亡霊後の話の流れを作り、生前の話に戻ることにしました。
もう、割り切りです。いえ、開き直りです!!
幽々子「ねえ、妖夢。桜が綺麗ね」
妖夢「ええ、見事な桜ですね」
幽々子「桜をね。見ていると、すごく何かがひっかかるの」
妖夢「幽々子様・・・」
白玉楼の主
西行寺幽々子
死を操る程度の能力を持ち、死へと誘う者。
二度目の恋など、してはいけなかった。
幽々子「ねえ、紫。彼は誰なの? すごく、懐かしい気がする」
紫「懐かしいも何も、彼は彼よ。ただ、ここに迷い込んだ。それだけよ」
記憶を失くしても、心のどこかに刻まれた想いは僅かに残った。
幽々子「彼を見ていると、疼くこの感覚はなんなのかしら? どうして気になるのかしら」
その想いはゆっくり、着実に膨らんでいく。
自分を抑えきれなくなるくらいに。
幽々子「彼が他の女の子とお話していると、胸が酷く痛むの。私の方に顔を向けてくれるだけで胸が高鳴るの。この気持ちはなんなの?」
紫「幽々子・・・あなた(同じ人に)」
幽々子「妖夢、私・・・。あの人を慕っているわ」
妖夢「幽々子様・・・。慕ってはいけないと言いました。なのに何故!」
幽々子「微かに予感はしていたの。けれど、私の心が帰したくないと言ったの」
妖夢「けれど、彼は帰すべきです。彼は生きているんですよ!!」
幽々子「妖夢・・・この気持ちに区切りをつけるから、もう少しだけ待ってね」
もう少しだけ、彼のいる生活を望む。
その気持ちに区切りをつける為に。
彼を死へと誘わないために。
ただ、心は言うことを聞かない。
生前に抱いた想い、記憶にない想いがどうしようもなく燻る。
ただ、時はこくこくと刻まれていく。
妖夢「幽々子様。彼を元の世界に帰します」
幽々子「妖夢。もう少し待って」
妖夢「幽々子様。その言葉は・・・」
すでに何回か繰り返された言葉。
妖夢「彼は生きています。幽々子様と同じ時は歩めません」
幽々子「分かってはいるのよ。けど、歩んでいきたいの」
妖夢「・・・必ず。必ず、幽々子様が悲しむ時がやってきます。・・・・・・もっと早く、彼を帰すべきでした。例え、幽々子様に恨まれたとしても」
あの方を帰す。
長い年月を悲しませるくらいなら、恨まれた方がいい。
従者として、主を正しい方へ導く義務がある。
だから、無理やりでも帰す。
妖夢「・・・様、元の世界に送らせて頂きます」
○○「急にどうしたんだ?」
妖夢「どうもしません。ただ送りに来たのです」
彼を追い出すように刀を構える。
主の為に・・・。
殺気を込めて、目の前の彼を見据える。
妖夢「本当は、もっと早くにこうするべきでした、主を悲しませない為に」
従者としての務めを果たす。
刀を払う。外へと弾くために。
妖夢「抵抗はしないで下さい。幽々子様の為です」
記憶にはないけれど、確かに刻まれた想い。
なぜ、伝えられないのか?
伝えると相手を幸せに出来ないから。
だから、この気持ちは胸の中に秘めたまま。
あなたの幸せを願っています。
次からは、簡単に生前の話を何回かに分けて。
彼らには運命の波に乗ってもらいます。
こう書くと、まるで嫌なやつだな私は・・・。
幸せになるなら、いいかなと割り切ります。