ポケットモンスターXY 神に魅入られた悪使い   作:ヤマタノオロチ

9 / 35
こんばんは皆様、お久しぶりです。またもや長くお待たせしてしまってすみません。
新年早々アニポケサン&ムーンは面白かったですね。こちらも早く追い付くように頑張りたいのですが・・・中々時間が取れずこんな感じになってしまいました(汗)それでもなんとか書き終えました。感想と評価をお待ちしております。


メガメガニャース登場!

ミアレジムの一件を解決した翌日、カイト達はショウヨウシティに行く為ミアレシティの出入り口に向かって歩いていた。そしてこのままミアレシティを立ち去ろうとした時に突然シノンとセレナが手を上げて言う。

 

 

「ちょっとプラターヌ博士に会いに行ってもいいでしょうか?私聞きたいことがあるので・・・」

 

「そうよ。せっかくミアレシティに戻ってきたんだし、博士に挨拶しに行こうよ」

 

「それは良いですね!」

 

「うん!そうしようぜ」

 

「あぁ!」

 

 

2人の提案に誰も反対する者はいなく、予定を変更してプラターヌ博士の研究所に向かうことになった。さらに2人は鞄から小さなバスケットを出して中身を見せる。セレナの方は中にピンクや緑、黄色などのカラフルなマカロンが入っていて、シノンの方は中に様々なポケモンの形をしたクッキーが入っていた。

 

 

「ジャジャーン!夕べマカロン焼いたんだ!どれも自信作なの」

 

「私もセレナと一緒に作ったの。皆で食べましょう」

 

 

たくさんあるお菓子を見てユリーカは目をキラキラさせる。シノンの作る料理はどれも美味しい物ばかりだからグラエナとキュウコン、そして匂い釣られてボールから出てきたゾロアも嬉しそうにしていた。

 

 

 

その頃、とある森の奥にある廃棄された倉庫の中でロケット団の5人・・・正確には4人とポケモン4匹がパソコンである映像を見ていた。

 

 

「これが?」

 

「そう!俺が独自に調べ上げた結果、これがバシャーモのメガシンカした姿だ」

 

「なかなか勇ましい姿ですね」

 

「しかも炎タイプだから最高じゃーん。私ゲットしたい!」

 

 

彼らはメガシンカしたバシャーモの姿を見て、メガシンカに対して強い興味を持った。

特に炎タイプが好きで手持ちにしているミズナはバシャーモを手に入れたいと言う。

 

 

「まぁまぁ、今回のミッションが完了したらこいつを見つけてやるよ」

 

「今回のミッション・・・ニャースをメガシンカさせる事でしたね」

 

「ニャーを?そんな事できるのニャ~?」

 

「ソソ、ソー?」

 

「エエーア?」

 

「トマトーマ?」

 

 

メガシンカできる方法についてまだ分からない4匹は首を傾けてどうやってするかを尋ねる。

コジロウはプラターヌ博士からメガシンカのデータを盗んで新たに作ったメカに組み込ませると説明する。それを聞いて全員が納得し、薄く笑い出す。

 

 

「メガシンカより凄くて強い“メガメガシンカ”に・・・“メガメガメガメカ”にニャースが乗り込んでピカチュウ達をゲットするのだ!」

 

「えっ?何・・・メ、メガメガ・・・?」

 

「舌を噛んでしまいそうな名前ですね(汗)」

 

「ハァ~・・・名前はとにかくさっそくプラターヌ博士の所に行くじゃーん」

 

 

若干名前に対して呆れつつもロケット団は外に用意してあったトラックに乗って作戦を開始するのであった。

 

 

 

一方プラターヌ博士の元に向かったカイト達は暫くすると研究所に辿り着いて、中に入って博士に挨拶をして6人で旅をする事になったと伝える。

 

 

「皆一緒に旅する事になったんだね。素敵なアイディアだよ」

 

「はい!」

 

「博士、皆さんに食べてもらおうとマカロンを作ってきたんです!」

 

