骸の島、そんな噂も有ったが今は時の流れと共に聞かなくなった
寝る前の私はふとそんなことを考えた
結局、噂の正体は骸の島は私が行った黒い島の事のだったのだろうか
それとも根も葉もない噂だったのだろうか
それとも私の知らない根が何処かにあるのだろうか···
一度は忘れたはずの言葉に出来ない不安のような物がこみ上げてきた
私は後悔した、私は寝付けなくなった
私はケータイの電源を付け、イヤホンをケータイと耳に繋ぐ
テキトーな音楽でも聴けば眠くなるだろう
·
··
···
いったいどれ程の時間がたったのだろうか
寝れない、ケータイの中に入っている中で比較的穏やかな音楽を流したが駄目だ
どれだけの時間が経過したかを確めようとケータイの液晶を見た
音楽を流しはじめて2時間が経過しているようだ
液晶の光が目に痛い
こうゆう時はなにもせず横になっているのが一番だ
どうしてあんな馬鹿な事をしていたのだろう
目の前には闇が広がっている
暗い闇だ、うっすらと棚や電球の形がボンヤリ浮かんでいる
なんだかすこしこわくなった、私は後悔している
私は立ち上がると電気を付け、光を弱く調整して布団を被り直した
よし。
目を瞑ったら結局真っ暗じゃないか...
...
......
.........
.....
私は歩いていた
ドス黒い軟泥の上を歩いていた
隣には誰かが居た
泥の中には腐った死肉が埋もれ、静寂と死臭が立ち昇っていた
視線の先には水平線か地平線かも判らない光
周囲には黒く錆びた鉄屑の墓標が突き刺さっている
私は冷静だった、私は恐怖していた
日差しが差し、星が昇っていく、私は歩いていた
私は不思議な程に静かだった、私は振り返った
隣を歩いた誰かはいつの間にか歩くのを辞めていた
誰かは不自然な逆光に隠されていた
その影を何処かで視たことのある気がした
気付かぬ内に私は立ち止まっていた
何故歩くのを辞めたのか
いや、何故歩いていたのか、私には解らなかった
此所はどこだ?
どうして此所にいる?
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私は目を醒ました
とてつもなく目が休まっていない
眠気はするのに嫌になるほど目が冴えている
ケータイの液晶に目を移す
かなり早く目覚めたらしい
夢を見た気がする
多分よくない夢だ、間違いない
私は寒い程の汗を掻いているのだから
この時間では食堂も開いてないだろう
とりあえず眠気を取るためにうつ伏せになって目を瞑る
寝ているのか覚めているのか判らない知覚の中、どれ程同じ態勢を保っていただろう
急に歌い出したケータイの着信音で意識が覚めに傾く
ケータイを手に取り通話に出る
相手は●●の利根だった
眠気のせいか、体を動かしていなかったせいか音が揺れている気がする
《スマンのぉ夕張、ちょっと時間を教えてくれんか》
「じかん...」
時計に目をやる、4時52分
「えっと...朝の4時52分です」
《ぬっ、もうそんな時間か!スマンなぁ、そんな早くに》
「あ、いえ...私、起きてましたから...」
《そうなのか?寝ないと力が出ないぞ!》
「き、きをつけます...」
《うむ、そうじゃ。今日も●●に来るのであろう?》
「はい、行こうと思ってます」
《それなら、何処かで我輩の工厰に寄ってくれ》
「?分かりました」
《待っておるぞ~》
通話が切れる
時計に再び目をやるが時計は余り進んでいない
私の目は完全に冴え、頭もすこしスッキリしてきた
いまから横になるのも勿体ない気がする
私は机に出しっぱなしにされた書きかけの設計図の前に座り
図書館で書いたメモを開き、目覚まし時計をセットした
食堂が開くまでこれを進めよう
きっと気も紛れるだろう
前程、<骸の島>はでしゃばって来ない
私は買いだめのショウガウエハースを一つ口に運んだ
からい、喉が渇いた