骸の島(艦これ二次創作)   作:トウトウ@脳缶

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北上-5 川内

今日私は××鎮守府にいた、目的は病気の経過報告だ

今現在はそれどころではないが...

 

いま××鎮守府には夥しい数の深海棲艦が駆け回っていた

そのどれも深海魚を想わせる獣じみた姿をして赤いボヤを纏った新型だった

知性の欠片も感じられない歪な大軍はその数と巨体で防衛網を突き破り

私のいる××鎮守府に殺到したのである

 

私はブルーノという陸軍に手を引かれていた

「どこに向かってるのさ!」

「いいから、いいから!おっと!」

 

爆発が起き、壁に大穴が開くと口から連装砲を覗かした怪物が飛び込んで来た

歪な怪物が此方に向く

 

「これ···まずくない?」

「伏せて!」

 

連装砲から発火炎が発される

ブルーノが川内を押し倒すと砲弾がブルーノをかする

その砲弾は後方で炸裂し、壁を抉り飛ばす

 

川内を放しブルーノが怪物に駆け寄る

怪物が天井に当たる程立ち上がり、走るブルーノに連装砲を向ける

ブルーノの砲から煙が上がる

口の中を傷付けられ怪物が仰け反る

 

「行くよ!川内ちゃん!」

 

仰け反る怪物の脇をブルーノに引っ張られ過ぎていく

怪物が直り後ろから此方を見た

 

眼が合った、気がした

 

「うげ、大丈夫なの?」

「たぶんね!スピードを落としちゃダメよー!」

 

怪物が口を閉じると此方に走り出した

 

「ひぃーッ!」

「曲がるよ!準備してッ!」

 

目の前には曲がり角が、後ろには怪物のくねる爪が迫っている

ブルーノが川内を掴み、一切の減速をすることなく壁に跳ね返って角を曲がる

壁に怪物が激突、粉砕し突き抜けていく

 

「危なぁ!」

「アイツが戻ってくる前に行くよ!」

 

砲哮と屍の中、崩れた道を進む

「有った!」

ブルーノが砲弾で一つの扉を吹き飛ばす

 

「工厰!」

さっきまで扉があった穴からは見覚えのある姿と声が見えた

「ブルーノさん!気を付けろよ!」

「あれ!?ヒカリちゃん!?なんで!」

「いいから来い!」

 

川内が工厰に引き込まれる

「早くこれ着けろ!後ろから付いてきてるぞ!」

ヒカリが艦装を川内に投げる

「嘘ぉ!しつこい男は、キライッ!」

ブルーノが振り返り、怪物の前足を打つ

怪物の鉤爪が砕け、転ぶ

川内が怪物に砲弾を浴びせる

至近距離の攻撃を受け、巨大な深海悽艦の心肺活動は即座に停止した

 

「おっ動いた、なんで私の艤装が...」

「同型の奴を弄ったんだ、もう要らないだろうからな」

 

ヒカリが親指を立て、側に転がる川内型の艦娘を指差した

「神通!ちょっと、大丈夫なの!?」

「息はしてるよ、ここに置いといたら深海連中の餌食だろうな」

「ど、どうしよう...」

「そんなに心配ならアタシが連れてく、今は戦えないしな」

「ヒカリちゃんは大丈夫なの!?」

 

川内の手をブルーノが引く

「いいからいくよ!川内ちゃん!」

「行くって何処に!?」

「ここから逃げるの!」

「逃げるって!?皆戦ってるのに!私は残るよ!」

「貴女はここに居ちゃダメ!アイツらは貴女を狙ってるの!」

「はぁ!?なにそれ!どういうこと!」

 

「心当たりあるでしょ!」

「確かに...」

 

辺りでは黒い異形と艦娘達が混じりあい戦っている

二人は怒号と轟音の飛び交う戦渦に入っていく

 

蜥蜴や猿のような深海悽艦が対峙していた艦娘を噛み殺し、こちらに向かって来た

「来たよッ!」

 