「こちらはクッキーです。どうぞ召し上がってください!」

 

 

そう言ってセレナとシノンはそれぞれバスケットに入ったお菓子を見せる。それを見て博士と助手のソフィーは美味しそうと言い、ソフィーはお茶の準備をしようとキッチンに向かう。それを見て博士は先に用事を済ませようと後から頂くと伝えた。

 

 

「博士、仕事終わった後お話をさせてもらえませんか?私、ポケモン考古学者を目指していて、いろんな事を聞きたいのです!」

 

「私も後で見学させてもらってもいいですか!?」

 

「勿論だよ2人とも。ではゆっくりしていてくれ」

 

 

2人のお願いに博士はすぐに許しを出して温室へと向かった。許可をもらえた2人は互いに手を取り合って喜び合った。

それから少し経つとキッチンから紅茶の甘い香りが漂ってきて、ソフィーが人数分のティーカップをテーブルに並べて準備ができたと知らせてくれた。そして全員がソファーに座ってマカロンとクッキーを食べようとしたが・・・。

 

 

「・・・って、どこにあるんだ?」

 

「あれ!?」

 

「さっきまで確かにテーブルの上に置いてあった筈ですが・・・?」

 

 

不思議そうに首を捻るサトシの言葉通りに先程まであったはずのマカロンとクッキーが消えていたのだ。全員が辺りを見渡して探していた時、グラエナとキュウコンが鼻をクンクンと動かす。

お菓子の匂いを嗅ぎ付けたみたいだ。ピカチュウとゾロアも連れて匂いに誘われるまま部屋の隅にある立派な植木を植えてあるプランターの所に向かう。その裏で何かがコソコソと動いていて、それを見て犯人が分かったソファーが静かに近づいた。

 

 

「やっぱり貴方だったのね、ハリマロン。また勝手に抜け出して」

 

「リマ~・・・」

 

 

突然話しかけられたハリマロンは驚きのあまりお菓子を喉に詰まらせ、胸を叩きながら飲み込んだ後に苦笑いしながら振り返った。ハリマロンの両手にはマカロンとクッキーがあり、足元にはセレナとシノンのバスケットが置いてあった。

 

 

「へぇ、ハリマロンか」

 

『ハリマロン。毬栗ポケモン。普段柔らかい頭の棘は、力を込めると鋭く尖って岩でも貫く事ができる』

 

 

図鑑で調べている時にハリマロンは皆の視線を感じて説明通りに頭の棘に力を込めて固くする。

またケロマツやフォッコと同じカロス地方の初心者トレーナーに渡される最初の3匹である事も知った。意外と可愛いと思った事は余談だ。

 

 

「ピカピカチュウ」

 

「リ、リマ!」

 

 

ピカチュウが困った表情でお菓子を返してと言うが、ハリマロンは首を横に振って後ろに下がる。さらに2つのバスケットからお菓子を両手一杯に持ってギュッと抱きしめる。余程の食いしん坊だな。だがユリーカにはその行動が可愛く思い頬を緩ませながら横からの覗き、反対側でシトロンが四つん這い姿勢で近づいて手を差し出そうとした。その瞬間、どこからかググ~~、とお腹の鳴る音がした。全員が音のした方に振り向くと元気の無い表情で口から涎が垂れ掛けているゾロアがいた。ゾロアは自分の隣にいるグラエナとキュウコンに甘えるように自身の体を擦り合わせながら言う。

 

 

「ニー、ネー。オイラお腹が空いたゾ」

 

「ガウゥ。ガウガウッ!」

 

「コン。キューコ!」

 

「リ、リマー!?」

 

 

ゾロアの言葉を聞いてグラエナは前足でゾロアの頭を優しく撫でて、キュウコンを見つめて頷きながら指示を出した。するとキュウコンは9つの尾のうち7つの尾を動かしてハリマロンの体に巻き付けた。無論ハリマロンは抵抗するが数に押されて持ち上げられてしまう。

