相変わらず文体がよくかわる
私がこの●●に来てから疑問に思っていた事がある
"●●鎮守府で一番強いのは誰なのか"
気になってはいたが恥ずかしくて訊けなかった
私は意を決して詳しそうな人に聴いてみた
機械を組み立てる白衣を着た少女の肩を叩く
「ねぇねぇ、博士」
「どうしたんだ?清霜、突然やってきて」
「前から気になってたんだけど...」
「なんだ?このプロフェッサー・アキハに分かる事なら何でも教えてやるぞ」
「●●鎮守府で一番強いのって誰?やっぱり不知火?ヒメさん?」
「ふむ、そんな事か」
「艦娘に限った話ならヒカリかタチバナだな」
「ええ!嘘!輸送船じゃん!」
「ヒカリはコンテナに砲を積み込んで攻撃しているぞ」
「それに艦娘は人型をとっている、普通の船のとは違う」
「確かに海の上での撃ち合いは他に及ばないかもしれないが...」
「人型を活かした中距離、近距離戦闘では艦娘トップだ」
「へぇ~、そう言えば不知火もそうだ」
「でも●●最強ではない」
「え?いま一番って...」
「”艦娘に限って”の話だ」
「あ、そうだった」
「それじゃあミリ姫のルーデルさんとか?」
「いや、モノだ」
「モノってあの何時も何処かに隠れてる子?」
「ああ、あれでも最年長だ」
「本当に?司令官かヒメさんが最年長だと思ってた」
「それに強いって言われてもモノが戦ってるの見たことないし...」
「どう強いの?」
「まず、なんでも知識を吸収できる所だ、本人にやる気が無いから皆気付かないが...」
「へぇ~、」
「あと戦闘経験も豊富だ、過酷な戦いに身を投じていたらしいぞ」
「あの性格はその時のトラウマのせいかもしれないな」
「全然想像できないや...」
博士が私の前に紅茶を出し、蜂蜜を溶かした
「モノについてはヒカリの方が詳しい、詳しくはあとで聞いてくれ」
「奴の一番の強みは類い稀な才能で手に入れた技術だな」
「それなりにやる気がある時は恐ろしく強いらしいぞ、ヒカリが言っていた」
「博士は見たことないの?」
「無い、不知火や浜風を投げ飛ばすのは見たことあるが...」
「不思議な技術、魔導力学的な物らしいが、それは見たことないな」
「投げ飛ばすってなにがあったの?」
「逃げようとした所を取り押さえようとしたらしいぞ」
「なんだかなぁ、」
「結局は司令官に捕まったらしい」
「ん?それじゃあ一番は司令官なんじゃないの?」
「司令官から必要とされてるのか確かめる為に逃げてるらしい」
「本人から聞いたとヒカリが言っていた」
「またヒカリさんかぁ...」
「てゆうか、モノって甘えん坊?」
「どっちかと言えば依存じゃないか?天涯孤独で司令官に拾われたと―」
博士の言葉を遮る
「”ヒカリが言っていた”でしょ?」
「いや、トルニに教えられた」
「あら、違ったか」
「でも天涯孤独かぁ、それなら甘えるのもしょうがないのかなぁ?」
「●●にはそういった事情を持つものが多い、あんまり探るんじゃないぞ。」
「うん、わかった。」
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どれくらい話込んでいたのか、いつのまにか日が傾いていた
ティーカップも何度目かの空っぽだ
「ねぇ、モノって普段どこにいるの?」
「む、話が戻ったな」
「なんだか少し気になっちゃって...」
「奴は普段、暗くて狭い場所にいる」
「なにその小動物の生態みたいな言い方」
ちょっと笑ってしまう
「真面目な話、奴は執務室の机下か司令官の私室によく隠れている、統計学的事実だ」
「やっぱりそれだけ依存しているという事なんだろうな」
「まるでストーカーじゃん...」
「あとはベットの下とか...」
「こわっ...」
「ここだけの話、司令官と付き合ってる噂もある」
「え!ホントっ!?」
「私にその事実は解らんさ」
「それでそれは誰から聞いたの?」
「ベーから聞いた、ベーはユタノから聞いたらしい」
「ユタノは誰から聞いたの?」
「わからん」
「えぇ..なにそれ~」
「噂なんてその程度のものだ」
「あとさ、まだ聞きたい事があるんだけど...」
「なんだ?言ってみるといい」
「えっと、艤装のことなんだけど――」
モノまだ本人の出番ないじゃん...