敵が飛び上がり、鋭い牙の並んだ口を開ける

二人の砲撃がその異形の頭を砕く

それを皮切りに四方から深海悽艦が寄って来た

跳ねるように駆ける深海悽艦達を射ち払う

「海から離れるよ!」

「合点承知ッ!」

飛び付く山椒魚じみた海獣を蹴り飛ばすと駆け出した

「さぁさぁ!私はここよー!」

走る川内を見た怪物の群れが二人を追い掛け始めた

怪物達が口を開き、二人の周囲に砲弾が降り注ぎ始める

「ひ~、気を付けてー!」

「言われなくても解ってるってば!うわっ!」

 

二人は煙と炎の中を通り抜けていく

ブルーノが近寄る異形を撃ちながら言う

「ジープ!ジープ乗ろ!あそこ!」

「いいけど私、運転できないよ!」

「ブルーノさんにおまかせっ!さぁ乗って!」

 

二人がなんとか動きそうな車に乗り込み走り出す

川内が振り返ると遠ざかる怪物達の中から未熟な羽をばたつかせる怪物が飛び出して来た、

 

「飛んでる!?ブルーノさん、速いのが居るよ!」

「数は?」

「1、2、3···5!5匹いる!」

「オッケー!それ!」

ブルーノが何かを後ろに投げる

それが追跡者の一体にぶつかると爆発が起き

追跡者の一体が炎に包まれ地に落ちた

「まだ4匹居る!」

 

追跡者の一体が速度を上げ向かって来た

「ブルーノさん!来るよ!」

「了解!任せて!」

ブルーノがブレーキに足を乗せ、急ブレーキをかける

「ひやぁ!」

急停止した車に速度を上げた追跡者に激突し、車の前方に転げ落ちた

「うわ!」

川内の声の直後、他の三匹が脇を通り過ぎ、砲を突き出した立ち塞がる

転げ落ちた追跡者が立とうとするとブルーノがアクセルに足をかける

 

「さぁ、口を閉じて!」

「わかった!」

「じゃあ行くよ!」

 

”Let’s Go!”

 

急激に加速した車体が地に伏せる敵の頭を潰して跳びあがる

ブルーノがハンドルを離し、車を躱わそうとした正面の敵を射つ

砲撃で傾いた敵に車が乗り上げる

「川内ちゃん右!

川内が右に砲を向けて射つ

右側に居た敵の羽が掠め取られ、景色と共に流されていく

左から炸裂音が響くと車を載せた深海悽艦の腹に穴が開いた

車は異形の傷口を地面に擦り付けながら着地する

「あと一匹!任せて!」

 

川内が魚雷を引き抜き口を開けた深海悽艦の口に投げ込んだ

口から突き出した砲口に魚雷が突き刺さると深海悽艦の頭が爆ぜ、

瞬時に遠ざかっていった

「やりぃ!」

ブルーノが指を鳴らして車を止める

 

「これで退いてくれるいいけど」

「目当ての相手が居ないんだから大丈夫だって!」

「本当?」

「聞いてみたら?」

「そうだね...げっ」

「なに?」

「通信装置壊れてるんだけど...」

「ケータイ使う?」

「流石ブルーノさん、でも誰に電話したらいいのさ」

「大井ちゃんの番号なら解るけど...」

「ホント?じゃあお願い」

 

_______

 

pipipi pipipi

 

"もしもーし?"

「もしもし●●のピンク...じゃない...誰かしら貴女...」

"えっと...大井さん?××の..."

「そうよ」

"私は△△の川内"

「英雄さんが私に何かしら...こっちは片付けで忙しいの」

"片付け...敵は退いたの!?"

「うるさい!見たら判るでしょ!切るわよ!」

”待って!待って!”

「なによ」

”神通は!?大丈夫なの!?”

「ええ?神通ならさっき治療テントで見たわよ」

"大丈夫なの!?"

「大丈夫だと思うわ、後は自分で見に行きなさい」

"ありがとね!!"

 

ガチャ ツーツーツー

 

「なんだったのかしら...ん?」

「北上さん!北上さーん!私は無事です!ココでーす!」

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