そしてキュウコンは残り2つの尾でバスケットを掴んでセレナとシノンの元に渡した。

 

 

「ありがとうキュウコン!」

 

「いい子ねキュウコン。よしよし。それじゃ、そろそろハリマロンを降ろしてあげてね」

 

「コーン」

 

 

2人からお礼を言われて嬉しい表情のままキュウコンはハリマロンをゆっくり降ろす。

その途端ハリマロンは両手にお菓子を抱えたまま一目散に走り去って行った。

 

 

「御免なさいね。あの子、悪戯好きなのよ」

 

「いえいえ、無事戻ってきたんですから。はい、ゾロア。美味しいクッキーだよ」

 

「私のマカロンも!味には自信があるから」

 

「ワーイ!ありがとうだゾ!」

 

 

お菓子を受け取って幸せそうに食べるゾロアによりその場の雰囲気は和んだ。可愛いは正義だとはよく言ったものだ。その後俺達もお菓子を貰い、お茶を飲みながら食べ始める。けどシノンはバスケットと鞄を持ってセレナとユリーカと一緒に温室にいる博士の元に向かった。

話を聞くのが待ちきれないだろうなと内心そう思いながらお菓子を食べ続けた。

 

 

 

ガシャアアアアアアァァァァン!!!

 

 

 

その時、突然何かがぶつかり破壊される大きな音が響いた。

その音はプラターヌ博士がいる温室からで、突如大型トラックが突っ込んできたのだ。

そしてトラックからムサシ、ニャース、ミズナ、イトマルが出てきた。

 

 

「久しぶりね、プラターヌ博士」

 

「君達は・・・」

 

「我らロケット団の為にちょっと付き合ってもらうニャ」

 

「あの時の喋るニャース!」

 

「ふふ、喰らえじゃーん!」

 

 

驚くプラターヌ博士にミズナが手に持っていた小型メカを投げる。それは電子ロープになって博士の体に縛りついて動きを封じた。さらにイトマルが近くにいたポケモン達を口から吐いた糸でグルグル巻きにした。

 

 

「何をする!?ポケモン達に手荒な真似はするな!」

 

 

温室にいるポケモン達を捕まえる目的かと思ってそう言ったが、ロケット団はポケモン達じゃなくプラターヌ博士に近づいて抱え上げる。

 

 

「安心するじゃーん」

 

「今回は博士をゲットするのが目的よ」

 

 

そう言って博士を荷台に積み込み引き上げの準備をする。それを幸か不幸か偶然やって来たシノン達が見ていた。

 

 

「アイツら・・・!」

 

「ロケット団!追い掛けなきゃ!」

 

「えっ!?ちょ、ちょっと・・・セレナ!ユリーカ!待って!」

 

 

トラックが出発する前に博士を助けようと走り出したセレナとユリーカを見てシノンは慌てる。

その場に少し戸惑った末にカイトを呼んでくるようにキュウコンにお願いして、自身も助けに向かった。荷台の鍵を開けて中に入り博士のロープを解こうと近づいた時、トラックが動いた振動で荷台の扉が閉まって鍵が再びかかってしまった。急いで開けようとするがトラックは4人を乗せたまま走り出してしまった。

ピンチになって焦り出すセレナとユリーカをシノンは落ち着かせ、キュウコンが必ずカイト達を連れて助けに来てくれると信じながら持っていたお菓子を見つめ、1つのモンスターボールを取り出した。

 

 

 

ところ変わって研究所の方では、キュウコンから事情を聞いたカイト達が出していたポケモン達を戻して急いで温室にやって来た。だが中には誰もいなく、次に外に出て行くと慌てているハリマロンを見つけた。

 

 

「リーマ!リマリマ!」

 

「そうか、分かったハリマロン。サトシ、シトロン!博士やシノン達はあのトラックに連れ去られた!」

 

「何だって!?」

 

 

ハリマロンの言葉を聞いて俺はすぐに2人に説明し、モンスターボールからプテラを出す。それに続いてサトシもヤヤコマを出す。2体に前方のトラックを追い掛けるように指示を出す。

