているのよ」

 

「信じる・・・」

 

 

ユリーカの言葉を聞いて、目の前のバトルを見つめながらジェシカは考え込む。その隙を狙ってロケット団がこっそり動く。

 

 

「そうこうしている内に、他のポケモンゲット!」

 

 

いつの間にか木陰まで隠れながらやって来たムサシが小さな箱の機械をジェシカの隣にいるトリミアンに向けて投げる。それに気が付いたトリミアンがジェシカを突き飛ばした瞬間、機械が空中で電気状の檻となってトリミアンを捕らえた。

 

 

「トリミアン!!」

 

「アンアン!」

 

 

檻の電撃が放たれてトリミアンの動きを完全に押さえて脱出できないようにした。ジェシカに向かって逃げろとトリミアンは鳴き続ける。その場で震えながら見ていたジェシカだったが、決心したように手を握り、目に浮かべていた涙を振り払って走り出した。

 

 

「私の・・・トリミアンを返して!」

 

 

ジェシカはトリミアンを助けようと檻を掴むが、電撃によって弾かれて地面に倒れてしまう。それを見てセレナは叫び、シトロンはホルビーを出して『マッドショット』で檻を壊そうとするが、ムサシがソーナンスに指示して『ミラーコート』で反射させて立ち塞がる。

さらに加勢しにやって来たミズナがもう1体の手持ちであるイトマルを出して、シシコと一緒に攻撃する。

 

 

「シシコは火炎放射!イトマルは毒針じゃーん!」

 

「シーシ!」

 

「トマー!」

 

「させません!出てきてサーナイト。サイコキネシス!」

 

「サーナ!」

 

 

毒針がセレナ達に迫った時、シノンが素早くサーナイトを出して『サイコキネシス』で動きを止める。そしてそのまま『火炎放射』と『毒針』を跳ね返す。攻撃が跳ね返ってきてムサシ達は慌ててかわす。その隙にサーナイトはホルビーの隣に移動した。

 

 

「シトロン、サーナイトが奴らの注意を引くからその隙に攻撃して!」

 

「分かりました!」

 

 

シトロンにそう伝えた後、シノンはサーナイトに『凍える風』で攻撃する。それを見てミズナがシシコの『火炎放射』で技を相殺させる。

だが相殺した時の爆発と砂煙で視界が悪くなり、それを利用してホルビーが『穴を掘る』で3体を攻撃した。その間にジェシカは足元にあった木の棒を拾って機械の箱の部分を破壊し、檻を消してトリミアンを救出する。

また、カイト達の方もマーイーカ達に攻撃して怯ませ、その隙にユリーカがピカチュウの顔のスミを拭き取ってもらった。完全にこちらが有利になり、ロケット団を追い詰める。

その時トリミアンが勇ましく前に出る。

 

 

「トリミアン、バトルするの?」

 

「アン!」

 

「分かったわ。チャージビーム!」

 

 

トリミアンはジェシカの指示を聞いて、『チャージビーム』でロケット団をブッ飛ばした。奴らが飛んで行った後、持っていた袋の中から捕まっていたフォッコが出てきた。

 

 

「フ~~ン。フォコフォコ!」

 

「良かった!フォッコ、貴方が無事で・・・!」

 

 

セレナの元に一目散に向かったフォッコを優しく抱き締める。互いに怖かった思いを消すように笑顔になる。盗まれたモンスターボールはジュンサーさんが袋ごと拾ってトレーナー達の元に返すと告げて、俺達にお礼を言う。するとユリーカが言い出す。

 

 

「ねぇねぇ!トリミアンはジェシカさんの言う事を聞いたよね?」

 

「確かに!」

 

「あぁ、見事なチャージビームだったし、良い声で返事していたよ」

 

「トリミアンがジェシカさんを自分のトレーナーとして認めたのでは?」

 

「きっとそうよ!」

 

「おめでとうございます!ジェシカさん」

 

 

皆の言葉を聞いてジェシカは嬉しく思いながらトリミアンの前に屈んで尋ねる。

 

 

「・・・トリミアン、私にトリミングさせてくれる?」

 

「ワン!」

 

「トリミアン・・・!」

 

 

すぐに首を縦に振ってくれたトリミアンにジェシカは抱き締めて喜んだ。

それから俺達はジェシカと共にお店に戻って、トリミアンのトリミングを見守った。真剣な表情で落ち着いた感じで作業をして、暫くして彼女達は部屋から出てきた。

 

 

「どう、かしら?」

 

 

出てきたトリミアンは、桃色のハート模様に可愛くカットされていた。

それを見てセレナとユリーカは目をキラキラと輝かせる。

 

 

「すごーい!」

 

「お洒落!」

 

「うん、完璧だ」

 

「ありがとうございます!皆、ありがとう!これも全て皆のお陰よ」

 

「ううん、ジェシカさんの気持ちが通じたからよ」

 

 

バリーに褒められて喜んだ後、カイト達にお礼を言う。今回の件で絆が深まり、不安が消えて自信が付いたようだ。

 

 

「私も・・・これからもっともっとこの子を信じて、いっぱいいっぱい経験を積んで、いつかカリスマトリマーになるわ!」

 

「その時は私のフォッコもお願いね!」

 

「勿論!」

 

「なら私もキュウコンをお願いするわ。この子は綺麗好きだから大変だと思うけどね」

 

「コーンコン!」

 

「えぇ!任せて下さいね」

 

 

約束をした後、バリーとジェシカに別れを告げて見送られながら再び旅を再開した。

歩いている途中でセレナは小さく呟く。

 

 

「何かに夢中になれるものがある人って、素敵だな・・・」

 

「セレナ、何か言ったか?」

 

「ううん、何でもないよ。次はいよいよ、ミアレシティね!」

 

 

隣で歩いていたサトシが尋ねるがセレナは何でもないと答え、もうすぐミアレシティに着ける事に嬉しそうに言う。だがその後ろでシトロンとユリーカが何かに焦っている事に気付く者はまだいなかった。

 

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