ソフィーはジュンサーに連絡しに行くと言って研究所に戻った。

 

 

「コーン・・・」

 

「ガウッ!ガウガウ」

 

 

シノンの事を心配して不安な鳴き声を出すキュウコンをグラエナは優しく頬擦りして大丈夫だと安心させて、自分も後を追うために道路に鼻を近づけて臭いを嗅ぎ出す。

するとすぐに何かに気が付いて歩き出した。

 

 

「どうした、グラエナ?」

 

「何か見つけたのか?」

 

「ガウガウッ!」

 

 

前足で指差す所にいち早く気が付いたのはハリマロンで、すぐにそこに向かって何かを拾って見せてくれた。

 

 

「これは・・・マカロンとクッキーの欠片?」

 

「何で2つのお菓子が・・・」

 

「おそらくセレナとシノンが目印に撒いたんだろう。サーナイトのエスパー能力を使えば簡単だ。これを辿って行けば連れて行かれた場所が分かり、シノン達を助けに行ける!」

 

 

そう分かった瞬間俺達はすぐにマカロンとクッキーの欠片を探し始めた。これにもっとも適していたのはハリマロンで、食いしん坊の力を発揮して次々と欠片を食べながら見つける。その後に続いて俺達も走って追跡した。

欠片の後を追って続く道は街から離れて森の中へと変わり、段々人気の少ない道の方に出た。途中スクーターに乗ったリモーネとデンリュウに擦れ違ったが挨拶や説明する時間もなく、シトロンが走りながら大事件だと叫んだ。それを聞いてリモーネはスクーターのスピードを上げて走り出し、街の方に急いで行った。

そうして追跡を開始してから少し時間が経ち、欠片を嗅覚で探しながら拾い食いしていたハリマロンの足が止まった。それと同時にプテラとヤヤコマが空の上でずっと同じ所で旋回していた。

その下には例のトラックが廃棄された倉庫の近くで止まっていた。

 

 

「ヤーコヤコ!」

 

「プラー!プーラ!」

 

「あの中に皆と犯人がいるようだ。慎重に近づいて中の様子を探るぞ」

 

「ああ!」

 

 

俺達は音を立てず、慎重に歩いて倉庫に近づいた。そして穴が開いている外壁から中の様子を窺うとロープとイトマルの糸で体を縛られて座らされているシノン達と彼らを見つめるロケット団がいた。彼らはシノン達に話をした後、パソコンに何かを差し込んで打ち込み始めた。

 

 

「ロケット団の仕業だったのか・・・」

 

「何をしているのかは分からんが・・・あまり良い事ではないな」

 

 

遠くからでは良く見えないが、アイツらの事だからメカについての作業かもしれない。この時カイトを含めた全員がいつの間にか忍び込んでいたハリマロンに気付いていなかった。

 

 

「早く皆を助けないと・・・!」

 

「ピィカ!」

 

「落ち着けサトシ」

 

「ガウゥ」

 

「いきなり突入しても捕まるだけですよ。何か作戦を考えないと・・・」

 

「うん?待て・・・誰かいなくないか?」

 

「キュウ?ココーン!」

 

 

その時キュウコンが俺の足を突っついて慌てた表情で倉庫の中を差していた。それと同時に足元にいたはずの緑色のポケモンの姿がない事に気づいた。まさかと思いキュウコンの指差す方を見ようとした時、中から缶が倒れる音とロケット団やシノン達の驚く声が響いた。

全員の注目を浴びていたのはやっぱりハリマロンだった。

 

 

「ああっ!アイツ!?」

 

「最悪だ。何をやっているんだ!?」

 

「2人ともごめんなさい、作戦変更です。いきなりの突入だぁ!!」

 

 

自ら先頭に立って突入したシトロンの後に続いて俺とサトシも頷いて倉庫の中へ突入した。俺達が現れた事にシノン達は安堵の表情になり、ロケット団は一瞬動揺するがすぐに冷静さを取り戻して獲物のピカチュウとグラエナが来てくれた事に喜ぶ。

 

 

「あら、わざわざピカチュウの方から来てくれたわ」

 

「そして悪使いのグラエナもね」

 

「皆を返せ、ロケット団!」

 

「皆を返せ!っと言われたら!」

 

「黙っているのが常だけどさ!」

 

「「それでも答えて上げるが世の情け!」」

 

 

いつもの決め台詞を言い始めるロケット団を俺達は無視してシノン達を縛るロープと糸を解いて救出し始める。

 

 

「セレナ、大丈夫か?」

 

「ピカピカ」

 

「ええ!大丈夫よサトシ」

 

「シノン、怪我はないか?」

 

「ガウガウ」

 

「コンコーン」

 

「はい!大丈夫です兄様」

 

 

サトシとピカチュウはセレナ、カイトとキュウコンはシノン、グラエナはサーナイト、シトロンはユリーカとそれぞれ分担して助けた。ちなみにこの時、セレナとシノンは助けられる今の状況に心と頭の中が幸せで一杯だった。今自分の目の前にいる人が救いの王子様のように見えていた。その後3人を救出したカイト達は全員でプラターヌ博士のロープも解いて助け出した。

するとここで自分達が無視されて忘れられている事に気づいたロケット団が怒りの声を上げる。

 

 

「ちょっと!ちゃんと聞きなさいよね!」

 

「私達の決め台詞がーー!」

 

「真面目に言っているんだから最後まで聞けよ!」

 

「やっぱり長すぎるのでは・・・」

 

「まだ言っているのかニャ?それよりもメモリーのダウンロードが完了したニャ」

 

「よーし。それじゃ行くぞニャース!」

 

 

ロケット団の抗議の声も俺達は無視して脱出しようとするがそう簡単に事は進まない。

コジロウの声と共にニャースは布で覆われた大きなメカの中に入る。そしてコジロウはパソコンを操作して最終プログラミングを行う。

 

 

「さぁ、見るが良い!メガシンカの能力をプログラム化して取り込んだメガシンカより更に進化した・・・メガメガシンカを!」

 

「その名も!メガメガメガメカニャースよ!」

 

「・・・はい?」

 

 

今なんて言った?随分と長くて舌を噛みそうな感じの名前だな。まぁ、ロケット団にいた永久に名前を覚えられない奴よりマシか。

そう思っている間にも姿を現した巨大なメカニャースは鋭い鉄の3本爪が付いた両アームを前に出して、下半身のキャタピラーをゆっくり動かして前進する。このメカを見て科学者2名は感動の声を上げる。

 

 

「おお、マーベラス!なんて力強い!」

 

「敵ながらなかなかの発明品!ワクワクしますね!」

 

「もう!2人ともそんな感心している場合じゃないでしょう!?とり合えず急いで逃げるのよ!」

 

「このままだと押し潰されちゃいますよ!」

 

 

叫びながら走るセレナとサーナイトをボールに戻して冷静に状況を言うシノンの後を俺達も続いて倉庫の外に出る。しかしメカニャースは倉庫の壁を破壊しながらさらに追い掛けてくる。

途中最後尾を走っていたハリマロンが石に躓いて転び、両脇に持っていたバスケットを落として中身のマカロンとクッキーを散らかしてしまう。慌てて掻き集めている間にも背後からメカニャースが迫って来る。だが間一髪近くにいたシトロンが助け出して柱の陰に身を隠した。あれくらいならまず大きな怪我をしていないだろう。さて今度は俺達だ。

 

 

「ピカチュウ&グラエナ捕獲作戦、開始ニャ!」

 

 

メカニャースの左アームが真っ直ぐ俺達に向けて動いた瞬間、俺とサトシとシノンが先制攻撃を仕掛ける。

 

 

「ピカチュウ!10万ボルト!」

 

「グラエナ!悪の波動!」

 

「キュウコン!火炎放射!」

 

「ピカッチュウ!」

 

「グーラ!」

 

「コーン!」

 

 

3匹の放った攻撃はメカの額にある小判に全て吸収されて、そのまま跳ね返ってきた。そして自身の放った攻撃をまともに浴びてその場に倒れてしまう。

 

 

「残念。このメカにはお前達の攻撃なんて効かないのさ」

 

「今よニャース。ピカチュウを捕まえちゃいなさい!」

 

「グラエナとキュウコンも忘れないように」

 

「分かったニャ!待っていて下さいサカキ様ーー!」

 

 

メカニャースは最初とは違って素早い動きで3匹に迫り、アームを勢いよく叩きつける。

 

 

「ピカチュウ!」

 

「グラエナ!」

 

「キュウコン!」

 

 

俺達は動けない大切な相棒を抱えてそれぞれ左右に別れて逃げるが、左側に逃げたサトシが躓いて転んでしまう。それを見てチャンスと思ったメカニャースのアームがサトシとピカチュウに向かう。助けようとするが間に合わず誰もが捕まると思った時、アームは2人に届く手前で突然止まって動かなくなった。ロケット団はそれを見て戸惑う。

そこにメカに繋いであったコンセントが抜いて持って来たシトロンとハリマロンが現れた。どうやら電力が断たれたせいでメカニャースは動かなくなったようだ。

 

 

「コジロウ!どうなっているのニャ!?」

 

「サブ電源を入れろ!」

 

「分かったニャ!補助電源オン!」

 

 

ニャースはすぐにメカの内部に備えてあった補助電源を入れるとメカは再び動き出した。シンオウ地方であった時より進歩しているな。それと同時にシトロンは俺達に合流する。

 

 

「敵ながら抜かりありませんね!」

 

「リマリマ!」

 

 

足元にいたハリマロンがシトロンに強く訴えるように鳴く。その瞳は熱い闘志を込めていた。

 

 

「僕も戦いたと言っているぞ、シトロン」

 

「分かりました。ハリマロン、ミサイル針です!」

 

「リィマアアアァ!!」

 

 

シトロンの指示でハリマロンは頭の棘を固くさせて『ミサイル針』をメカニャースに飛ばす。

しかしメカニャースはまったく傷を受けていない。今度は『体当たり』で攻撃するが、ハリマロンは弾かれてビクともしなかった。

 

 

「だったら全員で同時攻撃だ。グラエナ、噛み砕く!」

 

「キュウコン、アイアンテールよ!」

 

「ピカチュウ、電光石火だ!」

 

 

4匹が横一列に並んで同時に同じ部分を攻撃するが、メカニャースは少しぐらついただけで対して効かなかった。

 

 

「今のニャーには4体でかかって来ても勝てないのニャ!」

 

 

ニャースの高笑いを聞いて4匹は悔しい表情になる。その時どこからか赤とオレンジが合わさった光り輝く炎を纏ったポケモンが上空から突撃してメカニャースに強烈な一撃を与えた。ポケモンは近くの木の枝に着地する。

それはガブリアス事件の時にサトシを助けたメガバシャーモだった。そして隣にはバシャーモの仮面を付けたトレーナーがいた。

 

 

「あの時の・・・!?」

 

「メガバシャーモ・・・何故此処に!?」

 

 

彼らの登場にロケット団を含めた全員が驚いていた。

 

 

「火炎放射だ!」

 

「バシャァ!」

 

 

メガバシャーモの放った『火炎放射』はメカニャースを1発で黒焦げにし、アームと外壁をボロボロに破壊した。

 

 

「どういう事よ!?」

 

「同じメガシンカ同士のはずなのに・・・」

 

「たった1発でこれ程のダメージを受けるとは!?」

 

「ま、マズイんじゃないのかじゃーん」

 

 

メガバシャーモの圧倒的なパワーとメカニャースの受けたダメージを見て、ロケット団は先程までとは変わって弱気になる。この隙を俺は見逃さなかった。

 

 

「全員、一気にあの内部を攻撃するぞ!」

 

 

そう言ってグラエナ達は一斉に攻撃する。『悪の波動』、『火炎放射』、『エレキボール』、『ミサイル針』が連続で内部にあった動力源に命中する。そして動力源は嫌な音と一緒に大爆発した。

 

 

「「「「「やなカンジーーー!!」」」」」

 

「ソォーナンス!!」

 

 

近くにいたロケット団は爆発に巻き込まれて、いつものように空の彼方へ飛んで消えていった。

ロケット団を追い払う事ができて喜ぶサトシとシトロンを笑って見た後、静かに振り返る。メガバシャーモとトレーナーは用が済んだ事で何処かに姿を消してしまった。

 

 

「ありがとう、メガバシャーモ」

 

 

サトシは彼らの消えた方向に向かってお礼を言った。シトロンは疲れて足元がふらついているハリマロンを褒めながら安全な場所に置いていたマカロンとクッキーが入ったバスケットを持って来て見せる。

 

 

「さあ、ハリマロン。大仕事をした後はこれでしょう?大好きなお菓子ですよ」

 

「リマァ!」

 

 

シトロンが差し出したマカロンとクッキーをハリマロンは喜んで受け取り、食べようとした寸前で止める。そして受け取ったマカロンをシトロンに差し出した。食い意地が張ったハリマロンだけに全員が驚く。

 

 

「リマリマ、ハローン!」

 

 

それからハリマロンは俺達にもお菓子を配り始めた。友情の証か・・・美味しいお菓子だ。まぁ、配り終えた時にシトロンがハリマロンの分がなくなると冗談を言って慌てて自分の分を確保する光景は面白かった。そして全員が研究所に帰って来た時は夕方だった。

 

 

「今日は本当にありがとう。サトシ君達のおかげで助かったよ」

 

「いえ。でも・・・また研究所壊れちゃいましたね」

 

「大丈夫。今度君達が来る頃までには直しておくよ」

 

 

トラックにより壊された研究所の壁や温室を見てサトシは心配して言うが、プラターヌ博士は次来る時までに直すから大丈夫だと言った。

それを聞いて安心した俺達はまたやって来ると言って出発しようとした時、ユリーカが何かに気付いてシトロンに言う。

 

 

「ねぇ、お兄ちゃん」

 

「どうした?ユリーカ」

 

「さっきからあの子が、こっち見ているよ」

 

 

ユリーカが指差す近くの茂みには、隠れてじっとシトロンを見つめるハリマロンがいた。シトロンがお別れのお礼を言うとハリマロンはシトロンの前に出て鳴き声を出す。

ふ~ん・・・そう言う事か。

 

 

「博士、ハリマロンはやっぱり・・・」

 

「うん、シトロン君。ハリマロンは君と旅をしたがっているみたいだ。君といい、サトシ君やカイト君といい・・・不思議な子達だ」

 

 

うん?何故俺とサトシも引き出されたんだ?そう思っている間に博士の言葉を聞いて驚くシトロンの服をユリーカが引っ張って言った。

 

 

「お兄ちゃん!あたしもハリマロンと旅したい!ねっ?ねっ?」

 

「・・・プラターヌ博士、ハリマロンを連れて行ってもいいでしょうか?」

 

「勿論だよ。ハリマロンがそう望んでいるからね。これがハリマロンのモンスターボールだよ」

 

 

予想していた博士はすぐにシトロンにモンスターボールを渡した。そしてシトロンはハリマロンに一緒に行くかを尋ね、ハリマロンは嬉しそうに笑いながら『よろしく!』と言った。そしてシトロンはハリマロンをボールに戻し、手持ちに加えた。

 

 

「科学が輝くイッツ・ア・グレートサクセス!ハリマロン、ゲットです!」

 

「ハリマロン、キープです!」

 

 

新たな仲間にシトロンとユリーカは喜んで歓迎したのだった。

そして俺達はショウヨウシティに向かって旅に出発した。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。